2006年12月18日

湯煙の向こうに自分が見える(エビアン)

湯煙の向こうに自分が見える(★エビアン  エビアン保養所)


エビアン
 

  

1991年に記念すべき海外の温泉に入ることが出来、「ミスター エビアン」と呼ばれるようになった話。 

「200個所目は、何としてもフランスで達成したい」

と、出かける前の週に、信州の湯を一日に4個所入り、199個所にした。

東京駅八重洲口近くにある日本温泉協会を尋ね、著書「世界の温泉」を購入した。
そのページをめくっていく中で出会ったのが、フランスのエビアンの飲泉所の写真。
  
 
「ここに行ってみたい」

強い思いが押さえられずにいた所へ、ついにその夢を現実のものとする絶好の機会が訪れたのだった。

「ここで降ろしてください」

理解有るツアーコンダクターに「その国に来たのなら、自分の足でできる限り見て歩くこと」と励まされ、団体での行動を一日抜け出すことで実現した。

レマン湖を対岸から船で渡り、フランスの飛び地エビアンへ。4000Mを越えるスイスのアルプスの麓にそれはあった。ほとんどが硬水のヨーロッパで、このエビアンでとれる軟水は、貴重な飲料水。だから、この水を守るために回りの山々には、人の人工的な手を加えないことを決め、守り続けているとのこと。

今では、日本の各地のコンビニでエビアン水は売られている。しかし、化粧水ならわかるけど飲料水として水を店で買うことなど、当時の日本では考えられなかった。
だから、当時ヨーロッパに行っておどろいたことだったのである。飲料水(エビアン)がビールと同じ程の値段で売られていて、レストランでも水を買って飲んでいた。

その飲泉所は、石畳の坂の上の公園の中央にあった。多くの人が、ペットボトルほどの大きさの蓋のついた容器何本かに水を汲んでいった。

しばらくして、公園の前に年代を感じる石づくりの建築物が建っていることに気づき入り口を尋ねた。エビアン水のポスターをカメラに納めようと、片言の英語で尋ね、許しを得た。ここは、エビアンの本社だった。案内嬢は、親切に会社案内とそのポスターを差し出してくれたのだった。

さて、目的の飲泉所にはたどりついたものの、ぜひ温泉に入ってみたいとの思いが強く、歩き出した。石畳を降り、一面芝生の広がる建物に出会った。かすかに温泉の香りがすることと、お年寄りが歩いていることで、そこがサナトリウムであることが分かった。建物のドアを開け、受付を尋ねたが、フランス語は話せないばかりか、

「CAN YOU SPEAK ENGLISH?」 

と問われて、

「NO」

と返事をする情けなさ。でも、とにかくフランスのエビアンで温泉に入りたいという強い願いが表情に表れていたのだろう。受付の人を動かし、両替所(スイスからここフランスに入ったため貨幣を交換しなければならなかったのです)でフランに交換するよう教えてもらった。でも、どこが両替所かも分からないまま街へ戻り、自分の持てる感覚を総動員して探し出し、なんとか両替することができた。こうして、受付に戻り、今交換したばかりのフランを差し出したが、首をひねっている。しばらくして、了解したとばかりに首を縦に振って、着いてくるように促した。

そこは、脱衣所。きっと水着が必要だろうと水泳パンツは持参していたからこれは問題なかった。でも水泳キャップを借りることになったがもう、全部の両替の硬貨は差し出してしまったためなにもなく、一枚の硬貨を貸していただいた。

こうして、ようやく温泉の浴室へ。しかし、ドアを開けてもどうみてもそこはプール。ヨーロッパの温泉利用については、こうした施設で温泉療養が目的であるため、温泉医といわれる人に指導を受けながら入るものだと、本で知ってはいたが、さすがにこれでは温泉に入った気分ではない。見渡すと、丸い浴槽にボコボコ泡が出ていて、体格のよい中年の女性が水着のまま入っているのが見える。これだとばかりに、近づいて挨拶をしながら浴槽に入った。

「やった!ついにエビアンで温泉に入った!」

さて、湯上がりは、入り口近くのロビーの中心に大きな自然の大理石が置いてあり、そこから温泉水が流れている。これを飲泉カップで汲み、寝そべる椅子に体を預けながらゆったりと、ゆっくりと湯を飲んでいる。それに習って。ゆっくりと体を十分に休めた。

レマン湖を渡る船上から、次第に離れていく夕暮れのエビアンを見送りながら、船内で一人、買い求めたコーラで“乾杯”。


http://www.eviantourism.com/(エビアン市公式ホームページ)

エビアン市の詳しい紹介(日本語)(57KB)(PDF文書)

http://evian.co.jp/index.html?ref=true(エビアン)

http://www2c.biglobe.ne.jp/~ofuroudo/yukemuri_blog.html(湯煙の向こうに自分が見える)



ofuroudo at 00:07│Comments(0)

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