1.認知症対応の原則
 認知症の症状は大きく分けて「事実の誤り(現実の取り違え)」と「失敗行動」の2つに分けられることを認識し、問題行動(本人には当然な行動)を分析する。
・事実の誤り(物とられ妄想、食事忘れ、見当識障害)への対応の基本
 ①否定しない
 ②話題や場面をかえ、関心をそらせる
 ③傾聴して不安を取り除く
・失敗行動(失禁、徘徊、不潔行為、自分では無理なことをする)の対応の基本
 ①怒る、叱るなどの対応はしない
 ②「臭い」「また○○して」「ダメじゃないですか」など指摘しない。言わない。
 ③失敗しないような状況(環境)を作る
 ④行動の動機や背景を考え、それを満たす
 認知症は、「何もわからない状態」ではなく、徐々に出現する症状に自分でも気づいて不安に思っている場合が多いことを理解する。(アルツハイマー型はとくに)不安な気持ちを理解して寄り添うという心構えが大切である。


2.入浴
入浴誘導の際、拒否することがあるその場合の対応
①声かけの工夫
・「○○さん(ご家族様)が着替えを用意してくれましたよ」
・「着替えるだけでもいいので行きませんか」声かけもなくいきなり脱がされるという行為を自分に置き換えると、認知症の方の気持ちが理解しやすい。
・傷などあれば「傷を見せてほしいので一緒に来てもらえませんか」「薬をぬらなくてはならないので一緒にきてもらえますか」など声をかける。
②拒否続けるようであれば、時間をおいて声をかける
③それでもだめなら入浴を取りやめる
④体調不良が原因がないか検討する

 当事者の気分によっても入浴するかしないが変わってくる。なるべく気分を良くして声掛けするとスムーズに行うことができる。個人個人で入れる声掛けの仕方が異なるのでその人にあった声掛けを見つける。


3.食事
 ご飯を食べた後、一時間後くらいでご飯を食べていない発言があった場合は、本人にとってご飯を食べていないことが事実となっているので、否定せず柔軟に対応する。「先ほど食べられましたよ」と伝える。それでも納得しない場合「今準備しています」「もう少しで料理ができます」と言う。スタッフを変えて対応することも検討する。

4.異食
 異食は本人が食べ物と誤認しているところから始まる。異食行動に着目するのではなく、異食の背景を考えることが重要。異食の予防方法は、
①予知する
②環境を整える
→薬の管理、飾り物の置物の管理(手の届かないところへ置く)、整理整頓をする。
③発見時の対処
→本人の好きな食べ物と交換する(おやつを数種類用意しておく)。