法人税法違反で単独部判決 執行猶予の例 東京地裁平成8年

法人税法違反被告事件

東京地方裁判所判決/平成7年(特わ)第2738号

平成8年2月23日

【掲載誌】     税務訴訟資料217号398頁

 

 右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官沖原史康、弁護人葛西宏安各出席の上審理し、次のとおり判決する。

 

       主   文

 

 被告人A株式会社を罰金一二〇〇万円に、被告人Bを懲役一〇月にそれぞれ処する。

 被告人Bに対し、この裁判の確定した日から三年間右刑の執行を猶予する。

 

       理   由

 

(罪となるべき事実)

 被告人A株式会社(以下「被告会社」という)は、東京都台東区(以下略)(平成七年一月一一日以前は東京都千代田区(以下略))に本店を置き、仮設機材の製造、販売及び賃貸等を目的とする資本金一〇〇〇万円(同七年五月二四日以前は資本金五〇〇万円)の株式会社であり、被告人B(以下「被告人」という)は、被告会社の代表取締役として、同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、雑収入を除外するなどの方法により所得を秘匿した上、

第一 平成二年四月一日から同三年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二七七二万四六〇三円(別紙1(1)の修正損益計算書参照)であったにもかかわらず、同年五月二八日、同都千代田区神田錦町三番三号所在の所轄神田税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四〇八万四七六一円で、これに対する法人税額が八六万七三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(平成七年押第一八三四号の1)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額九三六万〇三〇〇円と右申告税額との差額八四九万三〇〇〇円(別紙2のほ脱税額計算書参照)を免れ

第二 同三年四月一日から同四年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が六一三五万五九二八円(別紙1(2)の修正損益計算書参照)であったにもかかわらず、同年五月二八日、前記神田税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が五八三万四七五八円で、これに対する法人税額が一二六万一〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(同押号の2)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額一二八七万五六〇〇円と右申告税額との差額二〇六一万四六〇〇円(別紙2のほ脱税額計算書参照)を免れ

第三 同四年四月一日から同五年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が五六一二万〇三九七円(別紙1(3)の修正損益計算書参照)であったにもかかわらず、同年五月二四日、前記神田税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が六〇五万六三五八円で、これに対する法人税額が一二七万四〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(同押号の3)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額一九八六万三三〇〇円と右申告税額との差額一八五八万九三〇〇円(別紙2のほ脱税額計算書参照)を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全部の事実について

判示第二の事実について

一 大蔵事務官作成の賃貸料収入調査書、

一 検察事務官作成の平成七年一〇月一日付け捜査報告書(但し、雑収入についてのもの)

一 押収してある法人税確定申告書一袋(平成七年押第一八三四号の2)

判示第三の事実について

一 Cの検察官に対する供述調書

一 大蔵事務官作成の貸倒引当金繰入限度超過額認容調査書

一 検察事務官作成の平成七年一〇月一日付け捜査報告書(但し、事業税認定損についてのもの)

一 押収してある法人税確定申告書一袋(平成七年押第一八三四号の3)

(法令の適用)

一 罰条

 1 被告会社

   判示各事実につき、いずれも法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項(情状による)

 2 被告人

   判示各所為につき、いずれも法人税法一五九条一項

二 刑種の選択

  被告人につき、いずれも懲役刑

三 併合罪の処理

 1 被告会社

   刑法(刑法は、平成七年法律第九一号による改正前のもの。以下、同様。)四五条前段、四八条二項

 2 被告人

   刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第二の罪の刑に法定の加重)

四 刑の執行猶予

  被告人につき、刑法二五条一項

 よって、主文のとおり判決する。

(求刑 被告会社・罰金一五〇〇万円、被告人・懲役一〇月)

  平成八年二月二三日

    東京地方裁判所刑事第八部

           裁判官  平木正洋