ぼちぼちと2

     生活や人生設計に間接的にかかわる防災や地球科学のおはなし

     ・・・でも毒にも薬にもならないお話が中心です。リモートワークの気分転換にご覧ください。

     『唯一生き残るのは変化できる者である』 チャールズ・ダーウィン

    【写真説明】記録的豪雨時に地中高水圧で発生した現象。左:広島県庄原市(2010), 右:鹿児島県菱刈町(2003)

医者はあまりリッチな職業ではない(?)

高校時代の「理系のカシコ」の多くは、医学部に進みます。医者が儲かるからだろうと思っていました。文系のカシコは法学部に進んで弁護士や裁判官になるというのが漠然としたイメージです。

いずれにも進んでいない私には、興味を持って考えることがありませんでした。しいて言うなら「なんで理系のカシコは医学部ばかり受験したがるのか?」が疑問でした。私が血にめっぽう弱いのでそう思うだけかもしれません。(血管注射を直視できません)

親が開業医であれば、設備とお客を引き継げるので、理解できるのですが、そうでないなら、けっこうな学閥社会・閉鎖社会なので、結構人間関係がきつかろうに。。。と思っていました。

それ以外の医者の生活環境の情報はほとんど入ってこないので、未知の職業です。

知り合いの息子が医者になっている人と先日話しをしたら、、、、その息子は大学病院に勤めているが、給与が安いので、アルバイトをたくさんしなければならない。ところが、働き方改革で、アルバイトを含めた総残業時間が規制されるようになり、収入が激減する、という俄かに信じられない話をしてきました。

弁護士の総数を増やそうとして司法試験が易しくなって、稼げない弁護士が沢山出てきたという話は以前聞いたことがありあますが、医者が同じだとは思っていませんでした。(経営センスがない開業医が経営破綻するという話は、一定率で以前からありましたが)

特に私学の医大に入ったりしたら、寄付金などで相当先行投資をしているし、一人前になるのが30歳を過ぎたころなので、投資を回収するために収入が大きくないとペイしないだろうと思っていました。

大学病院医師の給料はなぜ安い?私立病院との違い・勤務医の年収UPを目指すには

大学病院の医者の平均年収

独立行政法人労働政策研究・研修機構が実施した調査によると、大学病院で働く医者の平均年収は739万5,000円とされています。また、年収金額は300〜1,500万円の範囲内がほとんどであることが分かります。

いしゃのねんしゅう34

大学病院は研究・医師の育成を目的とした施設(医療機関)です。利益の追求を目的としていないことから、人件費の予算が低く設定されています。

大学病院勤務の医者は、その他の経営形態の医者に比べて年収が低い傾向にあります。人件費の予算が少ないこと、一方で医者の数は多いことなどが理由です。年功序列の風潮が残っていることも、年収が上がりにくい一因となっています。
-------------
開業医は、自分の裁量でたくさん稼ぐことができます。ただし、人間を取り扱っているので、長期の休みが取得しにくいようです。

私の知り合いの医者は、「医者を辞めたらこの年で離婚されるかもしれない。結婚以来、女房をどこにも旅行に連れて行ったことがないので、稼ぎがなくなったら捨てられそうだ」とおっしゃっていました。真偽は分かりませんが、、、楽な商売はどこにもないですね。

稼ぎがいいから高校生のカシコは医者や弁護士を目指す、というステレオタイプは誤解に基づくものかもしれません。やはり、自分がやりたいことをやる、というシンプルな方がいいのかもしれません。

災害の多くは高度経済成長期の開発地に起きている

「最近は地球がおかしくなっている」というアナウンスを真に受けている人たちが、どういう現象を見ていっているのかを思い出してみてください。

おそらくスタートは、1995年の阪神・淡路大震災あたりではないでしょうか。

これは地震災害です。阪神間で6000人以上の犠牲者が出ました。ところが同じマグニチュードでも2000年の鳥取県西部地震では犠牲者はゼロ人でした。都市化が大きな犠牲者を出した原因でした。都市化に際して大地震のことがあまり考えられていませんでした。

2011年の東日本大震災の犠牲者の多くは、津波被害でした。この地は、歴史的に何度も大きな津波被害を受けています。

熊本地震は地盤が悪い益城町が大きな被害を受けたほか、盛土造成地の盛土地が大きな被害を受けました。胆振東部地震は、新しい時代の火山灰層が初めて大きな地震に遭って、削ぎ落とされました。そのほかは、盛土地がやられました。

今年の能登半島地震は、大きな地殻変動を伴う大地震でしたが、老朽化した家屋の倒壊が目立ちました。また道路や造成地の盛土が滑りました。家屋の弱さと造成のマズさが被害を大きくしたわけです。斜面崩壊がアタックしたのは道路でした。すべて、人が近年開発したものです。

水害は、2014年の広島県豪雨災害で、土石流の通り道にある住宅地が大きな被害を受けました。2018年の西日本豪雨では、低地に創られた住宅地が水没しました。2015年の関東・東北豪雨も堤防決壊により低地の住宅地が水没しました。これらも人が開発した近年場所ですね。

「近年災害が凶暴化した」と言われる場所は、高度経済成長期以降に山裾が開発された場所や、水田があった低地(水田は遊水池の機能をもともと持っていた場所です)に起きています。

気候がおかしくなったのではなく、普通の低頻度自然現象が起きれば被災する頻度が高い場所が被災しているにすぎません。

50年確率の豪雨で計画された場所が100年、200年、4000年確率の豪雨を受けたら、被災するのは充分予想できます。

500年確率の大雨が頻繁に降るようになった、、、、ってのも本当でしょうか?日本を500分割すれば、500年に一度の現象は、日本のどこか一か所に毎年起きてもおかしくありません。

私には、都市計画の失敗を地球温暖化や気候変動に責任転嫁しているようにしか見えません。

釜井先生は、盛土造成地を「遅れてきた公害」と言われましたが、それは主に地震時の滑動崩落に対して言われたものです。水害まで含めると、都市計画の失敗が顕在化しているにすぎず、これも含めて「遅れてきた公害」「高度経済成長期以降の都市計画失敗のツケ」と言えるかもしれません。

もちろん、高度経済成長期に住宅地や工業団地が大量に必要で、それに対応したので仕方がなかったのだ、という言い訳は理解できます。それなら、真摯にその問題解決を図ればいいのです。

地球温暖化に伴う異常気象や、大地動乱の時代に責任転嫁して、人間の開発行為由来の明らかな「未災地」を、予防するのではなく事後対策だけでなんかやってる振りするのは、そろそろやめにしませんか。
-----------------
責任転嫁する人の特徴が書かれているページがありました。都市計画分野の人は、それほど多く知らないので何とも言えませんが、盛土問題は・・・そんな感じですね。

責任転嫁する人の特徴

せきにんてんか27

責任転嫁する人には、以下のような特徴があります。
1 プライドが高い。
2 自分に甘い。
3 面倒なことを避けようとする。
4 周囲からの評価を下げたくない。
5 傷つくのが怖い。
6 自分に自信があり無自覚。
7 楽をしたい。
8 自己愛が強い。

オヤジギャグは日本の誇るべき文化(?)

今シーズンのリーグワンが終わり、これが公開される頃には、イングランドとのテストマッチも終わっています。

ラグビー日本代表リーチ マイケル「リーダーは迷ったら負け」

りーち33

Q:「日本の良い部分」と問われたら、どのようなキーワードが思い浮かびますか? 

A:「ユーモア」ですかね。日本のユーモアは本当に素晴らしいと思います。

→ユーモアは、「・・・にもかかわらず笑うこと」です。辛いことがあっても笑って前を向くために必要なものです。これが本当のユーモアの意味です。。。でも、日本人のユーモアと言われると、オヤジギャグをすぐに思い出してしまいます。確かにオヤジは辛い時にも自虐的オヤジギャグしますから、ユーモアですね。

Q:我慢強いというと、「resilient(レジリエント)」ということですね。

A:そうそう、レジリエントです。日本人は痛みに対して非常に我慢強いといわれています。その一方で、プレッシャーにはあまり強くない

日本人は、個別の意思決定を避ける傾向があります。プレッシャーのかかる場面では、安全性を重視し、慎重なアプローチを取る傾向もあります。

失敗を避けたい気持ちは分かりますが、失敗から学ぶ教訓を生かし、たくさん失敗する必要があることを理解する必要があると感じます。

Q:日本の社会はミスを避けることを重視しているため、新しいことに挑戦することが非常に難しくなっています。特に、失敗が予想されるスタートアップの世界においては、リーチ選手のおっしゃるようなマインドセットが重要だと感じます。

世界は思っている以上に安全で柔軟性があるのではないかと考えています。私たちは少しの失敗を犯しても許されるし、それはどんな種類の失敗だったか、その失敗から何を学んだかにかかっているのではないでしょうか。日本では、失敗の結果に対して過剰反応しているように思います。

A:私が日本代表主将だった時は、特に「迷ったら負け」を意識していました。もし私が迷っている様子が相手チームや仲間に伝わると、緊張感が薄れてしまいます。リーダーとして、迷ったりぐずぐずしたりせず、間違った決断をしても構わないという姿勢が必要です。それは、正しい選択かもしれませんし、間違った選択かもしれません。しかし、迷って周りを見回して答えを探そうとすると、結局は失敗する可能性がある。

→「迷う」のは、同程度の可能性のある決断を迫られた場合です。「同程度の可能性」なのだから、実は迷う必要はありません。コインを投げて裏表で決めたっていいんです。それまで何も考えていなくて、突然出された命題には迷うことがあるでしょうから、日々イメージトレーニングしておくことが重要です。

→その決断が間違っていたことは、実行した後でないとわかりません。失敗したら、同程度と思っていたことが、実は全然同程度ではなく、判断ミスだとわかる場合も多々あります。でもそれは体に刻まれるので知恵として確実に残ります。

Q:常に素早い意思決定ができるようにするために、どのようなトレーニングをしているのでしょう。

A:試合中はカオスなので、まずは大まかな計画とそれぞれの課題に対する解決策を持つようにしています。何か問題が起きたとしても、準備ができていることが大事なのです。

もし、私がけがをして途中交代しなければならない場合には、リーダーとして、迷いのない決断ができるメンバーが必要です。彼らが迷わずに判断し、積極的に行動できるようにすることも私の役割だと考えています。

→やはり「準備」が大事ですよね。沢山準備したって、間違うこともありますが、迷って決断しないことで失敗を回避するよりはるかにマシです。少なくとも「失敗したって命までとられることはない」環境の中では。

→ビジネスはまさにこの環境です。ビジネスでも、事前に十分考えていさえすれば、突然の命題に「迷う」ことはありません。ミスすることがなくなるわけではありません。迷うことがなくなるだけです。

→ラグビーという競技は、ほんのちょっと迷っただけで、ディフェンダーが束になって襲い掛かってくるスポーツですから、ラグビーをやってるだけで自然と決断が速くなります。正しいか正しくないかよりも、早く決断するほうに価値があるという価値観ができます。

→迷ったときのデメリットが大きいからですね。でも、その早い決断には、準備が必須だということもわかります。準備がないと選択肢が同等の可能性だということが瞬時にわかりません。準備ができていれば迷いません。典型的なのが「どうしていいかわからないときは、前の方向に進め」です。

→ラグビーにはこういう名言があります。おそらく早い決断癖がつくのでそう見えるのだと思います。これは、ビジネスにとってもとても重要です。ラグビーは良いビジネスマンを産みます。他のスポーツにもあるかもしれませんが。

ラグビーは少年をいち早く大人にし、大人に永遠に少年の魂を抱かせる。」(ジャン・ピエール・リーブ)

ブルーモーメント、気象災害がドラマになってる

水曜日の午後10時は、CSでアメリカの弁護士ドラマ「グッドファイト」を録画しているのですが、同じ時間に地上波の番組も録画しているようでした。何かの間違いで設定してしまったのだろうと思っていましたが、ブルーモーメントという番組でした。

ぶるーもーめんと21

気象災害を取り扱った、「えっ、こんなテーマで見る人いるの?」というドラマでしたが、宣伝を見て、とりあえず録画しとくかと設定していたようです。

試しに見てみたら、、、けっこうベタではありますが、それなりに面白いし、主役が「正直不動産」と同じ俳優だったので、好意を持ってしまいました。

このタレントの名前はなんていうの?とカミさんに聞いたら、「う〜ん。ヤマピー」。。。だれじゃそれ、と思いましたが、ヤマピーだそうです。録画を3話まで見ました。今日のブログが公開される頃には終盤になっているでしょうか。

やまぴ22

とりあえず、いまのところ「地球温暖化、てーへんだ!」がないので、画面に文句言うことなく見ています。(あ〜あ、第4話で、温暖化、異常気象の大本営発表を言い始めちゃった、、、ガッカリ)(第5話では、元機動隊の人間が「自分たちは常に事が起こった後で動くが、SDMは災害が起きる前に予測する」という発言が、、、まさに「未災学」。その後は、土石流と言ってるものが落石だったり、土石流で亡くなった遺体が、頬にちょっと傷がある程度のあり得ない低損傷だったり、、、まあいいけど)

ブルーモーメント

本作は、甚大な気象災害によって脅かされる人命を守るべく、知恵と知識を駆使して現場の最前線で、命がけで救助に立ち向かうSDM(特別災害対策本部)メンバーの奮闘物語。そんなSDMのチーフ/気象研究官を務める主人公・晴原柑九朗(はるはら・かんくろう)を演じる山下さんは、今作が5年ぶりの民放ドラマ主演となります。

『ブルーモーメント』は、現在『COMIC BRIDGE』(KADOKAWA)で連載中の同名コミックが原作。

原作および番組タイトルの“ブルーモーメント”とは、日の出前と日の入り後のほんのわずかな間だけ、その街全体が濃い青色に染まる時間のこと。

「ブルーモーメントを見られること」は、「いつもとなんら変わらない朝を無事に迎えられること」を意味します。あまりにささやかなこと、と思われるかもしれませんが、何よりも大切なそんな幸せを守るべく、命がけで奔走する新しいヒーロードラマがここに誕生!
------------
「いつもとなんら変わらない朝を無事に迎えられること」が一番大事なんだというテーマは、いいですね。防災ってそういうことですから。。。。だから、地味で目立たず、社会が当たり前に回るための仕事なんです。

だから、ことが起きて被災者をたくさん出してから、大量の税金で復興するというのではなく、日々きちんと「未災」に対して「予防」することが重要なんです。

予防では、対戦相手に技を掛けさせておいてから反撃して闘うプロレスなどのスポーツエンターテイメントの真似をする必要はありません。自然に対してどんな卑怯な手を使ってもいいので、予防することにのみ価値があります。

予防は、「遅れてきた公害」と言われ、事業をやってる振りしながら「盛土は全部安全だよ」という答えしか出さない盛土問題(大地震で滑動崩落して、それを不可抗力と言い訳して、ジオテキで復旧する的な・・・)とは対極をなすものですね。
------------
第3話までは、「地球温暖化で恐るべき気候変動が襲い掛かり、地球が大変なことになる」というSFチックな表現は出ていません。

『理科年表』の気象災害年表を見れば一目瞭然ですが、いま気象災害は増えているのではなく、「激減」しています。

その原因の多くは、気象予報の進歩にあると思います。

そして、近年気象が凶暴になったという証拠はありません。逆に昔(といっても記録がある1927年〜1960年ごろ)は、確かに気象が凶暴です。いまは、きわめて穏やかです。

気象災害が増えたと感じるのは、インターネットとSNSの普及によるものでしょう。

嘘だと思うなら、下のブログを見てください。

日本の気象災害(1)1927〜1950年

日本の気象災害(10)昭和前期と今の比較

これが、地球温暖化で地球がおかしくなったと言っている人たちが、「以前の気象は穏やかだった」と言っているころの気象災害です。

りかねんぴょう25

そしてこれが、「地球温暖化で、気象が凶暴になって災害が巨大化した」と言っている時期の気象災害です。

元データを確認しようともせず、視聴率が欲しいTV気象予報士と大本営発表に踊らされている人たちは、いとも簡単に騙されるようです。

りかねんぴょう26
-------------------
台風被害は、別のサイトにもあります。ソートできますので、最近と過去の比較がすぐにわかります。

デジタル台風:台風被害データベース

きしょうさいがい58

小学生でもわかる常識が覆るのは、現代に「与力」がいないから

隣で工事が始まり、家に接するような場所で大きな振動を出し、それ以外の工事内容も原因となって、「工事開始以降はじめて被害が発生し始めた」となれば、その工事が被害の原因だということは、小学生でも的確に言い当てられます。

ところが、この種の工事による第三者被害の裁判では、そういう小学生が裁判官なら確実に救済されるであろう被害者が、なぜか救済されず、加害者が守られる傾向が強いです。

なぜこんなことが起きるんだろう?という疑問が私の中にずっとありました。

おそらく近代裁判制度、あるいはそれ以前の奉行所による「お裁き」では、今の小学生が判定するような判断がなされていたと思います。それが「常識」だからです。

しかし、工事会社側は小学生で十分できる常識的な判決だと、大損害が出ます。それを回避するためのノウハウを蓄積していったのだと思います。弁護士も、大損害を回避できた=工事会社の利益なので、成功報酬をたっぷりもらえますから、黒を白にする方法を懸命に考えるでしょう。

被害者側の不法行為の因果関係の立証を妨げるには、「前から壊れていてた」「存在してはいけないレベルでボロだった」などを言えば良いということにどこかで気づいたのだと思います。そして、明確な因果関係を立証させないために特に大事なことは、「被害者に工事前の初期値を取らせないこと」にも気づいたのでしょう。。。。

建築工事による隣地建物の被害

山留工事をする際の事前調査が不十分であったり工事自体に不備があったりして工事現場付近の建物に不同沈下や傾斜等が生じるといったように工事により工事現場周辺の建物に損害が生じることがあります(いわゆる第三者被害)。

施工業者は工事現場周辺の建物の古さ、傷みの程度といった状態を十分に調査し、周辺の建物に損害が生じることのないよう周辺の建物の状態に応じた工事を行う義務があり、この義務を尽くさずに周辺の建物に損害が生じれば、施工業者は不法行為に基づく損害賠償責任を負うことになります(民法709条)。

工事の事前調査が行われた事案では、事前調査時に既に損傷が存在したことが分かる写真等が存在せず、かつ事後調査によって損傷の発生が把握できる事案であれば、工事期間中の他の原因が具体的に問題とならない限り、工事内容などの他の事情に深入りすることなく工事と損傷との間の因果関係が認められるものと考えられます。

→極めて明快です。ポイントは、事前調査が適切に行われていて、そのとき被害が無く、工事開始後に被害が発生した場合には「他の原因が具体的に問題とならない限り工事と損傷との間の因果関係が認められる」というところです。

工事前の初期値の有無が、建築工事における第三者被害の紛争を大きく分けます

→私が携わったすべての不可解な判決で共通しているのは、「事前調査が適切に行われていなかった」ということです。

→要するに、工事業者側は、事前調査をしなければ因果関係が認められにくいことを学習したのだと思います。

→この教訓は、隣で工事を始めると挨拶が有ったら、自宅の建物、外構の事前調査を工事業者に要求しなければならないということです。相手がそれを拒否したら、自費を使ってでも事前調査をしておかないと、そのあとで被害が発生したときには、確実に大損します

→この種の紛争では慰謝料はほとんど認められないので、裁判に勝ったとしても実損部分だけです。それに費やした裁判費用や調査費用などは、10:0で完勝すれば相手方に持たせることができるかもしれませんが、建築紛争で10:0は稀です。

→工事業者がそれをどのように学習していったのでしょうか?明治〜昭和初期くらいの建築工事による第三者被害の判決と、最近の業者側有利になりがちな裁判との違い、時系列的な変化を一度調べてみたいと思うのですが、言うは易く行うは難し、です。

→裁判所の判例検索サイトは見つけましたが、探し出せていません。

裁判例検索
----------
さて、江戸時代はどうだったでしょうか?

江戸時代における裁判制度の実際の姿とは− お裁きの真実を追究

奉行は現代のキャリアないし総合職のようなもので、様々な役職を経験していきます。対して与力と同心は専門職で、原則としてずっと町奉行所に勤務し、その職掌も固定していました。

奉行はいまの裁判官に相当しますね。与力は、書記官のような存在ですが、今の書記官は事務方だと思います。江戸時代の与力とは違うようです。

専ら先例の検索にあたる与力もいれば、取り調べを専門とする与力がいるといったように。しかも彼らの仕事は基本的に世襲で、代々家業として継いでいたため、各職務のノウハウが着実に伝承され蓄積されるわけです。こうした専門性が高く能力的にも優れた役人たちによって、当時の裁判は支えられていたのです。

与力がプロフェッショナルなスペシャリストとして適切な評価を下せるだけの評価を奉行に提供していた、ということですね。

よりき19

→いまの建築紛争などの裁判制度では、与力のようなスペシャリストが存在していません。ここに大きな違いがあります。

→アメリカ映画やドラマで与力に相当するのは、弁護士事務所ならパラリーガルと呼ばれる調査員なのでしょうね。有能なパラリーガルが沢山描かれています。フィクションなので本当かどうかわかりませんが。

→今の建築紛争(特に第三者被害)の裁判で与力に相当するのは、専門委員だと思います。専門委員は、民間企業をリタイアしたような技術者OBが就任している非常勤国家公務員です。でも、職業と言えるようなレベルの報酬はありませんので、実態はボランティアです。労力をかけている実時間を時間単価にすると、軽くその地域の最低賃金を下回り、子供のお使いレベルでしょう。

→だから、その意味では日本の裁判に専門知識を持った「プロフェッショナル」は関与していません。ボランティアではなかなか難しいですね。このへんが、小学生でもわかる常識とは異なる不可解な判決が出る素地になっているのだろうと思います。
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

アクセスカウンター

    カテゴリ別アーカイブ
    河野千代さんのブログ
    プロフィール

    ジオ

    • ライブドアブログ