今年のアカデミー賞で見事作品賞に輝いた『それでも夜は明ける』をやっと観ました！新作のボンド映画『Bond24』で敵役にオファーか？と噂される主演のチウェテル・エジョフォーを筆頭にアカデミー助演女優賞を獲得して一躍若手黒人女優のスターに上り詰めたルピタ・ニョンゴ、すっかり大スターの仲間入りを果たしたマイケル・ファスベンダーなどの演技が素晴らしく、号泣必至の感動作であります。劇中何度となく繰り返される鞭打ちによる壮絶な虐待シーンを直視できない観客もさぞ多いかと思います。一方、日本の鞭打ち映画といえば昨年公開された壇蜜の『甘い鞭』でキマリでしょう。こちらはあくまで性的な快感を得るためのプレイの一種ですが、現在の芸能界で一番エロいオンナの面目躍如であります。しかし本作は決して壇蜜だけの映画ではなく、彼女の女子高生時代を演じた間宮夕紀の大胆すぎるオール・ヌードと監禁・鞭打ちシーンもエロ映画ファンは必見であります。この日米鞭打ち対決は甲乙つけ難く、個人的には引き分けだったと思います。
『それでも夜は明ける』の原題は『12 Years a Slave』であり、12年間の奴隷生活を強いられたソロモン・ノーサップの奇跡の生還を描く実話をベースにした物語です。1841年、ソロモン（チウェテル・エジョフォー）はニューヨークで音楽活動をする裕福な黒人でした。家族が不在の間のちょっとした小遣い稼ぎとして二人の男から演奏の仕事を請け負ったソロモンでしたが、彼らは奴隷密売に関わる悪徳業者でありました。有無を言わさずルイジアナの農園に売り飛ばされたソロモンはフォード（ベネディクト・カンバーバッチ）という理解ある農場主に巡り合い、持ち前の頭の良さを発揮して作業を効率化してゆきますが、白人のジョン（ポール・ダノ）に苛められます。理不尽な扱いに耐えかねたソロモンはジョンに反撃しますが、首吊りの刑で返り討ちに遭うハメに。周りの黒人たちは誰も助けてくれませんが、フォードが最後に手を差し伸べます。しかしソロモンはフォードの借金返済のために綿花農園のエドウィン・エップス（マイケル・ファスベンダー）に売られてゆきます。そこにはパッツィー（ルピタ・ニョンゴ）という若い女の奴隷もいました。彼女はエドウィンの性奴隷でもありました。それは妻のメアリ（サラ・ポールソン）も知る公然の秘密でしたが・・・
19世紀半ばのアメリカにおける悲惨な奴隷制度の実態を描く問題作です。人間が家畜同然に売買され、虐げられるその姿は目を覆いたくなるシーンの連続。それでも当時の黒人が全て単純労働に従事していたわけではなく、ソロモンのようにバイオリンを弾き、読み書きができる教養ある黒人は既に存在しており、彼らが不屈の精神で生き延びて黒人の地位向上に努めたからこそ今のアメリカ社会があるのでしょう。
本作は監督のスティーヴ・マックイーン（オールド・ファンには懐かしい『大脱走』の名優とは全く無関係です）、主演のエジョフォー、白人農場主のファスベンダーやカンバーバッチなど英国人が中心の映画であります。英国人スターが多いせいか、それとも国際的なマーケットを意識したのか、映画の中の英語は南部訛りが殆どなく、非常に聞き取りやすかったですね。特にエジョフォーはシェイクスピア俳優として英国では有名な俳優で、実は私のロンドンの友人の学生時代の同級生なのです。ナイジェリア系のその名前『Chiwetel Ejiofor』は日本人はおろか米国人にも発音しにくいと思いますが、その友人曰く、学生時代は『チューイ』という愛称で呼ばれていたそうです。世界の全ての人は5人以内で繋がっているそうですが、私とチューイはその友人一人を介して繋がっていますので、最近とても身近に感じております。『セレニティー（2005）』などのSF大作でも堂々たる悪役ぶりでしたので、ボンド映画といえばイギリス人ですし、案外『Bond24』の悪役オファーも本当だったりして・・・正式なキャスト発表が今から楽しみですね。
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ルピタ・ニョンゴは2014年のピープル誌で世界で最も美しい女性ランキングの第１位に選ばれたり、スターウォーズの新シリーズへの出演が噂されるなど、今最も注目される黒人女優の一人でありましょう。メキシコ生まれのケニア系で、現在はニューヨーク滞在。アカデミー賞での受賞スピーチも感動的でした。黒人の人は日本人にとって年齢不詳で、劇中の役柄はとても若い女性だったと思いますが、実は1983年生まれの現在31歳です。女豹のようにスレンダーな肢体を披露し、ファスベンダー及びエジョフォーにこれでもかとばかり鞭打たれるシーンは強烈でした。背中の皮膚が引きちぎられた傷跡は実に痛々しかったです。自殺する勇気はないのでいっそのこと殺してくれと涙ながらに懇願するシーンも泣かせます。まさに全身全霊で役に打ち込んだ彼女の演技は助演女優賞も納得でした。彼女のように白人にレイプされる黒人女性が当時多数いたことをあらためて知らされます。ただし奴隷とまではいかなくても召使として白人に仕えた女性がその主人の子を身ごもり、育ててゆくのも珍しくなかったことには少なからずショックを受けました。自分より肌がやや薄い褐色の子を授かったことをむしろ感謝している黒人の母親には言葉を失いますね。恐ろしい時代です。
さて、ルピタ嬢に対抗する日本代表は壇蜜であります。私、以前壇蜜の『私の奴隷になりなさい』を本ブログで熱く語っていたくせに二作目の『甘い鞭』は放置しておりまして・・・そうしたら最近ある友人から『何故『甘い鞭』のレビューを書かないの？まさかまだ見てないの？待ってるよ』という叱咤激励の言葉をいただいたのです。思い起こせば私の2014年は新年早々に放送されていた壇蜜のCMからスタートしました。保険ショップ『みつばちほけん』の『壇みつばち』は男が言われるとちょっぴり痛いところをチクリとお尻の針で突いてきます。相変わらずエロいなあ〜と感心していましたら、主演第二作目となった『甘い鞭』で見事第37回日本アカデミー賞で新人俳優賞を獲得しました。なんだかもう何年も芸能界に君臨しているような気がしますが、女優としてはまだ新人だったんですね。
私は原作の大石圭『甘い鞭（2009）』も読みましたが、物語のエッセンスをうまく捉えて映像化したと思います。主人公の不妊治療クリニックで働く岬奈緒子（壇蜜）は患者やスタッフから信頼されるキャリア・ウーマンですが、実は週末には会員制のSMクラブで陵辱されることに喜びを感じるM嬢であります。奈緒子は女子高生のとき（間宮夕紀）に近所のひきこもり男、藤田（中野剛）に一ヶ月ほど監禁されたことがありました。藤田の自宅の地下にある完全防音ルームで裸のまま監禁され、毎日のようにレイプされていた奈緒子。藤田はいつの日か奈緒子が自分を愛する日が来ると盲信していましたが、遂に彼女が隙をついて果物ナイフで藤田を殺してしまいます。そんなトラウマを抱えながらも奈緒子は立ち直り、医療の道に入りますが、性的に責められることに快感を覚える自分を抑えられないのです。彼女はある顧客の求めに応じて、普段は鞭で痛めつける側の木下景子（屋敷紘子）と攻守交替しますが・・・
原作はさぞかし映像化不可能なSMプレイの連続かと思いきや、意外にエロティック度は抑え気味であります。むしろ不妊治療に悩む女性の問題も取り上げたり、クリニックの御曹司との淡いロマンス、はたまた奈緒子が憎むべき監禁男への同情心など、決してエロスに100%特化した官能小説ではないところが意外というか、物足りないというか。その点、映画の方はそんな余計なエピソードはバッサリ削ぎ落として、壇蜜の信じられないプレイの描写に注力しているところが清々しい。もはや壇蜜という女優、日活ロマンポルノ並みに潔く脱ぐ女優が普通にテレビに出演しているのか、はたまたテレビに出ている普通の芸能人が映画ではAV女優並みに大胆な絡みを見せるのか、どちらが真の姿なのか分からなくなります。局部のヘアを処理してパイパンになった壇蜜が大股開きする姿を出演者（そしてカメラ及び制作スタッフ）の前で何度となくさらけ出すのですから驚きであります。オッパイ・フェチの私としては横たわっても流れずに全く形が崩れない奇跡のバストにも感動しました。恐らく十代並みの張りを維持しているのだろうと想像しています。
そして、壇蜜と互角の勝負を展開したのが彼女の女子高生時代を演じた間宮夕貴であります。グラビア・アイドル出身の現在23歳。ミニスカ制服姿のときはスレンダーな感じかなと思いましたが、中野剛に無理矢理脱がされてスッポンポンになるとこれまた素晴らしい裸体（Eカップ）であります。私は最初『どうせ壇蜜ほど脱がないんでしょ』なんて彼女のことを見くびっていましたが、間宮夕紀の演技もまた大胆極まりなく、M字開脚あり、磔（はりつけ）されて鞭打ちあり、全身血だらけ＆傷だらけになっての熱演であります。よくぞあそこまでやりましたと拍手を贈りたいくらいで、その女優魂には敬服します。昨今のAV女優のルックスは超ハイレベルで、元アイドルから転身することも珍しくなく、『えっ、こんな清純派の女の子がこんなことやっちゃうの？』と驚かされますが、R18+指定とはいえ普通の映画において一般の女優さんがここまで辱められる姿を初めて見ました。今後注目してゆきたいと思っております。
ではまた。
