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なんだか最近は当ブログも訃報を伝えるばかりのような気がしますが、誰がなんと言おうと私が大好きな『ムーンレイカー(1979)』でヒューゴ・ドラックスを演じたマイケル・ロンズデールが亡くなりました。享年89歳。彼は『ジャッカルの日(1973)』で日本でも認知されたと思いますが、母はフランス人、父はイギリス人でしたので英仏語を完璧に話すことができました。ドラックス役でいよいよ国際的なスターになり、『RONIN(1998)』、ダニエル・クレイグも出ていた『ミュンヘン(2005)』などで数々のボンドファミリーと共演しました。『薔薇の名前(1986)』の主演はコネリーでしたので、少なくとも歴代ボンド役者3人と共演していたことになりますので、ボンドファンには身近な存在だったと思います。

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動植物に影響を与えぬまま地球上の全人類を抹殺して、美男美女だけの新たな帝国を築こうとする狂気の大富豪、ドラックス。荒唐無稽すぎる話に知的なエッセンスを加えようとしたのか、クリストファー・ウッドの脚本がドラックスに語らせる言葉は知悉に溢れ、英語としては難解なものが多い。(恐らく)フランス人という設定ながらイギリス人ぽい回りくどい表現で、英国秘密情報部員たるボンドにライバル心を燃やしていたと思います。そんなドラックスを冷酷非情に演じたマイケル・ロンズデールは公開当時中坊だった私にとって強烈な印象を残しました。最後はボンドのダーツガンの餌食になり、人類への偉大な一歩を残しながら宇宙の藻屑となってしまったドラックス。マイケル・ロンズデールは本当に星になってしまいましたが、いつまでもボンドファンの胸に生き続けます・・・

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How would Oscar Wilde have put it: "To lose one aircraft may be regarded as a misfortune...To lose two seems like carelessness"?

【管理人・訳】オスカー・ワイルドなら何と言うだろうか。一つの航空機を失うのは不幸な出来事だとみなされるが、二つを失うとは不注意と思われる。

ドラックスはいきなりアイルランド出身で数多くの名言・格言を残したオスカー・ワイルドのような言葉でイギリス政府の失態を皮肉っています。今回気になって調べましたら見つかりました。元となったオスカー・ワイルドのオリジナル名言は下記で間違いないと思います。

To lose one parent may be regarded as a misfortune; to lose both looks like carelessness. (Oscar Wilde)

【管理人・訳】親をひとり亡くすのは不幸とみなされるかもしれないが、両方亡くすと心配事がなくなるように見える。(オスカー・ワイルド)

carelessnessは一般的には不注意という意味ですが、両親がいなくなれば心配のない、責任のないという意味として考えるべきでしょう。両親を登山事故で亡くしたボンドへの当て付けでしょうか。
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You must excuse me, gentlemen, not being English, I sometimes find your sense of humor rather difficult to follow.

【管理人・訳】諸君には大変失礼だが、私はイギリス人ではないので、時折あなたたちのユーモア・センスについてゆけなくなる。
Drax5

Mr.Bond, you defy all my attempts to plan an amusing death for you.

【管理人・訳】ボンド君、私が愉快に死ねるようにとり計らっているのに君はどうしても言うことを聞かないようだ。
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First there was a dream. Now there is reality. Here, in the untainted cradle of the heavens will be created a new super-race...a race of perfect physical specimens. You have been selected as its progenitors.

【管理人・訳】最初は夢物語だった。今は現実のものとなった。天上の汚れなき揺りかごの中で完璧なる肉体を持つ人類の見本から新しい超人類が誕生する。諸君はその祖先として選ばれたのだ。

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At least I shall have a pleasure of putting you out of my misery.

【管理人・訳】少なくとも私の悲惨な情況から君を排除できるとは喜ばしい。

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ムーア・ボンド、そしてドラックスよ、永遠に・・・(涙)

ではまた。