おがわ亭

先週のある日、夜11時にはお客様が一斉に帰られました

僕は片付けをしながら閉店の準備をしていると

『小川!久しぶり!』

と声を出しながら一人の男性が入ってきました

僕は全然分かりませんでしたが

『中学一緒だった〇〇だよ!覚えてる?』

僕は20秒固まってよく考えました






結果






やっぱり

卒業してから30年以上会ってない

中学時代、ほとんど喋ったことのない同級生です






体型は見るからに100キロ近くのガンタンク

髪の毛は見事な教頭先生

とにかく口の周りの髭が濃く腕毛などすでに反則です

当時の面影全くなし



分かるわけもない





『とりあえず生ちょうだい』

『大学卒業してから真岡の工業団地に就職して

明日宇都宮で研修があって俺、初めて呼ばれたんだ

この近くのビジネスホテルに会社の金で今日は泊まりだよ』

『実はずぅ~~と小川に会いたかったんだ!

小川の携番も知ってるよ』


こう言いながら同級生はカウンターに座って

旨そうにビールを飲んだ




『なんだよ!オレに会いたいって。気持ち悪いな』

僕は笑いながら言うと


















『若い姉ちゃん紹介してくれ』

















『は??????』













『小川は若い姉ちゃんに囲まれて仕事してんだろ??

茂木で有名な噂だぜ!一人紹介してくれよ!マジで!!』















おや!

このガンタンクは人間界にまだ慣れてないのかな??















『女の子になんか囲まれてねーよ!』

『そんなの噂だよ噂!信用性ゼロの噂!』

『たしかに夜のバイトの子は若いけど全員人妻さんだよ』

僕は言うと
















『若いならその人妻紹介してくれ!25歳までのな!』


















おや・・・

久々に会ったと思ったら

教頭先生に変身していた君は

越えてはいけない1線を越えようとしてるのかな・・・??














『小川!真面目に聞いてくれ!』

『俺は今は少し髪の毛きてるけど帽子被れば顔も童顔だし

まだまだ若く見えるんだよ

キャバクラ行けば俺の年齢聞いて女の子がビックリするんだよ

だから俺は若い姉ちゃんと付き合えるんだよ』


















痛い・・・・

痛いよ・・・・

しかし何で毛深い人って自分が童顔で若いっていうんだろうね・・・

髭の濃さ見てみな!若いかい?

誰かにおだてられて本気にする勘違い人間って・・・

結構いますよね? 僕だけかな?

若いって言ってる段階でおっさんじゃんね!








しかし

この同級生・・・・

会って5分ぐらいだけど

結構手強い・・・・

仕上がってるやん










僕は

『若いの若いのって?どうしたんだ?

そんなに若い女の子に興味あるのか??


『結婚してんだろ?嫁は?子供は!』


僕は今までこの同級生には全く接点がありませんでした

仲のいい他の同級生と会っても

この同級生の話は一切してきませんでした

だからこの同級生の情報は全く知りません




同級生は

2杯目のビールと刺身をつまみながら

『俺は30歳まで独身で焦って8歳年上の女と結婚した

男2人の子供もいる。

10年前に家を建てた。今ローンを払ってる。まだまだ残ってる』

『会社は真岡の〇〇に勤めてる。若い時に仕事で失敗してクビになりかけたけど

なんとか働いてる。けど、万年ヒラだからいつでもリストラ候補だよ」』



僕は

『結婚して子供2人もいてマイホームなんて幸せな家庭じゃねーかよ』

『凄い会社に勤めてるんだしまだまだ頑張れよ』

何気なく家庭円満を強調し仕事を励まし話題をそらそうとしました





『うちの嫁100キロぐらいあるんだよね・・・

痩せなくちゃと言いながらドンブリで飯喰うんだよね・・・・』

『仕事も働きたくないと家にいる。だから俺の安い給料のみで生活してる。

俺の小遣い月に昼飯込み1万円だぞ!ありえるか?』

『しかも嫁は何かと金の不満や愚痴ばっかし

2人の子供は嫁の味方で俺になつかない』

『嫁は家ですれ違っただけで俺のこと臭いって・・・

臭い俺よか臭いお前に言われたかないつーの!!』

『こんな嫁だよ。随分前から家庭内別居だよ』



同級生が怒ってきた

家庭の話は逆効果

笑いたくても笑えないこのトーク

つらいです










僕は

『〇〇なら会社も大きいし沢山女の子いるよね?

連絡先知らないの??』

一か八か話題を戻しました


『うちの会社は大きいけど俺の部は女の子少ないんだよね。

若いのが2人、携番は知らないけどラインなら知ってる

教えてくれた日に2人とも本気で口説いたら・・・・』




















『その日にブロッグされた・・・』























えっ何これ

笑っちゃいけない同級生・・・??

笑うとケツしばかれるの??








僕は

『キャバクラ行ってるんだろ??キャバ嬢は?』


同級生は

『キャバクラは年末の源泉徴収の戻りあるだろ?

10万ぐらいなるんだよ!

うちの会社は現金でくれるから

その金で12月にキャバクラ5回ぐらい行けるんだよ』

『今はキャバクラの姉ちゃん。すぐライン教えてくれるから

その日に彼女になってくれと全員アタックするんだけど』




















『その日にブロッグされる・・・・』


















もういい

ケツしばかれてもいい

笑わしてくれ














しかし

こんなにその日にブロッグされてるとはおかしい・・・

僕はなんて口説いてラインしてるんだ?と聞きました


同級生は

















『俺の彼女になってくれ!そしてたくさんセックスしよう』







『俺に抱かれたらお前は完全に俺の虜!自信あり』
















『彼女が重いなら初めはセフレでも良い!とにかく1度抱かれてみろ』



















あっはいはい

この同級生は1線2線もすでに超えていたのね・・・・














僕はそんなに若い子がいいなら風俗に行けよと言いました











同級生は自信満々に

















女抱くのに金だしたらその辺の汚いオヤジと一緒だろ!!!

俺みたいな若く見える男は金は使わん!!!!!!!

















こいつもう殺していいすか??















ん?

ちょっと待って

この同級生は小遣い1万円と言ってたな・・・

仮に彼女が出来た場合、お金はどうするんだ??

僕は聞きました



















『金?デート代やホテル代は女が出すに決まってるだろ』














『俺に抱かれた女は金出しても俺に会いたくなるんだよ!!!!』






















デスノートない?

どっかに落ちてない?













ビール5杯目を注文されましたが僕は断って帰らせました






この同級生の余裕の自信はどっからくるのだろう・・・

僕の年齢になって「まだまだ青春」と思うのは良いと思う

でも「イケイケGOGO」ではね・・・

この同級生が性犯罪を犯さないことを願うばかりです

昨日は雨が急に強くなったり強風が吹いたりと

凄い台風でしたね

台風といえば

僕は子供の頃

父ちゃんに騙されたことを思い出します

小学1,2年生の頃

台風の時期だったのか

よくニュースで波浪注意報って言葉を聞いてました















父ちゃん波浪注意報って何だ??











父ちゃんは真面目な顔して













外人がハローって挨拶してくる日だ













ハロー注意報・・・・








僕は中学上がるまで

外人がハローと挨拶以外に英語で話してきたらどうしよう・・・と

本気でおっかね~日があるなと思ってました












いつか僕も小さい子供に聞かれたら騙そうと思ってます











今年のお盆は父ちゃんお墓参りに行けました

塗装業を営んでた父ちゃんが73歳で死んで

もう8年になります

僕が子供の頃の父ちゃんは怒ると本当におっかない

『昭和』って感じの父ちゃんでした

晩年は65、6で跡取の兄ちゃんに塗装業を任せ

ほとんど家にいました

兄ちゃんの

ご隠居に高級車はいらね!という理由で

父ちゃんは軽トラを乗せられてました




1年ぐらいに軽トラを乗っていましたが

当時

突然、父ちゃんから電話があり

『のぶ、どこ行くのも軽トラじゃカッコ悪いから

軽自動車でいいから何か買ってくれ』

と言われ兄ちゃんに相談し僕たち兄弟3人で

お金を出して父ちゃんに中古車ですが

最新型の軽自動車を買ってあげました

納車の時は大変喜んで僕にお礼に電話があったのを

今でも覚えてます






その1週間後ぐらいに父ちゃんは対物事故を

起こしました

軽自動車はめちゃくちゃになってしまいましたが

幸い父ちゃんは軽傷で済みました



一応、念のため検査入院しました

僕の所に、すぐ電話がありましたが

予約がびっちり入っていて

なかなかお見舞いに行けませんでした

5日後ぐらいに兄ちゃんから電話があり

父ちゃんが脳梗塞だと判明しました

事故の原因も脳梗塞です

僕は兄ちゃんに

『大丈夫なの?父ちゃん大丈夫なの?』

電話で何回も聞き直したのを覚えてます

回復はしないけど薬で進行を止めることはできると

兄ちゃんは言って電話を切りました



僕は父ちゃんは

病院でつらくて苦しい思いをしていると思い

何とか時間を作り次の日病院に見舞いに行きました

父ちゃんいる大部屋に入った瞬間

僕は

突然訪れた恐怖にガチ泣きそうになりました





















父ちゃん



















ベットの真ん中であぐらをかいて

















たべっこどうぶつ



















めっちゃ笑顔で喰ってるっ・・・・・





















あの父ちゃんがたべっこどうぶつって・・・










その笑顔は何・・・・

たべっこどうぶつ・・・・

そんなにうんまいの・・・・??









『なんだ!のぶ!来てくれたんか!』

父ちゃんはさらに笑顔で言いました

僕はベットの父ちゃんの隣に座り

『身体、大丈夫なんか?』と聞きました

父ちゃんは

これ喰うか?

たべっこどうぶつを僕に差し出しました

僕は『いらね』

『身体は大丈夫なんか?どっか痛くない?』

僕はさらに聞きました

父ちゃんは

『じゃこれ喰うか?』



父ちゃんは

棚の上から出したものは
























干し納豆・・・・

















えっ?


なんで干し納豆・・・・・・・・??














父ちゃんが

身勝手の極意を極めた瞬間を見た気分です









『なんで干し納豆が、ここにあんだよ!売店で買ったんか?』



『病院の売店に干し納豆売ってるワケねーよ。

このお菓子は俺が売店で買ったんだよ』

と父ちゃん

またたべっこどうぶつを食べはじめました




僕は冷静になりました

父ちゃんは事故起こして即入院

どこにも行けない

しかも父ちゃんは売店で干し納豆を買ってない

ってことは・・・・

















父ちゃん

干し納豆持ち歩いてたんかーーーーーーーーーーーーーー(怒)
































おっかねぇ





おっかねーよ
















昔もおっかねーけど

今は違う意味で本当におっかねーよ














嬉しそうにたべっこどうぶつを喰ってる父ちゃん

『お茶飲むか?』と

棚の上から

自分が飲んでたマグカップを僕に差し出しました

何歳になっても親子ですから口写しは気にしません

































僕はここで脳梗塞の本当の恐ろしさを味わいました


















父ちゃんから渡されたマグカップ

















父ちゃんの

















部分入れ歯入ってる・・・・・・・・()
















しかも2個・・・・・・・・・(号泣)
















飲めねぇ・・・

いくら親子でも入れ歯入りお茶は飲めねー・・・・・

やっちゃダメなやつ・・・


この前、更新した親子ジグザク?

親子の絆・・・?

んなもんねーよ




僕は涙目で

マグカップをそっと棚の上に置きました









父ちゃん入れ歯がないと

たべっこどうぶつ固いよ









使おう



たべっこどうぶつ食べるときは



入れ歯使おう






笑顔で喰ってる父ちゃんに

僕はその一言が言えませんでした












父ちゃん

ボケか・・・

天然か・・・・

笑いとるためにわざとか・・・・・

それとも本当に脳梗塞の症状なのか・・・



いつか聞こうと思っていましたが謎のままです





ただ僕が今いえるのは

晩年の父ちゃんは





















本物の漢(おとこ)だったこと!!!
















僕は息子で良かったぜ!!!!!






























































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