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第51回小熊秀雄賞 選考経過及び選評

更新日:2018年05月11日

選考経過

1月31日(水)
 応募締切 全国から92点の応募(前年は91点)
2月14日(水) 第一次選考 通過作品 14点
        選考委員4氏に14点を送付
3月15日(木) 二次選考 通過作品5点をホームページで発表

最終候補は次の5点(応募受付順・敬称略)
  ・『サントス港』 佐藤モニカ 沖縄県名護市 新星出版
  ・『遠い日の夢のかたちは』 崔龍源 東京都青梅市 コールサック社
  ・『タエ・恩寵の道行』 林美脉子 北海道札幌市 書肆山田 
  ・『島―パイパテローマ』 佐々木薫 沖縄県那覇市 あすら舎
  ・『ディオニソスの居場所』藤本哲明 兵庫県神戸市 思潮社

4月7日(土) 午後3時から 最終選考会(市内高砂台の旅館「扇松園」)

 選考委員は、次の4氏
 ・アーサー・ビナード(詩人・エッセイスト)
 ・佐川 亜紀(詩人) 
 ・堀川 真(絵本作家・名寄市立大准教授)
 ・松井 晶彦(演出家)

【経過】
 5点の作品を1点ずつ丁寧に吟味する。話し合いの中で、『サントス港』は、沖縄から南米への移民・祖父の歴史などが苦しみや飢餓だけでなく、先祖から自分へと続く生命のつながりとして、柔らかい平易な言葉で表現されている。ただ、生命と自然や、負の部分の描き方の物足りなさ、作者の立ち位置が不明確であり、詩としての厳しさが不足しているのでは、との指摘があった。
 『タエ・恩寵の道行』は、日常性を突き抜けた世界を示す力量を感じさせる詩集だが、漢字や抽象語が多用されていて、読者を解けない言葉の迷路に投げ込む。独りよがりになる部分があること、何を伝えたいのか、その探った先に得るものがあるのか、などの疑問が残ること、詩的技巧に対する批判的な意見が出された。
 『ディオニソスの居場所』は、対象作品の中で最も実験的な詩集。社会的問題意識も強い。ただ、手法と意識という視点で見ると、手法が先行していて統一感が失われ、ばらばになっていないか、一冊を通じて手法と内容が一貫しているか、改行の工夫などに納得できない部分もあり、受賞作として推し切れないなど、それぞれに問題点を指摘する意見があって、選考対象から除く。ここまで、2時間が経過。
 10分の休憩の後、『遠い日の夢のかたちは』と『島―パイパテローマ』に絞って話し合いが再開した。
 『遠い日の夢のかたちは』
 十分に読み応えがある。題材も、日本と韓国の血をひくアイデンティティの苦悩も、実体験とつながる歴史と向き合う姿勢もよい。ただ、読者をそこに引き込む力がもっと必要ではないか。自己の抱える問題を描き切る部分で弱さがあるのではないか。安易に読者への呼びかけがなされていないか。作者の熱く語りかける思いが充全に第三者を引き込む力を持っているか。など、議論が続いた。
 『島―パイパテローマ』
 沖縄について、内的つながりが自然であり、切り口も重層的で幻想譚的物語として面白く読める、魅力的な詩集である。意識的に繰り返しの技法が使われているが、読者に“ダブリ感”を与える結果になっている面がある。作中の「注」についても否定的な意見が出された。本来的には注釈ではなく、詩作品の中で表現されるべきものであろう。『島』とは直接的には外圧に苦しむ沖縄なのだが、誰しもが自分の内部に一つの「島」を抱えている。内的な「島」の存在である。作者はこれを砦として維持するために「否」を発し続けるのだが、希望がない、読後が暗い、との指摘と併せて、表題である「パイパテローマ」を注で説明することを認めない、とする意見もあり、評価が割れた。
 『遠い日の夢のかたちは』については、肝心なところで読者に投げかけられる問いのために、深められる前に置いてきぼりにされてしまう弱点、普遍的であろうとし過ぎる面があり、もっと個にこだわり苦渋する表現を追求すべきであろう、との意見があった。

 3時間に及ぶ議論を経て、「これこそは」と読者に手渡すにたるという小熊賞の基準に照らして、今ひとつ物足りなさが残る、との意見が大勢を占めるにいたり、4氏が「今回は該当作なし」の結論で一致した。

選考委員の講評

「もしも『改訂版』があり得るのなら」
アーサー・ビナード  

 英国の詩人ジョン・クレアは、人生を本づくりにたとえた名言を残した。十九世紀中葉、友人宛ての手紙に出てくる言葉だ。「もしも人生そのものを再版して『改訂版』があり得るのなら、赤を入れて訂正したいところがいっぱいある」
 振り返ればだれにでも、言わなきゃよかった過去の発言や削除したい仲違い、差し替えたい人間関係などもあるだろう。クレアの気持ちは万人に通じるが、出版にたずさわっている者はさらに考える。人生と違って、本づくりにおいては編集者が力を発揮すれば、後悔の少ない形にできるはずだ。
 第五十一回小熊秀雄賞の候補作を読みながら、ぼくは今まで助けてもらった編集者たちの顔をつぎつぎと浮かべていた。もしそれぞれの詩人のもとへ敏腕編集者を派遣できたらな…と、そんな妄想にふけったりもした。小熊賞の場合は詩集を一冊まるごと評価しなければならない。もし一篇の詩を対象とする賞だったなら、選ぶべき作品はあった。
 林美脉子さんの『タエ・恩寵の道行』の真ん中あたりに「エッセイの樹」という詩があり、怪しく刺激的で、何回読んでも捉えきれない。でもまた読みたくなるし、「消された者の赦しはやってこない」という表現は長く木霊する。
 佐々木薫さんの『島――パイパテローマ』に出てくる伝説の大女「イソバ」の詩は、読者の心をぐいっとつかみ、本当にイソバに会った感覚にさせる。
 佐藤モニカさんの『サントス港』の最後を飾る「川」という詩は、「母親学級」の助言から始まるけれど、雄大な命の景色へと広がり、詩集を閉じたあとも流れつづける。アンソロジーを編む機会があれば入れたい一篇だ。
 藤本哲明さんの『ディオニソスの居場所』のしょっぱなの詩「九月一匹」は、日常生活に触れながら読者と対話する形をとっている。しかし発狂寸前までそこに潜む不条理を、見事に炙り出している。
 崔龍源さんの『遠い日の夢のかたちは』の最後から二番目「風が」という詩は、死者たちの声を聞き取り、ぼくらの普通の日々の中で響かせようとしている。その余韻が読者を、死者との対話へといざなう。
 優れた詩から一冊の本をつくりあげる難しさを、噛みしめた上での「該当なし」だ。

あと一歩の惜しさ
佐川亜紀  

 今回は受賞詩集を選びきることができず、残念だった。崔龍源詩集は、朝鮮人の父と日本人の息子、二つの民族の血脈を生きる葛藤と愛憎を根本テーマにしながら、人類の罪と命の祈りへの普遍性に至っている。長崎の原爆、青春の友情と光州民衆運動、抗日朝鮮詩人への共感と自分の無力さを表した作品など胸に迫る。ただ、普遍性により視野が広がり柔軟性が増したが、主題が薄まり拡散した面も生じたのは否めなかった。
 佐々木薫詩集は、沖縄を「誰もが自分の内部にひとつの島を抱えている」と外部叙事だけではなく、内面の思想寓話に高め、注目した。沖縄独立論も議論される今、「大女・イソバ」の民俗伝承などをふまえ、ユーモアと自己批評をこめた抵抗精神はたいせつなものだ。朝鮮とのつながり、集団自決の記録も心に残った。「機廚痢崚隋廚力∈遒僚駛,貌辰飽かれた。
 以上二冊を最終候補詩集として推したが、どちらも受賞まであと一歩及ばず惜しい結果となった。
 藤本哲明詩集は、新鮮で繊細な感性と、先鋭的な方法実験意識が際立つ作品集だった。だが、ナイーブさと表現の奇抜さがかみ合っていない所も感じてしまい、そのアンバランスは現在的だろうが、やや納得できなかった。「九月一匹」「明石市太寺にある、」などは印象深い。
 佐藤モニカ詩集は、子供の誕生を自然と一体になった、みずみずしい感性で捉え、いきいきした比喩で表現したのは好ましかった。前半は、移民の歴史を平易な言葉で書いて分かりやすいが、歴史の掘り下げが物足りず、もう少し叙事的な要素を盛り込んでほしかった。
 林美脉子詩集は、冒頭「喪幕の村」の通常の「世界認識の位相を断つ」惑乱と深遠への透視はとても魅力的だった。このように根源を思考する詩は貴重だ。散文詩のほうが言葉に緊張感が満ち、行分け詩はかえって探究力が弱まったように思い、もどかしさがあった。
 どの詩人も力量は十分なので、今後のさらなる発展に期待したい。

ときめきを守る責務
堀川 真  

 小熊を読んで起こった気持ちを見極めようとしたとき、浮かんでくる言葉がいくつもある。例えば、怒り、笑い、真実、勇気。それが一編のうちに重なっている。そんな言葉はどこにも書いていないのにだ。
 絵を連想する。ピンクを表現するために、赤色を何層も地塗りして、薄く白色を塗り重ねるのだ。
 もう一つ、どのアンソロジーを読んでもしっかりとした小熊印の読了感がある。これも大きな絵のようだ。どの部分、どの順に見ても小熊という一枚の絵だ。そういえば、小熊も絵を描く人だった。
 今回は最終選考会において受賞作なしという結論に至った。席上で皆がいいという一編は、どの詩集にも必ずあった。しかし、一冊という単位になったときに薄くある惜しさにも全員がうなずいた。一編でなく一冊という構成の難しさを思ったのと同時に、そこをつき抜けたもののすばらしさを知っているが故のぜいたくすぎる判断となった。
 無茶を書いているようにも思うが、私たちはどんな詩を切って貼っても一冊になっている小熊の魅力を知っている。そして、それはこれまでの小熊賞受賞作がきっちりと超えてきたところでもあるのだ。

 「サントス港」には、命にまっすぐなまばゆい詩を多く見た。「島〜パイパテローマ〜」には、書くことへの強い動機を感じた。「遠い日の夢のかたちは」には、モチーフの幅において小熊の資質にいちばん近いと思った。「ディオニソスの居場所」には、無頼ともいえぬ切ないやさぐれ感の変化に温かさを感じた。「タエ・恩寵の道行」は、私は考えながら文字を読んでいるのだという喜びを一番与えてくれた。

 受賞作の出なかったことを惜しく思うが、小熊賞が持つときめきを守るという責務をずっしりと感じているところである。


なんというか
松井晶彦  

 さて、最終選考に残った五作品は、それぞれ特徴があり面白く刺激的。主観的僕の印象を。
 一冊目の『サントス港』は、この秋に結婚する僕の娘の本棚に差し込んでおきたい詩集。自分のルーツを意識しながら、やさしい目線のお母さんになってもらいたいから。
 次の『遠い日の夢のかたちは』は、懐かしい友の独り言のよう。今度は 近い日の夢のかたちは どんなものか、家族や友達についてもっと直接に聞いてみたい。
 『タエ・恩寵の道行』。最初の「喪幕(さんまく)の村」は、これこそ現代詩というものなのか? 凄い! と興奮した。その先は辞書を片手になかなか読み進めない楽しい迷路。ぱっと開いたページに「おまえの甘えを  赦さない」とあった。すいませんとおもわず心の中で謝ってしまっていたのはなぜだろう。
 『島―パオパテローマ―』。四つの章のうちの第機崚隋廚断然面白い。幻想奇譚として夢中で読んだ。他の章も作者としては大切なんだとは思うけれど、「島」だけを独立していてくれたら不思議な世界の中に僕は留まっていられた。
 最後の『ディオニソスの居場所』は、たとえば前衛劇団のテクストとして扱うことで存在感が際立つのかもしれない。詩集に挟まれていた詩集によせてのタイトル「悲歌の場所には誰もいない」と「言う事を聞かない人」に妙に納得した。
 さて、結局、今年の受賞詩集は無かった。読後に、どれもそれぞれの詩集に、魅力や刺激、面白さや素晴らしさを感じてはいるのだが、安全というか、安心して読めるというか、幸せの時代の中というか、なんというか、なんというか、汗(労働)の臭いをというか、痛みをというか、刺にささってもというか、もっとこちらに向かってもというか、一緒に同じ方向を向きたいのにというか、小熊秀雄賞というテーブルに詩集を乗せてみると、言葉の温度が下がってというか。なんといっていいのか。みんなで何度もテーブルの上に乗せ直してみたけれど、あなたを見つけられなかった。残念。

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第51回小熊秀雄賞 選考会開催

更新日:2018年04月12日

第51回小熊秀雄賞 選考会開催
3時間の論議の末に「該当作なし」
 
5月12日に「小熊秀雄フォーラム」開催

 第51回小熊秀雄賞の最終選考会を7日午後、市内高砂台の旅館・扇松園で開催しました。
 今回は、全国から92点の応募がありました。一次、二次選考を経て5点が最終選考会にノミネートされ、4人の選考委員が三時間に及ぶ論議を重ねた結果、今回は「該当作なし」という結論になりました。
 選考委員は、アーサー・ビナード(詩人・エッセイスト)、佐川亜紀(詩人)、堀川真(絵本作家・名寄市立大准教授)、松井晶彦(演出家)の4氏。主催する当会の石川郁夫さんが司会を務めました。
 選考会は実行委員会の会員に公開し、30人の会員が見守る中、最終選考会に進んだ5点の詩集について、委員それぞれが講評する形で進められました。2時間が経過し、司会が「否定的な指摘が多かった3点を議論の対象から外すことにしては」と提案した後、10分間の休憩をとりました。
 再開された論議で、アーサー・ビナードさんが「比較ではなく、この詩集ならば僕が借りているマンションの大家さんにも、友達の子どもの高校生の娘にも、『これ面白いから読んでみて』と手渡せる詩集かどうかで決める。自分の小熊基準に達しているか、ということ」と口火を切り、松井さんも、「北国の、小熊が生きた風土や匂いを感じられる詩集に小熊賞を贈りたい。面白い詩集はあったが、今回は小熊賞にふさわしてものはなかった」と意見を述べ、佐川さん、堀川さんも悩みながら同調して、「該当作なし」という結論になりました。
 市民実行委員会が運営を引き継いだ41回以降、「該当作なし」は2012年、2014年に次ぎ3回目になります。

 予定していた贈呈式に代わり、5月12日(土)午後3時から、旭川トーヨーホテル(市内7ノ7)で、「小熊秀雄フォーラム」的な集いを開催する。講師は『オバマ・グーグル』で第50回小熊賞を受賞した、旭川出身の若き詩人山田亮太さん。そのほか、知恵を絞って、天才・小熊秀雄をもっと知るイベントを用意したいと考えています。

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30人の会員が見守る中3時間に及ぶ議論が交わされた選考会=4月7日、高砂台3 旅館「扇松園」で
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村田裕和・旭教大准教授 「馬とロシア・ソビエト」をテーマに 小熊秀雄を『しゃべり捲れ』講座開く

更新日:2018年03月30日

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 「小熊秀雄を『しゃべり捲れ』講座」が3月17日(土)夜、ときわ市民ホールで開かれた。旭川ゆかりの詩人、小熊秀雄(1901―1940)の作品や人となりをもっと市民に知ってもらおうと、小熊秀雄賞市民実行委員会(橋爪弘敬会長)が定期的に企画している。

 30回目の講師は、道教育大学旭川校の村田裕和・准教授。「『馬』とソビエト・ロシアをめぐって」と題して話した。

 1975年(昭和50年)生まれ。著書に大杉栄やその仲間たちと文学者との交流を研究した「近代思想社と大正期ナショナリズムの時代」(2011)があります。最近は、1930年代のアナーキズム詩人たちに注目し、小熊秀雄も参加したプロレタリア文化運動に関する当時の生資料約4000点をDVDに収録して出版するプロジェクトに関わっています。

 村田さんは、市民実行委員会が編集・発行した『小熊秀雄詩撰・星の光のように』(2007年刊)をテキストに、小熊の詩に繰り返し使われる「馬」という言葉から、小熊が生きた時代や小熊の生き方、考え方をイメージしようと試みました。

 小熊の詩の一編、『マヤコオフスキーの舌にかわって』について、「ロシア革命を支持するマヤコフスキーは自殺している。マヤコフスキーが歌う馬と、自らの馬とを通してイメージのやり取りをしている。詩人としての自己解放と革命が同一の方向を目指す、短い幸福な時間を象徴する詩ではなかったか。そうした幸福な時間が次第に、困難な状況になっていった」と、『蹄鉄屋の歌』『馬車の出発の歌』などの詩を引用しながら、小熊が表現する『馬』について、集まった30人とともに考えました。

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第51回小熊秀雄賞最終審査会ノミネート作品

更新日:2018年03月16日

 第51回小熊秀雄賞の最終審査会にノミネートされる作品は次の5点です。順不同(応募受付順)です。
選考会は4月7日(土)午後3時から、旭川市の旅館「扇松園」で開催します。受賞作が決定次第、実行委員会から本人に電話で連絡します。報道機関への発表は、9日(月)午後1時から、旭川市役所の市政記者室で行います。
 
 『サントス港』 佐藤モニカ 沖縄県名護市 新星出版
 『遠い日の夢のかたちは』 崔龍源 東京都青梅市 コールサック社
 『タエ・恩寵の道行』 林美脉子 北海道札幌市 書肆山田 
 『島―パイパテローマ』 佐々木薫 沖縄県那覇市 あすら舎
 『ディオニソスの居場所』藤本哲明 兵庫県神戸市 思潮社
 
 
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小熊秀雄・朗読会〜旭西高演劇部員8人「飛ぶ橇」を群読 喫茶「ブラジル」に聴衆50人の拍手

更新日:2018年02月01日

 小熊秀雄作品の朗読会「冬の詩(うた)2018」を1月28日(日)午後2時から、喫茶「ブラジル」(旭川市3条8丁目、3・8小路)で開催しました。
 16回目の朗読会です。今回の会場は、昭和の懐かしい雰囲気が漂う喫茶店。旭川西高の演劇部員が小熊の代表作の一つ、『飛ぶ橇―アイヌ民族の為めに―』を群読するということで、50人の観客で埋まりました。
 この朗読に取り組むまでは、小熊秀雄の名前も知らなかったという全員が女子の、高校1年生5人、2年生3人。実行委員の1人で、アマチュア劇団「劇天壌」を主宰する石井ひろみさんの、3回にわたる厳しく丁寧な指導を受けて見事に変身を遂げました。
 演出家の松井晶彦さんが、背景の映像と照明を担当し、50人が耳を澄ませる中、樺太アイヌのイクバシュイ、日本名・四辻権太郎の物語、24章、800行に及ぶ長編叙事詩の群読が始まりました。
 8人は、時に鳥を打つ銃声が山にこだまする情景を見せ、時に橇を曳いて雪の上を疾駆する犬たちの吐く息を聞かせる迫真の朗読で、45分間、聴衆を小熊の作品世界に引きずり込みました。
 朗読が終わると、しばらく拍手が鳴りやみませんでした。部長の竹村瑠々伽さん(2年・17)は、「少し失敗したところもあるけど、自分たちが今できる、精一杯の朗読ができたと思います」、藤田遊歩さん(同)は、「いっぱいの人が私たちの朗読を聞きに来てくれて、すごくうれしかった」と笑顔で話しました。

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旭西高演劇部8人の朗読に50人が耳を澄ませた=28日、3・8小路、喫茶ブラジルで
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「小熊秀雄を『しゃべり捲れ』講座」〜石川郁夫さんが講演

更新日:2017年11月02日


 「小熊秀雄を『しゃべり捲れ』講座」を11月22日午後6時半から、ときわ市民ホールで開きます。
 旭川ゆかりの詩人、小熊秀雄(1901〜1940)の作品や人となりをもっと市民に知ってもらおうと、小熊の研究者や郷土史家らを講師に招いて開催しています。
 29回目の講師は、小説家の石川郁夫さん。1937年(昭和12年)、礼文島船泊生まれ。北海道学芸大(現道教育大)卒。『ペタヌウ』編集人。著書に『魚吉の裁判』『隆司の夏』『地平を抱く』などがあります。石川さんは小熊賞の最終選考会で司会を務めています。
 小熊は、当時の旭川新聞の記者をしていた時代に、8編の小説を書いて紙面に掲載されています。また、その後、12編の小説を書いているとのこと。
 石川さんは、「小熊らしいユーモアや風刺のきいた鋭い社会批判は、後期の作品には発揮されているのですが、今回は旭川新聞に掲載された、初期の作品について紹介しようと思います」と話しています。
 参加費は500円。テキストとして実行委発行の「小熊秀雄詩撰 星の光りのように」を使います。当日会場でも販売します。1000円(税込)。
 問い合わせは、実行委事務局( あさひかわ新聞内0166-27-1577)へ。
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東京・池袋モンパルナスで小熊秀雄をしのぶ「長長忌」が開かれます

更新日:2017年11月02日

 2017年度の「長長忌」が11月11日(土)午後2時から、としま産業振興プラザ(東京都豊島区西池袋2ノ37ノ4・旧豊島区勤労者福祉会館)6階多目的ホールで開かれます。池袋モンパルナスの会と小熊秀雄協会(ともに本部・東京)の主催。
 小熊は1940年(昭和15年)11月20日、豊島区千早町のアパートで、肺結核のため亡くなっています。39歳でした。「長長忌」は36回目。その名は、長編詩「長長秋夜(じゃんじゃんちゅうや)」にちなみます。「池袋モンパルナス」は小熊の命名とされています。 
 当日は、詩人・エッセイストのアーサー・ビナードさんが講演します。旭川の市民実行委員会が運営する小熊秀雄秀雄賞の選考委員を務めるビナードさんが、「小熊秀雄とボブ・ディランの愉快なつながり」と題して話します。この小熊とディランの話は、今年5月に行われた第50回小熊秀雄賞の贈呈式の記念講演で披露しています。狷本語の天才瓮咼福璽匹諒腹絶倒の講演、会場を沸かせるに違いありません。
 また、その第50回小熊賞を詩集「オバマ・グーグル」で受賞した旭川出身の若き詩人、山田亮太さんが小熊の詩と自作の詩を朗読することになっています。
 参加費は、1000円(学生500円)。当日会場で受け付ける。
 問い合わせは、池袋モンパルナスの会の小池さん(TEL 03-3971-6965)、または小熊秀雄協会の佐相さん(TEL 080-2015-9969)へ。
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小熊秀雄 朗読会「秋の詩」を開催しました〜教育大生8人が小熊作品と『オバマ・グーグル』を

更新日:2017年11月02日

 小熊秀雄朗読会「秋の詩(うた)2017」を9月22日夕、じゃずそば放哉(6条7丁目右1号)で開催しました。
 15回目となる今回は、北海道教育大学旭川校の学生8人(男子3人、女子5人)が、小熊の作品と、今年の第50回小熊賞を受賞した旭川出身の若き詩人、山田亮太さんの詩集『オバマ・グーグル』に収録された詩を朗読しました。
 朗読者はいずれも村田裕和准教授のゼミで学ぶ2年生。山口純平さん(19)、中村玄さん(19)、大塚陽加さん(22)、矢吹優香さん(19)、冨田優美さん(20)、菅原佑希さん(19)、日永教優さん(20)、高橋響さん(21)の8人です。
 照明が落とされた会場で、スポットライトを浴びながら、学生たちは緊張した様子で、それぞれが選んだ詩を朗読。集まった45人が、学生たちの初々しい朗読に耳を澄ませました。
 市民実行委員会の副会長で、自身も朗読会に出演したことがある森内伝さん(80)は、「若い人の朗読はいいですね。皆さん、とても上手でした」と話していました。

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小熊秀雄 朗読会「秋の詩2017」 22日 じゃずそば放哉で 教育大の学生が小熊と『オバマ・グーグル』を

更新日:2017年09月19日

 小熊秀雄朗読会「秋の詩(うた)2017」を22日午後6時半から、じゃずそば放哉(6条7丁目右1号)で開催します。
 15回目の今回は、教育大学の学生8人が、小熊の作品と、『オバマ・グーグル』で今年の第50回小熊賞を受賞した旭川出身の若き詩人、山田亮太さんの詩を朗読します。朗読者(敬称略)は次の通りです。朗読作品は当日のお楽しみ。
 山口純平、菅原佑希、日永教優、矢吹優香、中村玄、富田優美、高橋響、大塚陽加。
 入場券は一般1200円(会員1000円)で、コーヒーとケーキのセットが付きます。朗読が始まるまでの時間、コーヒーとケーキをどうぞ。
 定員40人。入場券は、こども冨貴堂(7条買物公園・TEL 25―3169)で販売しています。
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誕生日にちなみ 常磐公園の小熊秀雄詩碑を清掃

更新日:2017年09月07日

 小熊秀雄賞市民実行委員会のメンバーが7日、常磐公園にある小熊秀雄の詩碑の清掃作業を行いました。
 小熊(1901―1940)の戸籍上の誕生日9月9日にちなんで、会の恒例行事になっています。7人が参加し、碑の前の雑草を取ったり、碑を洗うなどの作業に汗を流しました。
 旭川で新聞記者として活躍した小熊の詩碑が、市民有志によって建立されたのは1967年(昭和42年)のことです。今年は詩碑建立と小熊賞が始まって50年の節目の年にあたります。
 半世紀を経て、詩碑は劣化が進んでいて、メンバーたちは「修復をしなければいけないね」と話し合っていました。

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清掃作業を終えて参加者が碑の前で記念撮影
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