岡本法律事務所のブログ

2013年11月

相続の法律相談

質問1 ローンが残っている物件

両親が死亡し、仲の悪い姉妹が相続人です。

遺産としては土地が2億円、その土地上に賃貸用建物2億円の不動産があり、建物をたてるときに3億円の借入をして抵当権が土地建物についています。

あととりは姉のほうで、妹のほうは資産がさしひき1億円あるのだから半分の5000万円を現金でよこせと言っています。姉は不動産は値下がりしていて、プラスマイナス0だと言っています。

 妹を代理していますが調停を不調にして審判を求めるべきか、妥協案をつくるべきでしょうか。


回答

審判を求めることは、あまりおすすめできません。

遺産分割対象は積極財産だけですので姉に不動産全部、妹に価格賠償の審判がでても4億の半分か3億の半分かが賠償の対象となり、5000万円を用意できないひとが用意できるわけはありません。解決のためには抗告をしてまた話し合いをはじめるだけのことです。

 不動産を競売して代金を双方でわけるということになりますが通常市価の半分程度になるので、本件では2億でうれても3億の負債があり、姉妹とも借金をかかえることになります。

妹側としていやがらせとして審判を求めてもいいのですが、解決が長引くことになります。また、競売による解決がなされると通常は当事者全員が損をします。一族全体の財産維持を考えた場合は5000万円と0とのあいだのどこかで妥協することをおすすめします。

岡山市 岡本法律事務所
所長 弁護士 岡本哲
岡山弁護士会所属


 

 

Q&A渉外家事ケーススタディ


Q&A渉外家事ケーススタディ
─離婚・子ども・ハーグ事案の実務─
平成25年6月15日 初版発行
監修者 大谷美紀子
編者 外国人ロ-ヤリングネットワーク
発行者 尾中哲夫
発行所 日本加除出版株式会社
ISBN978-4-8178-4086-8
C2032

目次
はしがき
執筆者紹介
【設例01】
離婚の国際裁判管轄・準拠法
──日本人夫×ロシア人妻
●1-1 渉外離婚事件の国際裁判管轄
●1-2 日本人同士の離婚と国際裁判管轄
●1-3 応訴管轄
●1-4 準拠法の検討
【設例02】
離婚の準拠法の決定基準・被告の行方不明
──タイ人夫×日本人妻
●2-1 国際結婚の婚姻の有効性
Column1
一方の本国法では無効事由,他方の本国法では取消事由
となるような婚姻障害がある場合,どのように調整する
のですか?
Column2
外国で婚姻が成立したものの,日本への届出をしないま
ま,日本で別の人との婚姻届を提出した場合はどうなり
ますか?
●2-2 国際裁判管轄の確認
Column3
婚姻無効・取消しの手続の国際裁判管轄はどうなります
か?また,流れを教えてください。
●2-3 準拠法の確認
●2-4 準拠法の確認 
 Variation① 重国籍者
●2-5 準拠法の確認
 Variation② 州法が異なる場合
●2-6 準拠法の確認
 Variation③ イラン(人的に法を異にする
 国)
●2-7 準拠法の確認
 Variation④ 無国籍者
●2-8 準拠法の確認
 Variation⑤ 中国本土と台湾(分裂国家)
Column4
分裂国家が本国法の場合の注意点
Column5
準拠法に外国法が指定された場合の調査は,誰が行うの
ですか?
●2-9 離婚の方法の検討
●2-10 協議離婚の方法
●2-11 裁判離婚と調停前置主義
●2-12 裁判離婚と送達
●2-13 外国送達と審理の具体的手続①
      (領事送達・中央当局送達等)
Column6
翻訳は誰がするの?
●2-14
外国送達と審理の具体的手続②(外国公示送達の場合)
【設例03】
渉外離婚の方法と成立(外国における承認)・緊急性の
検討と様々な送達方法
──アメリカ人夫×日本人妻
●3-1 外国人との離婚における協議離婚の適否
Column7
相手国の離婚要件の確認方法
●3-2 外国居住者と調停前置主義
●3-3 具体的な送達方法の検討
●3-4 送達にかかる時間
Column8
外国送達と翻訳
●3-5 外国公示送達
●3-6 メール・電話のやり取りと送達先の住所
●3-7 公示送達による判決の承認
●3-8 Variation①
被告が台湾に居住している場合
●3-9 Variation②
被告が居住する国との間で国際司法共助の取決めがない
場合
●3-10 Variation③ 
被告が居住する国が内戦状態にあり,事実上送達ができ
ない場合
Column9 保護命令に関する立法の不備
●3-11 DV事案~外国にいる加害者と保護命令
●3-12 外国からの送達や外国への送達の実務
【設例04】
国際二重起訴・子の親権者指定の国際裁判管轄と準拠法
──日本人夫×アメリ力人妻(未成年子あリ)
●4-1 国際二重起訴の取扱い
●4-2 親権者指定の国際裁判管轄
●4-3 日本での一回的紛争解決のための工夫
●4-4 離婚・親権者指定及びその他の請求の準拠法
の検討
●4-5 外国居住の子の監護状況の調査
●4-6 裁判上の和解による終結
【設例05】
不受理申出・外国判決の承認・共同親権を定める離婚・
判決後の離婚届等の手続
──日本人夫×オーストラリア人妻(未成年子あり)
●5-1 不受理申出の効力の終期
●5-2 外国にいる当事者からの不受理申出取下げの
手続
●5-3 不受理申出取下げの手続によらずに離婚届を
受理してもらう方法
●5-4 外国裁判所による判決が承認されるための要

●5-5 外国裁判所で自らが被告として訴訟提起され
た場合の対応
●5-6 子どもが外国にいる場合の親権の争い方
●5-7 共同親権を定める(又は親権者を定めない)
外国裁判所による離婚判決の日本における効力
●5-8 外国裁判所による離婚判決がある場合の届出
方法
【設例06】
附帯請求(財産分与)の国際裁判管轄・法制比較と判決
の執行確保の考慮
──重国籍夫(イギリス・カナダ)×日本人妻(未成年
子あり)
●6-1 離婚の国際裁判管轄と附帯請求の国際裁判管

●6-2 準拠法の検討
●6-3 裁判結果の実行(財産分与・慰謝料の支払の
確保)の考慮
●6-4 国境を越える子の連れ帰り
●6-5 有責配偶者からの離婚請求による離婚判決の
日本での効力
Column10
外国の現地の弁護士の探し方
【設例07】
在日米国軍人との離婚と手続・外国法の調査
──アメリカ人夫Xアメリカ人妻(未成年子あり)
●7-1 アメリ力人の離婚の準拠法
Column11
その他の地域的不統一法国について
●7-2 最密接関係地の決定
●7-3 在日米国軍人の離婚の国際裁判管轄
Column12
在日米国軍人・軍属の出入国
●7-4 裁判資料の翻訳
●7-5 米国軍人の住所
●7-6 慰謝料請求
●7-7 養育費請求
●7-8 親権者の指定
●7-9 外国法の調査
Column13
非英語圈の国で家族法の法律名すらわからない場合
●7-10 親権者の決定
●7-11 離婚後扶養について
●7-12 在日米国軍人との離婚事件の特徴
●7-13 裁判地の選択と依頼人の利益
【設例08】
協議離婚を認めない国や裁判離婚しか認めない国との渉
外離婚の実務
──日系ブラジル人夫X日系ブラジル人妻(未成年子あ
り)
●8-1 国籍が同じ外国人同士の離婚手続
Column14 本国で婚姻手続をしていない場合で
も,日本で離婚することはできますか?
●8-2 外国法が準拠法となる場合の協議離婚
Column15 依頼者がポルトガル語しか話せませ

●8-3 外国法が準拠法となる場合の調停離婚
●8-4 離婚が一切認められない国
●8-5 親権者・監護権者の指定
Column16 外国法が準拠法となる場合における
親権者・監護権者の指定
【設例09】
日本での婚姻と子の連れ出し・ハーグ条約
──アメリカ人夫×日本人妻(未成年子あり)
●9-1 ハーグ条約未批准の場合の返還請求手続
●9-2 ハーグ条約の概要
●9-3 ハーグ条約に基づいた返還請求手続①
(申請)
●9-4 ハーグ条約に基づいた返還裁判手続②
(裁判申立て・請求原因事実)
●9-5 ハーグ条約に基づいた返還裁判手続③
(抗弁事実・返還拒否事由)
●9-6 ハーグ条約の返還手続と弁護士実務
●9-7 ハーグ条約における子との面会交流
●9-8 子の返還後の手続
●9-9 連れ去られた先の外国がハーグ条約未加盟の
場合
●9-10 子の居場所が分からない場合の捜索方法
Column17
ミラー・オーダーについて
【設例10】
外国での婚姻と子の連れ帰り・八ーグ条約
──アメリカ人夫×日本人妻(未成年子あり)
●10-1 日本へ子を連れ帰った場合の日本での訴訟
手続(国際裁判管轄)
●10-2 外国に残された(日本へ子を連れ去られた
)親のとりうる手段
●10-3 話合いによる解決の模索と利用できる制度
●10-4 アメリカにおける離婚手続
●10-5 ハーグ条約の適用①対象事例
●10-6 ハーグ条約の適用②条約に基づいた外国に
いる親からの返還手続
●10-7 ハーグ条約に基づいた子の返還の裁判手続
①申立人の主張立証
●10-8 ハーグ条約に基づいた子の返還の裁判手続
②被告の主張立証
●10-9 ハーグ条約と子との面会交流の申立て
【まとめ】渉外家事事件の実務に必要な基本知識
1 はじめに
2 国際裁判管轄
(1)国際裁判管轄とは
(2)国際裁判管轄の競合と管轄争い
(3)直接管轄と間接管轄
(4)日本の国際裁判管轄決定のルール
3 準拠法
(1)抵触法とは
(2)法律関係の性質決定
(3)本国法の決定
(4)常居所地の決定
(5)反致
(6)公序
4 通則法各論
(1)離婚の準拠法
(2)離婚に付随する法律問題の準拠法
5 外国法の適用
6 外国判決の承認
7 外国送達
(1)外国送達の特殊性
(2)外国送達の根拠法──条約と国内法
(3)外国送達について知っておくべきこと
(4)日本から外国への送達の実務──外国送達の種類
とその違い
(5)外国送達に関する実務上の留意点──翻訳文の添
付・送達に要する期間
(6)外国公示送達
(7)調停・審判事件の外国にいる相手方への書類の送

(8)外国から日本への送達の実務──適法な送達かど
うかの見極めと対処法

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