阿部金二さんが永眠されたと訃報が入りました。
しばらくは茫然としていました。
中越地震以降今日まで、沢山の学びをいただきました。
阿部金二さんから教えていただいた初動が一番大切だということ。
隊員を危険な場所に人命救助に向かわせる時に、連隊長として隊員の命を常に案じつつ、その究極の状況判断を下し、遂行していった勇気ある方でした。
被災住民の命を守るばかりでなく、避難所での生活にも配慮をしてくれた。
自衛隊のテント生活をする中、昼間の電源が切られて真っ暗で困っていた時も自衛隊の方が
すぐに対処してくれた。
雨が降ってグランドに設営された自衛隊のテントの中に雨水が入り込んできた時も
隊員の皆様が雨に打たれながら、あれほどたくさんのテントの周りに休みなく長時間にわたり
溝を掘ってくれました。
おかげ様で安心して眠ることが出来たことを思い出します。
地震から少しだけ時間が過ぎ落ち着いてきたころ、阿部さんと出会いました。
大きな身体で、穏やかで優しい瞳をされていました。
地震の時のこと、自衛隊の皆様にお世話になったことを堰を切ったように話したような気がします。
阿部さんはNPOを設立していた私に惜しみなく、災害に対する知識を教えて下さいました。
間もなく中越沖地震が発生し、わたしも現地に支援に向かった。
7月の暑い日照り続きの被災地では、太陽が市民の心も体も容赦なく照りつけていた。
そんな中、阿部さんを介し、高田自衛隊の方々とも連絡をとることができた。
随分助かりました。
その後、阿部さんが赴任した、浦安市の方々ともつないで頂いた。
浦安市の社会福祉協議会の方を紹介していただいた。
そして間もなく、その方から中越沖地震の被災者へのステキな贈り物が届けられた。
手作りのビーズのブローチや軍手、雑巾など段ボール箱いっぱい。
そして励ましの手紙も・・・。
すぐに被災地で配り、被災地でとても喜ばれました。
また、思い出します。昨年の9月の片貝の花火には、小千谷市へお越しいただいていたのにと・・・。
昨年9月に杉並区で開催した、防災フォーラム2009で講演をしていただきました。
今年は浦安の社会福祉協議会の皆様が研修で小千谷市へ9月9日にお見えになります。
全て阿部さんのおかげです。
昨日新潟から阿部さんの葬儀に向かう際にも、新しい出会いを下さいました。
上越の万九さん、三国の鈴木さん、そして浦柄の伊佐さん御夫妻、小杉さん。
みなさん素晴らしい方々です。
流石に阿部さんです、こんな時まで・・・涙が出てきます。
「人と人、心と心の繋がりを大切に」生きていきたいと思います。
忘れません、阿部金二さん。
そしてあなたから教えていただいたことを無駄にはしません。
「ありがとうございました!」
心より御冥福をお祈り申し上げます。
合掌