Q:この前ICUに実習に行きました。そのときに患者様がつけていた酸素マスクが違うのに気づきました。  多分普通に酸素いってた人は酸素マスクの穴がそんなにあいてなかったのですが、アクアサームをつけて  いた人の酸素マスクは穴が大きくあいていました。これって何か違いがあるのでしょうか?  酸素マスクっていろいろ種類があるのは聞いたことあるのですがどのようなときにどのマスクを使えば  いいのでしょうか? A:酸素投与には低流量式と高流量式があります。  普通のマスク(小穴が密集しているもの)やネーザルカニューレなどの低流量式とは、純酸素を流し、  患者の口鼻の周囲にて空気と混合させて結果として吸入酸素濃度を上げようとするものです。  1分間に3Lの酸素が流れたとしても、成人の分時換気量は10L近くあります(1回換気量が500mlを  1分間に20回呼吸を行うとして)。こうみると、いかに外気又は呼気をたくさん吸ってるのがわかると思い  ます。小さい穴のマスクを使用するのは、マスク内の酸素を逃がさないようにするためのものです。  高流量式である、アクアサームを使用するアクアパックネブライザーシステムインスピロンなどでは、  ジェット流を利用したベンチュリーマスクの機能を持っているので、最初から大気を引き込み、安定した  吸入器酸素濃度を提供できます。このため今度は反対に自分の呼気を溜めないように、大きな穴のマス  クを使用します。  もうひとつ高濃度の酸素投与が可能なのが、リザーバーバック付のマスクです。  リザーバー(袋)に500ml位の酸素がたまるようになっていて、吸いたい時に濃度の高い酸素を吸えます。  非再呼吸式は、小さい穴のマスクの側孔とリザーバーのの入り口に、フラップという一方弁を装着して、  再呼吸を防ぎます。  再呼吸式は同じ小穴のマスクにフラッペをつけない状態のものです。  非再呼吸式の方がより高濃度の酸素を投与できます。  低流量の酸素の場合は流速が足りないので、大きな穴のマスクを使用すると大気をどんどん吸ってしま  います。  また吐き出した呼気を再呼吸することになるので、マスクは5L以上の場合に使用し、4L以下の場合は  鼻腔カニューレを使用します。  どのマスクにも言えることは、必要以上の外気を取り込まないようにフィッティングが大切です。  しかし穴を塞ぐことや顔にテープで固定してしまうと呼気が溜まり、二酸化炭素が蓄積して危険  なのでしてはいけません。  たかがマスクの穴の大きさのことですが、その根拠をきちんと理解してケアしないと、その目的が達成でき  ないばかりか、危険な事故にも結びつくわけですね。 (1)アクアサーム  たぶんこれのことだと思うが・・・。高流量式で使うから、加湿が必要なんだろう。そのための機械だと思う。  アクア(大気)サーム(「サーモ」と同じか?)という意味なのかもしれない。    f7b040c1.jpg   「ネブライザーヒーターセット組み立て」というファイルに、アクアパックネブライザーシステムの加温時の   組立て手順というのがある。また、「ヒーター(アクアサームⅢヒーター)」という記述もある。 (2)低流量式・高流量式  コヴィディエングループジャパンのサイトが参考になる。   酸素投与:①低流量システム:酸素マスクや鼻カニュラ         ②高流量システム:ベンチュリーマスクやベンチュリーネブライザ(ネブライザ付酸素吸入器)   リザーバーシステムは、書物により低流量システムに分類されている場合がある。  酸素投与法については、ここが一番詳しそうだ。「酸素療法の手引き

(3)ネーザルカニューレ  f727558a.jpg              こういうカニューレのことらしい。  0500881c.gif (4)アクアパックネブライザー、インスピロンネブライザー  この二つは、ネブライザー機能付マスクのことらしい。(「宮本研究室 酸素療法とは」 加温加湿のできるハイフローシステムの仲間。(「サーモメーターを使ってみた」)    インスピロンについては、小林製薬のサイトに書いてあった。  「インスピロン」と単発で言ったときでも、これは高流量システムの「インスピロンネブライザー」を指す。  このページでは、高流量システムであるインスピロンネブライザーで使う酸素流量計は「恒圧式」  「大気圧式」のどちらか? に答えている。「恒圧式」を選ぶのが正しいらしい。  詳しいところは読んでないので、いつか読むことにする。      (5)ベンチュリーマスク  Yahoo!知恵袋から
  ベンチュリーマスクは色で濃度が分けられていて  青/黄色は4Lで/分で24%/28%  白は6L/分で31%  ピンクは8L/分で40%  オレンジは12L/分で50%程度の酸素濃度
 ベンチュリマスクはこれ。小林製薬のサイトから。  11deab93.jpg    ちなみにこのページでは、ベンチュリマスクだけでなく「簡易酸素マスク」についても書かれていて、  写真は下。  d3ec1b1d.jpg    じゃあ、簡易酸素マスクとベンチュリーマスクの違いは?     (6)酸素マスクとベンチュリーマスクの違い  ここが詳しかった。「吸入酸素濃度」 
大気を吸入するときの吸入酸素濃度は21パーセントで、酸素投与時は供給酸素の量と大気との混合比によって濃度は変化します。自発呼吸時は供給酸素の濃度 が変化しないものと仮定して、患者様の呼吸数や呼吸量が増えると吸入酸素濃度が低下すると考えられます。鼻腔カニューラでは口からの大気吸入が吸気のほと んどを占めてしまうことと、高流量が得られない事もあって吸入酸素濃度は非常に低いと考えらます。通常のフェイスマスクでは隙間から大気を吸い込む率が高 いのですが、リザーバー付き(酸素を溜める袋)では高濃度が期待できます。さらに一方弁付きのリザーバーマスクが最も高濃度を期待できます。ベンチュリー マスクは唯一吸入酸素濃度を一定にできる方式です。 【鼻腔カニューラによる酸素吸入】 教科書的には酸素流量1リットル毎分につき吸入酸素濃度は約4%づつ上昇するとされています。通常は1~3リットル毎分(24%~30%)の酸素投与が行われますが、毎分6リットル以上の投与量では鼻腔の乾燥がみられ、注意が必要とされています。 【フェイスマスクによる酸素吸入】 5~10リットル毎分の酸素流量で35~50%の酸素濃度が得られる。リザーバー付き酸素マスクでは6~15リットル毎分の酸素流量で40~70%の酸素 濃度が得られる。一方弁付きリザーバーマスクでは6~15リットル毎分では60~80%の酸素吸入が可能とされています。 【ベンチュリーマスクによる酸素吸入】 一定流量の酸素を投与する場合に用いる。フェイスマスクの酸素チューブ側にベンチュリーを設けて流量をコントロールします。青色(4リットル毎分で24%)からオレンジ色(12リットル毎分で50%)までアダプターをつけることにより希望の酸素濃度が得られます。 以上のことから、今回のご質問では一方弁付きの、できればリザーバー付きのフェイスマスクで酸素を投与されるのが望ましいと考えます。一方弁やリザーバー が付くことで呼気を再吸気してしまうことをある程度防げます。毎日交換するような消耗品でもないので価格が高くても十分に活用できると思いますがいかがで しょうか。
(7)リザーバーバック付のマスク   非再呼吸式   再呼吸式 マスクについてはこちらも。