iPad先月から視覚障がい者のパソコン講習が始まりました。6名の方に対し、マンツーマンでの指導をしています。
今回は「パソコンでこんなに世界が広がる!」といったチラシを作り、、社協を通して障がいをお持ちの方にDMとして送っていただいたのが功を奏したのか、6人中5人の方が新しい方のお申込み。今までこの講習を10年近く続けていますが、年々受講者が同じ顔ぶれになり、なんとなくなくマンネリ化を感じていただけに、これはとてもうれしいことでした。

ただ、新しい方の場合、これからパソコンや視覚障がい者用の読み上げソフトの購入を考えるケースも多く、その相談に乗るわけですが、これがなかなか難しくて・・・。まず金額が高価であるし、助成金にも枠があってその使い方にも工夫がいる。果たしてその方がパソコンを買ったとして、今後きちんと使いこなせるのか?「勧められて買ったものの、結局無駄だった・・・」などと思ってほしくないし。

実際に講習を担当しているスタッフから、日々そのような相談を受けていました。

そんな中で、意外だったのがiPadの存在です。
視覚障がい者は、読み上げソフトで読み上げさせて画面の状態を把握し、キーボードの位置を覚えて入力するという形でパソコンを操作します。
世間でこれだけ普及しているタブレットですが、さすがにこんなツルツルの板っぺらは使えないだろうと思っていました。ところが、iPadにはもともと読み上げ機能がついているのです。パソコンのように、ハードのほかにさらに58,000円もするソフトを組み込む必要もなく、大変お手軽です。私も、受講者の方のためにいろいろと研究しているスタッフから教えてもらって初めて知りました。

iPadの読み上げ機能は、「設定→一般→アクセシビリティ→視覚サポート→VoiceOver」でタップした項目をすべて読み上げてくれます。仮に間違った位置でタップしたとしても、読み上げを聞けばわかりますから、正しい読み上げをするまで続け、それからダブルタップで実行できるのです。ほかにも、ズーム機能、色の反転など、弱視の方にありがたい機能もいろいろついています。これなら、高価なパソコンとソフトを買いそろえなくても、ある程度は使えそうですね。

そんな流れの中、おひとりの生徒さんがiPadの購入を決めたとのこと。初回のレッスンの時にはほとんどやる気を見せず、たまたま娘さんのパソコンがあるから申し込んでみたものの、今から自分のために投資して勉強しようという意欲は全くないと聞いていた方が、一転して買ってやってみよう!という気になったのです。そこまで気持ちの変化にスタッフも大変喜んでいます。

視覚障がい者パソコン講習はまだまだ10月末まで続きます。
もう一人のパソコンをお持ちの生徒さんも、読み上げソフトの購入を決めたとのこと。
これからの1か月半の間に、受講生の方がどんな変化をされるか、とても楽しみです。
社協の担当の方とも「来年からは、“視覚障がい者のためのパソコン・タブレット講習”」にタイトルを変えなければいけないかな〜と話しているこの頃です。