上告理由制限と裁判を受ける権利 最高裁平成13年

憲法判例百選 第7版 127事件

規約変更認可処分取消等請求事件

最高裁判所第3小法廷判決/平成12年(行ツ)第302号

平成13年2月13日

判決要旨              判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由として最高裁判所に上告をすることを許容しない民訴法312条及び318条の規定は,憲法32条に違反しない。

【参照条文】       民事訴訟法312

             民事訴訟法318

             憲法32

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事201号95頁

             裁判所時報1286号67頁

             判例タイムズ1058号96頁

             判例時報1745号94頁

【評釈論文】       ジュリスト臨時増刊1224号20頁

             判例タイムズ臨時増刊1096号178頁

             法学教室258号別冊付録11頁

             法学研究(慶応大)75巻8号92頁

             法律時報別冊私法判例リマークス24号134頁

 

       主   文

 

 本件上告を棄却する。

 上告費用は上告人の負担とする。

 

       理   由

 

 上告人の上告理由のうち憲法32条違反をいう点について

 論旨は,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由として最高裁判所に上告をすることを許容しない民訴法312条及び318条が憲法32条に違反するというにある。しかしながら,いかなる事由を理由に上告をすることを許容するかは審級制度の問題であって,憲法が81条の規定するところを除いてはこれをすべて立法の適宜に定めるところにゆだねていると解すべきことは,当裁判所の判例とするところである(最高裁昭和22年(れ)第43号同23年3月10日大法廷判決・刑集2巻3号175頁,最高裁昭和24年(ク)第15号同年7月22日大法廷決定・裁判集民事2号467頁,最高裁昭和27年(テ)第6号同29年10月13日大法廷判決・民集8巻10号1846頁)。その趣旨に徴すると,所論の民訴法の規定が憲法32条に違反するものでないことは明らかである。論旨は採用することができない。

 上告人のその余の上告理由について

 その余の論旨は,違憲をいう部分もあるが,その実質は,原判決の単なる法令違反を主張するものにすぎず,適法な上告理由に当たらない。

 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

 (裁判長裁判官 元原利文 裁判官 千種秀夫 裁判官 金谷利廣 裁判官 奥田昌道)