かつて竹村健一氏が「メガトレンド」をちゃんと見据えて商売をしなければならない、ということを言われていました。本も書かれていて、たしか私も読んだ記憶があります。
ちょうど東京出張している11/20の国交省HPに興味深い記事が2つ出ていました。今後のメガトレンドを考える上で重要だと思います。
1.大臣発言(福知山線列車脱線事故に関わる運輸安全委員会の事故調査、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議、財団法人道路保全技術センターの解散について)
http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_000623.html
”ダムに頼らない河川整備”ということが書かれています。これが何を意味するのかというと、森林整備と堤防強化ということになると思います。前者に関しては、砂防の究極の目的は極相の森林である、ということを昔の偉い砂防の方がおっしゃっています。また最近の方は、近世の日本でいまが最も森林が豊かな時代である。砂を出したくても出せないほどである、とおっしゃっています。ということは後者の方で大きな動きがあると考えるのが妥当だと思います。「堤防」って何?ということを考え始めるととても奥が深いです。盛られた土は川の内側から取られてきていることが多く、時代とともにその供給源に変化が出ていることまでわかるそうです。それは自然ではなく人間の営みの変化が主な原因です。
2.盛土のり面の緊急点検について
http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000095.html
高速道路と一般国道で、スレーキングしやすい盛土材があり、かつ水の集まりやすい沢埋め盛土、かつ盛土高10m以上の点検が始まるそうです。高速道路では320箇所くらいあるそうですが、だいたい1kmにつき1か所程度とのことで聞いています。調査内容は下記のようになっていて、まずは水、そして土質、ということのようです。
[1] 現地踏査
盛土のり面に湧水がないか、平常時及び降雨後に確認を実施。
[2] 簡易現地調査
現地踏査により湧水が確認された盛土について、盛土の強度及び地下水位を確認。
2005年9月に山陽自動車道の岩国で盛土の大崩壊ありました。これは雨が原因でした。その直後にも、一斉に点検がなされたはずですが、たしか当時も盛土の点検が行われたはずです。
国土交通省、盛土のり面の緊急点検結果 2005年11月9日(水)
http://www.carview.co.jp/news/2/7380/
”排水溝のつまりや破損などのため、緊急に対応が必要な17箇所については、10月末までに補修などの対応が実施された。”とのことなので、排水施設が重点的に点検されたようです。
このときには私も独自に調査に行きました。その時の資料は下記にまだそのままありました。
2005年9月7日 山陽自動車道廿木地区 盛土崩壊現場簡易測量結果
http://www.ohta-geo.com/tech_rep/20050916JH_iwakuni.pdf
奥園先生は、この盛土調査点検対策といった一連のものが、土木業界の新しいマーケットとして成長するのではないかというようなことおおっしゃいました(私の記憶では)。
建設事業で水の問題を解決したらほとんどすべての問題が解決する、ということが昔読んだ本に書かれていました。それくらい水は重要です。しかし排水すればよいとい単純なものでもないし、自然の中にあるものから完全かつ永続的に排水することなどできません。だからこそいままで解決されずに残っている問題なのだろうと思います。いまや数値解析全盛の時代になりました。数値解析は仮定が多くなるため、その仮定を固定化してしまうと自然観察からの距離が遠くなります。水の問題の解決はより遠くなるかもしれません。



