ぼちぼちと2

     生活や人生設計に間接的にかかわる防災や地球科学のおはなし

     ・・・でも毒にも薬にもならないお話が中心です。通勤途上の暇つぶしにご利用ください。

     『唯一生き残るのは変化できる者である』 チャールズ・ダーウィン

i-Constructionとは(1)1960年代からあった部分

i-Constructionは、行政側からの掛け声で始まったものです。目的は、人口構成から必然的に今後減少する建設労働者ですが、人が少なくなっても今までと同じように「モノ」を建設することができる=予算執行できるようにする、というものです。行政ニーズが大半です。

行政から公表されているi-Constructionkan関連の文書類には、綺麗事が書かれていないのでわかりやすいのですが、それでもi-Constructionは「何のことを言うのだろう?」とぼやっとしていました。

先日、土木の日に国交省主催のイベントに参加してきて、少し疑問が晴れました。

i-Constructionには2つの側面があります。

1.ロボット施工

2.情報の3次元化

1のロボット施工は、実は1960年代の高度経済成長期に始まっています。それまで人力で土を動かしていたのを、重機によって行うようになった大変革です。これだって立派なロボットです。操縦士が操縦台に乗って、重機を操作していました。

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コンピュータとロボット制御技術が進歩したおかげで、人間の操縦ではなく、座標情報からロボット施工ができるようになりました。これがi-Constructionの大きな部分です。

ただ、これは人間の操縦が、人間が座標をパソコンに入れることに変わっただけなので、大きな変化ではありません。

工場労働者が、ロボットによって少人数でできるようになったのと同様のことが、建設現場でも起きるということです。その少人数の人は、システム管理やメンテナンス要員なので、従来の労働者の大半は不要になります。いったんは大失業が出るでしょうが、その人材を伸び盛りの業界に送り込めば、結果的には良い方向に進むように思います。

そういえば、鉄鋼会社で、荷揚げから生産出荷までフルオートメーション化された工場見学に10年以上前に行ったことを思い出しました。それが建設現場にも来るということだけです。必然の流れ、ということです。

地質調査業界は「とりあえずボーリング」からの脱却が必要

1982年に大学で地質を学んだ後に、地質調査業界に入りました。それから、35年にも渡って、その近辺で飯を食っているわけですが、ずっと悶々とすることがありました。

地質調査技術者と言いながら、その主役であるボーリング調査を自分で行うことはありません。すべて外注でした。たまに、ロッドを触って感触を確かめる程度のことはありましたが、自分の五感をボーリング調査に使っているという感覚とは程遠いものでした。

地質学科を出てきた人のうち、層序学をやっていた人は「歩ける人材」です。「歩ける」というのは、山を歩いて地質情報を拾い集め、それを頭のなかで3次元的に組み立て、成果としては2次元の紙にかき落とすという作業ができる能力のことをいいます。

自分の持てる時間の全てを使って山を歩き、記載し、サンプリングし、薄片擦ったり、古地磁気測ったり、有孔虫拾ったり、全て自分でやっていました。

特に踏査能力は、学生時代に無駄をたくさんやっていないと習得できないので、社会人になってからできることは限られます。教えてくれといわれてもできません。無駄のやり方を短時間で教えるほど難しいことはないからです。

地質調査業界に入ったつもりが、会社の中は土木工学から来た人たちや、地質でも岩石学をやっていた人たちが大半で、「歩ける地質屋」はとても少ないと感じました。

そして、最大の不満は「地質踏査は金にならない!」「地質踏査のレベルの違いを分かる人がいない!」ということでした。最も習得が難しく、もっとも価値が高いはずの技術が、もっともお金にならないのです。誰かが適当に決めた場所にボーリングするのが一番儲かり、それを実施するのは外注さんだったのです。

地質は高い技術のはずなのに「腕の見せ所」がまるで無い!独立してから、設計や数値解析をするようになったのは、ビジネスのためでした。踏査で食えないので仕方ありません。これらは「枠組み」の中にある技術なので、新しい発見が少なく、応用理学的にはワクワク感がありません。

パソコン使うものには、こじつけ感や、捏造感が絶えないので、どう恣意性を排除するかに力を注がねばなりません。「アワスメント」の排除が重要なのですが、考えれば考えるほど、数値解析にはアワスメントがはびこっていました。演繹性がないのです。

この状態は、いまもあまり変わっていません。

建通新聞に、関西地質調査業協会の記事がありました。地質調査業界の方々は大変真面目だし、誠実であることはよく知っていますが、なんか「自分で調査している感」がないなぁと感じています。
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数年前から物理探査で地盤を調べたり、土層強度検査棒でc・φを計測し、その実測値を使って安定計算し新対策工法を開発したりしていると、「自分でやっている感」がようやく出てきました。30年かかりました。

自分でやっている感があると、自信を持って自分の理屈を語ることができるようになります。どんな地位の偉い先生が相手でも、全く動じること無く正論がいえます。

踏査して物探やって、土検棒で強度計測して、、、そして深部情報を確かめるために「最適な位置で」ボーリング調査をやるという手順にしないと、「調査した感」が得られません。

「とりあえずビール」ではありませんが「とりあえずボーリング掘ってみよう」から脱却したほうが良いと思います。

技術士会ナウ(4)技術士バッジその他

いくつかの地域本部から「士業バッジ」をつくり、それを常時身につけるようにしたらどうか、という提案があったそうです。

業務独占の士業にはバッジがあります。身分を証明するものの一つです。

士業バッジ
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このページを見たら、なんと技術士のバッジがありました。(ひょっとしたら技術士会会員のバッジかも。身分証も会員証だし・・・)

士業バッジを付けるというのは大賛成です。この延長線上に「業務独占」があります。まずは形から入るというのも一つの方法ですね。

その他定番の「知名度が低い、社会的地位が低い」という苦情がありました。その解決策として、色々活動しましょう・・・という話になるわけですが、何十年同じことを繰り返すのでしょうか!すでにその方法論ではダメだというのは何重にも証明されているのにまだ繰り返しますか!

業務独占の士業が、報酬が高く、社会的地位が高いのは、知名度があるからではありません。単に業務独占だからです。技術士は、まだそんなこともわかっていないのか!

先日、平成30年4月から有期労働契約に「無期転換ルール」ができるということで、社会保険労務士さんの事務所に行ってきました。経営者の方は、社会保険労務士さんや、税理士さん、行政書士さん、司法書士さんなどと話をする機会があります。彼ら(といっても女性比率が高いです)は、全然貧乏臭くありません。それなりにリッチです。すごくリッチな人もいらっしゃいます。業務独占資格なのでみなさん個人事業主です。

昨年、熊本地震ワンパック相談会に行った際には、土地家屋調査士さんや、建築士さん、弁護士さんなどともご一緒しました。みなさん豊かです。収入についてはわかりませんが、少なくとも精神的な豊かさを感じます。

なぜ技術士はこんなにも貧乏くさい(外見的なものより精神的に貧乏くさい)のか!飲み屋やSNSで「技術士の貧乏自慢」が始まるとうんざりします。「博士の貧乏自慢」も同様です。

それは、外の世界を見る余裕を与えられず、士業でありながらブラック企業さながらに働かされているからではないでしょうか。業務独占になると、まるで違う世界が広がるはずです。(技術士でも、建設系以外の技術士さんは、業務独占権がなくとも、他の業務独占士業の方々と変わらない働き方をされている人もいらっしゃいます。建設系が特にダメです)

技術士会ナウ(3)技術士会近畿本部応用理学部会が間もなくできます

東京には日本技術士会応用理学部会というものがありますが、応用理学部門自体の人数が少なく、地質・物理・化学といったあまり近くない分野が一緒にいますので、なかなか地域本部で部会ができませんでした。

しかたがないので、建設部会に入って活動していたのですが、建設分野は大きなものを作ったとか、まちづくりをしたとか、地質の頭の人間には「それがどうした!」的な催しが多く、強く興味を惹かれるものが不足していました。

以前、NPOでもご一緒している石川さんに「もうじき近畿に応用理学部会を作るから、そのときには手伝ってほしい」と言われ、快諾していたのですが(10年位前でしょうか)、その後本部長がネガティブな方々に意見を聞かれたようで、立ち消えになっていました。

私がその愚痴を河野理事に話したところ、技術士会の流れとして部会をたくさん作りましょうということになったタイミングとも相まって、作れることになりました。

私としては、物理や化学の方々と交流し、彼らの知恵を自分の仕事の中に取り入れていきたいと期待しています。応用理学部門は、最も自然科学に近い分野なので、新しい発見がたくさんあるような気がしています。

いままで、前進の旧建設部会と現建設部会に20年近く関わってきましたが、同じような仕組みでなくていいと思っています。できるだけ形式的なものは排除していきたいです。(儀式は手間がかかるし、イベントすれば自画自賛しないといけないし・・・面倒です)

私が現役でいる間に、業務独占になる見込みもなさそうですから、技術士ライフを楽しむためには応用理学の方々と一緒にいろいろ脳みそを刺激するほうがよさそうです。

建設部会で聞く話としては「仕事の役に立つ催しが少ない」というのがりますが、直接的に仕事の役に立つ話など、面白いわけはありませんし、そんなのは少し調べれば独学で判るものばかりです。自分の脳味噌の片隅にもなかった話を、第一線の人から聞くのが一番面白いのです。そこで発生した刺激が、脳みそを更に刺激し、幸せな時間が過ごせます。

建設部会でいろいろやっていたので、手続きを知っているというだけの理由で、発足時の代表になりました。始まれば、誰かに交代してもらいましょう。
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技術士会ナウ(2)更新制度は全員講習

技術士資格が更新制度になることは、もはや反対意見が無く、既定路線化しているそうです。建設部門において、その親分である国交省から「更新制度のあるRCCMは信頼できるが、技術士は信頼できない資格だ」とレッテルを貼られているので、もはや避けて通れなくなっています。

更新講習を受けた「更新技術士」と、更新を受けない「名ばかり技術士」の2通りが選択できる折衷案がありましたが、法的に2種類の技術士をつくることはできないということで却下されたとのことです。

ただ、講習といっても21部門もあり、その中に科目も多々あり、さらに専門事項は更に細分化されています。同じ種類の人を集めて講習会をするなら、少人数を集めた講習会を数多く実施しなければならなくなります。

共通する「倫理」で講習すれば良いという意見もあるそうですが、国交省から「新しい技術の習得を求める」と言われているのに倫理でお茶を濁すこともできません。

私は、オンデマンドWEB講習&オンライン習熟度テストが良いと思います。テストに合格すれば1単位取得。そうすれば、地方の不便な地域の人でも、WEBで更新講習が受講できます。少量多品種なので、たくさんの講習ビデオをアップしておいて、取得単位数を満たせば更新という風にしておけば良いと思います。

同じシステムは、web講習会にも応用でき、辺境の地にあっても最新の技術研鑽ができます。技術士会会員の特権とすれば、会員拡大が容易です。

ちなみに、講習を受けなければどうなるのか?については、技術士登録抹消だそうです。こちらは明快に決まっているようです。技術士は生涯資格ではなくなります。めでたいことです。
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    (独)土木研究所開発
    土木研究所資料 第4176号 平成22年 土層強度検査棒による斜面の土層調査マニュアル

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