岡山放送(OHK)下請業者切捨ての実態

本件は、長年にわたって原告会社に報道番組の制作等の業務を委託してきた被告岡山放送株式会社 及び被告株式会社オウエッチケイ、エンタープライズが原告会社の最も有力な社員であった被告菊井晴美と 共謀し、原告会社の主要な社員をほとんど引き抜いたうえ、原告会社との自動更新約定のある業務委託 契約等に違反し、正当な理由もなくこれを打ち切ったため、原告会社が事業を継続することがきわめて困難 となって甚大な損害をこうむったことから、被告らに対してその回復を求めるものである。

1 被告らは原告に対し、各自、金3300万円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え 2 訴訟費用は被告らの負担とする。との判決並びに仮執行宣言を求める。

岡山放送(OHK)下請け業者切り捨て裁判 証拠メール

被告岡山放送(OHK) 被告OEP 被告菊井

岡山放送(OHK)下請け業者切り捨て裁判準備書面

平成22年(ワ)第743号 損害賠償事件


原 告  有限会社スタック

被 告  岡山放送株式会社ほか2名
2010年8月20日

準備書面(1)


岡山地方裁判所第2民事部2B係 御中


原告訴訟代理人
                                                    弁護士 位 田  浩

  本準備書面は、被告らの答弁書第3(被告らの主張)に対する認否・反論を行うとともに、求釈明の申立を行うものである。


第1 被告らの主張に対する認否・反論

1 第1項(事案の経緯)について

(1)同項(1)平成21年1月下旬について

  被告岡山放送が被告菊井を通じて次年度について報道番組に関する委託料を10%カットしたいと提示してきたことは認めるが、その余は否認する。
なお、優位的地位にある岡山放送からの提示に対し、原告会社はそれを拒否できるような地位にはない。

(2) 同項(2)同年2月27日について

否認する。

被告岡山放送が被告菊井を通じて提示してきた内容は、次年度について報道のカメラマンを5名から2名削減し3名とする、「スーパーニュースSPA」の制作 については委託しない、その他報道で別注していた業務も注文しないというものであった。原告代表者は被告菊井からそのように聞いている。また、同被告か ら、削減対象とすべきカメラマンについて、深水と橋本という名前が上がっていた。

(3) 同項(3)3月4日について

認める。

(4) 同項(4)3月4日について

おおむね認める。

被告岡山放送が削減を求めていたカメラマンは、深水と橋本であったことから、原告代表者は被告菊井と協議し、社員に対する給与カットを発表することにより 妻帯者である両名に対して退社を促すとともに、被告菊井に対して当該2名以外については退職しないよう根回しをすることを求めた。しかし、被告菊井は、原 告代表者の指示に反してそのような根回しを行わず、逆に、自らが率先して、被告OEPや被告岡山放送と通謀して主要なカメラマンの引き抜き実行したのであ る。

(5) 同項(5)3月6日について

原告代表者が原告会社の社員に対し、被告岡山放送による契約条件提示などの経緯を説明し、事業を継続していくために希望退職者を2名募集すること、残る社 員の給与についても減給の可能性があることを発表し、退職希望者は同月9日までに被告菊井に申し出るよう伝えたことは認める。また、同日に被告菊井と池田 取締役とが面談したことは認めるが、その余は否認する。
原告代表者が被告菊井と池田取締役とが面談していたことを知ったのは後日のことであり、その内容は、被告OEPが原告会社のカメラマン3名(被告菊井、半田、平井)と梅谷を引き取って救済するという話であった。

(6) 同項(6)3月9日について

原告代表者が被告OEPの木村良徳代表取締役及び池田取締役と面談したことは認めるが、その余は否認する。
原告代表者は、被告OEPから仕事を回してもらったり、あるいは原告会社のスタッフを入れてもらったりできるのかを聞いてみたが、池田取締役らはこれを拒 否した。その際、池田取締役は原告代表者に対し、突然「ぶっちゃけた話、(原告会社の社員)全員を引き取ることはできないが、引き取る用意はある)と言っ て、あたかも原告会社の社員を引き抜くかのような口吻を漏らしたのである。

(7) 同項(7) 3月10日について

原告代表者が武本局長と黒田部長と次年度の契約条件について面談したこと、面談時に被告菊井が原告代表者にに対し「社員が全員辞めたいと言っている」と連絡してきたことは認めるが、その余は否認する。

面談においては、黒住部長が「被告菊井に言ってあるとおり、報道カメラマン2名を削減する、SPA制作の発注をしない、その他の別注もしない」と回答して きたので、原告代表者は「再考の余地はないのか」と重ねて尋ねたが、黒住部長は「決定ですから(交渉の余地はない)」と答えた。また、その際、黒住部長は 「社員を路頭に迷わせないようにしてあげてください」と述べた。

(8) 同項(8)3月14日について

被告菊井が「社員全員辞めたいと言っている」と述べたことは認めるが、その余は否認する。このとき、被告菊井は「被告OEPから救済の話があり、被告OEPが社員を何人か引き取ってくれるので、頼んでみる」と言ってきた。

(9) 同項(9)3月16日について

認める。

黒住部長は、翌17日、被告菊井をはじめとするカメラマン5名(半田、平井、難波、橋本)及び梅谷の6名を被告岡山放送又は被告OEPが引き取ると答えていた。

(10)同項(10)3月24日について

認める。ただし、梅谷は同月28日に退職願を持ってきた。

(11)同項(11)3月25日について

否認する。

黒住部長が平成21年4月1日付念書を持参し、原告代表者に対してそれに押印するよう求めてきたのは、3月18日ころのことである。
(12)同項(12)4月以降

否認ないし不知。


2 第2項について

争う。

被告らは、被告菊井ら原告会社の社員全員が退職を希望し、4月以降の契約継続が困難となった後になって、被告岡山放送及び被告OEPはそれを知り、被告菊井らを採用したかのように主張する。
しかし、被告らの主張は失当である。

原告代表者は、3月4日時点において、被告菊井との間で、深水と橋本を退職させるか解雇することによって人件費を抑制し、また、他の諸経費の削減や原告代 表者を含む社員全員の給与カットによる経費削減により業務を継続していくこと、被告菊井において深水・橋本以外の社員には退職しないよう根回しをした上で 希望退職者を2名募集することを確認し、3月6日に社員全員に発表したのである。
ところが、希望退職者の募集を発表してからわずか4日後の3月10日に、被告菊井は、原告代表者に対し、「社員が全員辞めたいと言っている」と連絡してき た。社員の全員が次の就職先のあてもないまま退職を希望することなど考えられないところである。しかも、希望退職者の募集の公表に先立って、被告菊井が原 告代表者に連絡を入れることもなく被告OEPの池田取締役と密談していることからすれば、遅くとも3月6日時点において、被告菊井は、被告岡山放送や被告 OEPから雇用確保ないし業務委託の約束を得て、社員を引き抜くことを画策していたとみるほかない。さらに、社員全員の退職に向けた被告菊井の動きは、被 告岡山放送や被告OEPからの働きかけ及び支援がなければ到底なしえないことからすれば、被告らが相通じて、原告会社の社員を引き抜いたことは明らかとい うべきである。


第2 被告らに対する求釈明の申立

被告らに対し、次の事項について求釈明を求められたい

1 被告らは、3月4日に原告代表者が被告菊井に対して2名(深水・橋本)以外の社員が退職しないよう根回しをするよう支持したことを認めている。そこで、次の事項について明らかにされたい。

(1) 被告菊井が各社員(難波秀明、平井大典、半田幹男、梅谷桂子に
  対して上記内容の根回しを行ったかどうか。
(2) もし根回しを行ったとすれば、その時期、場所、内容を社員ごとに
       それぞれ具体的に明らかにされた い。
2 被告らは、被告菊井が3月10日に原告代表者に対して「社員全員
       が辞めたい」と言っていると連絡したことを認めている。
       そこで、次の事項について明らかにされたい。

(1) 被告菊井が各社員(難波秀明、橋本敏、深水誠、平井大典、半田
       幹男、梅谷桂子)から原告会社を辞めたい旨を聞いた時期、場所
       及びその内容について社員ごとに具体的に明らかにされたい。
(2)上記(1)の際、被告菊井が上記1の各社員について退職しないよ
       う説得したかどうかについて社員ごとに明らかにされたい。
もし説得しなかったとすれば、原告代表者の根回しの指示がある
       にもかかわらず、説得しなかった理由を社員ごとに明らかにされた
       い。
(3)上記(2)において、被告菊井が退職しないよう説得したにもかかわ
       らず、各社員がその説得に応じなかったとすれば、その理由につ
       いて各人ごとに明らかにされたい。
(4)上記(1)の際、各社員が原告会社を辞めた後の就職先(企業名)
       等について、どのように述べていたかを各人ごとに明らかにされた
       い。
3 被告らは、被告OEPが原告会社の各社員(被告菊井、難波、橋
       本、半田、平井、梅谷)を採用したことを認めている。
そこで、次のj事項について明らかにされたい。

(1)各社員が被告岡山放送又は被告OEPに履歴書を提出したかどう
        か。

もし提出したとすれば、提出時期を社員ごとに明らかにされたい。

また、履歴書をすべて裁判所へ提出されたい。

(2)2009(平成21)年4月1日当時の原告会社の各社員と被告岡山
        放送又は被告OEPとの間の雇用契約の内容はどのようなもの
        か。各人ごとに明らかにされたい。
各社員との雇用契約書(雇入通知書)又は業務委託契約書等の
        契約書をすべて裁判所へ提出されたい。
以上

第2 原告会社と被告岡山放送及びOEPとの契約関係等

第2 原告会社と被告岡山放送及びOEPとの契約関係等
1 原告会社は、被告岡山放送との間で、遅くとも1989年(平成元)年
4月1日以降ほぼ毎年、被告岡山放送のニュース番組取材製作に関
する人材派遣業務に関する契約を締結し、原告会社のカメラマンを派
遣してきた。
原告会社と被告岡山放送とは、2008(平成20)年4月1日にも、おお
むね次のとおり、自動更新約定のある契約を締結した。

第1条 被告岡山放送は原告会社にニュース番組取材製作要員の派
遣を求め、原告会社はこれを引き受ける。
第2条 派遣業務の範囲及び内容は、ニュース番組取材制作要員派遣
業務仕様書による。
第3条 原告会社は1か月分の人材派遣代金を一括して毎月末日まで
に被告岡山放送に請求書を提出し、同被告は請求書に基づ
き、翌月25日に現金で原告会社に支払う。
第4条 契約期間は、2008(平成20)年4月1日から2009(平成21)
年3月31日までとするが、期間満了1ヶ月までに双方から別段
の申し出がない場合は、さらに1年間延長し、その後もその例
による。
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