岡本法律事務所のブログ

岡山市北区にある岡本法律事務所のブログです。 1965年創立、現在2代めの岡本哲弁護士が所長をしています。 電話086-225-5881 月~金 0930~1700 電話が話中のときには3分くらいしてかけなおしください。

2018年09月

転籍に伴う労働条件変更 労働法の法律相談

質問

 転籍がある場合、労働条件はさげられるのでしょうか。

回答

 転籍先の労働条件は形式的には転籍先と労働者との労働契約によって決定され、労基法15条に基づく労働条件明示義務は転籍先が負います。通常は転籍元と転籍先が一体となり労働者との間で労働条件を協議していますから、転籍元の明示した労働条件が転籍先での契約内容となると解すべき場合がほとんどです。判例としてはブライト証券・実栄事件、東京コムネット事件などがあります。

岡山市 岡本法律事務所 所長 弁護士 岡本哲

転籍とその効力 労働法の法律相談

質問

 わたしはY会社の従業員でした。赤字経営が続いていたころから子会社に転籍を命じられましたが断りました。すると会社はわたしを解雇しました。こんな解雇は有効でしょうか。

回答

 転籍には労働者の個別同意が必要です。転籍に同意しないからといっての解雇は無効です。

 ただ、実際に解雇無効を争うとなると会社側はほかの解雇事由ももちだしてきますし、でっちあげをすることもありえます。法廷闘争になった場合に味方になるひとがどれくらいいるか、証拠資料がどれくらいあるかも含めて労働事件に詳しい弁護士に相談したほうがいいでしょう。

岡山市 岡本法律事務所 所長 弁護士 岡本哲

就業規則変更による賃金カット

質問

わたしは57歳の労働者です。勤務先がリストラして人件費削減ということになり、従業員の6割を組織する労働組合と協議して55歳以上の職員是認をラインからはずれた選任職となることになりました。選任職の発令を受けたあと仕事内容がかわらないのに3割賃金カットとなってしまいました。人生設計が狂いそうです。こんなことは認められるのでしょうか。

 


回答

経過措置もなく合理性もないので賃金カットは許されません。

就業規則が変更されていても、許されません。

常時10人以上の労働者を使用している使用者は事業場ごとに就業規則を作成しなければならず(労働基準法89条)、就業規則による労働条件変更には手続と内容が適法である必要がありうます

 就業規則変更に際して、その事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があれば組合の意見をきいたうえでの労基署への届出が必要です(労働基準法89条・90条)。就業規則は各事業場の見やすい場所に掲示し、備え付ける等の方法により労働者に周知すべきであり(労働基準法106条)、周知されない場合は就業規則変更の効力は否定されます。

 本件はこの点の問題があります。

 内容については合理的な内容なものである限り労働者を拘束する、というのが判例です。判断基準については、就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度、使用者側の変更の必要性の内容・程度、変更後の就業規則の内容自体の相当性、代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況、労働組合等の交渉経緯、他の労働組合又は他の従業員の対応、同種時効に関する我が国社会における一般的状況を総合考慮することになっています(第四銀行事件など)。労働契約法10条はこのながれでさだめられたものです。

 本件は代償措置もそられていない一方的な減額ですので労働契約法10条の要件を満たさないことになります。
岡山市 岡本法律事務所所長 弁護士 岡本哲

https://www.honzuki.jp/book/269143/review/212455/

3 マナスル登頂 マナスルと登山隊員 10円吉田秋生『海街DIARY』でマナスル登頂のはなしがでてきます。映画にもなりました。2008年連載開始。2018年完結。

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