2006年06月08日

ニート対策と「過進国-日本」

「ニート」という言葉が市民権を得て、様々なニュースや新聞で取り上げられ続けている。

「ニート」は、やる気がなく現実逃避型の若者というのが世間の一般的解釈であり、実は私もそのひとりであった。
ところで、その誤解を解いてくれる人物と先日出会った。二神能基 (ふたがみ・のうき) 氏である。NPO「ニュースタート事務局」の代表としてニート問題に長年取り組んでいる。千葉県で約100人のニートに共同生活の場を提供し、その活動は海外にも展開している。

二神氏の実体験に裏打ちされた言葉は、実に説得力のあるものだった。貧しい日本の時代に形成された、「テレビが欲しい」、「クルマを買いたい」、「マイホームを持ちたい」という物欲中心の価値観から、別の価値観の転換期に今はあるのだ。

物欲中心の「古い」価値観に立脚して「自分は正しい」という姿勢で、働かないニートを更正してあげる、と考えていては問題は解決しない。ニートは、物欲が団塊の世代より圧倒的に低く、代わりに、誰かの役に立ちたいという思いは驚くほど強いという。
二神氏の著書「希望のニート 現場からのメッセージ」(東洋経済新報社)に詳しくは書かれているが、ニートに対する自分の勝手な誤解を気づかせてくれた。

スピードを追求してきた日本の近代社会だが、二神氏は「スロー」な社会の登場に言及している。それは「スローコミュニケーション」であり「スローライフ」だ。

ノーベル賞学者の野依博士は「現在の日本は、もはや先進国(Developed country)ではなく、過進国(Over-developed country)だ」と表現して、進みすぎた過進国日本のひずみをなくしていくことが重要だと述べていた。

ニート問題の解決の先には、ひょっとすると日本を「過進国」から健全に脱出させる秘訣が隠されているのかもしれない。
希望のニート 現場からのメッセージ


officekei1 at 13:54│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔