yjimage-57
















ニュージーランドで、増え過ぎた野ウサギを大規模駆逐するというニュースが報じられました。


ニュージーランド当局は今月、急速に繁殖する野ウサギを駆除するウイルスを散布する。

同国の一部の地域では、野生のウサギは有害鳥獣と考えられている。当局は、ウサギに効果がある兎出血病ウイルスの一種、「RHDV1-K5」を散布することでウサギの増殖を抑えたい考え。


農業団体はウイルス散布を支持しているが、ペットのウサギに影響を及ぼす可能性はないのか懸念する声も出ている。


(中略…)

1830年代にウサギが最初にニュージーランドにやってきて以来、農家は農産物への被害に悩まされてきた。

野ウサギは、放牧地で家畜が食べる草を食べてしまったり、穴を掘って土地を荒らす可能性がある。


ニュージーランドの第1次産業省によると、野ウサギによる被害額は、生産減少による損失が毎年平均5000万ニュージーランドドル(約38億4000万円)で、除去のコストは2500万ニュージーランドドルに上るという。


(中略…)


兎出血病ウイルスの初期タイプは、1997年にニュージーランドに導入された。

ウサギのみに影響があるウイルスで、当初は非常に効果を出したが、導入から20年余り経過し、ウサギは耐性を持つようになった。


新しいウイルスの「RHDV1-K5」は、韓国から導入される。ウサギの内臓に影響を及ぼし、発熱やけいれん、血栓や呼吸不全を引き起こす。


第1次産業省によると、「RHDV1-K5」は従来のものより効果が出るのが早く、感染から2~4日でウサギを殺傷する。





  BBC NEWS JAPANより引用   http://www.bbc.com/japanese/43223333


1830年代に人間によって、狩猟用としてニュージーランドに持ち込まれた、外来種であるウサギ。

もともと天敵が存在しないため、もの凄い勢いで繁殖したんですね。


それにしても駆除にウイルスを使用するなんて、乱暴な話。

でも、そのくらい現地の人にとっては切羽詰まった問題なのでしょう。



でも、この殺ウサギウイルスでどこまで駆逐できるのでしょうか?

おそらくは、多少の時間稼ぎにしかならないでしょうね。

実は、ウイルスによる大規模駆除は、おとなりのオーストラリアでも試みられて来ました。


参考までに…

兎粘液腫


まあ結局、早々にウサギがウイルスに対する耐性を獲得してしまうだけでなく、ウイルスの方も一定時間経過すると弱毒化するように出来ているんですね。

これがウイルスの生存戦略でもあるわけで、宿主を絶滅させて共倒れにならないように巧妙に出来ているのです。


個人的な考えですけど、先のエボラ出血熱が西アフリカで大流行した時も、おそらくこの機序が発動したものと思います。

いわゆる、ウイルスと宿主とが共生関係に入る訳なのです。


実は、以前、殺ウサギウイルスについて個人的に文献で調べたことがあるのですが、オーストラリアでの作戦では、耐性を獲得したのではなく、ウイルスの方が弱毒化したものと記憶しています。

つまりは、ウイルスで特定の動物を絶滅にまで追い込むのは、とても難しいということなのです。

ウサギに比べてずっと世代交代の遅い人間ですら、生まれつき抗体を持つ個体が出現する訳ですから。


もうしばらくは、人間と野ウサギとの戦いは続きそうです。









無料の託児所を完備しています。

<杉並区 荻窪駅徒歩3分 野田カイロプラクティックセンター荻窪院>