ぼちぼちと2

     生活や人生設計に間接的にかかわる防災や地球科学のおはなし

     ・・・でも毒にも薬にもならないお話が中心です。通勤途上の暇つぶしにご利用ください。

     『唯一生き残るのは変化できる者である』 チャールズ・ダーウィン

零細企業が労働生産性を上げる方法

そんなのがわかれば苦労しないわけですが・・・。

零細企業では、労働者一人の優劣がダイレクトに業績に影響します。良い人「だけ」をそろえることが零細企業の必須条件です。大企業のように2:6:2の法則などと余裕こくことはできません。

仕事としては、ルーチンワークが一番儲かります。技術的に高度であったり、難しい仕事は儲かりません。(技術者としてはルーチンワークはつまらなく、高度で難しい仕事は面白いのですが)

当然、ルーチンワークの奪い合いが起きます。談合や天下りの受け入れなどは、ルーチンワークを得るための方法です。前者は違法、後者は違法とは言えない、、、というところです。

零細企業では、この両方の手法ともとれません。

でもルーチンワークが利益の源であることは事実なので、どうやってルーチンワークを引っ張ってくるかというのが生産性向上のカギになります。

単にルーチンワークをやりますよ!と営業しても、それは価格競争に陥って全然もうからなくなります。だからその方法は駄目です。仕事は切れなくなるかもしれませんが、労働者はキツくて儲からないのが延々と続き、気持ちが絶望に向かっていきます。

高度で難しい仕事に、漏れなくルーチンワークがついてくるようにするのが理想的です。当社は、その方法でこれまで生きてきました。

もう一つ、小さいほうほど有利なものの活用も重要です。知財権などはまさにそれですし、WEB活用は会社規模に関係がないので、相対的に小さい会社の方が有利です。

デービッド・アトキンソンさんは、日本は大企業化しないと世界に負けると言われていますし、それが正しいのかもしれません。でも、たかだか30〜40年の労働人生の時間を楽しく過ごすには、大企業的な生産性の高い方法は、あまりにもつまらく見えるので拒否したくなります。

技術者としての複利での成長は、中小・零細企業でないと味わえません。大企業にある満足は、一部(全体の5%程度)の人には、きわめて充実したものだと思いますが、大半の人には「看板」位なもののような気がしています。

とはいえ、これはコロナ禍以前の考え方です。

コロナ禍後は、たぶん違う考えになると思います。まだ「後」にならないので、なかなか想像ができませんが、リモートワークで多くの人が「個に目覚め」てくれると、何かが変わるかもしれません。意味不明の希望的妄想にすぎませんが。。。

日本は中小企業が多くて生産性が低い?

デービッド・アトキンソン(小西美術工藝社社長 )が書かれていますが、日本は中小企業が多すぎて生産性が低い、という主張です。

そうかもしれないですが、本当にそうだろうかとも思います。小西美術工藝社が大企業なのかどうか知りませんが。

日本経済が「コロナ危機」にこれほど弱い根因
スペイン、イタリアと共通する「脆弱性」とは

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労働生産性には、『物的労働生産性』と『付加価値労働生産性』の2つがあるそうです。

物的労働生産性の計算式:「生産量÷労働者数」

付加価値労働生産性の計算式:「粗利(付加価値)÷労働者数」

生産性を上げるには、次の4つの方法があります。

1.投入資源を減らす・・・人減らし、外注化
2.成果を増やす・・・価格値上げ
3.規模の縮小・・・リストラ
4.規模の拡大・・・M&Aなど

建設コンサルで自社生産の場合、一人当たり(非技術の人も含む)が担当できる業務量は2000万円くらいです。業務の直接原価は30%くらいでしょうから、粗利が1400万円となります。それが付加価値=粗利です。

付加価値は、人件費・一般管理費・減価償却費及び利益に分配されます。人件費には報酬だけでなく社会保険料なども含まれます。ざっくり、報酬と報酬以外の部分を同等とすると(そんなものです)、報酬は粗利の1/2となります。上の例だと700万円ですね。

生産性を上げるために外注化を進めたとすると、外注費が発生しますので原価が上がります。60%になるとしましょう。一人当たり1000万円の仕事を、原価60%で10件(これくらいはできるでしょう)やったとすると、粗利は1000万円×10件×(1-0.6)=4000万円です。

明らかに外注化は「付加価値労働生産性」を高めます。だから大企業が多いほど、社会全体の労働生産性が高い、ということは一見すると正しいように見えます。

でも、その外注化を支えているのは、下請け会社という中小零細企業です。そこの人たちが、大企業に入ってしまうと、外注先が無くなります。外注先が無くなると、内製化しないといけなくなり、中小企業の生産性と同じになってしまいます。

(私の友人は、大手コンサルにいますが、外注確保のため、外注会社を買収して子会社化したのだそうです。技術者って、自分の専門分野を外注してて楽しいのかな?時々依頼がある建築士は、地盤調査や斜面安定評価など専門外のことは外注しますが、自分の専門領域は決して外注しません。自分の存在がそこにあるからです。)

そこで2番目が効いてくるわけですね。高値で受注すればよいわけです。大企業だけになってくると、実質的な生産力は中小企業と同等となりますが、元値が高くなるので粗利が増えます。めでたしめでたし・・・。隣国の財閥社会みたいです。

でもその損は、お客さんが被りますね。

しっくりいかない話です。

チバニアンはヒエラルキー社会に邪魔された、らしい

チバニアンには、この記事に書かれていないことが沢山あったようです。そもそも、この時代の模式地としては、イタリアの2箇所が有力だったそうです。(今日の話は全て伝聞情報、噂の類なので、確実じゃありません、悪しからず)。

イタリアの2箇所の候補地を推す人たちが、相手側を罵り始めたのだとか。地質学者はあまりそういう浮世の名誉に拘らないことが一般的なのですが、模式地の名誉はそれほど魅力的だったのでしょうか。

千葉が候補となったのは、このイタリア同士の争いによる漁夫の利だったとのこと。


チバニアン、見学時の注目点と認定までの騒動概説…地球史上最後の地磁気逆転層が確認
 https://news.google.com/articles/CAIiEDCsgZoeOMQloGuhhS7tiooqGQgEKhAIACoHCAowyqXdCjDIh9EBMOq9jQI?hl=ja&gl=JP&ceid=JP%3Aja

一気に有力地に躍り出た千葉ですが、後ろから鉄砲を打つ人が出てきます。

このNさんは、地質学者となっていますが、元々千葉県の職員で、定年直前に大学の先生になられています。一般には、土壌汚染を専門とする先生として知られています。

私が初めてNさんを見たのは、1995年の阪神淡路大震災直後に広島で開催された日本地質学会です。地質学会が、純粋学問に偏り、防災、応用地質学を蔑ろにしていたと強い口調で地質学会全体を非難されていたのを覚えています。いわゆる「熱い人」の印象でした。(でも、Nさんも「なかのひと」じゃないのかなぁ、と感じました)

一般に、「熱い人」は、ヒエラルキー社会で生きてこられた人に多いと思います。ヒエラルキー社会では、組織の中(子供社会もヒエラルキー組織です)での相対的な位置どりが生きるのに重要なので、「熱い=言葉と態度が強面」という手段を身につけるわけです。熱いのが、先天性ではなくヒエラルキー社会で後天的に身につけたものだと、批判に対する耐性がないので、批判されるとヒステリーを起こしやすいです。そういう人、結構たくさんいます。

チバニアンが俄然有力となった時、Nさんは一緒に推進する仲間でしたが、そこの地質を研究されていたわけではないので、若い研究者から重視される立場ではなくなったのだそうです。若者が、年長者に対して礼を失した、というわけです。地質学者に年齢による上下関係はありませんから、年寄りを蔑ろにしたとしても、それは研究の中のことなので、特に違和感はありませんが、一般組織のヒエラルキー社会で生きてこられた人にとってはキツかったのかもしれません。一般社会ではよくある話に過ぎませんが、目立つところで起きたので、、、目立ってしまいました。

それで反対、というより妨害する側になられてしまった、とのことでした(あくまで聞いただけの話です。私は関わっていないので、、、本当かウソかすらわかりません)

(私も古地磁気学を少しかじっているので、房総半島のこの辺りのサンプリングと古地磁気計測はやりました。その時、サンプリングの際にツルハシの先端を向う脛に突き立てたキズが今も残っています。房総半島に少し思い入れがあります。茨城大の岡田先生は、お会いしたことはないですが、私がいた研究室の5年くらい後輩です。多少というかかなりバイアスがかかります)

ヒエラルキー社会は人が集団で生きる以上避けられないことですが、コロナ禍でリモートワークする事で、薄まっていくと思います。私はヒエラルキーが大嫌いなので、結構な方向性だと思いますが、役職こそが誇りの人は、梯子を外された感があるかもしれません。

ガラッと話を変えますが、国会議員などの「代議士」は、国民、市民を代表して、あるいは代理で議会に行っているので、市民と同等の位置(全体の奉仕者と考えれば、市民の方が上。選挙で選べるわけだから後者の方が正しい)にあるわけですが、、、なぜかヒエラルキーの頂点にいますね。コロナ禍後に、これが改善されるなら、意味のある代償だったということになります。

震度連動型地震諸費用保険には被害の有無は関係ない

CAT BOND(カタストロフィ・ボンド;大災害債権)というものがあります。これは、被害の有無にかかわらず、発生した自然現象と、その位置・規模を発表する機関を指定しておき、条件に合った自然現象が発生したら自動的に保険金が振り込まれるというものです。

債権と呼んでいる側は投資者、保険と呼んでいる側はユーザーということになります。

東京ディズニーランドがこの保険に入っているという話は有名でした。東日本大震災の時に、その条件を満たしたと思います。ディズニーランドには大きな被害は無かったのですが、開園できないので興行収入はなくなったでしょう。そういうものに使えるわけです。

この個人版が、日本で初めて8月ごろに出るそうです。

【国内初】震度連動型地震諸費用保険 (地震に備えるEQuick(イークイック)保険)の販売開始
〜インターネット専用商品で、早期のお支払いを実現〜
損害状況の確認を不要とし、自然災害等で観測された指標(インデックス)に基づいて定額の保険金をお支払いする保険(インデックス保険)
いんでっくす2

まだまだ保険金の額がショボイのですが、人気商品になればもっと額が膨らむでしょう。

地震保険は国の保険です。地方自治体でも同様のものを打っている場合がありますが、その条件は「みな平等の条件で」です。

耐震補強している人も、ボロ屋をほったらかしにしている人も、同じ条件の保険ですから、耐震補強している人はばかばかしくて入りません。努力をしない人が得をするという不平等があるからです。

このインデックス保険は、努力の有無に関係なく保険金が受け取れます。それも3日以内にです。防災に熱心な人は、入りたくなる保険ですね。

兵庫県は阪神・淡路大震災を受けたので、フェニックス共済というものがあります。安くて良い保険だと思うのですが、入っていません。

フェニックス共済(兵庫県住宅再建共済制度)
ふぇにっくす3

私が住んでいるところは、地盤もそこそこによく、地震・津波・風水害・豪雪・竜巻の危険性が非常に低いところです。家屋もそれなりの耐震性を持っています。危険があるとすれば、地震時の滑動崩落です。谷埋め盛り土なので。(谷埋め盛り土の滑動崩落での被害に保険金は出るのかな?多分出るでしょうね。やっぱ入っておこうかな。)

皆同じ条件だと、私の掛け金は自分のためというより、洪水の危険のある低地の地価が安かったから住んでいる人、地震に弱い軟弱地盤に住んでいる人のために払うという感覚になってしまいます。公平なようで、実は大変不公平な保険です。

防災に対して努力した人が、その努力に相当するメリットを受け取ることができなければ、努力をしないほうがお得、という馬鹿げた空気になります。

新しい世界の妄想(2)希望が思い浮かばない

私が独立した1990年ごろは、建設業界の習慣=談合に対する世間の目が相当厳しくなり、天下りOBが仕事を自分が前に所属していた役所から引っ張ってきて、営業マンが談合で受注するという仕組みは、10年後には完全になくなっているだろうと予想していました。埼玉土曜会事件でその機運は高まりました。21世紀には自由に競争ができる!技術屋にとってパラダイスだ!と妄想していました。

でも、実際には30年経った今も、本質的には大して変わっていません。違法、合法でいえば、違法は減りました。でも本質的な変化ではないと思っています。

その結果、日本社会では新規参入業者は常に参入阻止の「合法的仕組み」が障害となり、伸びる芽が摘まれ続け、いわゆる業界秩序が保たれてきました。そして、競争がないため、技術の進歩が業界にとっての必須事項ではなく、ISOやマニュアル化などという間接・管理部門にその余力が使われました。

守られた業界は、新人も入らないので、老人ばかりになりました。農業の次は建設か、といったところです 。老人ばかりになれば、時間が過ぎれば消えてなくなります。

創業して10年前後のある時に、西宮市で開催されたSOHO(Small Office Home Office)の集会で講演させてもらう機会があったのですが、そのあとで西宮市の方が「行政に期待することは何ですか?」と参加している皆さんに問われました。

いくつものリアクションがありましたが、すべてに共通していたのは、「何もしなくていい。邪魔だけはしないでくれ」ということでした。

自ら起業するような人は、行政に何かをしてもらおうなどとは考えていません。たぶんほぼ100%の起業家がそうです。「邪魔だけはしないでくれ」の意味は、自由に、正当に競争させてくれ、競争の邪魔=過度の規制(既存業界保護)・実績主義(新規参入排除)・人脈主義(コネ)はしないでくれ!ということです。

公共事業分野では、TECRISや入札制度改革で、そういう正常化への努力は続けられました。しかし一所懸命やっているのはその当事者たちだけで、末端の方々には興味のないものでした。目先の実務が煩雑になるのを嫌うというくらいの興味でした。

現役の行政の方々とも、学会やNPOなどを通じて付き合いがあり、本音ベースで話を聞ける機会がけっこうありましたが、民間企業に競争させて全体のレベルアップを図ろうという意識を持たれている方は、ほとんどいらっしゃいませんでした。悪意があったわけではなく、自分事ではなかったということです。

公共事業は税金で行われます。コロナ禍で税収はひどく落ち込むことでしょう。

今の時代にニューディール政策のような公共事業による雇用対策が行われるような気がしないので、失業者が山ほど出て、社会福祉の費用が激増するでしょう。

社会が不安定になれば、為政者に対する風当たりは強くなりますが、世襲議員などにはそれを解決する能力はもともとないと思います。平時だから世襲でもやれるんです。支持者と称する特定の人の利益代弁者ができれば十分なので。

(江戸幕府は、地方の殿様の力を削ぐために、長子世襲制にさせました。これは劣化したオッサンのシステムと同様に複利で劣化します。江戸幕府が支配しやすいようにしたのでしょう。同じ時代に、商人は娘に婿を取らせて継いでいきました。「婿は選べる」ので複利で競争力が高まります。)

でも、アメリカのような偏執狂的競争社会に導くような人が出てくるような気がしません。国民の多くが拒絶すると思いますし。。。

・・・ここまで書いても、「長いこと待ち望まれた改革が実現し、不正なシステムが再編される時代」が実現できる妄想は浮かんできません。残念です。もし、社会が変わるとしたら、生きることが困難になった飲食業・観光業の方から何か大きなことが起きるくらいしかないと思いますが、想像できません。
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