僕の場合、ギターを爪弾いていて、たまたま良いフレーズを奏でたりすると、「このフレーズはどの曲に使えそうかな?」などと考えたりするのです。
最近、ギターが奏でてくれたフレーズは、この曲に使えそうだと、アレンジを考えてる最中。

Muddy Waters - Baby Please Don't Go


ハモニカを吹いてるのは、若きジェリー・ポートノイですね。

下は奥さんとのツーショット。マディは30歳代かと思われます。彼が正式に結婚したのは、このジェネヴァという女性だけだそうです。
large


さて、この<Baby Please Don't Go>ですが、一番古そうな録音は(以前も紹介ししたように)ビック・ジョー・ウィリアムのやつでしょうかね。

この曲は、色々なミュージシャンのカバーが有ります。歌詞がそれぞれ、少し違ったりしますが、一番目の歌詞は同じ。
「ベイビー、ニューオリンズに行かないでおくれ、だって俺はお前を心から愛してるんだから」という歌詞。で、何でニューオリンズという地名が出て来てるのか?

ミシシッピ川の河口に位置するこの大きな港町には、、昔から歓楽街が有り一昔前まで、娼家を兼ねたダンスホールなども多くあったのです。ここら辺は「朝日の当たる家」などでもお馴染みですね。だから、上の歌でニューオリンズに行くと云っている女性は、苦界に身を落とそうとしてるわけです。彼女に、「なあ、行くなよう、愛してるんだからさ」と未練がましく泣きつく男。土壇場になると女性の方が思い切りが良いという話も聞きますねぇ。女は強し、か。

この女の亭主は「刑務所で鎖につながれて労働をやらされている」という歌詞が出て来る。
そして、マディの歌には、「お前と一緒にローリングフォークまで来たのに、今さら冷たく振舞うのか」と女をなじる部分が有りますので、この男は亭主持ちの女性と駆け落ちでもして来たのでしょう。ところが、二人は食い扶持に困りつつあるのか。嗚呼、愛情だけじゃ生きてけない世の中。
それでも、男は「明かりを落としてくれ、今夜一晩中、懇願するから」…どんな頼み方をするんでしょうね。

ま、想像を逞しくするこんなストーリーがあぶり出されてきます。

ところで、この<Baby Please Don't Go>を聞きながら、今、思い出してるのがこの日本の歌。
山崎ハコ 織江の唄
この織江さんも夜の蝶となろうとしているわけですが、慕う男性と一夜の契りを望むわけです。こちらの歌では、気持ちを整理するためでしょうか、女性がお願いしておりますね。もちろん、メロディは日本の短調ですな。


<おまけ>
さて、この歌のカバーは多いわけですが、このThemのは何故だか子供の時によく聞いた気がします。姉が聞いていたのかな?

Them - Baby Please Don't Go
ヴァン・モリソンも若いです。ちょっときかん坊な感じです。

元祖というべきは、やはりこの人。
Big Joe Williams - Baby Please Don't Go
9弦ギターなどと言う自作のギターを弾いております。

最後はライトニン・ホプキンスとか考えておりましたが、ついついこのグループを出しちゃう、俺。
Aerosmith - Baby, Please Don't Go


これは、女性もカバーしてますね。
Rose Mitchell - Baby Please Don't Go

50年代に出されたR&Bですね。手拍子が入ったりして、昔の風情がしますな。