ライ・クーダーは昔からのファンだし、レコードも初期の頃のものは必ず買っていた。
だから、彼の曲を聴くのは好きなんだけど、アメリカに来てから、聴くのに居心地悪い曲が出来た。それは、<FDR in Trinidad>という歌。
ギターワークも心地よいカリプソの曲で、大学の時には何回かコピーを試みたのでした(一部しか出来なかったけど)。曲自体は素敵だと思います。
これはフランクリン・ルーズベルトがトニダードに訪問した時のことを歌っていて、歌詞自体は、アメリカとの友好関係を築きましょう、ということを素朴な感じで歌っています。 歌っているのは、<アッチラ・フン>こと、レイモンド・ケベドさん。オリジナルはこれです。
<Roosevelt in Trinidad−Attila the Hun>
歌詞を聞いていると、ルーズベルトの気さくな笑顔、コーデル・ハルの平和の努力なんて部分もある。
ただし、彼らは別の顔も持っていた。
この二人は日米の開戦を避ける努力を目的に、日本から特使として送られてきた来栖特命大史と野村駐米大使には、全く逆の態度をとった。交渉の最後に冷たく日本が呑み込めない要求を突き付けて来た。
裏話として、彼らが在米中、日本本国との通信はすべて米国に傍受されていたという話もある。
アメリカでは敵国民として、日本人だけが強制的にキャンプに送られた。それどころか、米国籍の日本人から国籍まで剥奪した。これは憲法違反であるけれど、米国政府が日系米人に正式に謝罪したのは、レーガン大統領の時だと記憶している。なんでも、ルーズベルトは、日系人たちを南米に強制移住させる計画すら考えていたとか。
ドイツが核兵器を開発するという危機感から、原爆を作り上げた米国。マンハッタン計画はルーズベルのもとで行われた。しかし、そのドイツが降伏しても彼らは、その原爆を日本に使用した。二つの異なるタイプの原爆を、日本が降伏する間も与えずに、民間人の居住地に落とした。まるで実験を行うかのように。
下の写真は、日系人排斥運動の時代に撮られた一枚。
「私はアメリカ人だ」という張り紙がどれだけ切羽詰まったものだかを考えると切なくなる。


とにかく、そんな理由で、この歌は聞いていて、複雑な気持ちになってしまう、私なのです。
「昭和史」という本を書いた半藤一利という作家は、この様に書いている。
「大事件は氷山の一角で、下にはいくつもの小事件が隠されている。突如、事件が起こるというものではなく、時間をかけて、連鎖的にゆっくり形づくられてきたいくつもの要因が、ある時、まとまって大事件として噴出してくる。ある時点での人間の小さな決断が、歴史をとんでもないほうへ引っ張っていくこともある。その恐ろしさはそこが知れない」
あのヒットラーですらきちんと選挙で選ばれたんだよな。
だから、彼の曲を聴くのは好きなんだけど、アメリカに来てから、聴くのに居心地悪い曲が出来た。それは、<FDR in Trinidad>という歌。
ギターワークも心地よいカリプソの曲で、大学の時には何回かコピーを試みたのでした(一部しか出来なかったけど)。曲自体は素敵だと思います。
これはフランクリン・ルーズベルトがトニダードに訪問した時のことを歌っていて、歌詞自体は、アメリカとの友好関係を築きましょう、ということを素朴な感じで歌っています。 歌っているのは、<アッチラ・フン>こと、レイモンド・ケベドさん。オリジナルはこれです。
<Roosevelt in Trinidad−Attila the Hun>
歌詞を聞いていると、ルーズベルトの気さくな笑顔、コーデル・ハルの平和の努力なんて部分もある。
ただし、彼らは別の顔も持っていた。
この二人は日米の開戦を避ける努力を目的に、日本から特使として送られてきた来栖特命大史と野村駐米大使には、全く逆の態度をとった。交渉の最後に冷たく日本が呑み込めない要求を突き付けて来た。
裏話として、彼らが在米中、日本本国との通信はすべて米国に傍受されていたという話もある。
アメリカでは敵国民として、日本人だけが強制的にキャンプに送られた。それどころか、米国籍の日本人から国籍まで剥奪した。これは憲法違反であるけれど、米国政府が日系米人に正式に謝罪したのは、レーガン大統領の時だと記憶している。なんでも、ルーズベルトは、日系人たちを南米に強制移住させる計画すら考えていたとか。
ドイツが核兵器を開発するという危機感から、原爆を作り上げた米国。マンハッタン計画はルーズベルのもとで行われた。しかし、そのドイツが降伏しても彼らは、その原爆を日本に使用した。二つの異なるタイプの原爆を、日本が降伏する間も与えずに、民間人の居住地に落とした。まるで実験を行うかのように。
下の写真は、日系人排斥運動の時代に撮られた一枚。
「私はアメリカ人だ」という張り紙がどれだけ切羽詰まったものだかを考えると切なくなる。


とにかく、そんな理由で、この歌は聞いていて、複雑な気持ちになってしまう、私なのです。
「昭和史」という本を書いた半藤一利という作家は、この様に書いている。
「大事件は氷山の一角で、下にはいくつもの小事件が隠されている。突如、事件が起こるというものではなく、時間をかけて、連鎖的にゆっくり形づくられてきたいくつもの要因が、ある時、まとまって大事件として噴出してくる。ある時点での人間の小さな決断が、歴史をとんでもないほうへ引っ張っていくこともある。その恐ろしさはそこが知れない」
あのヒットラーですらきちんと選挙で選ばれたんだよな。
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