先日、社会教育課が企画した「エル・グレコ展のみどころ」
という講演会を、市役所へ聞きに行ってきました。

夜7時からの講演でしたが、会場はギッシリ!!!

スライドによる解説で、もう既に実際のエル・グレコ展を
見に行ってしまった気分になっています。

さて、講演の中で会場が一番沸いた話を紹介いたします。

以下の作品は、かなり前に日本で開催されたエル・グレコ展の
メインとなる絵に指定されたそうです。

聖母マリアが幼子のキリストに母乳を与えていて
両際から、ヨセフとアンナが見守っているシーンの絵です。

「聖家族と聖アンナ」

elgreco_ana00

エル・グレコ展の企画者は、この絵をメインに指定。

そして広報の為に、営団地下鉄の広報課へ行きました。
そして、この絵を前面に出した電車の中刷り広告を依頼すると・・・

営団の担当者からは
「地下鉄の中刷り広告に、おっぱいを出した絵は載せられません」
と、断られてしまったそうです。

うーむ。言われて見れば、確かに胸が出ています。

しかし話はそこで終わりません。

その状況を耳にしたマスコミが、
「聖母の絵の広告が断られる!!!」
と取り上げたそうです。

そして、それを目にしたスペイン人記者が
スペイン大使館へ連絡。

するとスペイン大使館は
「聖母マリアとキリストを、否定するとは何事だ!!!」
と怒り出しました。

スペイン大使館から、日本の外務省へ抗議の連絡が行き

外務省から運輸省へ伝わり

運輸省から営団地下鉄の広報課へ通達が。。。

そして、この絵が広告として採用されたそうです。
(※営団地下鉄の誰かの首が飛んだそうです。。。)

おそらく営団地下鉄の担当者は、社内の規定通りに対応しただけで
悪気は全くなかったと思います。
それが、あわや国際問題になるほど大きな話になるとは、思わなかったでしょう。

この一連の騒動の関係者のみんなが
文化の違いを理解して
話が終息したかは不明です。