高校生見学会

今日はSSH高校(というか母校)の研究室見学会。高校生14人と引率の先生方に、非平衡物理・統計物理の話とかデモ実験とかをした。まずは非平衡物理の一例として、アクティブマターや分子モーターを紹介。やっぱり分子モーターは存在自体がインパクトがある。…それはいいんだけど、てっきりもう熱力学はやったと思い込んで構成を練ってしまうミスを犯した。そっか…高2の5月じゃそりゃやってないよなぁ。。
その後は3半に分かれてデモ実験見学など。液晶対流やカオスはラボの学生にしてもらって、僕は個人史的には新ネタの、強磁性転移実演 → インタラクティブなイジングシミュレータ → 臨界タンパク光実演の流れで作ってみた。予備実験は上々、いざ本番!
…のはずが、いきなりコケた。強磁性転移実演は、磁石に引きつけられた針金を熱するよくある実験のはずが、なぜか本番だけ、どんなに熱しても転移せず…。本番前・本番後は普通に転移した。なぜだ…
やむを得ずユーチューブを見せたけど、これじゃあ説得力ゼロだよなぁ。。
イジングシミュレータや臨界タンパク光はまずまずだった。臨界タンパク光は、シクロヘキサンとメタノールの二液混合流体を使うやつ(こんなの)。リンク先みたいに水につけっ放しだと時間がかかるけど、予め適度に熱した水に試験管をつけるとあっという間に転移する(分離していた二液が混ざり始める様子も面白い)。水浴から出せば、温度が下がって、もくもく白濁! これがイジングシミュレータで見た臨界現象と同じものなのだ!
まぁでも、時間も超過したし強磁性転移しなかったし、やっぱり僕のパートは散々だった。反省。それに対して、ラボの学生は上手に紹介していて、ほんとに救われた。I'm proud of them!


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 22:44  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

川崎さんセミナー

名大の川崎さんに来て頂き、セミナーと議論。最近されている高密度粒子系の可逆不可逆転移の話をじっくり聞いて議論することができた。この話、とても面白くて、僕なら測りたいと思うことがたくさんある。そのあたりを全部質問して、逆にジャミング絡みの色々な解析結果や解釈は川崎さんから教えて頂いた。この前のガラス国際会議で聞いた Sastry さんの話もあり、大熊研の実験もあり、僕の知ってるいくつかの先行研究結果もあり、高密度系の可逆不可逆転移は色々な話が互いに絡み合っていて面白い。僕が絡むとしたら……うん、ゆっくり妄想してみよう。川崎さんのセミナーはセミナー室に座りきれないほどの盛況ぶりだった。

川崎さんにはうちで現在進行中の(可逆不可逆転移とは全然別の)実験についても議論に乗って頂き、関係した話題の紹介や解析のアイディアを頂いた。とても有難いことだ。


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 21:12  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

統計物理学懇談会

慶應日吉にて、統計物理学懇談会(ここ)という研究会に出席した。僕も何年か前に講演させて頂いたこの会、2日間あるうちの1日だけの参加になったけれど、感激するレベルで面白い研究会だった。熱機関や臨界現象といった熱統計力学の王道的な話題から、ニュートリノ流体、経済物理、言語解析、細胞運動まで、とにかくテーマが広い…だけでなく、一つ一つの講演が本当に工夫されていて、講演技術だけでも目から鱗状態だった。的確な質問が次々と飛ぶ聞き手のクオリティも素晴らしい。こういう研究会は本当に稀有だと思う。

研究面で得るものが大きかったのは、山本君(←同期なので君付け)のニュートリノ流体の話と、西坂さんの細胞運動実験が特に強く印象に残った。山本君の話は、まさか乱流カスケードの話が出てくるとは思わなかった。知っている現象と絡んでくると一気に興味と親近感が湧いてくるし、もっと絡みがあるんじゃないかという気にもなってくる。西坂さんの話は、一つ一つの実験技術にまず感服してしまう。そして得られたデータが綺麗なこと! 生き物だから揺らぎが大きい、というよく聞く言い訳が言えなくなるような感じだ。

たっぷりエネルギーをもらったところで大岡山に帰り、数理科学誌の原稿を書き進めたり、千葉大集中講義のレポート採点をしたり。来週末の大阪出張まで自転車操業が続く。頑張るぞー!


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 22:48  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

誕生日

午後、バリバリ仕事しているとドアがノックされ、学生が入ってきた。「竹内さん、話があります」とか、何かただ事じゃなさそうな雰囲気で、こりゃまたどんなことがカミングアウトされるのかと戦々恐々としていたら…



なんと、誕生日ケーキのサプライズだった。これは嬉しい。「かずまささん」て呼び名がまたいいところをついてるね。(外国人メンバーからはファーストネームで呼ばれている) お味もメッチャ美味しいケーキだった。

喜んでるけど、来年以降の学生さんはやらなくても良いですからね。毎年恒例とか、お返しに、とか気にしだすと良いことないから、こういうのは気が向いたときに散発で、が良いと思っている。

---
千葉大集中講義はいよいよ来週月曜から。講義準備が終わり、講義ページも更新した。3年生からガチプロまで、楽しんでもらえるといいな。単に面白げな写真とかで気を引くのではなく、物理学としての魅力が伝わると嬉しい。

談話会の準備はもう少し。セミナーではない、談話会としての構成の組み立てや、聴衆のメインターゲットの設定が難しい。


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 21:10  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

あちゃー

一週間前な来た査読、ほぼ受理だったけど、レフェリーの suggestion を受け、とある量の解析を始めていた。月曜日、実験と数値計算のデータが揃うはずが、数値計算は凡ミスでポシャり、焦って実験データの解析から、(データの説得力は不十分だけど)傾向からして◯◯と考えて良いと思うから、そのつもりで改訂の準備をしよう、と共著者にメールした。ポシャった数値計算はやり直した。

その数値データが今日の夜揃って、帰り際に見てみると…実験データから焦って出した結論と真逆な結果。。。また何かとちったかと思ったけど、コードを見ても、データの諸々のチェックポイントを見ても正しそうだ。そう思って実験データを見返してみると、月曜の結論は有限時間効果を見くびっていたことに気付いた。データの傾向的にはむしろ新しい結果を示唆してるような…。

不完全なデータから焦って結論を出してはいけないってことだ。基本中の基本だけど、ほとんど使える時間が取れないときに査読対応しなくてはいけず、焦ってしまった。反省。とりあえず共著者には新しい結果を送った。

しかし時間の使い方が崩壊している。卒論のコメントも直前になってしまった…これはダメだな。もっと自分の処理能力を自覚しないと。


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 22:30  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

論文

現在投稿中の論文4本のうちの1つ、KPZ時間相関に関するやつの(二度目の)査読結果が返ってきた。逆転勝利!(受理されてないけど当確。)3人レフェリーがついて、一度目の査読は×△×で崖っ淵だったところから、◎○◎まで持ってきた。当初反対だった二人のレフェリーに怒涛の勢いで意義を主張して、まさに convince させたような感じのリプライだった。協力な研究者とコラボすると、論文対応の仕方もとても勉強になる。いずれにせよ、紆余曲折があった論文なので、無事受理されそうになって良かった。

同じ雑誌で、さらに崖っ淵というか崖半分落ちてるやつも起死回生と行きたいけれど、どうなるか…

今日の午後は、来年度の卒研配属ラボ探しをしている学生さんたち対象に研究室紹介。皆さんしっかり説明を聞いて、デモ実験はいい感じにリアクションしてくれた。思い返すとあれを言えばよかったとか色々あるけれど、まぁこれはいつもそうか。


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 21:32  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

Progress

ついつい日記の感覚が空いてしまう。(つまり日記じゃない)

毎週金曜はプログレスレポートの日。一人30分ずつ、一週間の進捗を報告する会だ。今日は、とてもそそる実験映像から地に足ついた進展、それに半年間取れなかったバグが解決した話まで、色々と実質的なプログレスがあった。こういう形で一週間が終わると嬉しい。

とはいえ、研究していると上手くいくときもあればそうでないときも多い(大体は後者?)なので、困っているときにどれだけ解決策を練れて、それに向けて動けるかは研究の大事な能力だと思っている。いわゆる進捗がなくても、そういうもがきを見せてくれる報告もとても嬉しい。


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 23:59  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

Herbert 古稀記念の会

1月11,12日は東工大にて、Herbert (Spohn) 70歳=古稀記念の研究会。Herbertと共著経験のある日本人を中心に、共著がなくても関係の深い方や、海外からも数人来て頂いたりして、物理と数学の最新の成果をきちんと発表しつつ、夜はHerbertの節目をお祝いしよう!という企画だ。笹本さんを筆頭に、僕も世話人の一人としてお手伝いをさせて頂いた(とはいえ、実務的なことは全部笹本さんがして下さった)。

初日最後の講演後にはフォトセッションがあり、Herbertと仲間たち(?)の懐かしの写真を紹介していくコーナーが用意された。その紹介役という大任を僕がすることになっていて、ちゃんとできるかかなり不安な一ヶ月を人知れず過ごしたのだった。そもそも僕は、Herbertの共著者の中では最も若い部類に入るはずだし、数理関係の方々は存じ上げない方も多くて、普通に考えたら明らかに不適任。それでも任されたのは、まぁ(準備すれば)調子の良いことをペラペラ喋れるからだろうなぁ(←アドリブは苦手)。でも、そう思って下さったのは、プレゼンに力を入れている身としてはとても嬉しい。そして、他ならぬHerbertのお祝いの会のハイライトの、一番大事な役を務めさせてもらえることが何より光栄だ。というわけで、真剣に準備して、構成や決め台詞、小ネタとかも仕込んで、でも講演ほどはセリフを敢えて固めないで臨んだのだった。

結果は(自分で言うのもなんだけど)大成功だった。何より、Herbertが本当に喜んでくれて、セッション後にはハグしてくれた! 良かったああぁぁぁ〜

夜は、ちょっとフォーマルなバンケットを精養軒にて。ここでの笹本さんは、いつもの何事もないような雰囲気で一人一人指名していって、Herbert との思い出やエピソードを面白おかしく話させていき、最後の一人までスピーチさせるという鬼のような(笑)存在だった。これも大成功。また皆さん話が上手いんだよなぁ。僕はフォトセッションや研究の講演で語るべきエピソードは語っちゃった(そもそもそんなに持ち合わせてない)ので、マジで焦ったけれど、まぁギリギリ及第点か…

フォトセッション直前の)研究講演は、深井君との初期曲率制御した界面成長の話をした。立教での講演とは、同じKPZでも違う話で、フォトセッションもあり準備や練習がきつかったけれど、なかなか良い感じにできて一安心。田崎さんからは your talk is crystal clear! という有難い発言を頂けた。(その後のバンケットのトークでは He sometimes say what we don't understand! と言われてしまった… だからアドリブは苦手なんですよぅ)

他の方々の講演は、やっぱり KPZ関係の話がよりピントが合うけれど、田崎さんの平衡化の話はわかりやすかったし、青木さんの原子のブラウン運動を見る実験の話とか、他の方々の話も楽しめた。バースデー記念研究会は、下手をすると科学的に盛り上がりのない中身や似たような話ばかりになっちゃいそうだけど、今回の会は、素晴らしい講演者の方々と、様々な研究分野を股にかけるHerbertの驚異的な研究歴のおかげで、科学的にも楽しい会になった気がしている。本当にありがたいことだ。

しかし、Herbert と知り合えて、仲良くなって、彼の理論と直接関わる実験ができたことは、僕の研究人生の中で起こった凄まじい幸運の一つだよなぁ。

Herbert、70歳おめでとうございます!これからも、ぜひ家族ともどもよろしくお願いします。


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 23:59  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

立教数理物理研究会

1/6-9まで、立教大学にて Frontiers in Mathematical Physics という国際会議が開催され、招待講演者の一人として参加した。今まで、KPZやそれに関連した話題にフォーカスした数理物理の会議には何回か出てきたけど、数理物理一般、まして半分強くらいは弦理論というガチ数理な会に出たのは初めてだ。こういう会に実験をやっている僕がお声掛け頂けるのは本当に幸せなことで、特別に気合を入れて講演準備をし、参加した会議だった。

講演は、もちろんKPZ実験を主軸にしているけれど、KPZ自体の紹介や、背景理論の特に数理的な魅力を、できる限りわかりやすく、面白く伝えたつもり。(他の方の講演に刺激されて)途中にちょいちょい質問時間を入れてみたり、笑いを取ってみたり(珍しく少しウケた!)、講演途中にいくつも頂いたヤラセ的に良い質問に気を良くしながら、最後まで気持ちよく話すことができた。弦理論の方々にどれくらい興味を持ってもらえたかはわからないけれど、少なくともTさんには楽しんで頂けたようだし、講演後に某先生から「KPZのことがはじめて少しわかる気がしました」という感想を頂けたのは本当に名誉なことで、軽く涙が出そうなくらい嬉しかった。

弦理論はじめ、他の方々の話の多くはとても難しかった。それでも、雰囲気自体が新鮮だった。弦理論でも、弦が出てこないんだなぁ(←バカみたいな感想)。むしろ場の理論が主役な印象が強い。その意味では、素粒子が前面に出てくるよりもどこかで関わるかも感はあった。バンケットとかで素朴な質問をいくつかできたのは良い経験になった。あと、あと、、お話しできた弦理論の方々の中で、KPZの名前をご存知の方が結構いらっしゃったのは驚いた(別のKPZがあるので紛らわしいけれど)。

個人的な収穫は、Cauxさんの講演や個人的な話で、Lieb-LinigerのBECでの状況を教えてもらえたのが大きいかな。繋がりが見えると俄然興味が湧いてくる。実験から実験に興味を持つのがLieb-Liniger経由ってのは変な話だけど、僕らしい気もする。Cauxさんは理論だけど、実験のこともよくご存知でとても勉強になった。Cauxさんにも、KPZの、特に僕が話したLieb-Liniger絡みの結果はとても興味を持って頂けたようなので、そこからさらに面白い何かが産まれると嬉しいな。


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 23:59  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

2016 → 2017

年末にインフルエンザに罹り、熱と頭痛でうーんうーん言ってたら年が明けた。正確には、31日の午前に抗インフル薬の点滴を受けて、夜には結構楽になったのでボーッと紅白を見ていたけれど…。元旦には熱が下がった。でもまだ人にうつす可能性があるので、強制引きこもり状態。4日から出ていいですよって、それ普通に仕事初めだし…。

というわけで、正月らしいことほぼ皆無の散々な年末年始だった。なので、2016年を振り返って、とか、そういう気分に全然ならないんだけど、無理やり書いておこう。

2016年は東工大にラボを構えて2年目。ようやく、東工大での仕事が論文になり始めたのが嬉しい。特に深井君との内向き界面成長の論文は、僕がいわゆるsupervisor の立場で出した初めての論文で感慨深い。9-12月頭まで、これ以外に論文3本を投稿した。今年もこの勢いで論文を書けるようにしたい。(僕個人でなく)ラボの成果がポコポコ出せるといいんだけど。

ラボの方は、色んなテーマで始動から結実にシフトしていきたいところだけど、中でも今年度から始めた大腸菌実験を軌道に乗せていきたい。成果を外向けに出せるくらいになってくると、だいぶ研究の進め方が変わってくるはず。

さて、月スケールの話はこれくらいにしておいて、週明けの数理物理国際会議x2の準備を早く済まさないとな。年内にほぼ終わらす予定だったはずが、インフルのせいで片手落ち。三が日の出禁の間にそれなりに進めたけれど、効率は悪かった。今日、ようやく講演その2のスライドが完成した。明日セリフを整えたら、明後日はもう会議その1か…自転車操業だー


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 21:08  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ!