昨日のブログでは『「一緒に読んでみよう」ができるまで』と題して、このイベントがたくさんの方の支えと協力のもとに行うことができていることを書かせてもらいました。
今日は「海のホタル」を一緒に読んでみたレポを書いてみたいと思います。

昨日の記事はこちら
一緒に読んでみようって何?ってかたはこちらをどうぞ。
マリンちゃんがブログで『一緒に読んでみよう』の楽しいところをご紹介しています。

海のホタル

 この「海のホタル」は「読んでみよう」初登場。大竹野作品の中でも、怖くて、辛くて、救いがなく(個人の意見です)、”一緒に読む”のはちょいとしんどいのではあるまいか?と思って推してこなかった作品でありました。

 ですが来年没後10年を迎えるにあたり、俳優林加奈子さん(以下加奈ちゃん)の「この作品をやらずして死ねない」という熱意に牽引され、この作品を再演することが決まり、それならばということで、初の「読んでみよう」入りと相成りました。
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(加奈ちゃん)

 「海のホタル」は、九州で実際におきた事件を元に描かれた作品です。保険金を目当てに夫と次男を殺害した女性を主軸にとらえ、この事件について迫っています。ラストシーンは、女の供述が独白として語られ、子供を殺害した時の心境を語っていきます。

 私が一番びっくりしたのは「読んでみよう」でやってみて、13年前に芝居で観た壮絶で陰惨な印象とは違った感じをうけたことです。

 一つは、辛いお話の中にも含まれているユーモアの部分がみえてきたからかもしれません。それともう一つは、昨今では保険金目的で人が殺されてしまう事件があまりにも普通となり、悲しいかな「慣れ」てしまったのかもしれません。


 いつものように、くじら企画代表の小寿枝さんによる当時のお話から。大竹野さんが子供が殺されるシーンを書きながら「辛い、辛い」と泣いていたお話や、事件の現場をロケしにいった話などを語ってくださいました。
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 そんなにも辛いのに大竹野さんはなぜこのお話を書かねばならなかったのか?それは読み手のほうに委ねられたバトンのように思えます。


 冒頭、劇世界へ入ってゆくために、海老さんに登壇いただきました。タナベというスナックのマスターが、主人公の女レイコの元へやってきて、お前の夫に女房を寝取られたと言い掛かりをつけます。海老さんは、初演は男3(ホカオ)を役で出演されましたが、こんどの再演では男2(タナベ)というスナックのマスターの役をされます。そういう意味で本役さんですね。
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 レイコは、仲人でもあり頼りにしている保険屋の友達にいろいろ相談します。
このシーンの中でレイコの境遇が次第に明らかになってゆきます。
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 善と悪みたいな二極に別れる話かと思いきや、離婚しているのに一緒のスナックを経営している男女、寝取り寝取られたはずなのに仲良く競馬を楽しむ男と男。どんどん人間関係が複雑にこみいってゆきます。
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 イシダトウショウさんは初演と同じ役で再演も出演される予定です。レイコさんの旦那さんヤマグチ役です。そうです殺されてしまいます。言うてることもやってることもめちゃくちゃで本当に自分勝手な旦那さん。暴力もふるいます。もしこんな人がいたら周囲の人は身も心もボロボロになってしまう。せやけどトウショウさんが演じるとちょっと憎めないのですよ・・・。
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この男から逃げるために、レイコさんは別の男に逃避します。

 レイコの旦那さんの無茶ぶりで、レイコはスナックで働くことになります。左は高校生の男の子。スナックでモテモテのホカオの役を読んでます。真ん中の方がゲスト参加された小安展子さん。
ヨシモトという保険屋さんでレイコの仲人さん役で出演されます。
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 初演のレイコ役をされた川田陽子さんと、夫役のイシダトウショウさんにちょっぴりですが短めのシーンを再現していただきました。
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再演では、レイコが惚れてしまうホカオという男を秋月雁さんが演じます。
「腕の筋肉あらへんやーん!」なーんて、ちょっと微笑ましく救いのあるシーン。
でもそれが、あとでどんどんあかん方向へいってしまうのが切ない。
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 海岸で二人、互いの秘密を打ち明け合いいっきに距離を縮めるホカオとレイコ。『女1、男3に抱きついた』というト書きがあり、進行役のリーダー加奈ちゃんはト書きのまえに止めようか迷ったらしいのですが、読んでみようの参加者は、めちゃノリノリでやってくださいました。
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 再演では桃園会の森川万里さんも出演されますよ。そうですくじら企画のお芝居をご覧になっている方は予想がつくかと思いますが、子供の役です。
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 黒い欲望のマグマが噴き出すように、お芝居は一気に血生臭くなってゆきます。レイコとホカオは共謀し、旦那の山口を殺害。
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 保険も降ります。初演でスナックのママのスズコを演じた藤井美保さんもゲスト参加してくださいました。
いつもは歌うような詩的なセリフが多い美保さんですが、この役は超現実的。
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 大金が入ったせいなのか、ホカオの元々の本性が剥き出しになったのかギャンブルにどんどんお金を使いはたしホカオはレイコを脅しはじめます。そしてとうとう次男殺害に・・・・。

 影の発するセリフをみなで群読してみました。
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 ラストまで全部読むと、懇親会の時間がなくなりそうなので少し端折って、レイコの独白、ラストシーン。ここは川田陽子さんにお願いをしました。
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 うう、せっかく子供が息を吹き返したのに・・・・やっぱり辛いです。どうして引き返すことができなかったのか?陽子さんの読むレイコは、鬼子母神の姿のように見えました。残酷で、悲しい、でも、美しい・・・ゾクリ。参加者の皆さんも、聞き入ってました。
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 流れの中でご紹介ができなかったのですが、三好淑子さん、九谷保元さん、柴垣啓介さんも再演の「海のホタル」に出演されますよ。お楽しみに!!

 恒例の記念撮影。
マリンちゃんがフニャッと柔らかいツッコミでみんなを笑顔に。
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 そして30分ほどですが懇親会タイム。
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 進行役の加奈ちゃん、お疲れさまでした。再演ではレイコ役を演じます。どんな二代目レイコを演じるのでしょうねえ。
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 初演のパンフレット。音響の大西君が持ってきてくれました。
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 写真:藍田マリンちゃんでした
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以上、一緒に読んでみようシーズン6、これにてお開きです。

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次回の「一緒に読んでみよう」は、6/26(火)「海のホタル」です。