親子関係不存在を認めた福岡家裁行橋支部 令和2年

親子関係不存在確認申立事件

福岡家庭裁判所行橋支部審判/令和2年(家イ)第90号

令和2年10月22日

【掲載誌】       LLI/DB 判例秘書登載

 

       主   文

 

 1 相手方Y1と相手方Y2との間に親子関係が存在しないことを確認する。

 2 手続費用は各自の負担とする。

 

       理   由

 

1 申立ての趣旨

  主文1項に同旨申立人は,申立ての理由として,以下のとおり主張した。

 (1)相手方法定代理人親権者母(以下「相手方母」という。)と相手方Y2(以下「相手方Y2」という。)は,平成21年6月25日に婚姻届出をした夫婦であったが,平成30年6月8日に協議離婚をした。

 (2)相手方母と申立人は,遅くとも平成29年末から平成30年頭頃までには交際を開始し,その頃から性交渉もあった。

 (3)他方,相手方母と相手方Y2は,相手方母が相手方Y1(以下「相手方Y1」という。)を妊娠する以前からほとんど交流がなくなり,肉体関係もなかった。

 (4)よって,平成31年○月○○日に出生した相手方Y1の父親は相手方Y2ではなく,申立人は,相手方Y1と相手方Y2との間に親子関係が存在しないことを確認する旨の合意に相当する審判を求める。

2 当裁判所の判断

 (1)相手方Y1は,相手方母及び相手方Y2の婚姻解消の日から300日以内に出生しているが,一件記録によれば,相手方母と相手方Y2は,平成30年6月に別居しており,少なくともその別居から約1年前からは既に肉体関係がなかったものと認められるから,相手方Y1を懐胎することが考えられる期間には,既に夫婦の実態が失われていたものと認められる。

   したがって,民法772条の推定が及ばないというべきであり,本件の合意に相当する審判をすることができるものと解される。

 (2)そして,本件調停委員会の調停において,当事者間には主文同旨の合意があり,かつ,当事者間に原因事実についての争いがないことも認められるので,必要な事実の調査を行ったところ,株式会社Aに対する鑑定嘱託の結果(DNA鑑定報告書)によれば,相手方Y1に対する相手方Y2の父性確率は0%であるとされており,相手方Y1の父は相手方Y2ではないとの事実を認めることができる。

 (3)よって,本件調停委員会を組織する家事調停委員Bおよび同Cの意見を聴いた上,本件合意を正当と認め,家事事件手続法277条による当事者間の合意に相当する審判をすることとし,主文のとおり審判する。

  令和2年10月22日

    福岡家庭裁判所行橋支部

           裁判官  長尾 崇