会社の名称  やはりこの株式会社はまちがっている 

                                 弁護士 岡本哲

1 制作委員会の変な名称

『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている』は日本のライトノベルを代表する作品で累計800万部を売り、2018年11月に13巻が発売され、マンガ化され、2期にわたってアニメ化されている。

最近のアニメは単独スポンサーではなく複数スポンサーが集まっておこなう制作委員会方式をとることが多い。法的には組合とか匿名組合とかにあたるが、一般的には制作委員会方式と言われている。

アニメの場合はタイトルのあとに制作委員会とつけることが多い。ところが、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている』の制作委員会は、やはりこの制作委員会はまちがっている、という名称であった。タイトルが長すぎるせいもあろうが、委員会名が中に入っている。

2 会社ではどうか

 株式会社ではやりこの株式会社はまちがっている、というのはつくれるのであろうか。通常は前株か後株かということで、前に株式会社をつけるか後ろに株式会社をつけるかである。

 ふざけた名称例である株式会社地球防衛軍や有限会社四面楚歌は実在するが、真ん中に株式会社をつけている例は知らない。

会社法上は、会社はその会社の種類に従って「株式会社」や「合名会社」などの文字を用いなければならず(会社法62項)、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いることができない(会社法63項)。また、会社でない者は会社であると誤認されるおそれのある文字を名称や商号に用いることができない(会社法7条)。前株・後株を限定する規定は直接にはないようである。