Spectre Me...

ボンド命:昔のちびっ子向けの雑誌にはスペクターのことを悪の秘密結社スペクトル団、なんて紹介してました。

墓伊田:日本の特撮ヒーローの敵組織、ショッカー、デストロン、ダークやファントム軍団などに多大な影響を与えたね。

ボンド命:S.P.E.C.T.E.R.ではなくイギリス式スペリングでS.P.E.C.T.R.E.とフレミング(もしくはマクローリー?)が命名したから井上一夫先生も当初は『国際秘密組織スペクトル』と訳してました。英語でThe Special Executive for Counterintelligence, Terrorism, Revenge, and Extortion(対敵情報、テロ、復讐、強要のための特別機関)の頭文字をとっています。

ハナコ嬢:Extortion、つまり強要・ゆすりの目的が明確だったのが『サンダーボール作戦』でしたね。

ボンド命:『サンダーボール作戦』のスペクター重役会議でも金額にこだわっていましたので、脅して大金をせしめるのが彼らの一番の目的に見えました。『二度死ぬ』でも漁夫の利を得ようとする第三の勢力つまり中国に前払い金を要求していましたし。

墓伊田:そう、その後権利的な問題でブロフェルドやスペクターを使えなくなってからはブロフェルドの代打のようなストロンバーグやドラックスが人類滅亡に繋がる壮大な悪だくみを披露した。

ボンド命:あれはあれでファンタジーでしたが、スケールが大きくてワクワクしました。そんな記憶が刷り込まれているオールドファンにとってダニクレ=ボンドの四作目が『007 スペクター』と発表された時の興奮はそれは凄いものがありました。

墓伊田:ところが、、、もったいぶってブロフェルドを登場させたのは良しとして、スペクトル団がやってること自体はイマイチ小粒だったね。

ボンド命:スペクターの会議で報告された悪事もマラリアやHIVなどの偽ワクチン市場の寡占や人身売買など、悪いことに変わりはないのですが、現実世界でも起きている問題ですからね。コロナ・ワクチンは製薬会社に多大な利益をもたらし続けるでしょうけど、新型が出る度にまた新たなワクチンが必要となるとか、早くも3回目の接種が必要とか、どうも騙されているような気がするのは私だけ?

墓伊田:そう、『女王陛下』のオメガ・ウィルスのようにスペクトル団だったらワクチンじゃなくてウィルスを製造する側であって欲しいんだよ。

ハナコ嬢:『007 スペクター』ではダニエル・クレイグ=ボンドが闘ってきた敵は全てブロフェルドが影で操っていた、と無理矢理話をつなげましたね。

ボンド命:ル・シフルは革命資金を預かって何倍にして返します、みたいなことをしようとして失敗しました。もしスカイフリート株でボロ儲けしたら何%か手数料でもらうつもりだったんでしょうけど、その資金を横領したわけじゃない。

墓伊田:ドミニク・グリーンのボリビアの水資源独占も、シルヴァの当選者操作やハッキング、NATOエージェントの身元暴露など、結果的にスペクトル団の傘下だったとしてもスケールが小さい。

Spectre Mr.White

ハナコ嬢:ミスター・ホワイトが女・子供まで犠牲にする悪事は許せないから脱退したと言ってました。

ボンド命:うん、恐らく無差別テロを指していたと思います。ボンドはメキシコのサッカー競技場での爆破を阻止しましたが、実際にナイン・アイズを発足させるためにスペクトル団は南アフリカでテロを起こしましたからね。

ハナコ嬢:でもスペクトルの名前にはテロリズムも含まれていますよね。

ボンド命:そう、『サンダーボール作戦』でも英米の主要都市で核ミサイルを爆発させると脅して、もし要求が通らなかったら女・子供を含む多数の犠牲が出たはずですね。でもそうはならなかった。

墓伊田:『ダイヤモンドは永遠に』でも人工衛星のレーザー光線で多少犠牲は出ていたが、軍関係者に限られていたように見える。

ボンド命:そう、人殺しなんて気にしちゃいない、冷酷非道な組織と思わせておいて、実は一般市民の巻き添えは極力避けてきたのがスペクトル団なのです。しかもいつも失敗に終わる。

欺流教授:なるほど、我が組織ダークも破壊部隊ロボットを世界各国に売りさばくのが目的だったからのう。女・子供を誘拐しても決して殺さない。遊園地爆破など、スケールも控え気味。そしていつも失敗に終わる(涙)

Spectre SA

ボンド命:だから、リアルにテロ事件を起こしたりすると、それは今現実世界で起きている無差別テロと全く変わらないので、かえって幻滅するんですよ。ミスター・ホワイトの気持ちもよくわかります。

墓伊田:そう、昨今のアクション映画の流れかもしれないけど、リアリズムに徹するとテロ対策は避けて通れない。しかしジェームズ・ボンド一人の単独プレイでは世界各国の過激派組織を壊滅することなど不可能だ。

ボンド命:そこをファンタジーで上手く味付けして全人類抹殺の危機をボンドが救う!みたいな映画にして欲しいんですよね。

墓伊田:『007 スペクター』はクレーター基地が登場したところまでは良かった。しかしそこで働いているスペクターの従業員はIT業界のプログラマー、もしくは電話対応のオペレーターみたいな一見ヤワな人間ばかりだった。ハッカーだってスペクターに所属していなくても全世界にゴマンといるはずだ。

Spectre Live

ボンド命:Mの退任スピーチの実況中継もMI6にスペクターのスパイを送り込んでスマホでライブ配信すればいい。感動的な挨拶の動画を撮るなんて一般企業でも行われていることだから全く違和感がない。MI6のセキュリティ・カメラをハッキングしなくても十分できる。

墓伊田:『二度死ぬ』の火山基地で警備員がニンジャ部隊と大円団を見せたのが懐かしいね。『007 スペクター』の銃撃戦はほんの一瞬で終わった。しかもこの基地の大爆発はクライマックスに見せるべきだったのに、最後は元々解体予定だったMI6ビルの爆破だけで死亡者ゼロ。アクションが尻すぼみになったのを不満に思っているファンは多いはずだ。

ハナコ嬢:テロ組織化したスペクターを見限った?サフィンがスペクター以上のスケールで『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の中で悪事を企んでいるように見えるのは楽しみですね。

ボンド命:そこは大いに期待しています。ブロフェルドは裏切ってもいいから、我々ボンドファンを裏切らないで欲しいですね。

・・・『007 スペクター』ネタはまだまだ続く・・・

ではまた。