20年くらい、個人などの民間市場の斜面対策事業に関わってきています。この市場はとても難しいです。端的に言えば、利益が出ない市場です。利益が出ない市場には持続可能性がない、という重大な弱点があります。

民間市場の難しさは、

1.個人が「納得できる」明快な理屈が必要・・・定量化が欠かせません

2.失敗した際に損害賠償リスクがある・・・長い目で見れば斜面の崩壊確率は100%ですから、究極的には安全と宣言できる斜面は一つもありません

3.踏査してレポート書いても、利益は生まれません

「やってはいけない」という答えしか出ないのが民間斜面対策市場です。(実際、地盤品質判定士の方で「個人からの依頼は受けないように指導してきた」という人もいます。理由は儲からないからです)

ただ、だからこそ競争相手が少ないというメリットもあります。

このニッチをどう開拓するか?

まず、調査に対して「納得してお金を出せる」環境を作ることが重要です。踏査+レポートは、一番知恵が必要なところで価値が高いのですが、それに高額な費用を支出する人はいません。・・・これだけの調査をしてくれたのだから、これくらいかかるのは当然、と思ってもらわねばなりません。

責任に関しては、「安全」または「危険」という二値問題で答えを出してはいけません。確率で答えを出さないといけません。本来は、対策したとしても崩壊確率を0%にするのはリスクがあります。