自己の物の時効取得 最高裁昭和47

民法判例百選Ⅰ 第8版 2018年 45事件

家屋明渡再審請求事件

最高裁判所第2小法廷判決/昭和42年(オ)第163号

昭和42年7月21日

【判示事項】      地方裁判所が控訴審としてした判決に対する再審事件の終局判決について高等裁判所にする上訴の種類

【判決要旨】      地方裁判所が控訴審としてした判決に対する再審事件の終局判決に対して高等裁判所による上訴は、上告と解すべきである。

【参照条文】      民事訴訟法423

            民事訴訟法393-1

【掲載誌】       最高裁判所民事判例集21巻6号1663頁

            最高裁判所裁判集民事88号129頁

            判例タイムズ210号153頁

            判例時報489号53頁

【評釈論文】      法学協会雑誌85巻7号166頁

            法学研究(慶応大)41巻11号92頁

            法曹時報19巻10号148頁

            民商法雑誌58巻2号133頁

 

       主   文

 

 原判決を破棄する。

 本件を大阪高等裁判所に差し戻す。

 

       理   由

 

 職権をもつて調査するに、地方裁判所が控訴審としてなした判決に対する再審事件について、同地方裁判所が言い渡す判決は控訴審たる資格でなすものである(民訴法四二三条)から、右再審事件の終局判決に対して高等裁判所になす上訴は上告と解べきである。したがつて、神戸地方裁判所の昭和二九年(レ)第九号家屋明渡等控訴事件の判決に対する本件再審事件につき、同地方裁判所がなした再審の訴を却下する判決に対して大阪高等裁判所になされる不服申立は上告であり、再審原告たる上告人は大阪高等裁判所に対して上告状と明記した書面を提出して不服申立をしたにもかかわらず、原審は誤つてこの上告状を控訴状と解し、控訴審としての訴訟手続をなして控訴判決をしたものであることは、本件記録および原判文上明らかである。原審が控訴審としての訴訟手続をなし、控訴判決をしたことは、民訴法四二三条の解釈適用を誤まつた違法があり、失当であつて、原判決は破棄を免れない。

 よつて、上告論旨について判断するまでもなく、民訴法四〇七条一項に従い、原判決を破棄して本件を原審に差し戻すこととし、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

     最高裁判所第二小法廷

         裁判長裁判官    奥   野   健   一

            裁判官    草   鹿   浅 之 介

            裁判官    城   戸   芳   彦

            裁判官    石   田   和   外

            裁判官    色   川   幸 太 郎