15日、参観懇談があった。
かねてから、「隣のクラスからも、SKYくんのことについて説明してほしいとの意見がでている」と聞いていたので、
とにかく、新しいレジュメを作成した。
それが、17日に紹介した内容であったのだけれど…。
実際、懇談が開かれている場にいって、その参加人数の多さに、
「しまった!」 と思ったね。
そりゃ、クラス懇談から比べたら2倍にはなるだろうが、それ以上だったので、ちょっと想定外だった。
娘のクラスを見てから、懇談の席にいくと、すでに席はうまっていて…
まあ、私のための特等席のように、前の席が空いておりました…。
うん、みなさんに説明することになるのかもしれないから、前でいいか…。
と、一番前の、一番角に座りましたわ。
ほほほ…、さしずめ主賓席
でしたわ、そこは…。
でしたわ、そこは…。さて、懇談がはじまりますと、先生から、学習についてや、生活についてのこと、いつもの懇談で出てくる話題からはじまりまして、
もしかして、このまま、なにも言われなければ、私の出番はないのかな?
私だって、自分から「うちの息子のことで説明があります」とは、言いにくいものだし。
やがて、
保護者の一人が、
「なぜ、3年生だけが今日、懇談があるのですか?」
と、言い出した。
「他の学年は、今日は参観の後、懇談はありません。来月また最後の懇談会があります。今日は、なぜ学年集めた懇談があるのですか?」
キターーーーーーーーーーー かな?
(そうか、今日3年生だけ懇談があるんだ…知らなかったよ…)
質問をしているのは、2年生のときに、
「問題のある子の親は、このことを知っているのですか?」
と、懇談会の席で先生に言い寄った方…。
私はあのとき、体の震えが止まらなかった記憶がある。
まあ、あのときから比べたら、かなり、肝座ったよね…わたしも。


平然と、一番前の席に陣取ってるんだからさ。
そこで、いよいよもって私の番がきたわけだよ。
隣のクラスの学級代表の方が、(目の前に座ってる)私に「よいでしょうか?」と、ふるわけだからしてさ。
私は、微笑みながら頷くわけだ。
そして、たちあがって説明する。
一番前の角の席は、説明する側として、絶好の舞台
じゃない?
じゃない?「うちの子は、2年生の春、あまりにも様子がおかしいので、教育センター等でなんどか相談し、検査を受けた結果。
自閉症だということが、判明しました。
高機能自閉症・アスペルガー症候群
これがついた診断名です。
自閉症とは、どういう障害かというと、レジュメもつくってきましたが、生まれつきの脳の機能障害です。
人間関係・社会性を築くのが難しい障害です。
(それだけじゃないだろ…私も、説明に失敗したよな…)
知能的には、なんら遅れはありませんが、判断力は3〜4歳児並で、脳の発達に偏りがあります。
(この説明もどうかと思うなあ…あとで失敗したと思った)
2年生の頃は、毎日のようにパニックを起こして、当時は学校からお迎えの電話がかかってくるたびに、電話が怖かったぐらいですが、現在はパニックも減って落ちついてきていますので、いましばらくご理解をお願いします。」
このあたりで、しゃべる説明には限界あると感じた私は(実際は、流暢にはしゃべってないのよ。しどろもどろよん)、レジュメを配ることにした。
レジュメもねえ、けっこうなページ数になったから、数つくってこられなかったのよ。
まさか、懇談会の席にこんなに集まりがあるなんて思わなかったのね…。
いつもみなさん、懇談会ときたら集まり悪いくせに…、こういうときはどっと参加なされるわけね?(汗)
その人数の多さを計算にいれてなかったなあ、私。
なら、新学期につくった、 「おわびとお願い」程度のレジュメでもよかったよ…。
その「3〜4歳児並」の説明に、切り返しが飛んだ。
「体力は、小学3年生なんですよ。体も大きくなっていくし、力も強くなっていく」
「うちの子は、馬乗りになって首をしめられかけた。周りの子達は本来止めるところを、彼の場合『止めに入ってはいけない』と、言われていて、誰も止めてくれなかった。」
「現在落ちついてきているというが、なにをもって断言できるのか?」
人から見たら、乱暴な子が、中身が幼児のまま大きくなっていく不安があるのだろう。
息子は、この2年でずいぶん成長した。
我慢する力もつけてきた。
パニックもずいぶん減った。
体は大きくなっていくかもしれないが、心も成長してるんだよ、彼は。
てなことを、説明したって、わかっていただけないよなあ。
現に、つい先日、図書室で他害行動起こしたばかりだし…。
「先生方のお話に、4月から高学年として4年生になる、10歳になるというお話しが出ましたが、『10歳の壁』と言いまして、10歳は脳が完成される年齢なのです。
10歳を過ぎると、パニックも落ちついてきます。」
※注:パニックは成人でも起こします。説明の半分は方便(ハッタリともいう)です。
先生方からも、彼のパニックの原因として、
相手にからかわれての上、というのが多い という説明が入る。
実際、彼のパニックをおもしろがって、わざと怒らせようとする者もいたりしたそうだ。
子供達が、誰でも こう言われたら怒る ということを、彼の場合、その怒り方が極端なので。
つまりは、彼のパニックは、彼が怒るだけの理由がある ということを説明していただいたのですが、
去年おなじクラスだった、女児のお母さんから、
「うちの子は、いきなり足をつかまれ転ばされました。なにもしてないのにです。これはどう説明されますか?」
うちの息子の、人に触りたいこだわり というか、
不安なとき、人に触れていたいんだよねえ…。
とくに、2年生の時はクラス自体がもっと荒れていたからさあ。しょっちゅう担任の先生の足にしがみついていたっけ。
そこで、目にとまった同級生の女の子の足にしがみついちゃったのかもねえ…。
「『自閉症』は、コミュニケーションの障害ですので、本来、『友達になりたい』とか『いっしょに遊びたい』と言うところを、どう伝えていいかわからずに、乱暴な行動に出る場合もあります。
これは、今、ちょうど頭を悩ませてるところでして。
4年生にもなりますと、男の子ですから、むやみに女の子の体に触れてはいけないと教えていかなければなりません。
…どう教えていったらよいものか、今後、担当の心理の先生等に相談していきます」
てな、説明で、納得してくれたもんだかなあ…。
こちらが、説明に困ると、担任の先生お二方が、フォローを入れてくれるので、助かるよ…。
うちは、先生に恵まれている…。

さらに、質問は飛ぶ。
「どうして、もっと早く、みんなにそういう障害があるってことを説明してくれなかったんですか?」
これには、驚いたねえ…。
そりゃ、説明できるもんなら、説明してますって。
その前に、この障害を持つ親が、子供のことをカミングアウトするのに、躊躇しない親の方が少ないと思うよー。
「全校全員に言ってまわるわけにもいきませんし、それに、去年も今年も、私は役員で広報をやってますが、そのたんびに『そのことを広報に載せていただけないか』と申してきました。
その答えはいつも『クラスでおこなってください』でしたので、まず、クラスから説明してきましたが」
「子供達に、そんな障害があることをどうやって説明していったらいいの?」
それは、家庭の問題だろうとは思うんだけどね。
家で、障害のある子との共存を、どう説明するかというのは…。
「子供達には、障害のある子だという説明はあったの?」
これに関しては、先生の方から、
「学習発表会の両クラスの総合練習の際にみんなに言ってます。彼だけみんなと同じ事ができないけれど、行動からはずれてしまったときは、先生が注意するから。 という説明をしております。」
担任の先生からも、
「それに、うちのクラスは、彼の障害をほとんど意識してません。うちのクラスの方から、彼のそばにいるのが困るとか、怖いとかの報告は出てません。むしろ、障害のある子に優しくなって、クラスがまとまってきていると思います。」
そうなのよ。
息子のクラスは、何度か自主参観しているけどね。
クラス全体が、彼を常に気にかけてくれているのよ。
2年生の頃は「表ではいい顔をし、裏ではカツアゲをしている」と、悪評だった悪ガキくんも、うちの息子にはとても親切だ。
役員会で、PTA会議室にいた私に、
「たいへんだ、SKYのかあちゃん!SKYが暴れてるー」
って、パニック起こしたことを報告に来てくれた子もいた。
私が学校に行くと、
「いま、図書室だと思うよ」
「体育館にいたよ」
と、教えてくれる。
子供達は、みんな、息子の障害をあたりまえのように受け入れ、とても優しいのだ。
懇談会の最後に、隣の担任の先生が、先ほど配ったレジュメを「個人情報ですので」と、回収してくれた。
そうよねえ。私も、本人の名前と障害名が書いてあるので、隣のクラスにまで配布するのはどうかなあ?と思ったのよ。
部数を数つくってこなかったのも、それも心配だったからもあったんだよねー。
先生の配慮に、頭下がるわー。
それでも、クラス役員の人が、
「最後まで読んでなかったし、他の人に質問されたときに…」というので、一部お渡ししたんだけどね。
彼女は、
「うちの子、なんにも言わないから、ちっとも知らなかったー」
と、色々と理解を示してくれた。
そこで、まず、不安に感じてるだろう、彼の暴力部分の説明をした。
「こういった子の暴力的犯罪をみなさん心配されるかもしれませんが、診断を受けた親はまずそれだけは無いよう常に気を配っています。」
ほんとは、この部分もレジュメに書こうか、悩んだんだけど、結局削除したのよ。
なぜかというと、この言葉だけが一人歩きしたら怖いからねえ。
こちらが「発達障害者=犯罪者」にならないよう気をつけています。 と、書こうものなら、
なにも知らない一般の方が、「発達障害者=犯罪者」の言葉だけ、あちこちにふりまいてしまう可能性も出てくるのでさ…。
それと、今回のレジュメで失敗した点、
やはり、実際の参加人数の多さを計算にいれてなかった。
なので、やっぱり、春のレジュメにも入れたように、
みなさまのおかげで とか ただいま努力いたしております とか、
今後とも温かい目で見守ってください とかの予防線を入れておくべきだったこと。
春に書いたので、同じ言葉を何度も何度も…と、思って今回やめたのよ。
でも、けっこう関心高かったので、いれるべきだった…と思った。
一方的に「障害があります、理解して下さい」では、難しいだろうからさ。
「皆様のおかげでここまできました。ただいまこうして努力いたしておりますので、今後とも温かい目で見守って下さい」
とするのでは、違うでしょ?
なので、先日のレジュメを使いたいと思われた方、春のレジュメの方も参考にしてください。
懇談会が終わった後、いっしょに広報の役員やってる隣のクラスの I さんが、
「みんなわかってくれたと思うよー」
とは、言ってくれたものの、被害側はそんな雰囲気には見えなかったけどねえ。どうだかねえ。
I さんは、けっこう愉快な方で、息子が遊びに行ったときも、子供といっしょにテレビゲームにつきあってくださってるようで、息子がよく、
「 I んとこは、父さんも母さんもゲームに詳しい」
と、言ってたし…(^_^;)
同じ役員でも、去年いっしょに広報活動したSさんは、今回、被害側で、一番質問が多かった。
彼女が、「なぜ障害があることを最初にみんなに言ってくれないの?」とするなら、
I さんは、「よくやってるよおー」と、ねぎらいの声をいつもかけてくれるタイプ。
そんなこんなで、懇談会は終了。
とまあ、もう一週間以上も前の話なんで、ところどころセリフとかウロ覚えだけれど、こんな感じの、懇談会カミングアウト顛末でした。
さて、後日談として。
「10歳になったら、パニックも落ちつく」
と、ハッタリに近いことを断言してきた私だったけど、
先日、息子が
「3年生になったのに、幼稚園のようなお泊まり会が無いのはなぜ?」
という疑問を持ち出してきた。
幼稚園は年長さんで、お泊まり会やった。つまり、入園から3年目でお泊まり会をした。
「そら、修学旅行のことだ。6年生になったらあるよー」
と、答えると、
「えー、6年生まで待つのー?」
そら、今、集団行動できてない君が、お泊まり会なんて、あーた…親としては不安だわ。
被害側の親たちだって不安だろーさ…。
と、思ったもんで、
「おまえねー、お泊まりに行ってパニック起こしたらどうすんの?」
「もう、だいじょうぶだもん。最近やってないじゃん」
「つい、こないだ、小さい子つきとばしたりしたばっかりでしょ?」
「もう、しないもん…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ふんふん…。「しない」と自分で断言できるようになったのも、こりゃまた、すごわ…。
もしかすると、本当に 無くなる のかもしれない…。
よし!信じてるからな!
おかーさんは、今後も確信をもって
「他害・パニックは無くなる!」と、
ハッタリ…じゃない、
断言してくるわ。