DARK UNIVERSE

ユニバーサル映画はかつてミイラ男やドラキュラ、アマゾンの半魚人、狼男、透明人間などのモンスター映画を創造して人々を恐怖のどん底に陥れてきました。これらのモンスター・キャラクターは原作は別にあるものの、トーキー映画の黎明期から実際に映像化してビジュアル・イメージを確立した意味でユニバーサル映画の功績は計り知れず、同社はおろかハリウッド映画産業の貴重な財産であります。そしてこのキラー・コンテンツを再び現代に蘇らせてシリーズ化し、共通の世界観の中で順次映画ファンに届けようという新しいプロジェクトが『ダーク・ユニバース』なのです。まるでDCコミックのヒーローやマーベルのシネマティック・ユニバースのような壮大なプロジェクトですが、今後予定される大物俳優の集合写真が公開されて映画ファンは興奮すること間違いなしでしょう。ハビエル・バルデムのフランケンシュタイン(まさに適役!)、ジョニー・デップの透明人間、そして記念すべき第一弾であるトム・クルーズ主演『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』に登場した女ミイラ・アマネット役のソフィア・ブテラ。更にこんな強烈なモンスター軍団の中心に君臨するのがジキル博士役のラッセル・クロウ。他にも楽しみなモンスター・キャラは沢山いますし、今後のシリーズ作品で彼らの共演が実現するのか非常に楽しみですね。

The Mummy

私は先日『ザ・マミー』の試写会に招待いただきましたが、良い意味で予想を裏切る娯楽作品でした。古代エジプトの王女アマネットはファラオに認められており、いずれ王になるはずが、ファラオに男子の後継者が生まれたことで絶望します。そして魔術を使ってファラオとその男の子を殺害しますが、捕らえられて生きたまま遠く離れた地にミイラとして埋められていたのでした。その王女の柩を発見したニック(トム・クルーズ)は美しき考古学者のジェニー(アナベル・ウォーリス)と共にイギリスへ空輸します。しかし相棒ヴェイル(ジェイク・ジョンソン)は悪魔に取り憑かれたようで、機内の米軍関係者を殺害。更に輸送機はおびただしい数の鳥に襲撃され、ジェニーをパラシュートで脱出させたニックは機体もろともロンドン郊外に墜落します。しかしニックは奇跡的に死体安置所で目を覚まします。しかも彼は無傷で全裸でした・・・

DARK UNIVERSE1

近年ですとブレンダン・フレイザー&レイチェル・ワイズ主演の『ハムナプトラ/失われた砂漠の都(1999)』のシリーズを思い出す映画ファンも多いと思います(同作のオリジナル・タイトルは『The Mummy』でした)。人間の生気を吸い込んで肉体を復活させるミイラの設定や怒りが最高潮に達すると砂嵐が巨大な顔の形になるところはハムナプトラ・シリーズを思い出させますが、今回はエキゾチックでセクシーな風貌で大ブレイクしたソフィア・ブテラという女性ミイラを主人公にしたところが差別化を図っている感じがしますね。トム・クルーズのキャラクターもどこか行き当たりばったりで、インディ・ジョーンズやリックのようなユーモアたっぷりの正義漢というよりはちょっと偏差値低めのオトボケ・ヒーローというのも笑えます。その理由は映画が進行するにつれ何となく理解できるのですが、最初から最後までちょっと謎めいており、果たして今後の『ダーク・ユニバース』企画に絡んでくるのか楽しみです。更に本作では今後の登場が予想されるモンスターのチラ見せサービスにも注目してください。

ミイラ再生(1932)

ミイラの復活(1940)

ミイラの墓場(1942)

世の中の男子は皆そうだと思うのですが、モンスター映画には何故か惹かれるものがあります。私はコスミック出版の10枚組DVDパック『ドラキュラVSミイラ男』を購入して『ミイラ再生(1932)』から順次ミイラ男のクラシック映画を見ています。ミイラ男を復活させて王女に見立てた美女を連れ去り、共に永遠の命を得ようとするのが基本パターンですね。カビ臭い包帯グルグル巻きのミイラ男と気絶した白いドレスの美女のコントラストが強烈で、ミイラは銃で撃たれようが、燃やされようが、何度も復活します。初代ミイラ男のボリス・カーロフの眼力もむちゃくちゃ怖いのですが、二代目ロン・チェイニー・Jr版のミイラ男でその造形は完成しました。恐怖映画におけるお約束通り、美女の絶叫も楽しめますが、70年の時を超えても美しい人はやはり美しい。モンスターならずとも現代の男性だって思わず見とれてしまいます。クラシック映画はパブリック・ドメイン化されて安価で販売されることが多いので、最近ぐっと身近な存在となりました。しかしその作品自体は決して安物ではなく、CGなんてなかった当時の製作陣の創意工夫が見られるし、何よりオリジナル作品に対する敬意を表することで、今の映画をより深く、楽しく見ることができますね。

ドラキュラ vs ミイラ男 ホラー映画 傑作集 ACC-018 [DVD]
ベラ・ルゴシ
株式会社 コスミック出版
2015-03-02


ではまた。