松島・天橋立・宮島が日本三景と呼ばれています。

matusima松島や ああ松島や 松島や で知られる宮城県の松島は、私は行ったことが無いのですが。先日の斜面工学研究小委員会で、香川大の長谷川修一先生の話を聞いて興味が湧きました。興味が湧いたといっても、風景に対してではないのですが。。。

確かに、お話を聞くとそれ以外の成因を考えられないというレベルで確かな話に聞こえました。「地すべり屋さんはすぐに理解してくれるが、地質屋さんにはなかなか理解してもらえない」と話されていましたが、両方に所属する私は、すぐに理解できました。

地すべり移動土塊というものの存在を理解していない地質屋さんはけっこういます。地すべり移動土塊と不動地塊とを連続した地質図(層序が連続した)として描かれたものを何度か見たことがあります。ただ、地質を勉強してきて、移動土塊の存在をまだよく知らない20代の地質屋さんが書かれたものだろうと解釈しています。

長谷川先生の話の要点は下記のようなものでした。
(1)松島は巨大地滑りで形成された
(2)松島湾は抜け跡
(3)すべり面はフラット
(4)原因は活断層の活動
(5)松島は流山
(6)そのとき津波が発生したはず
(7)海底にも岩礁がある。これは水面下の流山、また流山が再度滑ったものもある。

別の中央構造線沿いの巨大地すべり跡の話もされましたが、そこでも滑り面はフラットだったそうです。荒砥沢地すべりではないですが、地震による巨大地すべりは、滑り面がフラットになる傾向があるようです。それはとりもなおさず、自重がそのまま作用した過剰間隙水圧(水圧比1.0)になってフリクションレス状態ができていることを示唆しています。

すでに読売新聞のwebニュースは削除されていますが、転記されたものを見つけましたので転載しておきます。

<日本三景の松島は巨大地滑りで誕生、香川大教授らが新説>
日本三景の一つ、宮城県の松島は、直下型地震による国内最大級の地滑りで誕生したとする新説を、香川大工学部の長谷川修一教授(地質工学)(53)らのグループが提唱している。 海面上昇が成因とする定説を覆すものだ。
長谷川教授らは、松島一帯の複雑な海岸線や岩礁に富んだ地形が、仙台平野から石巻平野に至る砂浜の海岸線を分断することに着目。 松島の地質や海底の地形図などを基に、成因を再検討した。
その結果、陸側の「松島丘陵」のうち、半径5キロの半円の部分が海側に地滑りしたと仮定すると、うまく説明できることがわかった。 宮戸島や浦戸諸島は、丘陵が南南東に5キロ移動したもので、動いた跡が湾になったとみられる。地滑りの原因は、松島丘陵の活断層「長町・利府線断層帯」の直下型地震が有力で、流出土砂の量は、地滑りとしては国内最大級の20億立方メートル(東京ドーム1600杯分)に達するとみられる。時期は、松島に縄文時代の貝塚が残る約6000年前と推定した。
(2009年5月25日09時08分 読売新聞)