かれこれ十年以上も前のこと、トルコ人経営の小さな雑貨屋を市内で見つけた。僕はそこで、簡単な食材、例えば<フマス>という豆のディップなどを買ったりしていたのだ。
何回か行くと店員も僕の顔を覚え、何かと話も弾んだりする。フレンドリーな私めである。店の片隅には、安い音楽テープも積まれており、僕が手にとって眺めていると店員が色々と説明する。安いので勧められるままに3本くらい買う。最後に見つけたのは、<Azerbaycan Halk Muzigi>というタイトル(写真左)。要するにアゼルバイジャンの民族音楽だ。そして、この最後のテープが一番良かった。聞いていて、なんだか妙にシックリと来るところがある。陳腐なことを書かせて貰えば、シルクロードを渡って僕の体にもわずかに有るだろう中近東のDNAが、音楽を聞いて、存在表明を始めたという感じだ。しばらくは、通勤の行き帰りにこのテープばかり聞いていた(さて、アゼルバイジャン音楽はアゼリ(Azeri)とも呼ばれるので、以後はアゼリと表記)。
色々な国に接しているから、アゼリには様々な音楽の要素が入り込んでいる。その中でも、もっとも伝統的なのがムカームと呼ばれる音楽。イランやトルコの音楽の影響が強く、非常に複雑な音楽体系を持っているのだそうだ。ピッチは半音だけでなく四半音もある。テーマとなるのは、男女の愛が多いそうだが、祖国に対する想いや至高の存在(神)に対する愛も説かれるのだとか。ジャズと同じく即興性が高く、ムカームの奏者および歌手には個性と共に高い技量が必要とされるそうな。
下の動画はアリーフ・ババエフ。キリストの生誕時に東方から訪れたという三博士は彼らのような格好をしていたのではないだろうか。この人が山上で歌えば、コーカサスの山の峰を通ってかなり遠くまで声が届くのだろう。高齢に見えるが、声の張りは素晴らしいし演奏も同じく素晴らしい。歌の後半の盛り上がりには精神の昇華すら感じる。
<Mugham by Khan Shushinski>
お次は、古い時代の歌で、演者はカーン・シュシンスキー。蒙古とロシアの名前の組み合わせ。この人の声も高く良く伸びる。タール(Tar-写真右下)と呼ばれるリュートやケマンチェ(kemancha-写真左下)と呼ばれるフィドルの音がとてもエキゾチックで堪りません。


<Alim Qasimov-bana bana gel>
アリム・カシモフは、現在アゼリの第一人者と呼んでも良いだろう。貧しい寒村の出で、苦労をしながら音楽を学んだそうだ。力強い歌も素晴らしいが、競演の演奏者の技巧も優れている。
<Azerbaycan Tebriz >
さて、アゼリの中でも、なんとなくアジア風のものがあり、この歌などはなんとなく韓国の演歌を想い起こさせる。哀しく歌が始まり、そして途中で熱い気持ちが堪え切れずに迸るのだ。ああ、祖国アゼルバイジャン。
<Azeri Turku - Ne Galdi>
この切れ目の無いオルガンの旋律が堪らなく気持ち良い。この曲を聴きながら、濃いトルコ風コーヒーを口に含めば、まぶたの裏で腰をくねらせながら踊るベリーダンサーが見えることでしょう。
何回か行くと店員も僕の顔を覚え、何かと話も弾んだりする。フレンドリーな私めである。店の片隅には、安い音楽テープも積まれており、僕が手にとって眺めていると店員が色々と説明する。安いので勧められるままに3本くらい買う。最後に見つけたのは、<Azerbaycan Halk Muzigi>というタイトル(写真左)。要するにアゼルバイジャンの民族音楽だ。そして、この最後のテープが一番良かった。聞いていて、なんだか妙にシックリと来るところがある。陳腐なことを書かせて貰えば、シルクロードを渡って僕の体にもわずかに有るだろう中近東のDNAが、音楽を聞いて、存在表明を始めたという感じだ。しばらくは、通勤の行き帰りにこのテープばかり聞いていた(さて、アゼルバイジャン音楽はアゼリ(Azeri)とも呼ばれるので、以後はアゼリと表記)。色々な国に接しているから、アゼリには様々な音楽の要素が入り込んでいる。その中でも、もっとも伝統的なのがムカームと呼ばれる音楽。イランやトルコの音楽の影響が強く、非常に複雑な音楽体系を持っているのだそうだ。ピッチは半音だけでなく四半音もある。テーマとなるのは、男女の愛が多いそうだが、祖国に対する想いや至高の存在(神)に対する愛も説かれるのだとか。ジャズと同じく即興性が高く、ムカームの奏者および歌手には個性と共に高い技量が必要とされるそうな。
下の動画はアリーフ・ババエフ。キリストの生誕時に東方から訪れたという三博士は彼らのような格好をしていたのではないだろうか。この人が山上で歌えば、コーカサスの山の峰を通ってかなり遠くまで声が届くのだろう。高齢に見えるが、声の張りは素晴らしいし演奏も同じく素晴らしい。歌の後半の盛り上がりには精神の昇華すら感じる。
<Mugham by Khan Shushinski>
お次は、古い時代の歌で、演者はカーン・シュシンスキー。蒙古とロシアの名前の組み合わせ。この人の声も高く良く伸びる。タール(Tar-写真右下)と呼ばれるリュートやケマンチェ(kemancha-写真左下)と呼ばれるフィドルの音がとてもエキゾチックで堪りません。


<Alim Qasimov-bana bana gel>
アリム・カシモフは、現在アゼリの第一人者と呼んでも良いだろう。貧しい寒村の出で、苦労をしながら音楽を学んだそうだ。力強い歌も素晴らしいが、競演の演奏者の技巧も優れている。
<Azerbaycan Tebriz >
さて、アゼリの中でも、なんとなくアジア風のものがあり、この歌などはなんとなく韓国の演歌を想い起こさせる。哀しく歌が始まり、そして途中で熱い気持ちが堪え切れずに迸るのだ。ああ、祖国アゼルバイジャン。
<Azeri Turku - Ne Galdi>
この切れ目の無いオルガンの旋律が堪らなく気持ち良い。この曲を聴きながら、濃いトルコ風コーヒーを口に含めば、まぶたの裏で腰をくねらせながら踊るベリーダンサーが見えることでしょう。








































