STATPHYS & satellite & 飛行機トラブル

たてこんでいて全く更新できなかったけれど、予定どおりフランス Pont-a-Mousson でのサテライト会議と Lyon でのSTATPHYSに出席&発表してきた。

自分の発表は、どちらもほぼイメージどおりにできたかな(もっともSTATPHYSの方は、会議場の仕様で、ポインタが使えず、講演台に直立不動のまま喋べらざるを得なくて、だいぶやりにくかったけれど)。どちらの発表も、発表後に色々と嬉しい反応を頂いて良かった。サテライトの方のラストは、まだラボでも話していなかった新ネタを織り交ぜたが、これが一番ウケが良かった。

STATPHYSは、目一杯楽しんだ。基調講演の Leticia (Cugliandolo) さんは、うちで現在進行形の研究と直接関わりうる話だったので、すぐに飛んでいって自己紹介(実は話したことなかった)と脊髄反射的な質問をして、その後メールでアポイントをとってみっちり議論した。Jae-Dong (Noh)とも同じように議論(こちらは顔なじみ)。いつからか、こういう課外時間の議論をパパッと入れられるようになって、国際会議の楽しさというか、有意義さが桁違いに増したのだった。

休憩時間やポスターセッション、セッション間の移動時間にも、新旧色々な人に出会い、再会を喜んで公私の近況を聞いたりしていた。これは巨大会議ならでは。時には話題がうまく浮かばなかったり、輪に入れなかったりで凹んだり、異常なテンションでキモく見えてるんじゃないか、日本人相手には無愛想に見えたんじゃないかと心配になったりもしたけれど、恐れずどんどん突っ込んで、良い意味で国際コミュニティに繋がっていたいと思う。

ところで、3年に一度、STATPHYSの年には僕に何かが起こるというジンクスがあった。
・2007, ジェノバ大会 → イタリアのホテルにボラれかける
・2010, ケアンズ大会 → 風呂入れたまま爆睡して部屋水浸し(これは僕のせい)
・2013, ソウル大会 → インドのサテライトに向かうもビザの不備で入国できず、(広義の)強制送還(これも僕のせい)

段々大事になっていてS君はじめご心配頂いたけれど、さすがにフランスは相性がよく何事もなく終了。…のはずが、帰国便にトラブルが待っていた。滑走路まで出たは良いものの、なんとCDG空港の滑走路に開いた穴にはまって動けなくなる展開。トラクターで引っ張っても抜けず、1時間強往生した果てに、トラクターで引っ張りつつ飛行機のエンジンをふかすという荒療治。

「脱出を試みますので、シートベルトをしっかりお締め下さい」(記憶から適当に翻訳)

って、怖いから!離陸並みの音を出してようやく穴から抜け、ふぅと思うや否や機長アナウンス

「じゃあ離陸します」(記憶から適当に翻訳)

えぇー、こういう時って、車輪とか機体を軽くでも点検するもんじゃないの? だって、トラクターで引っ張ってエンジンふかすみたいな異常なことやってんだし…離陸できても着陸できんの? と不安でいっぱい。でも、これを書いてることからお分かりの通り、無事に着陸して元気に日常生活に戻ったのでした。


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 23:59  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

プレゼン準備とりあえず完了

今日から一週間、怒涛のプレゼンウィークが始まった。一つ一つが、短時間にギュッと濃密な内容を話すタイプのプレゼンなので、周到な準備が必要だ。先週はその準備で死にそうになっていた。死にそうになりながらも、もう一押しが欲しい某プレゼンのために金曜日にもがいて解析したら、不意に想像をはるかに超える結果が飛び込んできて「すげーっ」とか叫んでしまった。さらに死にそうになりつつ、週末に急いでコードを書いて、数値的な裏も(ほぼ)取れた。

明日から二週間のフランス出張。出張前最後の週末は、半分は息子と思いっきり遊ぶことにした。

さて、今日はプレゼン第一弾。プレゼンの性格上、慣れないスーツで挑む。どう頑張ってもギリギリの時間でシビアな発表だったけれど、ほぼ理想的に発表できた。自分の力は出し切ったので、あとは結果を待つのみ…

発表前後は別のプレゼンのスライドを作った(ほんとは気持ちが離れるので良くないけど仕方ない)。その後は、セリフ練りもやった。合間に、↑の数値的な裏取りもチョコチョコやった。なんか目が回りそうだけど、出張前の準備ができたみたいだ。


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 20:18  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

還流系計測始動

来週火曜からSTATPHYS出張で、その前に某グラントの面接があったりして、今週はプレゼン3つを作らなきゃいけない。既にだいぶ追い詰められているけれど、出張前に何とか大腸菌の還流系実験を始動させたい、その執念で、(F君を巻き込んで)昨日と今日に実験をねじ込んだ。二日連続で時間が取れるのはここしかなかった。無茶振りで長時間実験をさせてしまったF君には申し訳なかったけれど、これで僕が出張に行っている間も実験ができるだろう。これを思えば、プレゼン3つの準備が本格的にやばくなってても納得できる(でもやらねば)。

しかし、うちのラボで大腸菌の還流系実験がついに動き始めたのは、なんともジーンとくるものがある。4月に科研費が採択されてからゼロから生物系の機器とか試薬を買い揃え(一部譲り受けたけれど)、遺伝子組み換え実験の手続きとか、いろんなことをやって、今ようやく実験本体に辿り着いた。これが早いかどうかわからないけれど、僕的には全速力で来たつもり。もちろん僕1人の力でなくて、モチベーションの高い学生さん達と、全面的に協力して下さっている若本さんや技官さんのおかげなんだけど。

しかし、始まっただけで感傷的になってちゃしょうもないな。これから楽しい実験が展開しますように!


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 22:35  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

閃光

大腸菌実験のため、朝一でインキュベーターをつける。電源を入れるの自体が納品時のテスト以来だなー、とか思いながらスイッチを入れると…

ボッ!

排気口の向こう側から閃光が見えた…。電源はつかず。スイッチをオンオフしても、装置のブレーカーを落としても、うんともすんとも言わないし…

どうしよう。インキュベーターを使う作業を中断するか…でもそれじゃ次いつできるか怪しいし、その分さらに大腸菌実験の始動が遅れるのは良くない。そうだ、佐野研から頂いた別のインキュベーターがあったんだ!シェーク機能はないけど、今日はコロニー成長だし、明日にはシェーカーが空くから何とかなる!

佐野研インキュベーターをスイッチオン…閃光は出ない!(←当たり前) 現在温度!169℃!なんじゃそりゃあー

マニュアルをダウンロードして装置の設定と比べてみると、何故か表示温度に100うん十℃のオフセットがつけられていた。それをゼロにして解決…と思いきや、エラーで止まっている。メーカーに問い合わせると、挙動がおかしいとのこと。修理の見込みになるらしい。

なんでインキュベーター2台が揃いも揃って動かないんだ…あたふたしたけれど、閃光インキュベーターのメーカーに事情を説明したら、急遽代替機を持ってきて下さることになった。初期不良とはいえ、これは本当にありがたい。結局、予定より40分くらい遅くなったけれど、(今のところ)滞りなくインキュベートまで進めることになった。

午後は、やはり大腸菌実験に使うメンブレンの調整方法を学生さんに教える。おととい失敗して申し訳ないことになった作業だけど、今日はリベンジでプロトコルも清書して、予定通りこなすことができた。明日午前に出来上がる。


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 22:01  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

実験

今日は大腸菌実験のための培地作り他、いくつかの準備。実験というより、まったく地味な作業という感じだけど、学生に教えるでもなく、自分のために自分で手を動かして必要なものを作っていくのはとても気持ちいい。学生時代はこういうことばっかりできたんだよなぁ。

今日は少し前に契約した真空蒸着装置の詳細の打ち合わせもあった。ホルダー周りの設計も具体的になって、実物が納品されるのが待ち遠しい。これを使ってする実験がどうなるかはもっと待ち遠しい。


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 22:10  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

どたばた

午後は大腸菌実験のメンブレン処理を学生とやる予定だった。実際、始めるところまでは予定通りだったけれど…。自分も一回しかやったことがない作業で、色々なところで手間取った挙句に、時間の読みが完全に甘かった。研究室セミナーもあり、不可能と判断して、作業は途中で中止することにした。学生2人には申し訳ないことをした。せめて、プロトコルをラボに合わせて清書するくらいはするべきだった。反省。

実験と講義とセミナー以外の時間は(ほとんど残ってない)、KITPでやっていたとある解析に手をつけた。日曜日の佐々さんとの議論で、きっと関係ある!と盛り上がった解析。しかし、冷静に色々見直してみると、日曜日の議論は盛り上がった一方で、あやふやな記憶でやや前のめりなことを言ってしまっていたことがわかった。うーん、いかんな。とはいえ、何かありそうな、すごくそそるデータが目の前にある。全く意味がないかもしれないけど、もし盛り上がった路線が本物なら…。でも、よくわからん。わからんことをそのままに、佐々さんにメールで報告する。

KPZ符号更新の論文はようやく再投稿。コメントはすべてしっかり対応したので、大丈夫なはず。



竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 23:59  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

領域研究会

金土日と、九大伊都キャンパスで新学術の領域研究会。新しい公募班の方々が加わられたこともあり、生物系から固体系まで本当にスペクトルの広い話にどっぷり浸かった三日間だった。みなさん異分野前提で、非平衡な側面を強調して話して下さるので楽しくて、色々と質問しまくった三日間だった。中でも印象に残ったのは、沙川さん、長屋さん、木村さんの話かな。

自分の講演はだいたいイメージどおりに喋れたけど、仕込んだボケで事故ったのがかなり凹んだ。舞台裏を書いておくと、

ボケつきでメチャ練習 
→ 当日は40分早く着いてプロジェクタ接続 
→ 時間余ってるしスライド提出済ませちゃおうかな 
→ 提出版はボケ消しとこ 
→ 消したこと忘れて講演突入 
→ ボケ発動予定のところで発動せず焦る
→ あろうことかスライドショーを中断してボケを出す
→ 当然ダダ滑り
→ 無理やりボケを出したせいで次スライドまでおかしくなる
(この後は規定路線に復帰)

セリフや身振り手振りはかなりよくできただけに悔しすぎる。実は奥さんからは、僕は講演でボケない方がいい(話し方的に、聞いてる方は笑っていいか迷う)と言われている。確かに、ボケていい方向に転んだことないかもなぁ…

研究会帰り、佐々さんと議論。地下鉄車内で、たぶん2人ともメチャ大声で議論して、周りの人はさぞうるさかったに違いない(すみません)。でもその甲斐あって、最近の進捗を聞いただけでなく、思いもよらないところで僕のとある解析と繋がるかもしれないことを聞いた。これは熱い…けれど、色々確かめなければ。



竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 23:59  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

人工生態系実験に驚き

今日の研究室論文紹介で学生が紹介してくれた論文(ここ)が、僕的に猛烈に面白かった。Leiblerグループの研究で、制御された環境で藻類微生物(クラミドモナス)、大腸菌、繊毛虫(テトラヒメナ)を共生させ、その個体数変動を測ったというもの。本物の生態系と比べたら猛烈に単純だけど(物理のセンスではむしろ良いこと)、繊毛虫が大腸菌やクラミドモナスを食べちゃったり、クラミドモナスが光合成で炭化物を生産してたり、死後は大腸菌が消費してたり、生き物らしい色々な活動がちゃんと起こっている。そして、そうした血みどろの争い?の結果であるはずの個体数変動が、なんと驚くほど決定論的になっていた、というのが実験の主張だ。

素朴に言って、生き物らしい諸々は決定論的でない色々な要素に支配されているっていうのが普通の考えだと思う。もう少し真面目に考えても、3変数あればカオスになっていいわけだし、まして空間自由度があって、さらに培地は対流までしてるらしいのに、それでも決定論的とか僕にはほんとに不思議に見える。久々に、衝撃を受けるくらいに面白い実験を見た気がした。

しかし、ホログラフィ顕微鏡による三次元位置測定とか、マシーンラーニング?を応用した生物種判定とかの実験技術に加えて、顕微鏡10台を使いまわして正味9.7年(!)観測し続けたとか、色んな意味で次元が違う研究だ。強烈な刺激を受けた。Leiblerさんは、以前別の話のセミナーを聞いたときも非常に明晰で、物理の発想の生物実験を並外れたセンスでされているように感じている(…とか僕なんかが言うまでもない方だけど)。こちらも今年から始める生物絡みの研究をちゃんと進めて、色々な議論をしてみたいな。



竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 21:41  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

論文紹介・研究室紹介

今日の研究室セミナーは自分担当の論文紹介。川口くんらの神経前駆細胞の集団運動のプレプリント(ここ)を紹介した。半分佐野研の論文だし、佐野研時代に本人から完成前の話を聞いたこともあったので、論文紹介のネタにするのはずるいと言えばずるいんだけど、アクティブマターで位相欠陥が新たな役割を担うというのは、液晶をやってる人が多いうちの研究室にはとても得るものがある研究だと思ったので選択。面白い実験結果に加え、コアな結果をきちんと理論で説明するところまで持ってきているのはさすがだな。

今週、東工大では物理分野の国際サマースクールが開かれている。その一環で、スクール参加者のグループがうちに見学に来ることになっていたのだけど、昨日の夜になって無茶振りがあり、僕からも紹介をすることになった。準備の時間はもはや全くないので、分野紹介用に作ったスライドを英語翻訳だけしてぶっつけ本番。参加者からは良い質問をいくつかもらったけど、一部僕が答えを間違えて学生に指摘されたりして、申し訳ない感じになってしまった。いかんなぁ。。。


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 21:06  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ! 

Kさんセミナー

E研Kさんが研究留学から帰国され、成果報告セミナーにお声掛け頂いたので出席した。ネイティヴそのもの(に僕には聞こえる)英語に加え、研究の中身もしっかりしていてびっくり。ふつうに研究者の研究発表として楽しむことができた。

午後は大腸菌実験に使う流路のPDMS部分の製作。僕もぶっちゃけ一回しかやったことない作業だけど、学生2人にほぼ滞りなくデモンストレーションできたはず。ここまで来るのに時間かかったけど、この作業ができるところまでこぎつけられたことが嬉しい。(最近こんなことばっか言ってるな…危険な兆候だ)

6月中旬の新学術領域研究会を皮切りに(当社比)出張続きで大変な予感がしているけれど、日程を見れば見るほど、むしろ既にやばい日程になっている気がして仕方がない。


竹内一将oh_la_la_kazumasa  at 21:50  | コメント(0)  | トラックバック(0) |  この記事をクリップ!