October 17, 2010

緊急アピール・劇場は誰のものか

劇場代表/芸術監督の玉山です。
京都を拠点として活動する劇団
笑の内閣が
東京のとある劇場から
一度合意した劇場利用を
断られるという事件が起こっています。

劇団のブログによると
「内容が反社会的なのでは」
ということも問題になったようです。
わたしは「非実在少女のるてちゃん」という
作品をユーストリームの中継でみました。
(技術トラブルでラスト10分程度はみられませんでした)
内容は
東京都青少年育成条例改正問題をあつかったものです。
(話題になった「非実在少年」がどうの、という条例です)
わたしは「都条例」「非実在少年」という単語および、
それに反対するメディア関係者、クリエイターをとりあげた
ニュースは知っていましたが、
条例のくわしい内容は「のるてちゃん」の上演で知ったようなものです。
いままさに検討されている条例改正の考えられうる問題点を
提起し、かつエンタテイメントにしあげるという素晴らしい
作品だったと思っています。


なぜこれから都議会で採決される条例をあつかった
演劇を上演することが
反社会的になるのでしょうか?
それでは件の劇場では
「消費税増税反対」をあつかった演劇も、
「死刑反対」をあつかった演劇も、
「築地市場移転問題」をあつかった演劇も上演できないのでしょうか?

また仮に、作品の主張が反社会的なものであったとしても
劇場は作品の権利、団体の権利を守る立場でいなければならないはずです。

むしろ公共ではない、民間の劇場こそが自由な表現を
おこなえる場所として団体、作品を守っていくべきです。

もちろん「劇場を借りて児童ポルノを上映する」とか
「未成年者の俳優によるわいせつシーンをがある演劇」と
いった公序良俗に反する内容の興行であればそれを助長してはいけません。

正当な理由なく、作品の権利、団体の権利が阻害される社会を
わたしは望みません。そして劇場がそのような社会に加担してはならないと考えます。

劇場は劇団のものであり、作品を観にくるお客様のものです。

王子小劇場代表/芸術監督 玉山悟

※笑の内閣からは王子小劇場にも利用申請がありましたが、
希望期間に空き日程がなかったので貸し出しにいたりませんでした。

※※王子小劇場は、利用する団体を審査しています。
それは作品の芸術性、完成度を王子小劇場の視点で審査するものであり、
社会性や主義、信条を審査するものではありません。


ojiblog at 21:27コメント(4)トラックバック(0)劇場からのおしらせ | スタッフほがらか日記 

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コメント一覧

1. Posted by sato_h   October 19, 2010 16:39
>一度合意した

というのはどこに書かれてますか?
2. Posted by Serna   October 19, 2010 21:13
 そもそも件のサイトを見る限り、申し込み期限ギリギリ(他の公演はなくてもメンテナンス等が入ってる可能性がある)だった上に、通常は4日以上連続で使うという規定がある劇場を3日間だけで申し込んだのですから、弾かれてしかるべきだと思うんですが。(他にも出演者数が明らかに楽屋のキャパシティ越えてたとか)

 担当者レベルでは「3日でも大丈夫だと思う」というようなことを言ったようなので、そこと上司の意思疎通が取れてないことを問題にするのなら判らなくはないのですが、その程度をもって「合意した」と見なすのはやや無理があります。契約書交わしたわけでもないんですから。(私は契約書が全てだとは思いませんが)

 もちろん「内容が反社会的なのでは」と言われたのであれば、その表現については問題ですが、それだけが利用拒否の理由でなかったことは明確なのです。
 そういう事情を飛ばして 反社会的云々だけをことさらに強調するのは如何なものかと思います。


 また、王子小劇場さんが全ての劇団に劇場を開放する、というのは素敵な志だと思いますし、それを否定するつもりはありません。
 ですが、劇場もまた「劇」の上映に関わるスタッフであり、当然、それを運営している人の思想や信条があるわけです。ですから、劇場によっては「劇場の思想や信条とあわないから公演を拒否する」というの所があっても、それを否定することは筋が通らないように思えます。
 言い換えれば、「全ての劇に対して門戸を開く」ことも1つの価値観であり、また「自分の劇場で上演される劇を選ぶことで劇場としての方向性を打ち立てる」のも1つの価値観です。前者が後者を否定するのに創造活動の自由をもってするなら、劇場を運営する人間には価値観を持って活動をする権利はないことになってしまいます。


 以上、一人の女優としての意見です。どうかご一考いただければと思います。
3. Posted by 玉山   October 22, 2010 07:10
「合意した」というのは
実態にそぐわない不正確な表現でした。

下見、申し込みの段階で
問題にされていないし説明もされていない
楽屋の利用人数を、断る段階で
持ち出すのはフェアなやりかたでありません。

>劇場によっては「劇場の思想や信条とあわないから公演を拒否する」というの所があっても、それを否定することは筋が通らないように思えます。

そういう劇場があってもいいと思います。
しかし、「当劇場が不適切と判断した団体、作品には
利用を許可しない」ということが
利用団体にわかるように説明、表記されている必要が
あります。
事前にその注意がなく利用を拒否されて、
劇団が不利益を被ることがあってはならないと考えます。
4. Posted by 笑の内閣制作部   October 23, 2010 00:07
 当事者である笑の内閣制作部です。この場を借りて、ご質問者の方への疑問に関しまして補足させていただく事をお許し下さい。

 なぜ我々があそこまで過剰とも見えるような反応をしたかというのは「反社会的発言」以外にも、「原則4日」以外の理由があまりに不自然だったこともあります。

 下見にいったさい、使用規定をもとに質問した際に上記にあるような申し込み時期による制限の話も(もちろん、メンテナンスなどもなくその日は空いているという確認はとっています)、楽屋に関する話も聞きませんでした。楽屋に関しては、使用規定に書いていない事、その場で役者が明らかに定員以上書いてある京都公演のビラを見せているのになにも突っ込まれなかった事、くだんの劇場を利用している劇団に定員以上のところがあるところなどを根拠に追求したところ、むこうも虚偽であることを認めました。このような、明らかに虚偽の理由をだされていることは非常に遺憾だと思っています。

 そして我々も使用規定至上主義ではなく、地元で普段利用している劇場さんとは仲良くしてもらい随分と甘えている部分はあります。しかし、だからこそ使用規定外の甘えた部分は、きっちりと文書の形とし後で言った言わないで揉めないようにしています。だからこそ、「口ではいいと言ったが原則4日以上はくずせなかった」と言われれば納得しましたし、上記のように「当劇場が不適切と判断した場合は〜」と書いてあればまだ納得出来ます。

 なにより、自分たちの愛する作品を「反社会的」と言われた事に対しては、プライドの問題です。例えそう判断したとしても、そんな意識はなかった失言だとしても、愛情を注いで作品を作っている劇団に対しそのようは不適切な発言をされたことに対しては、強い憤りをもち問題にすることは、演劇に携わる方にはご理解いただけるのではないかと思います。

 この場を借りた乱文失礼致しました。

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