2006年10月31日

大公孫樹(おおいちょう)

★大公孫樹(おおいちょう)


寺町・大谷幼稚園にて(山形県山形市)
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寺町・大谷幼稚園にて(山形県山形市)


城下町山形の寺町。そこに幼年時に通った幼稚園がお寺の中にあった。

毎朝、本堂に集まり”トロイメライ”のレコ−ドを聞きながら、目をつぶりじっとする時間があった。静けさの中から、ひとりでに心がドキドキしてくる感覚をこの体験で得たのだ。いまでも、トロイメライの曲は、幼年時代そのままに新鮮なまなざしと落ちつきを思い起こしてくれる心のカギとなっている。

その寺は、左甚五郎の作といわれる力士が、4隅に彫られた大屋根を持っていた。
その境内に大きな乳だれイチョウがある。年輪をへて、上に伸びることができず太い幹の一部が乳房のように垂れ下がったことから、この名前があるのだそうだ。その根元は、コブの固まりをもった太い根を大地に張っている。根の張り具合に見合っただけの枝を大きく広げているのだ。

この大イチョウの木とその回りは、秋口に黄色一面となる。そして。末広がりの扇をいっぱいに広げ、思い思いに地上に降り立つ。地上の生きているものに声援を送るごとく。青色の空を見上げると、黄扇の中にひっそりと実を結ぶ銀杏は、次の世代に生きる力をしっかりと蓄えている。
子供達は、生きる力のおすそ分けを懸命に拾いつづける。白いガウンの前ポケットは、あっという間に満杯になる。そうそう、このガウンのポケットは、いつも何かしら膨らんでいて出会いの宝物を見つけては、大切にしまいこむ所であった。

日本の神社の境内には、銀杏をいっぱいにつけたイチョウをよく見かける。このころの早朝の散歩は銀杏拾いが目当てである。大切そうに一つ一つと拾いつづける。

家に駆け戻り、種の固い殻をペンチの穴に挟んでは、カキッ!。そしてフライパンでか−るく煎ると、薄皮がとれ、中から翡翠のように透き通った楕円のつぶが現れる。

それを食べる者へ生きる力を渡していくのだ。
”生きる力の宝石”をしたがえて、一面に黄扇のじゅうたんを敷きつめ、そこに来る人を待っているかのように・・・。

                         心の風景のデッサンより

 

http://www2c.biglobe.ne.jp/~ofuroudo/dessan_oonuma.html(大沼先生) :温泉人(おふろうど)




大公孫樹(おおいちょう)
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大沼先生と(大谷幼稚園時)
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大沼カツエ先生からの手紙・・・大谷幼稚園の時の先生



最上山 専称寺(山形市)





最上山 専称寺(山形市)






Maurice Marechal - TRAUMEREI
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ofuroudo at 00:07│Comments(2)

この記事へのコメント

1. Posted by 工坊   2006年11月02日 06:00
幼稚園の先生とのお話。懐かしい先生との出会いとお手紙を拝読いたしました。温かなお二人の心を感じます。人は何人もの人たちの手を借りて成長していくものなのですね。そして、イチョウの木のように、育ててくれた方々に恩を返すことができれば、これはまた、新しい息吹のように、そこからまた、別の人へと伝心していくものなのでしょうね。私も大切にします人との繋がりを。
2. Posted by 温泉人(おふろうど)   2006年11月02日 19:00
温泉人(おふろうど)です。
“人が、人をつくる”んだなあって、こうした歳を経てつくづく実感します。
人がつくられる大事な幼年期、そこで出逢い、過ごす環境は、大きく影響するなあと、自らの心の動きで確信するのです。
大きくなって、こうして先生に本として想いを手渡せたこと、この本を書いてよかったと思えることのひとつでした。
こうして、頂いた手紙も残すことができたこと、一番嬉しいのは私自身なのですから・・・。
こうした大切だと実感したことを、次の世代に伝えたい。こう思えるのです。強く、そう思えるのです。

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