2009年11月25日
土でできた人工地盤は長い目で見れば消失する
いまの家に引っ越ししてきたのが1998年ですから、11年余りが経過しました。表札は、石のような固いものを彫り込んで造られており、その凹みに黒い何かが入れてあります。特別なものでも何でもなく、よくあるものです。
最近黒いところが剥げてきています。凹みだけになってきているわけです。これをみて、「谷埋め盛土だ」と思いました。
造成地は凸部を切り(切土)、凹部を盛る(盛土)して造られます。切土部は表札の土台のように固いのでずっと残りますが、盛土部は長い時間放置すると表札のように剥げてなくなり、凹部の地形だけが残ります。この凹部はもともとの地形の部分なので、パテのように塗られた盛土は、長い時間のうちには地震や、雨の影響で流れ去り、もともとの地形に戻るということです。
一気に地形の変化が発生する時が「災害」と呼ばれることになるわけです。
土木屋さんの中には、盛土は時間の経過とともに固化していくと考えられる人もいらっしゃいます。地質現象としての続成作用で地盤が固くなることは知られていますが、盛土ごときに続成作用はほとんど働きませんので、N値をとってみると、よくてN=5というのが盛土です。固くなどなっていません。
谷埋め盛土などのような地山との境界部は地下水の通り道になりますので、数10年経過するとN=0(自沈)~1というのもまったく珍しくありません。
自然地盤の崩積土・崖錐層と言われるものでも似たような現象になります。自然地盤の場合には、そうなってくると雨や地震で崩れ落ち、次のサイクルに入ります。
そういう視点で盛土などの人工地盤はとらえたらよいのです。ただし怖い地盤・不良地盤と考える必要はなく、きちんとした対策やメンテナンスが施されていれば、自由に造形できる快適な地盤と考えればよいのです。
しかし、いまの盛土の施工方法は、「締固め」「排水」だけに偏りすぎています。もちろん永続的に締め固まっていて、永続的に排水できていれば問題ありませんが、時間の経過とともに両機能は失われます。極論すれば、締固めなくても、排水が不十分でも大丈夫な施工方法が必要なのです。そしてその方法はあると考えています。
2009年11月24日
土を操縦する
東名高速牧の原台地で地震によって崩落した盛土について。震度は6弱(488gal)で、崩壊した後の土砂を見ると、盛土の中は水がたっぷりあったそうです。このためトンパック土嚢がうまく積めなかったということもあったとのことでした。
盛土対策の問題では、多くの人が「水が問題だ」「水を抜いておけばよい」「水が入らないようにすればよい」ということを言われます。大筋ではその通りなのですが、空中に巨大傘でもささないかぎり実現できません。
盛土には地下水が入り込むものだ。水は抜いても抜いてもまた入ってくるものだ、という視点で対策をすることが重要です。「水が入ってきても簡易なメンテナンスで長期的に大丈夫な盛土」というのが目標とすべきことです。
土木でしばしば失敗するのは、水を入れない、水を抜いたのだから水はない、等の超単純な思考による「ちゃんとやっていたはずなのに」です。単純な理屈も理解のためには必要なことですが、問題解決のためには不十分です。
アポロ13号が危機に陥ったときにやったことは、全く同じものを地球にも持っておいて、解決策を実際にやってみて可能かどうかを実証してから指示を出していました。そういうことを土ではできませな、すくなくとも頭の中でならできます。
土の中にマジンガーZの運転席のようなものがあって、自分が操縦することをイメージします。東名高速の牧の原の盛土の中で、盛土を操縦しているのです。水は以前から入っており盛土材の泥岩、特に地山境界付近はじゅくじゅくです。
震度6弱の地震波が来ました。ぐちゅぐちゅの泥岩のところは強度が低いうえに、すぐに排水できないため過剰間隙水圧が発生しました。摩擦ゼロ。助走に入ります。
スキーのジャンプ競技のように助走路を一気に滑り下りて踏切りK点越えを狙いたいところですが、一気に滑り下れません。いろいろなものが邪魔になってしまうのです。
それが側方抵抗であり、底面滑り面内の固着域です。
2009年11月23日
土木業界のメガトレンド
かつて竹村健一氏が「メガトレンド」をちゃんと見据えて商売をしなければならない、ということを言われていました。本も書かれていて、たしか私も読んだ記憶があります。
ちょうど東京出張している11/20の国交省HPに興味深い記事が2つ出ていました。今後のメガトレンドを考える上で重要だと思います。
1.大臣発言(福知山線列車脱線事故に関わる運輸安全委員会の事故調査、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議、財団法人道路保全技術センターの解散について)
http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_000623.html
”ダムに頼らない河川整備”ということが書かれています。これが何を意味するのかというと、森林整備と堤防強化ということになると思います。前者に関しては、砂防の究極の目的は極相の森林である、ということを昔の偉い砂防の方がおっしゃっています。また最近の方は、近世の日本でいまが最も森林が豊かな時代である。砂を出したくても出せないほどである、とおっしゃっています。ということは後者の方で大きな動きがあると考えるのが妥当だと思います。「堤防」って何?ということを考え始めるととても奥が深いです。盛られた土は川の内側から取られてきていることが多く、時代とともにその供給源に変化が出ていることまでわかるそうです。それは自然ではなく人間の営みの変化が主な原因です。
2.盛土のり面の緊急点検について
http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000095.html
高速道路と一般国道で、スレーキングしやすい盛土材があり、かつ水の集まりやすい沢埋め盛土、かつ盛土高10m以上の点検が始まるそうです。高速道路では320箇所くらいあるそうですが、だいたい1kmにつき1か所程度とのことで聞いています。調査内容は下記のようになっていて、まずは水、そして土質、ということのようです。
[1] 現地踏査
盛土のり面に湧水がないか、平常時及び降雨後に確認を実施。
[2] 簡易現地調査
現地踏査により湧水が確認された盛土について、盛土の強度及び地下水位を確認。
2005年9月に山陽自動車道の岩国で盛土の大崩壊ありました。これは雨が原因でした。その直後にも、一斉に点検がなされたはずですが、たしか当時も盛土の点検が行われたはずです。
国土交通省、盛土のり面の緊急点検結果 2005年11月9日(水)
http://www.carview.co.jp/news/2/7380/
”排水溝のつまりや破損などのため、緊急に対応が必要な17箇所については、10月末までに補修などの対応が実施された。”とのことなので、排水施設が重点的に点検されたようです。
このときには私も独自に調査に行きました。その時の資料は下記にまだそのままありました。
2005年9月7日 山陽自動車道廿木地区 盛土崩壊現場簡易測量結果
http://www.ohta-geo.com/tech_rep/20050916JH_iwakuni.pdf
奥園先生は、この盛土調査点検対策といった一連のものが、土木業界の新しいマーケットとして成長するのではないかというようなことおおっしゃいました(私の記憶では)。
建設事業で水の問題を解決したらほとんどすべての問題が解決する、ということが昔読んだ本に書かれていました。それくらい水は重要です。しかし排水すればよいとい単純なものでもないし、自然の中にあるものから完全かつ永続的に排水することなどできません。だからこそいままで解決されずに残っている問題なのだろうと思います。いまや数値解析全盛の時代になりました。数値解析は仮定が多くなるため、その仮定を固定化してしまうと自然観察からの距離が遠くなります。水の問題の解決はより遠くなるかもしれません。
2009年11月22日
余計なひと言
毎日このようなブログを更新しているのは、「コンサルは知られることが一番重要」という私の数少ないポリシーによるものです。以前なら「知られないよりは、嫌われても知られているほうが良い」ということを生意気にも言っておりましたが、最近はおとなしいものです。借りてきた猫です。できるだけ失言には気をつけています。ということで、古くからHPをご覧似た抱いている人には、なんてつまらないページになり下がったんだ、と思われる方もいらっしゃると思いますが、実はその通りです。
出世を棒に振る!「余計なひと言、女性社員のつげ口、うわさ話」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20091110-00000001-president-bus_all
実は、この文章も更新する10日以上も前に書いているもので、それがつまらなさを増幅するわけですが、、、上のリンクもひょっとしたらリンク切れになっているかもしれませんので、ちょっとだけ引用させてもらいます。
”■責任感が強い人、自信家は要注意:失言は、気の緩みから生まれやすいとよく言われる。うれしいことがあると得意げになって自慢したくなるのは人の常。そんなときは周囲からの嫉妬に要注意というわけだ。より深刻な事態を招きかねないのは「自分は仕事ができる」と思い込んでいる自信家や、「会社をよりよくするために自分が先頭に立って」という正義感や責任感が強い人だ。上司に意見を言ったり提案したりする行為が反感を買い、異動や出向、降格、最悪の場合は退職に追い込まれるケースも少なくない。”
”あなたはひと言が1時間以上になる。長話だ。”
”会社の金で飲みに行く時間があるなら、まずは企画書に目を通してほしい”
”上司からの引き継ぎのとき、“それほど難しい仕事ではないから”と言われ、ついそうですねと言ってしまった。気まずくなった”
”気の置けない仲間との明け透けな会話や周囲へ漏らしたひと言が、大事に至ることもある。情報通信会社の営業マンHさん(男性・40歳)は取引先で上司の悪口を言ったら、後日「そのお客様を上司とともに接待した際、お客様が冗談まじりに話してしまった」というから油断ならない。”
不景気とマニュアル化は、人々から寛容さを奪います。いまはまさに「沈黙は金」なのです。しかし、コンサル家業は「知られなければ決して依頼はされない」因果な商売なので、追い詰められた私小説家の心境です。
コンサルはなにも生産しないわけですから、品物で勝負、ということができません。農業に転職すれば「何も言うな。この野菜を食ってみろ」と言えるようになる夢を持てるのですが。。。
2009年11月21日
その当時の話
教科書や実験室では、非常に理想的なことばかりが書かれています。しかし実際に行われた工事、それも工事をしている当時のことを知る人は少なくなっています。
盛土にしても、「十分締め固められている」のが教科書ですが、現実には締め固められているのはそれほど多くないということは、その当時のことを知る人にしかわかりません。
「雨降れば崩れる新幹線」と東海道新幹線が開通した当時は言われたそうです。これは斉藤先生の本にも出てくるのですが、東京オリンピックに間に合わせるために突貫工事で行われた新幹線の盛土は、最初のころ雨によってよく崩れたのだそうです。その対策として排水パイプが100万本以上打たれ、それ以降は崩れなくなりました。また、地震対策としても相当高価なことがなされています。それ以降の新幹線が、トンネルと橋梁になってきたのもその経験によってだということです。
盛土対策の話をするとき、「新幹線はきちんと閉め固められているだろうが、それ以外の宅地や堤防などはほとんどそうなっていない」と新幹線を例外扱いされることがよくありますが、実はそうではなかった、ということです。
当時の話を聴けばそのことがわかります。
2012年12月21日
この日に地球は滅亡するのだそうです。マヤ文明の予言だから確かだそうです。あと3年とちょっと。次の衆議院議員選挙は無いということですね。
2012年終末説の真実:大陸大移動(11月9日17時49分配信 ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091109-00000006-natiogeop-int.view-000
小惑星の衝突、銀河直列などの結果、”地球の地殻やマントルが急激な移動を始め、液体の鉄で構成されている外核が激しく対流し、世界各地の都市が海中へ滑り落ちていくという。”ヤッホー
本当にこういう現象が起きるのであれば、ぜひ見てみたいものです。そのことによって地学への興味が社会的に広まれば言うことありません。でも残念ながら、そんなことは決して起こらないです。でも、ばかばかしいといって棄却してはいけません。『日本沈没』のおかげで、どれだけ優れた地質学者を生んだかということを考えれば、興味のきっかけになってもらうには娯楽が一番です。地学現象で滅びるのであれば、それは「自然」そのものであって、結構な話なのです。その後「環境の変化に対応できた種」が繁栄してくれることでしょう。
2012 - オフィシャルサイト
http://www.sonypictures.jp/movies/2012/
人類はノストラダムスさんに予言されていた西暦1999年のアルマゲドンも生き延び、2003年の惑星ニビルの衝突にも耐えたのですから(何もなかったともいえる)、古代マヤ文明が予言する2012年に惑星Xが地球に衝突してもきっと生き延びられるでしょう。「安全性バイアス」でしょうか?
2012年終末説の真実:“惑星X”
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2009110902&expand
決してまじめに読まないように。。。
2009年11月20日
国の借金と、銀行の預金残高
国の借金が一人当たり678万円だそうです。一方、データは古いですが、銀行の貯蓄残高は一人当たり1556万円だそうです。
国の借金864兆円に=国民1人当たり678万円−9月末
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091110-00000137-jij-bus_all
貯蓄の状況
http://www.stat.go.jp/data/zensho/2004/hutari/gaiyo13.htm
銀行は、個人からのお金を「借り」て、どこかに貸すなり運用するなりして「資産」にしてバランスしています。国は個人や企業から国債という形でお金を「借り」て、社会資本などの「資産」にしています。うまくバランスしているのかどうか私は良く知りませんが、もしバランスしているとすれば、銀行とそう変わらないので、たいした問題でもないように思います。違いがあるとすれあ、銀行は利子という経済価値でリターンがあるのに対し、国には利子がないように思います。このため預金者(国債保有者)への利払いだけが続いていくということになります。本来リターンは、経済が活性化して税金としてかえってくるべきものなのでしょうが、それが少なすぎるというのが現在の問題点なのかもしれません。
いっぱい塾に通わせても、ちっとも勉強しない子どもに似ているかもしれません。投資に見合った成果がない、という意味において。
国民一人当たり700万円弱の資産くらい平気であるような気がするので、たいした問題でもないような気もするのですが、一方では「たいへんだ、たいへんだ」とおっしゃる方も多いので、大変なことなのかもしれません。864兆円と言われても、実感のない単位なので、なんともわかりません。 国を自治会に置き換えると、自治会はほとんど資産を持ちませんので、ただの借金ということになると思いますが、国には国道やダムやもろもろの資産がありますので、そんな単純な話ではないはずです。うまいこと説明してくれる人がいればよいのですが。
希望的観測でいえば、「そんなのたいしたことないよ」ということであれば良いのですが。。。
防災というのは、明確なリターンがない投資です。会社でいえば間接費。修繕費が科目としては一番近いかも。会社の状況が不調であれば、といあえず削られるところかもしれません。この後ろ向きの産業を、どうやって前向きの産業にしていけるか、、、、。
理性=「頭」に訴えてもうまくいかないようです。腹=「直感」に訴えるのが効果的だという本を、いま読んでいます。腹が防災をしたがれば、防災は産業になるということです。
2009年11月19日
「頭」と「腹」
『リスクにあなたは騙される−「恐怖」を操る論理』ダン・ガードナー著、を寝る前にベッドで読んでいます。とても奥深く、理性で考えているつもりでも、実は主観や・直感がバイアスとして無意識のうちに思考をゆがめているということが書かれています。悪用されている例が多いわけですが、逆に「安全性バイアス」で安全ボケした人に対しては、逆の「不安バイアス」を仕掛けて、ちょうどニュートラルにすることもできるかもしれません。
「腹」は直感・第一印象など「理由のない判断」のことです。「頭」は、理性的な思考です。人間は2つの判断メカニズムを持っていて、たいていの場合、最初が「腹」で、時間をおいて「頭」になります。「頭」で考えても答えが出ないものを、「腹」が見事に解決する例もあります。技術者の勘、職人の勘などは「腹」の部類なのでしょう。しかし「腹」は思い込みが激しい分だけ、大きな間違いをして、頑として変更を拒否するというリスクも持っています。
書評
http://book.asahi.com/review/TKY200906300099.html
いま、まだ前半部なのですが、「人は直前に聞いた数字(意味などなくて良い)に判断を引張られる」ということは、非常に興味をひかれます。意味のない小さい数字を聞いた後には、「頭」で判断しているはずの値が小さくなり、逆に意味のない大きな数字を聞いた後には、判断結果が大きい数字になる、ということだそうです。これは裁判の量刑でもそうなるということなので恐ろしいことです(実験的なもので試されているだけですが)。
amazonのカスタマーレビューには、例を引用していますので、それをまた引用してみます。
”エピソードの例:
1 豊胸シリコンパッドが結合組織の病気をおこす。根拠はないが、FDAが禁止し、製造業者は使用者に賠償命令がでる。賠償金額が多すぎたために、倒産。結局、利益を得たのは弁護士だけ。
2 コレステロール薬。以前は病気ではなかった高脂血症に対して、危険をあおり、抗コレステロール薬のマーケティングを行う。「ファイザーは販促のために死の恐怖を用いている」を引用している。
3 ネット監視ソフト。「5万人の小児性愛者がネットを徘徊している」という、根拠のない統計が使われている
4 テロ。テロで死ぬ確率は1万〜10万分の1。雷で死ぬ確率は79746分の1。しかし、アメリカ人の6割がテロの恐怖を感じている。 ”
2009年11月18日
I=P×A×T ; Iは環境破壊インパクト、Pは人口、Aは豊かさ、Tは技術水準
太陽光発電の「不都合な真実」 人口増による薪炭利用で里山は荒廃していた
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091021/207734/?P=1
”(江戸時代に)悪臭を発して寄生虫の卵を大量に含む屎尿の肥料利用が広まった理由は、本来の肥料である堆肥(落ち葉等を自然発酵させたもの)の供給源の里山が、元禄以前の人口増による炊事・暖房や窯業・製鉄のための過度な薪炭利用で荒廃したことと、新田開発によって里山が遠方になりすぎたための苦肉の策であった。
(中略)
一転して明治時代は、・・・エネルギー源が薪炭から石炭に代わって産業化が進み、所得水準と人口が増大したからである。
I=P×A×T:スタンフォード大学の人口学者P.エーリックモデル、Iは環境破壊インパクト、Pは人口、Aは豊かさ、Tは技術水準”
里山≠自然林、昔は緑豊か≠禿山、いま森は荒らされている≠いま緑の絶頂期、、、議論する前に、まず解釈が伴わない簡単なことについては正しい理解が必要です。ダムを造るから砂が出ず海浜が減っていくということも言われますが、いまやあまりにも緑が多くてダムがなくても供給される砂が少ない時代、ということのようです。
環境インパクトを小さくするためには、人口が減るか、貧乏になるか、技術水準を下げるor画期的な省エネ技術を作る、ということが必要です。太陽光発電などにしても、発電しているときは確かに「エコ」ですが、太陽光パネルを作る時からトータルで見ると決してそうではないということでもあるようですので、Tは一定ととりあえず仮定したらよいかもしれません。
日本は豊かになりましたが、人口は減少傾向です。いままで人口が増え続けていたのは、たくさん産んでいたからではなく、死ななくなったからです。産むところだけを取り上げると、生活が豊かになったのは競争の裏返しであり、競争社会で生き残っていくためには教育費がかかり、教育費をかけるためにはたくさんの子供は育てられない、ということになっています。豊かになると人口(すくなくとも新生児は)は減る、というのが先進国共通の話のようです。
発展途上国の人口増加が人類生存の一番の問題であるのであれば、今の理屈でいえば発展途上国を先進国の仲間入りできるくらいに援助すれば人口は減るかもしれません。しかし、世界中が十分満足するくらい豊かになれるような仕事量はあるかというと、やはりどこかが先進国になればどこかが後進国にならなければならないかもしれません。そうなると、いまの日本はやばいかもしれない。。。
『知っておきたい斜面の話Q&A』にも書いたのですが、2mの高低差があれば実現できる小規模水力発電が、斜面国日本にとっては安定的なエネルギー源になりえるものと思うのですが、なぜか進みませんね。産業界に旨みがないのでしょうか。設置に関する法的な手続きが大変だという話もあります。落ち葉等のメンテナンスも。
当社は谷埋め盛土上に立地し、すぐ横におおきな水路があります。谷埋め盛土直下は、過去の小河川なので、敷地の下をヒューム管が通り、絶え間なく水を流しています。水量が安定しているし、メンテナンス手間もかからないので以前から小規模水力発電向きだなぁと思っており、エネルギー危機になれば利用しようと密かに企んでいます。
2009年11月17日
地質学者が言うべきではないのだろうか?
武田先生がシアターテレビジョンというところで、『現代のコペルニクス』とうい番組を持たれています。WEBだと無料で見ることができます。
シアターテレビジョン
http://www.theatertv.co.jp/movie/list.php#takeda
#4コペルニクス訓練講座(1)〜気温の構造〜を、昨夜見ました。いつも武田先生が主張されていることなので、特に目新しさは感じませんでした。
(1)世界気温は計測データなので、ある程度信用できる。だから若干上昇しているのかもしれない。
(2)しかし、海面が上昇したというデータは現時点ではない。だからツバルが海面上昇で沈んでいるという話はウソである。沈めるだけの水源がない。
(3)日本は海に囲まれた島国なので、たとえ世界気温が上昇しても、その影響は大陸から見れば極めて軽微である。
(4)ただ、日本の田舎の気温はほとんど上がっていない。逆に東京の気温は3.5度上がっている。これはヒートアイランド現象である。人口の多くが都市に集まっているので、それを温暖化と勘違いしている。2度上昇するとマラリアが流行るという話だが、東京にマラリアが流行っている話はない。
(5)もし温暖化が進んできたとしても、人間にとって悪い影響は少ない。善い影響の方がはるかに多い。人間の住める範囲が広がり、食糧生産も2倍近くなる。「冷害」という言葉はあっても「暖害・温害」という言葉はない。
(6)そもそも現在は、地球の歴史の中では寒い時代である。だから人間の人口の多くは赤道近辺に集中している。
武田先生は、材料工学の先生です。本来こういう大気循環や長い時間の中での気候変動の話は、地質学者や海洋学者が良く知っていることなので、彼ら(特に地質学者)が言わなければならないと思うのですが、私が知る限りその責任を果たされているのは丸山茂徳先生くらいです。
私は2000〜2005年ごろにこの種の話をさせてもらうときには、「温暖かなんか全然怖くない。恐竜が繁栄したのは無氷河時代の極めて温かい時だったし。冷害が起きると東北では悲劇が起きていたのは良く知られた話だ。寒冷化はすごく恐ろしい。戦争が起きるし、人類存亡の危機になる」ということを言っていました。今は、何を言っても唇が寒いので、この種の話はしなくなりました。自分自身が、そのリスクを負うべき高貴な人ではないと思っているからです。





