岡本法律事務所のブログ

2018年05月

会社法判例百選第3版 89 キャッシュ・アウトにおける株式の取得価格(2) 東京高裁平成20年9月12日 解説は徳本筑波大学教授です。田原補足意見が省略されていますので、できれば、金融商事判例の該当ページをみてほしい。

神田秀樹「会社法 第十八版」弘文堂・2016年・88頁。

会社法判例百選第3版 88 キャッシュ・アウトにおける株式の取得価格(1) 最高裁平成28年7月1日 でたばかりですぐに所収されました。民集にのるかどうかはわかりません。控訴審と最高裁の判断がわかれました。解説は松元学習院大学教授です。神田秀樹「会社法 第十八版」弘文堂・2016年には当然のっていません。


事業を行うために必要な準備行為を行った日の属する課税期間は「課税資産の譲
渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」に当たるとした平成29年6月
16日裁決の不当性

                        弁護士 岡本 哲
裁決事例集は、その後提訴されたかどうか記載されていないので不便である。判
例秘書インターネットで5月29日に検索した範囲でも不明。
 小規模法人の担税力からみて小規模資本の法人に消費税免除を認めた趣旨から
鑑みて事業開始と準備はあまりにも異なる概念であり、牽強付会と思われる。租
税法律主義の観点からも疑問。


【事件番号】 国税不服審判所裁決

【判決日付】 平成29年6月16日

【判示事項】 事業を行うために必要な準備行為を行った日の属する課税期間は
「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」に当たるとした
事例

【判決要旨】 請求人は、消費税法施行令第20条《事業を開始した日の属する
課税期間等の範囲》第1号に規定する「事業者が国内において課税資産の譲渡等
に係る事業を開始した日の属する課税期間」の判断に当たっては、「事業を開始
した日」について法令等に明確な規定がない以上、納税者の意思を尊重し、かつ
、経済活動の実態に即した一般的な社会通念に沿って判断すべきであり、本件で
は、請求人が事業(本件事業)を開始したと認識し、個人事業開業届出書に本件
事業を開始した日として記載した日の属する課税期間(本件課税期間)が同号に
規定する「事業を開始した日の属する課税期間」に該当する旨主張する。

       しかし、新たに事業を行うに当たり必要な準備行為を行った日の
属する課税期間は、同号に規定する「事業を開始した日の属する課税期間」に当
たると解するのが相当であり、本件において、請求人は、本件課税期間の前の課
税期間中に請負契約を締結してその契約金を支払うなどしており、これらの行為
は本件事業を行うために必要な準備行為と認められるから、本件課税期間は、同
号に規定する「事業を開始した日の属する課税期間」には該当せず、請求人が本
件課税期間中に提出した課税事業者選択届出書の効力は、本件課税期間の翌課税
期間から生ずるため、本件課税期間について、請求人は消費税の免税事業者とな
る。

【参照条文】 消費税法9-4

       消費税法施行令20

【掲載誌】  裁決事例集No.107

1 事実
 (1) 事案の概要
   本件は、会社員である審査請求人(以下「請求人」という。)が、平成
26年1月1日から同年12月31日までの課税期間(以下「本件課税期間」と
いう。)に太陽光発電事業を開始したとして、本件課税期間中に消費税課税事業
者選択届出書を提出し、本件課税期間に係る消費税及び地方消費税(以下「消費
税等」という。)の還付申告をしたところ、原処分庁が、本件課税期間の前年に
なされた太陽光発電所の建設工事に係る工事請負契約の締結は当該事業に必要な
準備行為に当たり、その締結日の属する課税期間が課税資産の譲渡等に係る事業
を開始した日の属する課税期間であるため、消費税法上、請求人は、本件課税期
間について消費税等を納める義務を免除された者となるから、還付申告をするこ
とができないとして、更正処分等を行ったのに対し、請求人が原処分の全部の取
消しを求めた事案である。
 (2) 関係法令の要旨
  イ 消費税法(平成27年法律第9号による改正前のもの。以下同じ。)
第9条《小規模事業者に係る納税義務の免除》第1項は、事業者のうち、その課
税期間に係る基準期間における課税売上高が1,000万円以下である者につい
ては、同法第5条《納税義務者》第1項の規定にかかわらず、その課税期間中に
国内において行った課税資産の譲渡等につき、同法に別段の定めがある場合を除
き、消費税を納める義務を免除する旨規定している。
    なお、以下、消費税法第9条第1項本文の規定により消費税を納める
義務が免除される事業者を「免税事業者」といい、免税事業者を除く事業者を「
課税事業者」という。
  ロ 消費税法第9条第4項は、免税事業者が、その基準期間における課税
売上高が1,000万円以下である課税期間につき、同条第1項本文の規定の適
用を受けない旨を記載した届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出した場
合には、当該提出をした事業者が当該提出をした日の属する課税期間の翌課税期
間(当該提出をした日の属する課税期間が事業を開始した日の属する課税期間そ
の他の政令で定める課税期間である場合には、当該課税期間)以後の課税期間中
に国内において行う課税資産の譲渡等については、同項本文の規定は、適用しな
い旨規定している。
  ハ 消費税法施行令第20条《事業を開始した日の属する課税期間等の範
囲》第1号は、消費税法第9条第4項に規定する政令で定める課税期間は、事業
者が国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間と
する旨規定している。
  ニ 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法
(平成28年法律第59号による改正前のもの。以下「再生エネルギー措置法」
という。)第6条《再生可能エネルギー発電設備を用いた発電の認定等》第1項
は、再生可能エネルギー発電設備を用いて発電しようとする者は、経済産業省令
で定めるところにより、同項各号のいずれにも適合していることにつき、経済産
業大臣の認定を受けることができる旨規定し、同条第2項は、経済産業大臣は、
同条第1項の認定の申請に係る発電が同項各号のいずれにも適合していると認め
るときは、同項の認定をする旨規定している。
 (3) 基礎事実
   当審判所の調査及び審理の結果によれば、以下の事実が認められる。
  イ 太陽光発電事業による電力供給に至るまでの経緯について
   (イ) 請求人は、再生エネルギー措置法に基づく太陽光発電事業を行う
ため、平成25年9月30日に、注文者を請求人、請負者をH社とする、要旨次
の内容の太陽光発電所建設工事の施工に係る工事請負契約(以下「本件契約」と
いう。)を締結した。
     なお、以下、本件契約に基づいて建設することとした太陽光発電所
に係る発電設備を「本件発電設備」という。
    A 本件発電設備は、太陽電池モジュール○○枚、パワーコンディシ
ョナーの出力を○○キロワットなどとする。
    B 工事場所は、a市b町○-○、○-○、○-○(以下、これらを
併せて「本件各土地」という。)ほかとする。
    C 工期は、着工時期が平成25年9月30日、完成が平成26年5
月30日とする。
    D 請負代金の総額は、○○○○円(内消費税等○○○○円)とする

    E 請負代金は、契約金として平成25年10月31日に○○○○円
、着手金として農地転用後着工時に○○○○円、竣工・電力連系後に残金○○○
○円を支払う。
   (ロ) 請求人は、H社に対し、平成25年10月30日に本件契約に
基づく契約金○○○○円を支払った。
   (ハ) 請求人は、本件発電設備について、J電力の電力系統への連系
の可否を照会するため、J電力に対し、平成25年11月12日付で○○を提出
した。
   (ニ) 請求人は、本件発電設備について、再生エネルギー措置法第6
条第1項の規定による再生可能エネルギー発電設備の認定を受けるため、経済産
業大臣に対し、平成25年11月14日付で、H社が本件契約に基づき作成した
設置図等を添付した「再生可能エネルギー発電設備認定申請書」を提出した。
   (ホ) 請求人は、上記(ニ)の申請について、経済産業大臣から、平
成25年11月○日付の「再生可能エネルギー発電設備の認定について(通知)
」と題する書面により、本件発電設備(発電出力は○○キロワット)を再生可能
エネルギー発電設備とする認定を受けた。
   (ヘ) 請求人は、本件発電設備を建設するため、a市長に対し、平成
25年12月16日付で、本件各土地ほか2筆の各土地を農業振興地域の整備に
関する法律の規定による農用地区域から除外する旨の「農用地利用計画変更申出
書」を提出した。
   (ト) 請求人は、上記(ハ)の照会について、J電力から、平成26
年1月9日付の○○と題する書面により、申込時の設備仕様等を変更しないこと
などを条件として、本件発電設備は電力系統に連系可能である旨の回答を受けた

   (チ) 請求人は、本件発電設備について、J電力の電力系統への接続
契約の申込みのため、J電力に対し、平成26年2月24日付で○○と題する書
面を提出した。
   (リ) 請求人は、農地法第4条《農地の転用の制限》第1項の規定に
基づき、本件各土地ほか3筆の各土地を本件発電設備の用地に利用するために、
a市農業委員会会長に対し、平成26年3月20日付で、農地の転用をする旨の
「農地法第4条第1項の規定による許可申請書」を提出した。
   (ヌ) 請求人は、上記(リ)の申請について、a市農業委員会会長か
ら、平成26年4月○日付の「農地法第4条第1項の規定による許可書」により
、農地の転用の許可を受けた。
   (ル) 請求人は、K銀行から平成26年5月30日に融資を受け、同
日、本件契約に基づく着手金○○○○円をH社に支払った。
   (ヲ) 請求人は、上記(チ)の申込みについて、J電力から、平成2
6年6月16日付の○○と題する書面により、承認を受けた。
   (ワ) 請求人は、H社から平成26年7月に本件発電設備の引渡しを
受けた。そして、請求人は、平成26年7月○日にJ電力との間で、同日を受給
開始日として、本件発電設備において発生する電力を請求人が供給し、J電力が
これを受給する旨を定めた再生エネルギー措置法に基づく電力受給契約を締結し
た。
   (カ) 請求人は、K銀行から平成26年8月28日に融資を受け、同
日、本件契約に基づく残金○○○○円をH社に支払った。
  ロ 消費税課税事業者選択届出書等の提出状況について
   (イ) 請求人は、原処分庁に対し、平成26年8月7日に、所得税法第
229条《開業等の届出》の規定に基づき、開業日を同年7月26日と記載した
「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出した。
   (ロ) 請求人は、原処分庁に対し、平成26年12月22日に、消費
税法第9条第4項の規定に基づき、本件課税期間以後の課税期間について納税義
務の免除の規定の適用を受けない旨を記載した「消費税課税事業者選択届出書」
を提出した。
 (4) 審査請求に至る経緯
  イ 請求人は、平成27年3月14日に、本件課税期間の消費税等の確定
申告書に別表の「確定申告」欄のとおり記載して申告した。
  ロ 原処分庁は、平成28年3月29日付で、別表の「更正処分等」欄の
とおり、本件課税期間の消費税等の更正処分(以下「本件更正処分」という。)
及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件賦課決定処分」といい、本件更
正処分と併せて「本件更正処分等」という。)をした。
  ハ 請求人は、本件更正処分等を不服として、平成28年5月20日に別
表の「異議申立て」欄のとおり異議申立てをしたところ、異議審理庁は、同年8
月17日付で、別表の「異議決定」欄のとおり棄却の異議決定をした。
  ニ 請求人は、平成28年9月14日に、異議決定を経た後の本件更正処
分等に不服があるとして、審査請求をした。

2 争点
  本件課税期間は、消費税法施行令第20条第1号に規定する「課税資産の
譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」に該当するか否か。

3 争点についての主張

  原処分庁
  消費税法施行令第20条第1号は、「課税資産の譲渡等に係る事業」と規
定しているのであるから、「課税資産の譲渡等」がない場合であっても、「課税
資産の譲渡等に係る事業」を遂行するために必要な準備行為(資産の取得契約の
締結や商品及び材料の購入など、課税資産の譲渡等に係る事業の前提となる行為
)を行った場合には、同号所定の「課税資産の譲渡等に係る事業」を行ったこと
になることは、文理上明らかである。
  そして、本件契約は、太陽光発電事業を行うために欠くことのできない資
産である本件発電設備を建設するための契約であり、事業の根幹となる契約と認
められる。
  また、請求人は、平成25年1月1日から同年12月31日までの課税期
間(以下「平成25年課税期間」という。)中に本件契約の契約金を支払い、経
済産業大臣の設備認定を受け、設備建設のための融資交渉や本件発電設備の敷地
に係る「農用地利用計画変更申出書」をa市長に対し提出しており、これらの準
備行為を行った上で電力受給契約を締結している。
  したがって、請求人は、本件契約を締結した平成25年9月30日には事
業を遂行するために必要な準備行為を行ったと認められるので、課税資産の譲渡
等に係る事業を開始した日の属する課税期間は、平成25年課税期間となり、本
件課税期間は、消費税法施行令第20条第1号に規定する「課税資産の譲渡等に
係る事業を開始した日の属する課税期間」に該当しない。
  請求人
  事業を開始した日については、消費税法、消費税法施行令及び消費税法基
本通達にも明確な規定がない。租税法律主義の下では課税要件等について納税者
がその内容を容易に理解できるよう、法においては明確に定められていなければ
ならず、明確に定められていないものについては、納税者の意思の尊重及び経済
活動の実態に即した一般的な社会通念に基づいて判断されるべきである。
  この点、原処分庁は、本件契約を締結したことが太陽光発電事業を遂行す
るために必要な準備行為であると結論づけているが、平成25年9月30日に本
件契約を締結したのは、平成26年4月の消費税率改正に伴う経過措置適用のた
めに、前倒しで締結したものであり、本件契約の締結は、実態として準備行為と
言えるものではない。
  また、平成25年11月12日付のJ電力に対する○○の提出及び平成2
5年11月14日付の経済産業大臣に対する「再生可能エネルギー発電設備認定
申請書」の提出は、太陽光発電事業が可能かどうかを調査等するためのものであ
り、請求人には、「事業を開始した」という認識は全くない。
  したがって、事業を開始した日の属する課税期間は、請求人が事業を開始
したと認識し、経済活動等の実態に即した、個人事業の開業届出書の開業日(平
成26年7月26日)の属する課税期間となるから、本件課税期間は、消費税法
施行令第20条第1号に規定する「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の
属する課税期間」に該当する。

4 判断
 (1) 法令解釈
   消費税法第9条第4項は、原則として、免税事業者となる者であっても
、消費税課税事業者選択届出書を提出した場合には、その日の属する課税期間の
翌課税期間から課税事業者となるものとしつつ、消費税課税事業者選択届出書を
提出した日の属する課税期間が事業を開始した日の属する課税期間である場合に
は、当該課税期間の開始前に、同課税期間中の課税売上げ及び課税仕入れの発生
等を予測し、当該課税期間において課税事業者となるかどうかの判断をして消費
税課税事業者選択届出書を提出することが、必ずしも容易でないことに配慮し、
例外として、新たに事業を開始した事業者に対して、当該事業を開始した日の属
する課税期間から課税事業者となることを選択する機会を与えたものと解される

   そして、消費税法第9条第4項を受けて規定された消費税法施行令第2
0条第1号は「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日」と規定し「課税資産
の譲渡等を開始した日」と規定していないこと、新たに事業を行うに当たっては
当該事業を行うために必要な資産の取得契約の締結や商品及び材料の購入などの
準備行為を行うのが通常であること、これらに上記の消費税法第9条第4項の趣
旨を併せ考えると、新たに事業を行うに当たり必要な準備行為を行った日の属す
る課税期間は、消費税法施行令第20条第1号に規定する「課税資産の譲渡等に
係る事業を開始した日の属する課税期間」に該当すると解するのが相当である。
 (2) 当てはめ
   請求人は、平成25年課税期間において、上記1の(3)のイの(イ)な
いし(ヘ)のとおり、本件発電設備を建設する本件契約を締結して契約金を支払
った後、J電力の電力系統へ連系することの可否照会、再生可能エネルギー発電
設備の認定申請、建設用地を農用地区域から除外するための申請手続を順次行っ
ており、これらの各行為は、いずれも請求人が再生エネルギー措置法に基づく太
陽光発電事業を行うために必要な準備行為であると認められる。
   そうすると、上記(1)のとおり、新たに事業を行うに当たり必要な準
備行為を行った日の属する課税期間は、消費税法施行令第20条第1号に規定す
る「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」に該当するの
であるから、本件においては、本件契約を締結した日を含む平成25年課税期間
が課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間と認められる。
   したがって、本件課税期間は、消費税法施行令第20条第1号に規定す
る「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」には該当しな
い。そうすると、請求人が提出した消費税課税事業者選択届出書に係る課税事業
者選択の効力は、本件課税期間の翌課税期間から生じることとなり、本件課税期
間について請求人は、免税事業者となる。
 (3) 請求人の主張について
  イ 請求人は、事業を開始した日について、消費税法、消費税法施行令及び
消費税法基本通達にも明確な規定がなく、租税法律主義の下では課税要件等につ
いて納税者がその内容を容易に理解できるよう、法においては明確に定められて
いなければならず、明確に定められていないものについては、納税者の意思の尊
重及び経済活動の実態に即した一般的な社会通念に基づいて判断すべきである旨
主張する。
    しかしながら、上記(1)のとおり、新たに事業を行うに当たり必要
な準備行為を行った日の属する課税期間は消費税法施行令第20条第1号に規定
する「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」に該当する
と解するのが相当であり、そして、事業を行うために必要な準備行為に該当する
か否かは、納税者の主観に左右されるものではなく、客観的な事実に基づき判断
すべきところ、上記(2)のとおり、平成25年課税期間に事業に必要な準備行
為が開始されていることから、請求人の主張には理由がない。
  ロ 請求人は、平成25年9月30日に本件契約を締結したのは、平成2
6年4月の消費税率改正に伴う経過措置適用のために、前倒しで締結したもので
あり、本件契約の締結は、実態として準備行為と言えるものではなく、また、平
成25年課税期間に行ったJ電力及び経済産業大臣への申請書等の提出について
は、太陽光発電事業が可能かどうかを調査等するためのものであり、事業を開始
した認識はない旨主張する。
    しかしながら、上記(2)のとおり、これらの行為を含む平成25年
課税期間に行った請求人の各行為は、いずれも請求人が太陽光発電事業を行うた
めに必要な準備行為であると認められ、本件契約を契機として上記各行為が行わ
れていることからすれば、本件契約は、単に契約の締結だけを前倒ししたもので
はなく、準備行為としての実態を有すると評価できるものである。また、請求人
は、準備行為としての実態を有する上記各行為を自ら行っているのであるから、
事業を開始した認識がないというのは、請求人の法的評価が誤っているにすぎな
い。
    よって、請求人の主張にはいずれも理由がない。
 (4) 原処分の適法性について
  イ 本件更正処分について
    上記(2)のとおり、本件課税期間は、消費税法施行令第20条第1号
に規定する「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」では
ないから、請求人は、本件課税期間において免税事業者となるので、本件課税期
間における消費税等について申告をすることはできず、よって消費税等の還付を
受けることはできない。
    そして、本件更正処分のその他の部分については、請求人は争わず、
当審判所に提出された証拠資料等によっても、これを不相当とする理由は認めら
れない。
    したがって、請求人の本件課税期間における納付すべき消費税等の額
(還付金の額に相当する税額)を○○○○円とする本件更正処分は、適法である

  ロ 本件賦課決定処分について
    上記イのとおり、本件更正処分は適法であり、また、本件更正処分によ
り新たに納付すべきこととなった税額の計算の基礎となった事実が本件更正処分
前の税額の計算の基礎となっていなかったことについて、国税通則法(平成28
年法律第15号による改正前のもの。)第65条《過少申告加算税》第4項に規
定する正当な理由があるとは認められないから、同条第1項及び第2項並びに地
方税法附則第9条の4《譲渡割の賦課徴収の特例等》及び第9条の9《譲渡割に
係る延滞税等の計算の特例》第1項の規定に基づいて行われた本件賦課決定処分
は適法である。
 (5) 結論
   よって、本審査請求にはいずれも理由がないのでこれを棄却することと
する。

別表 審査請求に至る経緯(省略)

会社法判例百選第3版 87 株式買取請求における公正な価格 (2) 最高裁平成24年2月29日 民集登載判決です。解説は白井同志社大学教授です。組織再編による企業価値が増加する場合における「公正な価格」の判断枠組みを示したものです。企業価価値加するかどうかの判断基準はこの判決からはわかりません。

神田秀樹「会社法 第十八版」弘文堂・2016年・366頁。

会社法判例百選第3版 86 株式買取請求における公正な価格 (1) 最高裁平成23年4月19日 民集登載判例です。 解説は柳慶應義塾大学教授です。実務的にはかなり重要な判例ですが、司法試験にだすには非訟事件だからだしにくいかもしれません。

神田秀樹「会社法 第十八版」弘文堂・2016年・365頁。

 

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