特許庁の審査官を4000人体制に

弁護士 岡本 (おかもと てつ)

1 弁護士資格と弁理士資格
筆者は弁護士なので弁理士・税理士の資格がついてくるが弁理士・税理士の試験をいまうけても合格しないと自信をもって言える。ただし、実務は単独でやる義務はなく、協力相手をもとめてチームをくんでやるものであるから、こなしていくことはできる。弁護士・弁理士・税理士は別の業界であまりのりいれがなかったのであるが、弁護士の人員過剰のせいかこの業界への進出もあるようである。

知的財産権は新司法試験の選択科目にはいったが全員がとるわけでもない。

ただ、弁護士就職難の一部解決と知的財産権強化戦略にやくだつ方策を考えてみた。

2 特許審査官の現状

特許庁審査官候補の国家試験1種の技術系合格者は平成2243名、平成2336名、平成2434名であり、エリートコースのようであるから、これの大幅増加は困難である。7年以上審査官をすれば弁理士資格をえることができる。

平成15年から5年間、毎年100名の5年任期で1回だけ再任可能である任期付審査官補の制度が導入された。500名いたのが徐々にへることになる。再任すれば7年をクリアーするので弁理士資格をえることができる。

こちらの技術系の採用しかないようであるが、ネット上の体験記などによると研修のなかみは弁理士試験に匹敵する法律試験がきびしいようである。


Sankei Biz
2013224日配信記事激減する日本の特許審査官 米中韓との格差広がる懸念 によると、
「日本、米国、欧州、韓国、中国の主要特許庁は、審査官を増員してきた。しかし日本は、今年末を境に減少に転じ、現在の1700人体制から、毎年減員され、2018年以降は1200人前後となる。審査待ち期間の短縮を目的に、04年度から臨時採用してきた審査官補の任期が順次切れるためだ。中国は現在、推定約6000人の審査官数を16年には1万2000人にするという。新興国であり審査官の経験値を考慮しても、日本の数倍の新規特許生成能力を保有することになる。毎年500人規模で増員中の米国も審査官は7831人と日本の4倍強。」となっている。日本の審査制度が世界でもっともすぐれているのであれば、あとは審査期間の問題である。
司法改革によって6年かかってあたりまえだった民事1審は現在2年かからなくなっている。そこで早期促進のノウハウがる司法修習をおえた人間活用である。3倍の人数で3分の1の期間にできないだろうか。


3 知的財産権立国にむけて弁護士の活用を
 知的財産権事件としても裁判官は技術に素人である。弁理士資格をもっていたり理系の出身者というのは知的財産権高裁関連でもきかない。
 資格だけの比較でいえば、弁護士は弁理士資格を含むので審査官7年めと資格としては同等ということになる。法律職としての任期つき審査官補を年間200名ほど採用するのはいかがであろうか。研修は技術系が中心となるので審査要求分野がかたよってきた場合の対処も可能である。
応募資格が弁護士資格が重すぎるのであれば法務博士資格でもいい。

4 将来像
 賄賂をとらない審査官というだけでも発展途上国からは魅力的なのである。スピーディで確実な審査、その魅力により世界中からの申請が日本に集中する。紛争は日本の法廷でおこなわれやすくなる。弁理士にとっても魅力的な制度ではなかろうか。