須藤正彦裁判長名決定 保釈の要件についての最高裁平成22年決定

刑事訴訟法判例ノート初版162頁

最高裁判所第2小法廷決定/平成22年(し)第288号

平成22年7月2日

 

【判示事項】 保釈の請求に関する準抗告決定(原裁判取消し,保釈許可)に対する検察官からの特別抗告が棄却された事例

 

【参照条文】 刑事訴訟法411

       刑事訴訟法426-1

       刑事訴訟法434

 

【掲載誌】  最高裁判所裁判集刑事301号1頁

       判例タイムズ1331号93頁

       判例時報2091号114頁

       LLI/DB 判例秘書登載

 

【評釈論文】 慶應法学22号201頁

       刑事法ジャーナル28号129頁

 

       主   文

 

  本件抗告を棄却する。

 

        理   由

 

  本件抗告の趣意のうち,判例違反をいう点は,事案を異にする判例を引用するものであって,本件に適切でなく,その余は,単なる法令違反の主張であって,刑訴法433条の抗告理由に当たらない。

  なお,所論にかんがみ職権により調査すると,裁量により保釈を許可した原決定には,本件勾留に係る公訴事実とされた犯罪事実の性質等に照らせば,所論が指摘するような問題点もないとはいえないが,いまだ刑訴法411条を準用すべきものとまでは認められない。

  よって,同法434条,426条1項により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。

   平成22年7月2日

     最高裁判所第二小法廷

         裁判長裁判官     須藤正彦

            裁判官     古田佑紀

            裁判官     竹内行夫

            裁判官     千葉勝美