2010年08月12日

夜光虫

夜光虫

夜光虫(ウミボタル)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜光虫(ウミボタル)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山を見て育ったため、海での強い驚きの体験は数少ない。その中でも、夜光虫には驚いた。


夜のしめった空気を受けながら、海岸の道をバイクで走る。ちょっとした空気の流れのせいだろうか。生暖かい風と、冷たい風が混じり合って交互にぶつかってくる。
林の先には、静まり返った砂浜が広がっており、浸食され覆いかぶさるように砂岩の壁が続いていた。

その中にあって光るものがある。波打ち際で海を見る。波頭がボワ−ッと薄青く光る。
回りに光りのない砂浜はそう無い。たまたま、砂岩の壁と松林に囲まれ、明かりの差し込まない砂浜で出会った光景である。

おそらく、これが夜光虫なのだろうと、その砂浜へ足を差し出し、ゆっくり波打ち際を歩きだす。とたんに、また不思議な光が在ることに気づいた。それは、波打ち際の濡れた砂を踏みつけた足の回りが、なにやら光っている。確かめるために、力を入れて踏みならしてみると、その回りでやはり、ピカリ。
ためしにしゃがみこんで、指を開いた手のひらでパンパンと濡れた砂をたたく。やはり指の間の砂が、ピカリ。 パンパン!、ピカリピカリ! 

しばらく、飽きずにやっていた。田んぼのホタルの何十分の1かの、小さな光が瞬くのだ。

目の前の、海と空との境を見る。そして見上げる。頭の上の遠くの遠くの光と、足元の波打ち際の小さな生き物の光は、互いに話をしているような。

海の、忘れられない光景である。

                    「心の風景のデッサン」より

 

http://www2c.biglobe.ne.jp/~ofuroudo/dessan.htm「心の風景のデッサン」:温泉人(おふろうど) 

http://blog.livedoor.jp/ofuroudo/archives/50677240.html 島影「心の風景のデッサン」より

http://www2c.biglobe.ne.jp/~ofuroudo/matusima_shimakage.html 島影(宮城県多賀城市七ヶ浜町にて、塩釜港、松島を臨む)温泉人(おふろうど)



ofuroudo at 00:07│Comments(0)

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