第43回小熊秀雄賞
花崎皋平さん「アイヌモシリの風に吹かれて」に決まる
5月22日 旭川ターミナルホテルで贈呈式
第43回小熊秀雄賞の最終選考会が10日夜、旅館「扇松園」(旭川市高砂台3)で開かれ、小樽市在住の花崎皋平さんの長編物語詩集「アイヌモシリの風に吹かれて」(小樽詩話会事務所発行)を選出しました。
今回は、全国から78点の応募がありました。
選考委員の1人、辻井喬氏は、出席できなかったため書面で意見を述べる形になりました。
2時間以上に及んだ選考会は「作者の表現者としての強度が揺るぎなく貫徹されており、周到な工夫に裏付けられた作品。小熊の切り開いた叙事詩の地平を引継ぐものとして、長い時間の評価に耐える作品」として、花崎さんの詩集に賞を贈ることを決めました。
花崎さんは、1931年(昭和6年)東京生まれ。71年、北大助教授を自主退官。以後、執筆業、哲学者として活動している。
■受賞した花崎さんが実行委員会に寄せたことば
私はアイヌモシリ(北海道)に住みつき、その自然と人に親しんできました。
とりわけアイヌの人びとの自然観と精神文化を愛してきました。
私は若い頃、チリの詩人パブロ・ネルーダの「マチュピチュの頂」を頂点とする叙事詩「大いなる歌」に感銘し、強い影響を受けました。ネルーダのこの詩では南アメリカの先住民族が歴史の主人公として登場していました。その背景があったので、北海道に住んでからは、この地の歴史を作ってきたアイヌ民族の口承詩、叙事詩に関心を持ってきました。
また私は小熊秀雄の生き方、思想に深く共鳴し、その詩業に心を寄せてきました。なかでも「長長秋夜」や「飛ぶ橇」などの長編詩を好んできました。ですから、この賞に選ばれたことは私にとって大きな喜びであり、名誉であります。
第43回小熊秀雄賞の贈呈式は、5月22日午後3時から、旭川ターミナルホテル
(JR旭川駅前)で開かれる。
