第65話  50CMのヘラの扱いと価値の行方

             
[まえがき]


〇 今晩は、誰しもが夢見る50cmの巨ベラそのものを話題に取り上げてみよう。ヘラ師はどこでやっていようといつの間にか一生に一回で良いからとそれを釣り上げたい願望を持つ。大型と言うのはそ種類がなんであれ言うに言われない魅力を持っているんだねえーー。
  
 ときにはそれが自己完成に繫がっていくこともある。いいことじゃないですか。自力本願!、もともとそれがヘラ釣りの特質である。一方、価値を壊してしまうこともある。
  

〇  さて、魚類はみな長さが話題にされる。真鯛・緋鯉にしてしかり、ヘラがそれと同列にされるのだから嬉しい。そして、これまた、大変な趣味として長ーい歴史を持ち続け、 あまつさえこの趣味を持っている人に世の中の人々は《ヘラ師》という尊称まで贈って呉れている。
 『フナに始まってフナに終わる』のである。なんとまあー名誉なことか。

 どうしてこの趣味がそのような評価を受けているのかと思って辞書を開いてみたら、 趣味とは『物事の味わいを感じとる力、美的な感覚のもち方である』とされ、
   
   『社会の油である。油のない社会は成立しない。汚れたる油に回転する社会は堕落す
   る』(夏目漱石)
    
 
    『人間の上等下等は趣味で大概決まる 』(武者小路実篤)          

とまで解説されている。
 

 ところがまた、逆に、
    
    『人間は人が自分の余技を語るとき、何故必ず自慢話になっていまうのか』

との囁きもある。心しておくのが賢明である。
                                     

[目標の設定]


〇  さて、巨ベラを釣りたいとして貴方はどう設定するか。 
  

 私は元来のヘラ師なので、巨ベラ釣りに移行するとき、目標は50m以上のものと決めていた。初心の貴方も同じかしら。
 でも私は初めて方には、まずは、壁と呼ばれている38cmとか42、48cm前後におくコトを奨めたい。それを超えたら40、45、50cmと大きくしていってはどうだろう。 
 
 その理由は野ベラ釣り場となると釣りの相手はハコとは違い、全ての淡水魚となる。ヘラはその中の何パーセントを占めているのかしら。無茶言うと、1から2パーセントいるかどうかしら。 その中で50上の巨ベラとなるとこれはまたどんなことになるやら。

 だからやってみると、他種と較べ少な過ぎてなかなか釣れて呉れないというのか本当の姿だろう。なので、最初の目標はより小さく置いて1歩1歩やりながら大きくした方が無難だと思っているし、釣れないと直ぐに釣れる魚に移っていくのが人間の業が邪魔さえする。  でも、それにもかかわらず見事に,釣っているヘラ師が結構いるのだから心配しなくていい。男のロマンロマン!

 

[根気の維持とマンネリズム防止のために] 


〇、ということにして頂いて話を続けよう。ヘラ釣りは確かにむずかしい。加えて、巨ベラ釣りとなると見出しの事柄が直ぐに貴方を襲ってくる。ーー ということで技術云々より、この巨ベラの価値につながる事柄に他ならないので取り上げみよう。


❶ 何十年と同じことをやるのだからマンネリに陥るのは当然。そうならないように、私は、自宅に居るときはハコとかハイキングに出かける。遠征している場合は1ヶ所一週間程度をひと区切りにして観光などに切り替えている。上手に気分転換をはかることをしっかり頭に置のが大切。

❷   1日の場合の気晴らし時間はどうか。私は10:00から15:00までは自由時間にしている。風呂・コーヒータイム・昼寝・読書・散歩など好きなことに当てている。 これらが私の基本で、日数・時間を絶対に短くしないことにしている。
  
 ❸ 気持ちというか釣り全体への意欲が何故か低下するときがある。 竿を振っていても集中できない、とか、釣ってもなんだこんなのかあー、という関心の喪失である。 こんな場合は想い切って帰宅するなど釣りから離れたらいい。
   
❹ 人はまたそんな合間に、誰かが型物を釣るのではないか、とつい想像を逞しくして焦る、ものである。 私は他人が釣ったとて気にもしない。不感症というマンネリ病だからである。アハハハハ!

 こんなことがあった。あるとき、別人が釣ったものだからその周りの人が集まって声を上げた。私は座ったままで動こうともしない。 i

 そんな私の姿に気がついた知り合いの赤羽さんが 『さすがですね。全く動じないんですね』 と感想を私に漏らした。
 アーッ、そう見える のかと! と尚も座り続けていた。  そんなことより自分が先に釣りたいからである
                                          

❺  ついでに細かい事をひとつ挙げて置こう。
 40以上の全て。50となると、これを手持ちして写真に収める。マンネリ防止の積もりである。
 
 40以下の場合は、
   
   「いいかい、もう少し大きくなったらもう一度顔見せにくるのだよ」
 
と言葉を掛けながら目を見る。どのヘラも綺麗な目をしているので嬉しくなってしまう。大きなヘラの魅力のひとつである。是非あなたもじっくりと眺めてはどうだろう!。
 
  これは私のひそかな振る舞いで、昔、御霊(ミタマ)のことを調べたとき、ある啓示を受けたことによるもので、この放流直後に親らしい尺半が顔を出てくれた。縁起担ぎでもある。こんなことして楽しんでいる訳で、あっと言う間に時間が経っている。
 


[ 目標達成と勲章] ーー 喜び
 は素朴で十分

  

 〇 自ら定めた目標に達したときはどなたにあっても最高の喜びだろう。皆さんはこんなときお祝いとかをどうしているのかしら。釣りへの張りが生まれることは至極あたり前である。では、大方の例は次の様なものである。纏めて私というの一人称で続けさせて頂きたい。
 
 私は、巨ベラ45cm以上を《勲章もの》と呼んできた。勲章はもともと国が公的な功労ありと認めた人に授与するものだからこれとは別もの。ふふふ。  
 巨ベラは私の遊びの世界の再頂点に立つものだから、釣れたてとは必ずそうしている訳である。

 中味は写真での保存と吟醸純米酒1本である。母ちゃんが「お父さん!、それではおめでとう。何センチだったのかしら?」と相伴して呉れてじっくり味合う。これ最高に嬉しいひとときで、これで全て終わる。自分のためのものなのだからこれで十分なのである。
 
 この式典の始まりは、初めて50を出した際に友人が《黄金焼酎》とやらとんでもなく高額なのを贈ってくれたことに発している。皆さんのお祝いはどんなものなのかしら。私の場合は殺風景な感がのこっている。自宅でやれるもっと楽しいアイデアをお持ちなら教えて欲しい。アハハハーッ。
      

〇 私は巨ベラの写真を1枚保存している。それは最長のものが1つあれば全てを表現しているからてある。
冒頭で国からの勲章に触れているが、頂いたそれよりも、私
にとってはこちらの一葉の方が最高の勲章なのである
 これは私がいつか黄泉(よみ)の国へ旅するときにもっていくことにしている。家族には『入れ忘れるなよ』と厳に言い聞かせてある。
  

。決してふざけ話をしている訳ではない。巨ベラ釣りに没頭できこたことはやり遂げた仕事と同様に輝かしい実績で価値あるものと信じて居るのである。 こうしたことをあっけらかんにお話できるなんて幸せに尽きる。


【 醜さが価値を壊し消す 】 



〇 ところでこんな醜悪なヘラ師もいる


 彼は綺麗な名称を持つ巨ベラ釣りクラブの会員で、会員は皆紳士である。彼もも当然ながらそうだろうと想ってお付き合いしていたが、そうではなかった。
 注、彼としているが、何人かのケースを纏めてあるので誤解のないように。

 彼は、小企業の社長さんで私より20歳は下。お休みは木曜日なので、その夕、釣り場に駆けつけナイターを開始。翌日は目一杯釣り座に座っていて、再び半ナイターをして、いつのまにか帰宅する。
 空いた時間は浪費しないぞと猛烈なもので、私は〝そんなに無理しないで良いじゃないの、老けたら一発で倒れちゃうよ〟と心配でならなかった。そんな彼の姿が次第に判ってきた。

 彼は極端な程の巨ベラ狙いで、例えば河口湖でやっていても情報が入ると途端に茨城県下の笠間湖などに一気に移動する。巨ベラに猛烈に誘われるのだろうなあー。それがたびたびなものだから、情報網の広さに感銘しながらも所要時間などを聞いてみたら、たとえば、群馬の榛名湖であれば2時間半で行くという2つ返事である。
 
 なんのことはない、150K/m以上出さないと着く筈ない。なんと無茶苦茶な男だこと。こんな男に私は釣られませんよ、とベロを出している巨ベラの顔が浮かびあがってぞっとしたり愕然とした。

 
これらを初めとして、

 ● 釣り禁止、禁漁区などの指定は無視
 ● ボートの乗り入れ禁止など糞食らえで折りたたみボートで目立たない様な位置にセットして決
   行。
 ● その上、毎年、間違いなく50ものを1枚を上げていて、早く言えば頭に位置しているとの話。 それもお話だ 
 けで誰もが実物を確認したことがないとか、。公表はしていないとのこと。オヤオヤである。
 
 ● あまつさえ、たまにはとお茶を奨め、バナナをさしだしたら「また、バナナかい」とボソッと一言。 社長さんと  
 やらの品格ゼロと知って、『こんな男はヘラ師などやりたい放題の人も多い。。他の会員は何故忠告しないの
 かとみていると、言っても無駄とあきらめ顔など暗い話ばかり。

 ● 巨ベラを金の成る木として扱っている[漁師]まで誕生したという。tヘラの美しい姿態にこそ価値があるの 
 だなどの話は夢のことになりそうである


 



〇、 こうなるとなると手に負えない。まあーいろいろなパターンがあるなあー 巨ベラの価値を根本から認めていないし尊敬していないのだからヘラ師失格である。
 人間が巨ベラを手にすると現れるとどうにも抑制出来ない悪癖のひとつで、薄っぺらなのに消えることがないのだから困る。  格言をもう一度噛み締めておこうではありませんか。
 



  私は巨ヘラ師の1番の根底には謙虚であることをが望まれていると見ている。

 


 
〇  尚、野での[擦れ取り]をあなたはどうみるのかしら。私はだれであれ【貴重な1枚】として釣ったことにしている。理由は、ハコのルールはいらない、寄せるのに大変な努力を払っている、からである。続く。