WAT2010

ノルウェーの『アングリーマン』とDVを乗り越える親子支援:アニメーションができること考

家庭内暴力で命を落とす子どもたちを思うと、やるせない気持ちになります。
人生を自分らしく全うするために生まれてきたはずなのに、親の手で殺されるとは、さぞ無念だったろうに。

プラネタリウムアニメーション『おおきなぞうとあっちゃんの星』の感想で、「親の虐待で命を落とした子どもたちも、願いが叶うよう、星を見上げていたのかと思うと、胸が熱くなった」と、感傷的に述べたので、現実はそんなもんじゃないと反感を持った方もいるでしょう。

WAT-世界のアニメーションシアター2011で上映させてもらった、ノルウェーの短編アニメーション映画『アングリーマン〜怒る男〜』。
アニータ・キリ監督は「本作は心理療法と啓発教育の両面で機能してほしいと考えると共に、人々の心を突き動かすような芸術性も兼ね備えた映画にしたいと考えました。暴力は家庭内の秘密にしておいてはいけない、「誰かに話してごらん」という重要なメッセージを伝えることをわたしは重視しました」と語っていました>>

数年前、わたしも幼い友だちを喪いました。近所の公園の掃除を手伝ってくれたし、いっしょに遊んだ男の子でした。
母親も一生懸命に子育てしている様子だったし、周りの人たちも気にかけていたのに、小学校に上がる前年、母親とそのパートナーの手で殺されてしまった。親たちの未熟さを感じました。
わたしも男の子を救えない、無力な大人でした。

『アングリーマン〜怒る男〜』では、子どもが助けを求め、暴力を振るう父親と別に暮らすようになります。平行して、父親は教育プログラムを受け、自分の感情をコントロールできるよう、少しずつ成長するというエンディングでした。

DV殺人の報道では、子どもを親元に戻した児童相談所や行政の対応の手落ちが指弾されますが、親子を引き離すだけでは不十分なようです。
自制できない親の心を正さなければ、加害者を精神的に成長させねば、DVはなくならない。それどころか、DVの世代間連鎖も続く。
実際、現場の方々は「保護者支援」でも不断の努力をされている。

厚生労働省の平成29年度(2017年度)子ども・子育て支援推進調査研究事業で、「保護者支援プログラムの充実に関する調査研究」もなされています。
厚生労働省 平成29年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業

名古屋大学ハラスメント相談センターの千賀則史さんは児童・障害者相談センターでの勤務経験を踏まえ、家族再統合に向けた心理的支援を提言されています。
子ども虐待 家族再統合に向けた心理的支援 児童相談所の現場実践からのモデル構築(千賀則史著、明石書店)

感傷的なだけでなく、子どもを救おうと奮闘する方々とアニメーションの現場が共に取り組めば、子ども支援、そしてDVをしてしまう親への支援にもアニメーションを役立てられるのではないかと思うのです。
アニメーテッドラーニングも出番はありそうです。

アニメーション映画「パパ、ママをぶたないで!」>>

絵本「パパと怒り鬼 ―話してごらん、だれかに―」>>


アレクサンドル・ペトロフ監督の紹介

alex_01アレクサンドル・ペトロフ(Alexander Petrov)

1957年、ロシア(旧ソビエト連邦)のロスラーヴリ州プレチーストエ村の農家に生まれる。
1961年、一家でヤロスラーヴリ(Yaroslavl)に移り、ヤロスラーヴリ芸術学校(Jaroslawl Art Institute)で絵画を学ぶ。
1977年、モスクワのロシア国立映画大学(Vsesoyouzny Gosoudarstvenni Institut Kinematographiy - VGIK)に入学。

1981年にアートディレクターとして映画界に入った。ユーリ・ノルシュティンらに師事した後、1989年に『雌牛』(The Cow)を発表。
『雌牛』は、1990年の米アカデミー賞(オスカー)にノミネートされ国際的に注目を浴びたのを始めとして、第3回広島国際アニメーションフェスティバルグランプリのほか、バルナ(ブルガリア)、オタワ(カナダ)のアニメーションフェスティバル、ベルリン映画祭にて受賞。

その後、ヤロスラーヴリにパノラマ・アニメーション・フィルム・スタジオ(Panorama Animation Film Studio)を設立し、2作目『おかしな人間の夢』(The Dream of a Ridiculous Man)を1992年に発表。1994年にかけてアヌシー(フランス)、オタワ、タンペレ(フィンランド)、エスピノ(ポルトガル)、ビラコンデ(ポルトガル)、広島など、世界各地のアニメーションフェスティバルで数々の賞を受賞。

『水の精 -マーメイド-』(The Mermaid)は、1998年の米アカデミー賞(オスカー)に2度目のノミネートをされた他、シンアニマ97のグランプリ、広島国際アニメーションフェスティバル広島賞等々を受賞。
そして2000年3月、本作『老人と海』により短編アニメーション部門にて第72回米アカデミー賞(オスカー)受賞。
最近は、2001年のコカコーラ社のクリスマス用の30秒テレビコマーシャル(Classic-Sundblom)を制作した後、連句アニメ『冬の日』に参加している。

2006年、イワン・シメリョフ原作の『My Love』春のめざめ)を発表し、米アカデミー賞にノミネートされた。広島国際アニメーションフェスティバルにて観客賞と国際審査特別賞を受賞。ジブリ配給作品として2007年3月公開され話題となる。
Old Man and Sea1
ペトロフは、この『老人と海』で初めて商業映画に取り組む。
しかも70mm大型映像の巨大なスクリーンへの挑戦となった。彼の手法は、通常のセルアニメとは大きく異なり、描いて、撮影し、消して、また描いて、撮影する。単純で孤独で、緻密な作業が繰り返される。作画がスタートしたらそのシーンが終了するまでは途中での失敗や描き直しは不可能となる。彼のアニメでは、そのシーンの最後のフレームの状態でしか原画が残らない。原始的なスタイルから生み出される極めて独創的な表現力と繊細で豊かなアニメの世界は見る人々に深い感動を与えている。

Pascal Blais StudioのHP>>http://www.pascalblais.com/

作品の紹介Old Man and Sea3
老人と海
仏題 Le Vielle homme et la mer
英題 The Old Man and the Sea
1999年、23分
ドローイングアニメーション
日本語版

◆監督:Alexander Petrov
◆声の出演:三國連太郎、松田洋治
◆プロデューサー:Beranard Lajoie (Pascal Blais Studio)、島村達夫(IMAGICA)
◆国際共同制作:PRODUCTIONS PASCAL BLAIS(カナダ)、PANORAMAANIMATION FILM STUDIO of YAROSLAV(ロシア)、IMAGICA、NHKエンタープライズ21、電通テック(以上、日本)

ヘミングウェイの「老人と海」を油絵が動いているような、ぬくもりのある映像を得意とするロシアのアニメーション作家アレクサンドル・ペトロフが4年以上かけてアニメーション化した不朽の名作。
ガラス板に指を使って描く絵画アニメーションがコンピューター制御による、当時最先端の制作システムでテニスコート2面ほどある巨大スクリーンに再現された。ペトロフにとって本作ははじめての商業映画となり、第72回アカデミー賞短編アニメーション部門を受賞(2000年)。
日本、カナダそしてロシアの国際共同制作の輝かしい金字塔となった本作を、CAF11ケベック特集では日加共同制作の継承者への激励として再演する。本作はアニメーションの第1 部「老人と海」(23分)と、エリック・カーネル監督のドキュメンタリー、第2部「ヘミングウェイ・ポートレイト」(17分)の2部構成だが、今回はアニメーションを上映。

◆あらすじOld Man and Sea2
・・・ひとりの老漁師がいた。すでに一匹も魚が釣れない日が84日続いていた。最初の40日は近くに住む少年、マノーリンが一緒だった。あとの44日、少年は別の舟に移り、老人は1人海に漕ぎ出ていた。85日目に老人はこれまで行ったことのない、遠い海に漕ぎ出て行った。昼ごろに一匹の巨大なカジキが餌に掛かり、老人は魚に曳かれるままに北西に向かう。日が沈み、夜になっても魚は力を休めることもなく舟を曳き続ける。

老人はもてる力を振り絞り、知る限りの英知と技を駆使して、魚との戦いを続ける。夜が明け、昼になって初めて魚は浮かび上がり、姿を見せる。ふたたび日が沈み、夜になり魚は舟の周囲を輪を描きだし、ついに老人は銛を打ち込み、戦いを終える。老人は魚を舟に縛りつけ、帰途につく。しかし新たな戦いは鮫の出現によって始まる。昼に始まった戦いは夜まで続き、魚は頭と骨だけの屍となる。かくして疲労困憊の末、老人は港に辿りつき、家路に向かう。翌朝、少年が小屋を訪ね、愛する老人の帰還を知る。

◇ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパンからDVD作品集が発売されている。
  老人と海
  アレクサンドル・ペトロフ作品集


◆WAT 2010/CAF 11に出品した、カナダの制作会社Pascal Blais Studio(パスカル・ブレ・スタジオ)について>>

ここに掲載するすべての画像(C)IMAGICA TV / NHK Enterprises / DENTSU TEC
なお、ペトロフ監督の経歴、作品紹介は株式会社IMAGICA TV作成資料を参考にした。

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WAT2010 CAF11 ケベック編

『トレイン・ボンビング』の4監督の紹介

ボディ・イェンムリナー(Bodie Jahn-Mulliner)
Bodie Jahn-Mulliner2D/3Dアニメーションのアニメーター、監督、アニメーション監督、ストーリーボーダー、モデラー/リギング/スキナー、コンセプトアーティスト、キャラクターデザイナー。
デンマークのヴィボー(Viborg)のThe Animation Workshop(アニメーション・ワークショップ)のキャラクターアニメーション学科卒業(学士)。『Train Bombing(トレイン・ボンビング)』が卒業制作。3Dパイプラインの構築と管理をおこなった。
Det Danske Akademi for Digital, Interaktiv Underholdning(デンマーク国立ディジタル・インタラクティブ・エンタテインメント・アカデミー)で、ゲームのキャラクター開発やセットアップ、アニメーションを学ぶ。
Den Danske Filmskole(デンマーク国立映画学校)の卒業制作として『Days on the shore』を制作。
カンパニーロゴ、本のイラスト、クレイアニメーションのモデリングなどを受注する一方、盟友のシルベスター・リスホイ・イエンセン(Sylvester Rishoej Jensen)と独立系のゲーム開発会社Sybo Gamesを2010年に設立し、ゲームデザイナー、プロデューサーとしても成功を収めている。

シルベスター・リスホイ・イエンセン(Sylvester Rishoej Jensen)
Sylvester Rishøj Jensen1982年、デンマークのユトランド半島北部のオールボー(Aalborg)で生まれる。
フリーランスの2D/3DアニメーションおよびCGIアーティスト。デザイン、モデリング、テクスチャリング、リギングとアニメーションまでキャラクターの制作を得意とする。
独立系のゲーム開発会社Sybo Gamesを盟友のボディ・イェンムリナー(Bodie Jahn-Mulliner)と共同で2010年に設立、ゲームデザイナーとテクニカルディレクターを務める。
イエンセンのHP>>http://sylvester.rishoj.net/

ラスムス・ハンセン(Rasmus Hansen)
Rasmus Hansen

アニメーション・ワークショップ卒業生サイト>>

ラスムス・ラストロップ(Rasmus Ustrup)
Rasmus Ustrup26歳。デンマークのユトランド半島中部のシルケボー生まれ。現在はコペンハーゲン在住。
2005年〜09年、デンマークのヴィボー(Viborg)のThe Animation Workshop(アニメーション・ワークショップ)。キャラクターアニメーション学科卒業(学士)。『Train Bombing(トレイン・ボンビング)』が卒業制作。ビジュアルコンセプト、背景、レイアウト、3Dキャラクターアニメーションを担当する。
2003年〜04年、アニメーションワークショップのDrawing Academyでドローイングを学ぶ。
2002年、ユトランド半島東部、デンマーク第二の都市オーフス(Aarhus)の高校で伝統的なアニメーションとイラストレーションを学ぶ。
2001年、デンマーク中央部のBrenderupにある民芸高等学校で伝統的アニメーションを学ぶ。
2000年、シルケボーのCreative School(クリエイティブスクール)でドローイング、絵画、音楽、演劇を学ぶ。
2010年、イギリスのこども向けTV番組制作を得意とする、Ragdoll Production Limitedでアニメーターとして働く。
作品歴
2005年  Whoever loved…
2007年  Feeder(コンピューターゲーム/Det Danske Akademi for Digital, Interaktiv Underholdning デンマーク国立ディジタル・インタラクティブ・エンタテインメント・アカデミーで制作)
2008年  Days on the shore(Den Danske Filmskole デンマーク国立映画学校で制作)
2009年  Train Bombing(トレイン・ボンビング)
ラストロップのHP>>http://rasmusustrup.blogspot.com/
アニメーション・ワークショップ卒業生サイト>>

作品の紹介
トレイン・ボンビングTrain Bombing
原題 Train Bombing
2009年、4分20秒
3DCGアニメーション
英語日本語字幕版

◆監督、脚本、ストーリーボード、コンポジティング、編集:Bodie Jahn-Mulliner、Sylvester Rishoej Jensen
◆背景:Rasmus Ustrup
◆アニメーション:Bodie Jahn-Mulliner、Rasmus Hansen、Sylvester Rishoej Jensen、Rasmus Ustrup
◆音楽、音響:Thomas Ahlmark、Feanor Engemann
◆プロデューサー;Michelle Nardone
◆制作:The Animation Workshop(デンマーク)

本作は、勢いのあるデンマークの商業アニメーション界からの期待が高まる、アニメーション・ワークシップの4人の学生が卒業制作として制作した。アップテンポなCG展開力で第6回ハンブルグ・アニメーション・フェスティバル優勝。

◆あらすじ:sc2
ブロンクスではグラフィティやタギングが社会問題に。警備が強化されても、グラフィティアーティストの自己顕示欲は押さえられない。今宵も列車基地で制作を始めると、警備員と犬との壮絶なチェイスとなる。その結果は最高傑作だった。
アニメーション・ワークショップ卒業生サイト>>
「トレインボンビング」視聴サイト>>


◇アニメーション・ワークショップについて
The Animation Workshopは、実務者の再トレーニングや独立系作家の支援を目的に、1989年デンマークのヴィボー(Viborg)に設立された。
当初は民間運営であったが、2003年にCVU Midt-Vest(デンマーク中西部の統合大学)傘下の国立機関となり、バチェラーコース(学部レベル)を開設。
デンマークには、アニメーションの作家・監督養成をおこなうデンマーク国立映画学校(Den Danske Filmskole、コペンハーゲン)があるが、アニメーション・ワークシップは伝統的なドローイングアニメーターと3DCGアニメーターを養成する。
常勤の教授や講師をおかず、世界中に250名ほどの実務者や専門家を客員教授や非常勤講師として招く。ヨーロッパのスクールの特徴であるインターン研修を重視しており、デンマーク国内はもとよりヨーロッパに150以上の受け入れ先を持つ。学生の水準が高まり、国際映画祭で近年注目される作品が出ている。マスターコースを近く開講する予定。
子ども向けのアニメーション指導、実務者向けの短期訓練コースもおこなう。
また、創立時からおこなう"オープンワークショップ"、いわゆるアーティストインレジデンスは、デンマーク中央政府の予算で、独立系作家に創作環境を提供する。作家・監督はフレキシブルで、国籍を問わない。
オープンワークショップ>>

ここに掲載する作品画像 (C)The Animation Workshop
監督の顔写真は各監督のHPなどから転載した。

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WAT2010 ヨーロッパショート

ミカル・クラノット監督、ウリ・クラノット監督の紹介

ミカル・クラノット(Michal Kranot)
インディペンデント映画監督、アニメーター
1977年、イスラエルのテルアビブ生まれ。
1999年〜2000年、テルアビブ大学 映画テレビ学部で学ぶ。
2000年〜03年、エルサレムのThe Bezalel Academy of Arts and Design(イスラエル国立ベツァルエル美術デザイン学院)のアニメーション学部を優秀な成績で卒業。
2003年〜05年、デンマークのヴィボー(Viborg)のThe Animation Workshop(アニメーション・ワークショップ)でアーティストインレジデンス。

1999年、ロンドンのSusan Young Animation Studioでアニメーターとして働く。
2002年〜03年、イスラエルのPitchi Poy Animation Productionsでアニメーターとして働く。
2006年〜09年、ベツァルエル美術デザイン学院とアニメーション・ワークショップで後進の指導をおこなう。

photo_Michal & Uri

ウリ・クラノット(Uri Kranot)
インディペンデント映画監督、アニメーター
1975年、イスラエルのエルサレム生まれ。
1996年〜97年、Rimon School of Jazz and Contemporary Music
1998年〜2002年、エルサレムのThe Bezalel Academy of Arts and Design(イスラエル国立ベツァルエル美術デザイン学院)のアニメーション学部を優秀な成績で卒業。
2003年〜05年、デンマークのヴィボー(Viborg)のThe Animation Workshop(アニメーション・ワークショップ)でアーティストインレジデンス。

2002年〜03年、イスラエル大手スタジオのPil Animationでアニメーターとして働く。
2000年〜09年、イスラエルのPitchi Poy Animation Productionsでストーリーボーダー、アニメーターとして働く。
2006年〜09年、ベツァルエル美術デザイン学院とアニメーション・ワークショップで後進の指導をおこなう。

二人は現在、イスラエル北部のRamat HaSharonにスタジオTinDrum Animationを構え、『Home/land』(10分)の制作をおこなっている。

TinDrum AnimationのHP>>http://www.tindrumanimation.com/

作品の紹介
ホワイトテープwhitetape03
原題 White Tape
2010年、2分9秒
ドローイングアニメーション、写真合成
英語日本語字幕

◆監督、脚本、アートディレクション、グラフィックス、ストーリーボード、レイアウト、セット、アニメーション、撮影、コンポジティング、編集:Michal Kranot、Uri Kranot
◆音楽:Uri Kranot
◆音響:Thomas Richard Christensen
◆プロデューサー:Michal Kranot、Timothy Guy Leborgne(The Animation Workshop)
◆制作:TinDrum Animation(イスラエル)、The Animation Workshop(デンマーク)

本作は、イスラエル占領地域での暴力を告発するイスラエルの人権団体B'Tselemの「shooting back」プロジェクトで撮影された5秒のビデオを基に描かれたアニメーション。デンマークのアニメーション・ワークシップのスタジオの協力を得て制作された。
B'TselemのHP>>
Whitetape_1Whitetape_5








◇shooting backについて
2007年1月、B'Tselemはビデオカメラ配布プロジェクトを開始した。
イスラエル占領地域でビデオ撮影をおこなうプロジェクトとして、占領地域で暮らすパレスチナ人にビデオカメラを配布し、彼らの生活圏で起こっている事実を撮影し、イスラエルと国際社会に知らしめ、人権侵害の是正の訴求を目的とする。
イスラエル入植地、軍基地、度重なる軍事侵攻地域に地理的に近いパレスチナ人家族に100台以上のカメラが配布され、市民ジャーナリストにより日常的に発生している事実が数多く撮影された。
B'Tselemは現在、これらのビデオ映像を説明責任の追及とパレスチナ人原告に対する法的救済の手段として活用している。
B'Tselem ビデオカメラ配布プロジェクト>>
B'Tselemのビデオアーカイブ>>

◆あらすじ:whitetape04
白い線で追い立てられる男たち。白い刷毛跡に隠れる、苦悩の顔。戦争も迫害も、この地球から消えていない現実と人間の愚かしさを、ホワイトラインが訴える。

◇アニメーション・ワークショップについて
The Animation Workshopは、実務者の再トレーニングや独立系作家の支援を目的に、1989年デンマークのヴィボー(Viborg)に設立された。
当初は民間運営であったが、2003年にCVU Midt-Vest(デンマーク中西部の統合大学)傘下の国立機関となり、バチェラーコース(学部レベル)を開設。
デンマークには、アニメーションの作家・監督養成をおこなうデンマーク国立映画学校(Den Danske Filmskole、コペンハーゲン)があるが、アニメーション・ワークシップは伝統的なドローイングアニメーターと3DCGアニメーターを養成する。
常勤の教授や講師をおかず、世界中に250名ほどの実務者や専門家を客員教授や非常勤講師として招く。ヨーロッパのスクールの特徴であるインターン研修を重視しており、デンマーク国内はもとよりヨーロッパに150以上の受け入れ先を持つ。学生の水準が高まり、国際映画祭で近年注目される作品が出ている。マスターコースを近く開講する予定。
子ども向けのアニメーション指導、実務者向けの短期訓練コースもおこなう。
また、創立時からおこなう"オープンワークショップ"、いわゆるアーティストインレジデンスは、デンマーク中央政府の予算で、独立系作家に創作環境を提供する。作家・監督はフレキシブルで、国籍を問わない。
オープンワークショップ>>


ここに掲載する作品画像 (C)Tindrum Animation, The Animation Workshop

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WAT2010 ヨーロッパショート

『オットーとステラ』の6監督の紹介

Jeppe Sandholt(イエッペ・サンホルト)
Jeppe Sandholt1982年、コペンハーゲン生まれ。
2008年、デンマークのヴィボー(Viborg)のThe Animation Workshop(アニメーション・ワークショップ)のキャラクターアニメーション学科卒業(学士)。
商業作品のストーリーボードやイラストレーションのプロとして活動する。
コペンハーゲンのDen Danske Filmskole(デンマーク国立映画学校のプロジェクトにアニメーターとして参加。タイ・バンコックのThe Monk Studioでデザイナーとストーリーボーダーのインターン研修をする。
脚本の執筆、マンガや音楽にも興味を抱く。また写真撮影も得意とする。
サンホルトのHP>>http://jeppesandholt.blogspot.com/
アニメーション・ワークショップ卒業生サイト>>

Jannick Aarup Grool(ヤニック・オウロップ・ゴロオール)
Jannick Aarup Grool

ゴロオールのHP>>http://jannickgrool.blogspot.com/
アニメーション・ワークショップ卒業生サイト>>

Bjarne Svoldgaard Nielsen(ビヤンヌ・スボルガー・ニールセン)
Bjarne Svoldgaard Nielsen2002年、デンマークのヴィボー(Viborg)にあるDrawing Academyで手書きドローイングのトレーニングを受ける。
2003年〜04年、Media Schoolでアニメーションを学び、短編の『Hula Bula』と『Motion X』を制作。
Det Danske Akademi for Digital, Interaktiv Underholdning(デンマーク国立ディジタル・インタラクティブ・エンタテインメント・アカデミー)のコンピュータゲームプロジェクト「Iris」のアニメーションリーダーと、Den Danske Filmskole(デンマーク国立映画学校)の『Enten Eller Intet』のアニメーターを務める。
Happy FlyfishWall of Pixelsで、パペットアニメーションの長編企画、企業コマーシャル、こども向けTV番組のストーリーボーダーやアニメーターのインターン研修をおこなう。
2008年、アニメーション・ワークショップのキャラクターアニメーション学科卒業(学士)。『Otto & Stella(オットーとステラ)』が卒業制作。
アニメーション・ワークショップ卒業生サイト>>

Susanne Baekby Olesen(スザンヌ・ベークビィ・オルセン)
Susanne Bækby Olesen1981年、デンマークのユトランド半島西部、人口5000人弱の町タルム(Tarm)に生まれる。
2005年、Den Danske Filmskole(デンマーク国立映画学校)で短編アニメーション映画『Mambo Grillen』(監督 Jan Rahbek)のアニメーションを制作する。
2006年夏、アイルランドのCartoon Saloonでこども向けTVシリーズ「Skunk Fu」の制作に背景デザイナーとして参加。
2007年秋、タイ・バンコックのThe Monk Studioでインターン研修した際に、アメリカのバックグラウンド/レイアウトアーティストMaurice Noble(モーリス・ノーブル、1911年〜2001年)が着目した若手グループNoble Boysの一人である、Tod Polson(トッド・ポルソン)の元で働く。
2008年、デンマークのヴィボー(Viborg)のThe Animation Workshop(アニメーション・ワークショップ)のキャラクタアニメーション学科を卒業(学士)。『Otto & Stella(オットーとステラ)』が卒業制作。
オルセンのHP>>http://susanneolesen.blogspot.com/
アニメーション・ワークショップ卒業生サイト>>

Benjamin Brokop(ベンヤミン・ブロコップ)
Benjamin Brokop1984年、デンマーク中央部の南フュン島の南部の港町スヴェンボー(Svendborg)に生まれる。
ブロコップはドローイングに興味を持ち、デンマークのヴィボー(Viborg)のDrawing Academyを知る。初等教育終了後、生産学校(Production School)に1年間通う。その後、小さな絵画学校に半年、アニメーションとマンガの学校に半年通う。Drawing Academyで半年間学ぶ間に、ヴィボー(Viborg)のThe Animation Workshop(アニメーション・ワークショップ)への興味を抱き、2004年キャラクタアニメーション学科に入学。
アニメーション・ワークショップ卒業生サイト>>

Slaven Reese(スレーブン・リース)
Slaven Reeseボスニア・ヘルツェゴビナのサラエヴォに生まれる。23歳。1993年、デンマークへ移住。
こどもの頃から、マンガのキャラクターを描いたり、アニメーションのマジカルワールドに強く惹かれていた。デンマークの陶磁器メーカー ロイヤルコペンハーゲンの手描き職人養成コースに3年間通うなど、いくつかの学校で学んだ後、デンマークのヴィボー(Viborg)のThe Animation Workshop(アニメーション・ワークショップ)の一部である、Drawing Academyで1年間学ぶ。
2003年、アニメーション・ワークシップのキャラクターアニメーション学科に入学。スコットランドのDjango Films(ジャンゴフィルム、フランスのアニメーション監督Sylvain Chomet(シルヴァン・ショメ)の制作スタジオ)で3ヶ月のインターン研修を経て、2008年アニメーション・ワークショップ卒業(学士)。
現在は、ベルギー ブリュッセルで、2Dアニメーション長編映画『Zarafa』(監督 Jean-Christophe Lie、Remi Bezancon)の制作に参加。
その前は、スペインで2Dアニメーション長編映画『Little Big Panda』(監督 Greg Manwaring)やシルヴァン・ショメ監督の『The Illusionist』の制作に参加した。
アニメーション・ワークショップでドローイングとアニメーションのコースで後進の指導もおこなっている。
リースのHP>>http://slavenreese.blogspot.com/
リースのHP>>http://slavenreesefolio.blogspot.com/
リースが参加した『Girl and Robot』の視聴>>

作品の紹介
オットーとステラOtto&Stella_5
原題 Otto and Stella
2008年、4分36秒
3DCGアニメーション
デンマーク語日本語字幕

◆監督:Jeppe Sandholt、Jannick Aarup Grool、Bjarne Svoldgaard Nielsen、Susanne B?kby Olesen、Benjamin Brokop、Slaven Reese
◆脚本、ストーボード:Jeppe Sandholt
◆背景:Susanne Baekby Olesen
◆アニメーション:Jeppe Sandholt、Susanne Baekby Olesen、Jannick Aarup Grool、Bjarne Svoldgaard Nielsen、Slaven Reese、Benjamin Brokop
◆音楽、音響:Thomas Ahlmark
◆声の出演:Nikolaj Kopernikus、Laerke W. Andersen
◆プロデューサー:Michelle Nardone
◆制作:The Animation Workshop(デンマーク)

◆あらすじ:Otto&Stella_01
美しい山のドライブに誘った、オヤジ趣味のオットーに、ステラはつれない。プレゼントのカエル型チョコレートを窓から放り出そうとするステラにオットーも切れる。急峻な山道を走る二人の運命は・・・カエルのチョコに隠された秘密とは・・・

「Otto and Stella」視聴サイト>>

◇アニメーション・ワークショップについて
The Animation Workshopは、実務者の再トレーニングや独立系作家の支援を目的に、1989年デンマークのヴィボー(Viborg)に設立された。
当初は民間運営であったが、2003年にCVU Midt-Vest(デンマーク中西部の統合大学)傘下の国立機関となり、バチェラーコース(学部レベル)を開設。
デンマークには、アニメーションの作家・監督養成をおこなうデンマーク国立映画学校(Den Danske Filmskole、コペンハーゲン)があるが、アニメーション・ワークシップは伝統的なドローイングアニメーターと3DCGアニメーターを養成する。
常勤の教授や講師をおかず、世界中に250名ほどの実務者や専門家を客員教授や非常勤講師として招く。ヨーロッパのスクールの特徴であるインターン研修を重視しており、デンマーク国内はもとよりヨーロッパに150以上の受け入れ先を持つ。学生の水準が高まり、国際映画祭で近年注目される作品が出ている。マスターコースを近く開講する予定。
子ども向けのアニメーション指導、実務者向けの短期訓練コースもおこなう。
また、創立時からおこなう"オープンワークショップ"、いわゆるアーティストインレジデンスは、デンマーク中央政府の予算で、独立系作家に創作環境を提供する。作家・監督はフレキシブルで、国籍を問わない。
オープンワークショップ>>

ここに掲載する作品画像 (C)The Animation Workshop
監督の顔写真は各監督のHPやFacebookなどから転載した。

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WAT2010 ヨーロッパショート

ヘンリック・クラウセン監督の紹介

ヘンリック・ビァレゴー・クラウセン(Henrik Bjerregaard Clausen)
Henrik_Bjerregaard_Clausen_photo監督、VFXアーティスト
1981年生まれ。

ユトランド半島東部にある、デンマーク第二の都市オーフス(Aarhus)のいくつかのスタジオで制作に参加した後、デンマークでフリーランスの監督、コンポジターとして活躍している。1990年代末にJUNKに参加し、本作を制作した。
2000年代には、JA Film、Happy Flyfish、M2 Filmで3DCGアーティスト、コンポジター、VFXあー手シィストあるいは演出として活動する。TVスポットやコマーシャルを手がける。主なクライアント:LEGO、Sunquick、Novo Nordisk、DR, Senseo、Sunset Blvd、TDC、Foetex、Jysk, Amanda、 University of Aalborg、Energy Service Denmark、Maybelline、RTX Telecom、Arla。また、InfernalやGrand Avenueのミュージックビデオも手がける。
グラフィックスの開発、コンセプトテスト、技術的なソリューションなども含め、実写とアニメーションを問わず、優れた演出や企画開発がおこなえる。

クラウセンは紙とペンから創作を始め、DeluxePaint、Amiga 500、Imagine & Image、FXA1200を扱うようになる。1995年、The Partyで映像制作を始める。その後、Puld、Ostebulen、Dream Factoryで活動、1990年代末にJUNK WORKSそしてSuper8に参加。このころ、PCベースの3ds Maxを使い始める。
さまざまなビジュアルエフェクト(パーティクル、ボリュメトリック、ダイナミックシミュレーション)を技術的云々より、最大限の演出効果として用いることを工夫している。

作品歴
2005年  Good Morning Sun
2006年  Of Mice & Monsters コンポジターとして参加
2008年  E.T.A.
2008年  Nature(Nature)

クラウセンのHP>>http://henrikbclausen.com/

作品の紹介
E.T.A.ETA_still_01
原題 E.T.A.
2007年、4分24秒
3DCGアニメーション
英語日本語字幕版
制作:JUNK WORKS
制作協力:The Animation Workshop/The Open Workshop、ANIS

◆監督:Henrik Bjerregaard Clausen
◆脚本:Soeren P?denphant Andersen
◆ストーリーボードコンサルタント:Ignacio Ferreras
◆撮影:Henrik Bjerregaard Clausen
◆キャラクターアニメーション、デザイン「Marvin」:Michael la-Cour
◆キャラクターアニメーション、デザイン「Joe」:Soeren Poedenphant Andersen
◆音楽、音響:Rasmus Kudahl Kaae Munch
◆宇宙船のデザイン、モデリング、テクスチャリング:Soeren Poedenphant Andersen
◆マットペインティング:Michael la-Cour
◆ライティング、コンポジティング、スペシャルエフェクト:Henrik Bjerregaard Clausen
◆サウンドエフェクト、ミキシング:Lars Christophersen
◆声の出演(TVのアナウンサーなど):Patrick Charlton、Victoria Hannaford、Marc Burrows
ETA_still_02
2008年にオンラインにアップされると一躍脚光を浴びる。デンマークの3DCGアニメーションのクオリティの高さを示した。
今回の上映は、制作協力したデンマークのアニメーション・ワークショップ(The Animation Workshop)の推薦による。アニメーション・ワークショップでは、"オープンワークショップ"という仕組みを通じて、デンマーク中央政府の予算で、独立系作家に創作環境を提供する。作家・監督はフレキシブルで、国籍を問わない。北欧を中心に、多くの独立系作家をその協力で自主制作の作品を完成させている。
オープンワークショップ>>

◆あらすじ:ETA_still_04
宇宙船で一人旅をする男。目的地はまだまだ先である。緊急事態発生、無重力状態になった船内に物が散乱。幸い機器が復調したものの、コーヒーメーカーのボタンを押し、リラックスする男の背後に忍び寄るエイリアン・・

JUNK WORKS制作の短編視聴サイト>>


ここに掲載する作品画像 (C)2007 JUNK

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WAT2010 ヨーロッパショート


『ライトモチーフ』の4監督の紹介

シャネッテ・ノ−ガード(Jeanette Noergaard)
Jeanette Norgaard1984年、デンマーク・ユトランド半島西部のステュアー(Struer)生まれ。

2003年〜09年、デンマークのヴィボー(Viborg)のThe Animation Workshop(アニメーション・ワークショップ)でドローイングと2D/3Dアニメーションを学ぶ。
2009年2月、キャラクター学科を卒業(学士)。
在学中、さまざまなアニメーション実習をおこない、卒業制作として短編アニメーション『Leitmotif(ライトモチーフ)』を完成させた。

卒業後、フリーランスとして活動、ミュージックビデオ、ブレーカー、イラスト、ディジタルミュージカルセットなどさまざまなプロジェクトに参加する。
ノーガードは、ヴィボーに設立したアニメーション・コレクティブNoerlum(http://www.noerlum.com/)の共同設立者である。

Noerlumのサイト>>http://www.noerlum.com/


メッテ・イリーヌ・ホルムリース(Mette Ilene Holmriis)
Mette Ilene Holmriis1983年、デンマーク・ユトランド半島東部のHjortshoej生まれ。

2005年8月から、デンマークのヴィボー(Viborg)のThe Animation Workshop(アニメーション・ワークショップ)で2D/3Dアニメーションを学ぶ。コペンハーゲンのDen Danske Filmskole(デンマーク国立映画学校)で卒業制作として3Dアニメーション『Space Monkeys』(監督 Jan Rahbek、2008年)に参加。
2009年、アニメーション・ワークショップのキャラクターアニメーション学科を卒業(学士)。『Leitmotif(ライトモチーフ)』が卒業制作。

2009年〜10年、Animation sans Frontiers(アニメーション・サンフロンティエール)に参加。
アニメーション・サンフロンティエールとは、ドイツ、デンマーク、フランスそしてハンガリー4カ国のアニメーション/映画スクールから参加する学生が8週間寝食を共にし、アニメーション制作のワークショップをおこなう、ヨーロッパMEDIA支援の人材育成プロジェクト

ホルムリースのblog>>http://metteilene.blogspot.com/
ホルムリースのHP>>http://www.metteilene.com/


マリー・ヨーゲンセン(Marie Joergensen)
marie jorgensen1983年、デンマーク生まれ。

2003年〜04年、Copenhagen Technical AcademyでFlash、3D StudioMax、グラフィックプリントなどを学ぶ。
2004年〜05年、Danmarks Designskole(デンマーク国立デザインスクール)でビジュアルコミュニケーションを学ぶ。
2005年〜09、ヴィボー(Viborg)のThe Animation Workshop(アニメーション・ワークショップ)のキャラクターアニメーション学科で2D/3Dアニメーションを学ぶ。
コペンハーゲンのDen Danske Filmskole(デンマーク国立映画学校)で卒業制作として3Dアニメーション『Space Monkeys』(監督 Jan Rahbek、2008年)に参加。
2009年、アニメーション・ワークショップのキャラクターアニメーション学科を卒業(学士)。『Leitmotif(ライトモチーフ)』が卒業制作で、背景、カラースタイリングそしてアニメーションを担当した。

在学中にコペンハーゲンのA.Filmでのインターン、卒業後はドイツのFarm Studios、アイルランドのCartoon Saloon、ヴィボーのTeam Generous and Red BarnetやN?rlumで制作に参加。
現在は、コペンハーゲンのDansk Tegnefilmで2Dアニメーターとして活躍。

ヨーゲンセンのHP>>http://www.mariejoergensen.blogspot.com/


マリー・トヮハウゲ(Marie Thorhauge Toerslev)
Marie Thorhauge Torslev1985年、デンマーク・ユトランド半島中央部シルケボー(Silkeborg)生まれ。

2004年〜09年、ヴィボー(Viborg)のThe Animation Workshop(アニメーション・ワークショップ)のキャラクターアニメーション学科でドローイング、デザインと2Dアニメーションを学ぶ。『Leitmotif(ライトモチーフ)』が卒業制作。
アイルランドのCartoon Saloonで3ヶ月間のインターン研修をおこなう。

現在は、フリーランスのアニメーターやイラストレーターとして活動しながら、自主企画の『Art by Thorhauge』の制作に入っている。

作品歴
2009年 Sheep
2009年 Leitmotif(ライトモチーフ)

「Art by Thorhauge」のHP>>http://artbythorhauge.blogspot.com/


作品について
ライトモチーフPoster_01 copy
原題 Leitmotif
2009年、7分6秒
2DCGアニメーション

◆監督:Jeanette Noergaard, Mette Ilene Holmriis, Marie Joergensen, Marie Thorhauge
◆制作:The Animation Workshop(デンマーク)

本作は、アヌシー国際アニメーション・フェスティバルを皮切りに09年〜10年、世界各地の映画祭で上映され、アニメーション・ワークシップの学生作品を代表する1作となった。

◆あらすじ:Leitmotif_still2
ジャズバンドで腕を鳴らした、年老いたピアニスト。今の観客は白い猫だけ。
バンド仲間が残した楽器を見て、ピアニストが閃いたことは・・・軽妙なジャズに乗るアニメーションが心地よい。

「ライトモチーフ」のHP>>http://leitmotiffilm.blogspot.com/

◇アニメーション・ワークショップについて
The Animation Workshopは、実務者の再トレーニングや独立系作家の支援を目的に、1989年デンマークのヴィボー(Viborg)に設立された。
当初は民間運営であったが、2003年にCVU Midt-Vest(デンマーク中西部の統合大学)傘下の国立機関となり、バチェラーコース(学部レベル)を開設。
デンマークには、アニメーションの作家・監督養成をおこなうデンマーク国立映画学校(Den Danske Filmskole、コペンハーゲン)があるが、アニメーション・ワークシップは伝統的なドローイングアニメーターと3DCGアニメーターを養成する。
常勤の教授や講師をおかず、世界中に250名ほどの実務者や専門家を客員教授や非常勤講師として招く。ヨーロッパのスクールの特徴であるインターン研修を重視しており、デンマーク国内はもとよりヨーロッパに150以上の受け入れ先を持つ。学生の水準が高まり、国際映画祭で近年注目される作品が出ている。マスターコースを近く開講する予定。
子ども向けのアニメーション指導、実務者向けの短期訓練コースもおこなう。
また、創立時からおこなう"オープンワークショップ"、いわゆるアーティストインレジデンスは、デンマーク中央政府の予算で、独立系作家に創作環境を提供する。作家・監督はフレキシブルで、国籍を問わない。
オープンワークショップ>>

ここに掲載する作品画像 (C)The Animation Workshop
監督の顔写真はFacebookなどから転載した。

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ヘンリック・マルマグレーン監督の紹介

ヘンリック・マルマグレーン(Henrik Malmgren)
Henrik_Malmgren_BlkWte_WEB_smaller1974年、スウェーデン南部のルンド(Lund)生まれ。ルンドは、ルンド大学で知られ、大学の職員と大学生が人口の4割ほどを占め、大学の都市と呼ばれる。また、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ、エリクソンなどのハイテク産業、また電気通信関係の会社が多く、ガンブロ、アストラ・ゼネカ、高機能検索エンジンのエキスパート・メーカー、テトラパックなど、スウェーデンを代表する企業が所在する。

1995年、ルンド大学卒業(美術史)後、99年までOeGでドローイング、ペインティング、製版、写真、タイポグラフィ、ソフトウェアを学ぶ。
1999年、デンマークに移り、2004年までKoldingデザインスクール(Designskolen Kolding)でデザインを学ぶ(イラストレーションで修士、インタラクションデザインで学士取得)。
2003年、オランダのロッテルダムのWillem de Kooning Academieで6ヶ月間Erasmus学生として、アニメーションを学ぶ。(注) Erasmus=European Community Action Scheme for the Mobility of University Students、エラスムス計画。EU諸国における教育・文化プログラムの一つで、大学レベルでの人物交流の促進を図る計画。1987年創設。
2006年、デンマークのコペンハーゲン近郊リュンビュー(Lyngby)のThe Short & Documentary Filmschoolで16ヶ月間の脚本コースを履修。
2007年、デンマークのヴィボー(Viborg)のThe Animation Workshop(アニメーション・ワークショップ)で、9週間の3Dキャラクターアニメーションコース履修。

フリーランスのデザイナーとして働く一方、アイデア/コンセプト/ストーリー開発からデザイン技術に至るまでのワークショップで後進を指導する。そして、映画および音楽の自主プロジェクトにエネルギーを注ぐ。
デザインワークのクライアントには、BBC(ロンドン)、Condor Films(チューリッヒ)、ShiftControl (コペンハーゲン)、Hosoyaschaefer(チューリッヒ)、Kontrapunkt (コペンハーゲン)、IDEO(ロンドン)、Zapoo.dkそして、オーストリアのThurner Fashionなど、ヨーロッパ各国に及ぶ。
2007年〜10年、アニメーション・ワークシップとコペンハーゲン大学で教鞭を執る。

作品歴
2008年  The Guest(お誕生会)
2006年  Gunmen
2005年  Dukken

ヘンリック・マルマグレーン「The Guest」のHP>>http://www.theguestfilm.com/

作品の紹介
お誕生会A2_POSTER
原題 The Guest
2010年、7分16分
3DCGアニメーション
英語日本語字幕版

◆監督、脚本、アニメーション:Henrik Malmgren
◆音楽、音響デザイン:Henrik Malmgren
◆サウンドミックス:Thomas Ahlmark
◆プロデューサー:Timothy Leborgne、Mathilde Schyts Juul
◆制作:The Animation Workshop(デンマーク)
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本作は、デンマークのDen Vestdanske Filmpulje(デンマーク映画協会)とThe Animation Workshop のOpen Workshop(オープンワークショップ)の支援を受けた。オープンワークショップでは、制作設備・スタジオの使用だけでなく、アニメーション・ワークショップに集う人々のアドバイスや批評を受けて作品を充実させた。
米国のCGコンベンションSiggraph 2010で上映。北欧のNordisk Panorama Award 2010受賞

◆あらすじ
亡き夫の誕生日を祝う、独り暮らしの老女の家に強盗犯が押し入る。新しい話し相手にお茶をふるまい、夫との想い出を語る老女。穏やかなペースに引き込まれる強盗犯。警察に包囲され、逃げ道はないと思われたその時に老女の奇策が強盗犯を救う・・・
sh_47_A_EDIT
◇アニメーション・ワークショップについて
The Animation Workshopは、実務者の再トレーニングや独立系作家の支援を目的に、1989年デンマークのヴィボー(Viborg)に設立された。
当初は民間運営であったが、2003年にCVU Midt-Vest(デンマーク中西部の統合大学)傘下の国立機関となり、バチェラーコース(学部レベル)を開設。
デンマークには、アニメーションの作家・監督養成をおこなうデンマーク国立映画学校(Den Danske Filmskole、コペンハーゲン)があるが、アニメーション・ワークシップは伝統的なドローイングアニメーターと3DCGアニメーターを養成する。
常勤の教授や講師をおかず、世界中に250名ほどの実務者や専門家を客員教授や非常勤講師として招く。ヨーロッパのスクールの特徴であるインターン研修を重視しており、デンマーク国内はもとよりヨーロッパに150以上の受け入れ先を持つ。学生の水準が高まり、国際映画祭で近年注目される作品が出ている。マスターコースを近く開講する予定。
子ども向けのアニメーション指導、実務者向けの短期訓練コースもおこなう。
また、創立時からおこなう"オープンワークショップ"、いわゆるアーティストインレジデンスは、デンマーク中央政府の予算で、独立系作家に創作環境を提供する。作家・監督はフレキシブルで、国籍を問わない。
オープンワークショップ>>

ここに掲載する作品画像 (C)The Animation Workshop, Henrik Malmgren

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レニエ・ランパンガジュ監督、ヴィルジル・トルイヨ監督の紹介

レニエ・ランパンガジュ(Reignier Rampangajouw)
Rampangajouwフランス・ブルターニュ地方Dinan出身。現在、28才。
現在、フランス北部のリール(Lille)にあるPlanet Nemo Animation所属のアニメーション監督。

2004年〜07年、フランス南西部ポワチエ(Poitiers)のEESATI(Ecole Europeenne Superieure Des Arts Et Technolog)でアニメーションのディプロマ取得。
2004年、デザイナー・モデラーの終了証取得
2002年、グラフィックコミュニケーションのデザイナー適格証取得

2007年〜09年、フランス北部のヴァランシエンヌ(Valenciennes)のIP4Uスタジオで2Dアニメーションのアニメーションリーダー。TVシリーズ「Les Mistigris」、「Robinson」、「Ready Steady Go」の制作に参加。
2000年から、フランス西部のナント(Nantes)やその周辺にある複数の制作スタジオで経験を積む。

自主制作の作品歴
2007年  Nonne
2006年  Serveuse dyslexique
2006年  L'apres
2006年  Decale(短編映画)
2005年  rush(短編映画)

ヴィルジル・トルイヨ(Virgil Trouillot)
イラストレーター、クリエイティブディレクター、アニメーション監督。
パリのアニメーションスクールLes Gobelins(ゴブラン)卒業後、パリのアニメーションスタジオPlanet Nemo Animationでアニメーターを始める。

TVシリーズ「BALI」に参加。Flammarion Editions出版の原作絵本シリーズからアニメーション化するのために、デザインとリテラリーの翻案を担当する。bali
Franced 5やPlayhouse Disneyで放映された、複数のTVシリーズの共同監督やパイロット版の監督をおこなう。
「BALI」は、2007年カナダのGemini賞最優秀アニメーションシリーズ賞、スペインのゴルドバ国際アニメーション・フェスティバルでのこども向けシリーズの若い観客賞などを受賞。
France 5とPiwiで放映された「MISSY MILA」(7分 x 52話)では監督を務めていた頃、復習のTVシリーズのパイロット版の脚本、ストーリーボード、演出をおこなった。
新シリーズ「GROOVE HIGH」(26分 x 26話) では、12冊の小説の挿絵を描き、アニメーションシリーズではデザインと脚本を担当する。
また、本作はマンガへの転作も計画されている。

商業アニメーションあるいは自主制作作品、翻案と創作、就学前児童あるいは小学生低学年向け・・・などプラネットネモ・アニメーションでいくつかの新企画に参加している。

ドローイングをしていない時は、旅行と珍しい昆虫の飼育を楽しむ。

◇二人が所属するPlanet Nemo>>http://www.planetnemoprod.com/

◇二人が卒業した、ゴブラン校について
オゴマとマニョクが卒業したゴブラン(Les Gobelins)は、パリ商工会議所が運営する映像・写真専門スクールで、30年以上の伝統を誇る。
アニメーション学科は、高度なスキルと芸術創造性を兼ね備えた、数多くのアニメーター、ディレクター等を輩出してきた。
卒業生はフランス国内のスタジオのみならず、ドリーム・ワークス、ディズニー・スタジオ、ピクサー等で活躍する。昨年の米アカデミー賞では、学生作品『Oktapodi』がノミネートされ、『つみきのいえ』と競った。
“アニメーションのカンヌ”と称されるAnnecy アヌシー国際アニメーション・フェスティバルで20年以上続く公式コンペ上映前のカーテン・オープナーを学生が制作している。
Annecyオープニングショートについて>>

作品の紹介
プチ・ラパン・ブラン〜小さい白いうさぎ〜Petit Lapin Blanc_1
原題 Petit Lapin Blanc
英題 Silly Bitty Bunny
2010年〜11年、TVシリーズ(4分 x 78話)
2DCG(Toonboom)
フランス語日本語字幕版

うさぎ家族のほのぼのと温かい生活を描いた、フランスの人気絵本「Petit Lapin Blanc(ちびうさくん)」のアニメーション。
小さい白うさぎが周りの人々に見守られ、社会の中で成長する様子を楽しく描く。SBB00_sc12_RTKPNA7_280809
フランスでは、ちいさい白いうさぎというと、「ミッフィー」ではなく、マリー=フランス・フルーリー(Marie-France Floury)とファビエンヌ・ボワナール(Fabienne Boisnard)の「Petit Lapin Blanc」の方が知られている。
マリー=フランス・フルーリー著作の絵本>>
ファビエンヌ・ボワナール著作の絵本>>

フランスのPlanet Nemo Animation(プラネット・ネモ・アニメーション)、カナダのCarpeDiem Film & TV(カルペディエム・フィルム&TV)そしてシンガポールのScrawl Studio(スクロール・アニメーション)の国際共同制作による、学齢前児童向けTVシリーズの新作を特別プレミア上映。

◆監督:Reignier Rampangajouw、Virgil Trouillot
◆制作:Planet Nemo Animation(フランス)、CarpeDiem Film & TV(カナダ)、Scrawl Studio(シンガポール)
◆放送:SRC、TFO、Canal J

◆上映作品「La premiere fois que je suis devenu pompier」のあらすじPetit Lapin Blanc_2
プチラパンブランは大きくなったら消防士になりたい。消防署見学に行くことになり、いっぱい質問を考えるが、いざ「質問は?」と聞かれると関係のないことを口走る。
女性消防署長のペンを探し出したプチラパンブランは、ご褒美に蛍光テープをもらい、大切な箱にテープを貼って、消防士気取り・・・

「プチ・ラパン・ブラン〜小さい白いうさぎ〜」の視聴>>


◆WAT 2010/CAF 11に出品した、カナダの制作会社CarpeDiem Film & TV(カルペディエム・フィルム&TV)について>>

ここに掲載するすべての画像(除く、1つめのランパンガジュ監督の似顔絵) (C)Planet Nemo Animation | Scrawl Studios Pte Ltd | CarpeDiem Film & TV(III) Inc. - 2010

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WAT2010 CAF11 ケベック編

『フレッドヘッド』について

フレッドヘッドFred Head_1
英題 Fred's Head
仏題 Blaise le blas?
2008年、TVシリーズ(22分 x 26話)
2DCG(HD Flash)
英語日本語字幕版

機知に富む高校生フレッドを中心とする学園コメディ。
16歳の目を通じ、風刺のきいた奇抜なストーリーがFlashアニメーションで描かれる。大量消費社会、スターダム、社会的疎外といった話題が織り込まれる。
Fred Head_3
カナダのSpectra Animation(カナダ、65%)とGalaxy 7(フランス、35%)が共同制作。
カナダのTELETOON、フランスのFrance2で放映された。
カナダ・アカデミー賞Prix G?meaux、2008年の最優秀TVアニメーションシリーズ賞受賞。アヌシー国際アニメーション・フェスティバル、Cartoon on the Bay 国際テレビアニメーション・フェスティバルにノミネート。
20カ国へ販売されたものの、続編の予定はまだない。
Fred Head_4
コンセプト開発と監督を担った、ブノワ・ゴドブ(Benoit Godbout)はカナダ・フランス語圏のBD(グラフィックスノベル)の作家としても活躍する。
代表作に「L'Academie des Chasseurs de Primes」(出版 afarir and Zine Zag)がある。

◆コンセプト、デザイン:Benoit Godbout、Malorie Nault-Cousineau
◆監督:Benoit Godbout(ブノワ・ゴドブ)、Sylvain Lavoie(シルヴァン・ラボア)
◆声の出演:Mathew Mackay(フレッド役)、Rick Jones(グレゴリージルベール役)、Laura Teasdale(ファビエンヌ役)、Taylor Baruchel(ファニー役)、Mark Camacho(フレッドの父ポール役)、ほか
◆プロデューサー:Andre A. Belanger
◆エグゼクティブプロデューサー:Luc Chatelain(Spectra Animation)
◆アソシエート・エグゼクティブプロデューサー:Anne Evrard(Galaxy 7:)
◆アソシエート・プロデューサー:Dominique Mendel
◆制作:Spectra Animation(カナダ)、Galaxy 7(フランス)

◆上映作品 第10話「One Red Hair Away From Love」のあらすじFred Head_2
フレッドの親友グレゴリーギルバートはテレビ番組「心の物語」のポピー・アレルギーで禿になった女性にぞっこん。転校してきた、赤毛のふさふさ髪のファニーはフレッドに一目惚れし、追っかけ回す。焼き餅焼きで、異常なほど積極的なファニーに嫌気がさすフレッドは、彼女に別れを告げる。逆上したファニーは恐ろしい行動にでる・・・

TVシリーズ「フレッドヘッド」のHP>>


◆WAT 2010/CAF 11に出品した、カナダの制作会社Spectra Animation(スペクトラ・アニメーション)について>>

ここに掲載するすべての画像 (C)Spectra Animation, Galaxy 7

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WAT2010 CAF11 ケベック編
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