NaRuNi学校行事

おおきく振りかぶっての同人活動者の馬鹿日記

久しぶりの振りでイベント参加でしたがスペは友人任せでどんな状況だったかわからなかったのが残念ですが。
余ると思っていた無配はすべてなくなったとの事で……
まさかの、私の汚ない手書き文付きまでなかったことは衝撃でしたが、お立ち寄り下さった皆様、本当にありがとうございました。
当分振りでのイベント参加予定は決まっていないのですが、辞めた訳ではないので参加等決まりましたらこちらでお知らせ致します。

進撃スペでは折角作ったお品書きがまさかの立たない事件にスペ内の荷物整理に見苦しい販売で大変申し訳ありませんでした。
次回参加の際は、もっと余裕と整頓を持って挑みます。
次回進撃でのイベント参加は6月の大阪を予定しておりますが、新しい物はない予定ですorz

放置期間長すぎて・・・・・・・活動終了とかわらないですね。
ですが、イベントには参加してました。
主に、進撃なんですが・・・・・・・

そして、

明後日のスパコミ、振りと進撃にて参加します。
原稿やる余裕あると思っていた数ヶ月前の自分が馬鹿でならない。
仕事関係で色々あり過ぎて、休み取れない上に激務が続き。
用意するつもりでいた振りの続編はまた書けず。
だけど何も用意出来ないのは嫌なので、内容もページ数も本当に薄っぺらな無配を現在進行形で頑張ってます。

落とすことは多分ないと思うので、お近くをお通りの際はどうぞご自由にお持ち下さい。

振りスペでは進撃のエレリ本も置きますので、もしご興味ある方はよろしくお願いします。
久し振りの振り参加ですが、本人は進撃スペの方におります。

時間があれば後ほど詳細上げに来ます!
今は、無配をっ

出会いの季節。
遅咲きの桜がそれは見事に狂い咲き。
春風に舞ってグラウンドに降り注ぐ。
その一枚に、手を伸ばし。
受け止めようとしていたそいつに、声をかける。
「部外者は、立入禁止なんですけど?」
関係者では、あり得ない。
何故なら今現在、野球部に所属している部員は阿部ひとりしかいない。
 今年設立の新設校。
 何もかもが真新しい。
 ピカピカの校舎を、ピカピカの一年だけが占拠する。
 上下関係を気にする必要のない気がるさに選んだ。
しかし、問題は―――
顧問も監督だってなんとかしたのに、肝心の部員が集まらない。
 入学式から数日。未だ見学者さえいない状況に、表面上は冷静に、けれど微かな期待に胸を高鳴らせながら阿部はそいつの答えを待った。
 しかし、視線を阿部へと定めた事で花びらを受け取り損ねた間抜けから返された返答は、まったく答えになっていない。
「オレが・・・・・・見えて、る?」
「あ?」
まさか眉間に寄った皺で目が悪いとでも勘違いされたか・・・・・・人相が悪いと母親から度々受ける指摘に、こんなことで取り逃がしてはマズイと笑顔を取り繕い。
「見える見える。そりゃあもう、はっきり! ボタンのひとつひとつ。透ける向こー・・・・・・ん?」
 透ける?
 そんなことあり得るのかと、翳した自身の手越しにそいつを見ようとしても無理な話。阿部の目に見えるのは自身の手と、それに切り取られた世界以外で、幾ら手の向こう側に居るそいつを見たいと願ったところで当たり前だが、見えるのは肌色の手でしかない。
「・・・・・・・・・」
 それならやはり、見間違いかもしくは錯覚かと外していく手に、少しずつ現れていくそいつの姿。
しかし、それはどう見ても。
綺麗に向こう側が透けて見える。
樹木の揺れる葉の一枚さえ鮮明に、そいつを通して見える光景に血の気が引く。
「おまっ、おま・・・、ッ」
 人であるはずがないそいつにオレは何をいいたかったのか。震える声をみっともないと思う余裕もない。逃げ出したくても抜けた腰に尻餅着いて、情けなく上半身だけたじろいだ阿部を見つめるそいつはキョトンと間抜け面から首を傾ぎ。
「あの・・・・・・見えるなら、オレって、何に、見えます?」
「はあぁぁあっ!?」
 間抜け面に似合った間抜けな質問に思わず口を吐いて出た大声のお陰か。吹き飛んだ恐怖心に噛みつく勢い。

 ひらり・・・・・・

舞い散る花弁を受け取り損ねたのではない。透ける手を通り越し、舞う花びらが落ちる様を目で追うそいつに言ってやる。
「どっからどう見ても幽霊だろーがっ!」
 幽霊など生まれて初めて目にしたが、気持ちがいいくらい言い切った阿部にそいつは今度肩を落とし。
「やっぱり、そうなんだ」と落ち込む姿におせっかい。
「あ、なに? 自分が何かわかんねーの?」
 相手が未知の存在であることよりその人間臭さに、気づけばマウンドの上で人生相談が繰り広げられていた。



 得られた情報は多い様で少ない。
 気づけばこのマウンドに立っていた。
 移動しようと思っても、マウンドから動けない。
 生身の人間でない自覚はあるが、死んだのか生きているのか以前に、生い立ちから名前さえ覚えていないという。
「事故かなんかのショックか? っーか、幽霊に記憶喪失とかあるわけ?」
 ブツブツ呟き分析する阿部にそいつは申し訳ないと思うのだろう。
 何度もごめんなさいを繰り返し俯いて行く様に、今にも消えてなくなりそうなほど落胆して、最後は言葉さえ出なくなり泣き始めた。
 ボロボロ零れ落ちる涙が頬を伝い落ち。そのひと雫に手を伸ばしても、触れられない。

 通り抜け―――

地面に落ちるというより吸い込まれるよう消えた。まるで手を差し伸べた阿部の存在を否定されたような哀しみに、こいつは今までこんな思いを味わっていたのかと・・・・・・
 掴めない花弁に何度も手を翳していた姿を思い出すと熱くなる目頭に、感情移入したとしか思えない。
 オレがお前の正体をつきとめてやるだなんて・・・・・・大口叩いたのはいいが、
「わっ、かんねーっ!」
 ネットでここ最近の事件や交通事故といったニュースをしらみつぶしにあたったが、マウンド幽霊(仮)の年齢、容姿共に当て嵌まる記事はなく。
 それならと、マウンド幽霊の特徴を打ち込み検索をかけてみたが案の定、引っかかった膨大な情報量にお手上げ。一晩中パソコンに張り付きながらなんの成果も得られなかった阿部は頭を掻き毟り。ひとつの結論に行き当たった。
「すまんっ!」
 朝一番。登校前に立ち寄ったグラウンドで潔く頭を下げる。
 なんの手掛かりもなく素人がどうこう出来る問題ではなかったと、たった一晩ではあるが、早速ブチ当たった現実の厳しさに継続不可能を謝罪した。大見得切ってなんとも情けない結果に落ち込む阿部と違い。昨日と変わらぬ姿でぼんやりマウンドに佇み。諦め悪く舞う花びらに手を翳し続けていたそいつは、突然の事に目を見開いたかと思えば忙しなく。ブンブン勢いよく首を振り。
「うえっ? え、そ、っな、ほっ、ホントに? うぇっ、あ、あ、あのっ、ありがっ、とう!」
「はっ? なんで?」
 意味不明な言葉の羅列に続き。これまた意味不明な謝罪を口にしたそいつが阿部より深々と下げた頭を眉間に寄った皺で睨みつけて見えたのはただの癖で、決して腹を立てていたわけではない。けれど、どこか不機嫌にも聞こえる地声に恐る恐る顔を上げたそいつは見事に誤解してくれた。
「ご、ごめ・・・っ」
 ぶるぶる震え。何に対してか分からない謝罪を口にする姿に、今度こそ本気で苛立った。
「訳もわからず謝んなっ!」
「ひっ!」
 マウンドの隅々にまで響き渡った怒号に、そいつはビクッと硬直したかと思えば学習しない。
 ごめんなさいとまたうな垂れる姿にこれは駄目だとため息吐いて、
「そういうの、本気でやめてくれ・・・・・・先に謝ったオレの立場がなくなる」
 そいつにそんな気がないと解っていても、益々募る罪悪感に居たたまれない。伏せた瞳で目を合わせられなくなった阿部に、最早口癖なのだろう。何度目かわからない謝罪を口にしかけたそいつが慌て両手で口を覆う姿に苦笑い。
「わかったよ。お前のごめんで、オレのごめんは相殺な。それなら・・・・・・いいだろ?」
 阿部としては不本意であるが仕方ない。底のない落ち込みにどこまで沈むのかと心配したそいつの浮上は以外にも激しく。
「うんっ」と満面の笑顔で頷く姿が可愛く見えたのは気の迷いと思い込み。
「ごめんが解決出来たなら、お前のありがとうって何?」
 照れ隠しにぶっきらぼう。投げた問いにそいつはニコニコ上機嫌のまま。
「だって、阿部君が本当にっ、オレの事、心配して、調べてくれたのが、嬉しくて・・・・・・だから、ありがとう阿部君」
 淀みなく吐き出された感謝の言葉より、真っ直ぐそらされる事のない。心の奥底まで洗いざらい持っていかれそうな屈託ない笑顔に赤らむ顔に我慢ならない。
「ばっ! なっ、ンだよそれっ! おまっ、オレの事、疑ってたのかよっ!」
 照れ隠しより八つ当たり。両手を振りかざしどやしつける阿部の本心に気づく事なく。そいつは当たる心配のない拳に首を竦め。またしてもごめんなさいと謝罪を口にしたのだった。



 それからどうしたかと言えば。
「おっす、ヒヨコ」
「おはよう、阿部君」
 名前がないのは不便だと、そいつのふわふわ頭に色味から思いついたまま。なんのセンスも捻りもなく命名した。人らしくない名前を呼ぶ方も呼ばれる方も慣れたもの。
 特にこれと言った進展もないまま過ぎた一週間。狂い咲きの桜が葉桜に代わっても相変わらず。マウンドで手を翳し何か掴み取ろうと構えるヒヨコに挨拶を投げれば返って来る声を聞くのが嬉しい。
 ひとり黙々と基礎練をこなす日々は変わらないが、話し相手がいるだけで楽しくなる時間。
「阿部君は、野球大好きだね」
「ああ」
「ポジション、は?」
「捕手」
「いつから野球、やってるの?」
「さあ、忘れた」
「凄いね、そんなに長く、やってんだ」
「凄かねーよ」
 ヒヨコから振られる質問に簡素な答えしか返さないのは、飛んだり跳ねたり。動きまわりながらかえすのが大変なだけで、億劫でも面倒臭がっている訳でもない。
 ヒヨコもそれを解っているからこそ毎日。ふっ、と思いついた質問を気兼ねなく投げかけて来る。そんな印象だったが、そんなやり取りを繰り返す事でひとつ、気づいたことがあった。
「なあ・・・・・・もしかしたらお前、野球やってた?」
 阿部から初めてヒヨコへの質問。
 記憶がない相手にどうかとも思ったが、ヒヨコから振られる質問の端々に、野球について詳しくないと知り得ない知識が時折織り込まれているのに、我慢できなかった。
 けれどそれについてはヒヨコも薄々感じていたらしい。
「やっぱり、そうかな?」
 半信半疑に首を傾ぎながらも、ヒヨコの口から紡がれた言葉は肯定に傾き。もしやそこから何かしら記憶の糸口が掴めるのではないかと、
「なぁお前、もしかしなくても野球、好きか?」
「うんっ!」
「好きなポジションとか、やりたいポジションある?」
「投手が、いいっ!」
 即答に生き生きと輝く瞳。
 高揚に赤く染まる肌。
 記憶がなくても、忘れていない。
 全身で好きだと伝えてくる。
だけど・・・・・・
普通の人間とかわらないのは見た目だけで、
「野球・・・やりたいな・・・・・・」
「うん・・・やりたい・・・・・・」
「キャッチボールでも・・・・・・いいな」
「・・・・・・ん」
 部員独りの野球部に、透けて実体を持たないヒヨコでは叶えられない願いと知りながら、ふたりは仲良く口を揃え。
 死ぬほどボールに触れたいと呟いたその声は誰に宛てたものだったのか・・・・・・
見上げた満天の星空に流れる星はなく。また・・・・・・どちらかが答えを返すこともなかった。

 
その翌日である。
マウンドからヒヨコの姿が消えたのは―――

 

現れたのが突然なら、消えるのも突然。
「・・・・・・・・・」
 無人のマウンドには、ヒヨコがいた形跡など何もない。
 少し他より高く盛られたそこに立ち。ヒヨコを真似て手を翳したところで、何も掴めない。それどころか、阿部の手をすり抜けいってしまった。
「・・・・・・ヒヨコ」
 名前どころか、生きていたのかさえ怪しい存在に芽生えた淡い恋心は、涙と共にマウンドへと沈めた。


 
出会いがあれば、別れもまた必須。
ヒヨコが消えても、阿部の生活にこれと言った支障がなかったことに覚えた哀しみも時と共に薄れ。
その後、数名の部員を確保出来た野球部であったが、定員不足により公式戦には一度も参加すること叶わず設立一年目を終え。迎える二度目の春に、意気込む頭の片隅で思い出す。
 桜吹雪舞い散るグラウンドに佇んだヒヨコ。
 今思えば、泡沫に消える桜の精であったのではなかろうかと、浮かんだ幻想に口元を歪めながら、ミーティングのみで解散となった貴重な放課後に、他部員からの誘いを断った阿部の脚は、舞い散る桜に気づけばグラウンドへと向いていた。
 あの日と変わらない。
 変わらないが、いるはずがないと言い聞かせフェイスを潜ったところで、
「っ、」
 ザッと、強い風が吹き奪われる視界。
 ピンクに染まり、鱗が剥がれるよう部分的に拓けて行く視界に、阿部は我が目を疑った。
「嘘・・・・・・だろ?」
 マウンドの上。
 あの日と同じ。
 桜の花びらに手を翳したヒヨコの姿を見つけた瞬間、駆け出していた阿部に気づいたヒヨコが微笑む。
 ずっと見ていたいと思うのに、溢れた涙が邪魔をして霞む視界を何度も拭い。
 もう逃がさないと、掴めないと知りながらヒヨコの手を掴みに行った手が、
「え・・・っ?」
 しっかりとした質感、質量。握り込んだ手首から、生きていると伝わってくる血の巡る小さな振動、温かさに見開いた瞳が間近で捉えた。
 心許なく透けていたあの頃とは違う確かな存在に、涙が止まらない。
 泣いて、泣いて・・・・・・
「あ、あぅ・・・あ、の、阿部・・・くっ」
 いつまでも泣き止まない阿部にヒヨコは困っているのだろう。あたふた慌てるだけで何も出来ない。そんな姿さえ、ああ、ヒヨコだと安心してまた泣ける。
時たま口元を微笑で歪めながら、どれだけ泣いたかわからない。それでもまだまだ溢れてくる涙を漸く鼻水と啜り止めた阿部の手に、ほっと安堵の息を吐いたヒヨコが表情を引き締め。阿部の手に何かを押しつけて来たので受け取ったはいいが、腫れた瞼に上手く目があかない阿部はそれを視覚から捉える事ができない。けれど、手に馴染む丸み、感触に触れただけで充分。
「なんだよ・・・お前・・・・・・オレを、待ってたのか・・・・・・」
 受け取ったヒヨコからのメッセージに、また泣きそうになりながら、投手として渡されたボールを捕手として阿部は、翳し待ち構えるヒヨコの手へと握らせたのだった。


ゆ74a NaRuNi

新刊は薄いコピー本無配のみとなりますがなんとか発行出来ます。
今回、おお振り以外にも進撃エレリ持ち込みます。
お近くをお通りの際は、覗いてやってください。

アンソロについて告知する余裕はありません!
ごめんなさい(>_<)
仕事行きます!
イベント当日朝までのねε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘

放置プレイ時間がどんどん伸びていますが、
今週末に迫りましたスパーク、参加します。

凄く振りでは久しぶりのサークル参加だと、今頃気づいたダメ人間ですが、薄いなりに新刊がどうにかなりそうです!

ペラペラのコピーで申し訳ない。
しかも、まだ書いてて、タイトルさえ未定ですが、どうにかしてみせ、る?

スペース、販売物の詳細は前日となりますが、明日あげます。
ありがたいことに、アンソロにもお誘い頂いたので、その詳細もお伝えできればと思います。

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