4月4日、旭川市内の旅館「扇松園」で開かれた選考委員会で、第42回の小熊秀雄賞が決まりました。
受賞作は、東京都日野市の浜江順子さんの「飛行する沈黙」。
浜江さんのプロフィール・詩歴を掲載します。

【浜江 順子/はまえ じゅんこ】junko_hamae
1948年(昭和23年)12月29日生まれ。
東京都日野市在住
明治大学文学部史学地 理学科地理学専攻卒業

所属:「地球」「HOTEL」同人、日本現代詩人会員
「クロコダイル朗読会」主宰(2009年で 15年目)


〔略歴〕

1985年 つくば科学万博ダイエー館出展記念「日付のある詩ダイエー賞」において、詩『プールで1,000m泳いだ日』で審査員奨 励賞(鈴木志郎康氏選)
1992年 第13回世界詩人会議(イスラエルにて)参加
1993年 「国際優秀詩人 賞」受賞
1993年 黄金王冠世界詩人賞受賞
1994年 Michael Madhusudan賞(Verse 部門)受賞

〔詩集〕

第一詩集『プールで1,000m泳いだ日』(詩学社)
第二詩集『内在するカラッポ』(思潮 社)
第三詩集『奇妙な星雲』(思潮社)
第四詩集『去りゆく穂に』(思潮社)
第五詩集『飛行する沈黙』(思潮社)




第42回 小熊秀雄賞選考経過について

2009年1月31日 第42回 小熊秀雄賞公募締切
     2月03日 応募作品 55点 確認
      2月18日 1次選考  通過作品  40点
      3月14日 2次選考  通過作品 18点
      3月16日 HP上に18点作品発表。同時に4名の選考委員に作品を届ける。

2009年4月4日 最終選考会 午後6時 旭川市高砂台「扇松園」

〔選考委員〕
辻井 喬(作家・詩人)
工藤正廣(ロシア文学者・元北大教授)
石本裕之(詩人・旭川工専教授)
藤井忠行(造形作家)
      
1回目の話し合いの後、「投票」で8点に絞る
2回の話し合いと「投票」で以下の5点に絞る 

この5点を第42回小熊秀雄賞最終侯補作品とする.

飛行する沈黙」 浜江 順子(思潮社)
水版画」    峯沢 典子(ふらんす堂)
楽府」     水島 英己(思潮社)
「粒子空間」   香山 雅代(編集工房ノア)
野川」     岡島 弘子(思潮社)
 
「粒子空間」「樂府」は、力量を感じさせる詩集。「粒子空間」の持つ音楽的要素は貴重であり、その散文的批判精神は、小熊に通じるものがあるとの評価の一方で、稚さも指摘された。「樂府」は注目すべき作品で力量十分だが、引用のコラボレーションの背後に自己が隠されてしまう自己韜晦(とうかい)が残念との指摘もあって候補作からはずれる。

残りの3点については、作品的には優劣はつけがたい。「野川」は統一感があり、日常生活の中から詩をつかみ出す姿勢に好感。「水版画」は雅びな世界を展開していて珍しい感覚の持主。作品に統一感もあり、ぶれのない作品との高評価を得たが、もっと力強さをとの指摘もあった。「飛行する沈黙」は、現代詩の文法に立つ作品、暗喩に特に優れた才能を感じさせる優れた作品である。
  
最終的に「水版画」と「飛行する沈黙」の2点について、作品の優劣ということではなく、小熊秀雄賞としては「水版画」の落ち着いた世界より、「飛行する沈黙」の新しい試みに挑む力強さと広がりを、全選考委員 が一致して推す結果となった。


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