相談として多いのが、擁壁の安全性についての調査依頼です。

すでに変状が発生しているものに関しては、「安全」ではないのが確実なので簡単ですが、変状がない場合に安全性を評価するのは、意外に難しいです。

■石積み擁壁の場合
空積みと練積みの評価も意外に難しく、空積みの石の間をモルタル詰めしたものがしばしば練積みと誤って評価されます。練積みは施工時から胴込めコンクリートを背面に入れますので、表の石の間にモルタルはたくさんは見えません。たくさんモルタルが見える場合には、むしろ空積みを疑ったほうが良いでしょう。定量的評価法としては、国総研が2013年に公表している表面波探査による評価法があります(それ以外は目視点検しかありません)。

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練積み擁壁では水抜孔の排水不良が問題となる場合がよくあります。施工手順上、水抜孔奥にはモルタルが回りやすいので、カメラ等を入れると詰まっているように見えますが、水を入れてみると、多くの場合水が通ります(右はその通水試験をしているところ)。排水不良が問題の原因と考える場合には、通水試験をしたら良いでしょう。
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個人からの依頼者は、必ず対策方法と費用を聞いてこられます。即答できなければなりません。信頼は即答から生まれます。

擁壁の心配事は、地震時に崩れないかどうかです。この心配をされる擁壁は、たいてい結構危ないものが多いです。

当社は、排水補強パイプを使って補強してきました。これは薄っぺらい擁壁を、擬似的に厚みのある擁壁に作り変える効果もあり、なかなか転倒・座屈しにくくなります。
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最近では、空積擁壁に充填するという方法もやりはじめました。事前事後の擁壁のS波速度を計測しておけば、国総研が作成した閾値によって効果を定量的に説明できます。
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