岡本法律事務所のブログ

カテゴリ:憲法 > 国際私法

日本人夫の法律相談

韓国人女性の再婚禁止期間はあるのか 2018年2月にかいたものです。

 


質問

 わたしは日本人男性です。韓国人女性と結婚したいと思います。彼女は日本人男性と結婚していますが、離婚予定です。すぐにでも結婚したいのですが、再婚禁止期間とかあるのでしょうか。

 


回答

日本からみて外国要素のある法律関係ですので国際私法により適用される法律(準拠法)を特定する必要があります。

 婚姻の成立について法適用通則法24条は各当事者の本国法主義をとっていますので、両当事者が韓国人と日本人の本件では日本法と韓国法によります。

日本民法733条は6カ月の再婚禁止期間をさだめています。平成27年12月16日最高裁判決で100日以上は違憲とされました。

 韓国民法では2005年の改正によりただちに再婚できるようになりました。

 再婚禁止期間については女性にだけかかるの(妻に関する一方的要件説)、子の父親がだれかに関する規程なのだから男性だけにかかる(夫に関する一方的要件説)か、男性女性双方にかかる(双方的要件説)のか、議論のあるところですが、家族秩序重視という観点から双方的要件説が通説です。

 そこで離婚後100日をすぎていないと結婚できないことになります。

 


日本人妻の法律相談 再婚禁止期間

 わたしは日本人女性です。在日韓国人男性と再婚したいと思います。もうすぐ離婚予定です。すぐにでも再婚したいのですが、再婚禁止期間とかあるのでしょうか。

 


回答

日本からみて外国要素のある法律関係ですので国際私法により適用される法律(準拠法)を特定する必要があります。

 婚姻の成立について法適用通則法24条は各当事者の本国法主義をとっていますので、両当事者が韓国人と日本人の本件では日本法と韓国法によります。

日本民法733条は6カ月の再婚禁止期間をさだめています。平成27年12月16日最高裁判決で100日以上は違憲とされました。

 韓国民法では2005年の改正によりただちに再婚できるようになりました。

 再婚禁止期間については女性にだけかかるの(妻に関する一方的要件説)、子の父親がだれかに関する規程なのだから男性だけにかかる(夫に関する一方的要件説)か、男性女性双方にかかる(双方的要件説)のか、議論のあるところですが、家族秩序重視という観点から双方的要件説が通説です。

 そこで離婚後100日をすぎていないと結婚できないことになります。

 


在日韓国人の法律相談

韓国に住む1世の扶養について在日3世の義弟と協議したい  日本人妻以外は関係者は韓国人

2016年に書いたものです。

質問

わたしは在日韓国人3世と結婚した日本人女性です。在日韓国人である夫とともに日本の倉敷市に住んでいます。

夫の父方の祖父は在日1世の韓国人ですが、大姑がなくなったあとは、現在は韓国にもどって生活しています。

義理の祖父は身体に故障をきたしており、老後の蓄えもなくなってきているようです。夫の父は一人息子でしたが義父義母とももうなくなっています。

夫には弟が倉敷市にいますが、韓国語は夫も義弟も話すことができません。

しかたなく私と夫が交替で義理の祖父の面倒をみるために韓国へいっています。交通費や生活費の援助がばかになりません。義弟にすこしはだしてもらうことはできないのでしょうか。

わたしや夫が言っても裕福なくせに話に応じてくれません。


回答

倉敷の家庭裁判所で調停等の協議が可能と思われます。

韓国という外国要素がありますので、どこの国の法律を適用すべきか、国際私法により準拠法を決める必要があります。日本の場合、国際私法という法令はなく法適用通則法が国際私法の主要な部分をしめますが、扶養に関しては「扶養義務の準拠法に関する法律」(略称、扶養義務法)によることになります。親族関係から生じる扶養義務一切について扶養義務法によります。契約による場合は法適用通則法によります。扶養義務の存否、扶養義務者の順位、扶養権利者の範囲、扶養義務の方法、扶養請求権の行使期間などが、決まることになります。扶養義務法は段階的連結主義をとっており、扶養権利者の常居所地法、その準拠法によって権利者が扶養されない場合は当事者の共通本国法、共通本国法がなかったり共通本国法でも権利者が扶養されない場合は日本法によることになります(扶養義務法2条)。

 扶養義務の前提問題である親族関係の存否については法適用通則法に定める準拠法によることになります。本件では義理の祖父・夫・義弟については実の親子が2つつながっている関係ですので、法適用通則法により親子に共通本国法がある場合には本国法、共通本国法なき場合は子の常居所地法によります。相談者と夫の間については法適用通則法24条により相談者の本国法の日本法によることになります。

扶養義務については共通本国法があるため義理の祖父・夫・義弟、相談者ついては扶養権利者の本国法の韓国法によることになります。

 韓国民法974条は直系血族及びその配偶者間、生計を同一にする親族間に互いに扶養義務を認めています。

日本民法が直系血族間および兄弟姉妹間にしか扶養義務を認めていない(日本民法877条1項)に比べて扶養義務を認められる範囲が広くなっています。

 本件では相談者・夫・義弟が扶養義務者となります。

扶養義務は扶養権利者が自己の資力又は勤労により生活を維持できない場合に限り履行責任が認められます(韓国民法975条)。扶養の順位については現在の韓国民法では長男優先というようなことはなく、扶養義務者が数人いるときは、当事者が扶養順位を協議して合意できれば、合意内容に従い、合意できなければ裁判所に決めてもらいます(韓国民法976条)。扶養の程度・方法については当事者が協議して合意できれば合意内容に従い、協議がまとまらなければ裁判所が扶養権利者の生活程度と扶養義務者の資力その他初版の事情を斟酌して定めます(韓国民法977条)。この場合は相談者・夫・義弟が扶養義務者として協議をし、まとまらなければ裁判所で決めてもらうことになります。

 韓国の裁判所か日本の裁判所か、いずれに管轄が認められるべきか、ですが扶養義務者が全員日本に居住していますから日本でも国際裁判管轄が認められると思われます;。日本のなかでは全員倉敷市に居住しているので倉敷市の家庭裁判所に管轄が認められることになります。


義理の祖父に対する扶養義務がある、というのが日本に住んでいるひとにとっては抵抗があるかもしれませんが、扶養権利者が韓国法が本国法である場合はこのようになります。


 


 


 




代理出産と出生届

 

                  岡本 哲

 

 

タレントの高田伸彦は、最近ではNHK教育テレビの「野菜の時間」にでていたりする。いまでは中年おとうさんの役がおおい。プロレスファンにはもう20年以上前になるがUWFのエースだった時代とか、高田総統時代とかを思い出す。法律的には生殖補助医療、代理出産で産まれたこどもの出生届問題の当事者として有名である。

 

 1983年に最初の体外受精子が生まれて以来、2014年では21人に1人が体外受精によって生まれている。

体外で受精できるから、精子・卵子・胚と懐胎を自由に組み合わせることが可能になった。たとえば、提供精子体外受精・提供卵子体外受精。提供胚移植、代理母、代理出産ができるようになった。これについては、家族法についても対応がせまられている。体外受精が可能になるまでは、実母は分娩した母以外ありえなかった。日本民法は分娩したものを母とする建前になっている。(明文があるわけではない、というか条文上は認知によって親がきまるというどうも文言からはそうではないのでは、という疑問もあるのだが、最高裁判例もある伝統的解釈である。)

 高田伸彦の妻はガンで子宮摘出されている。夫の精子と妻の卵子を体外受精した胚をアメリカのネバダ州でアメリカ人女性に移植して双子をもうけた。妻もタレントであったため当初からマスコミ報道がなされていた。日本では夫妻の嫡出子としての出生届が受け付けられなかった。

代理出産の場合子育ては分娩そした女性がおこなうことは、通常ないので、分娩者が母というルールとは齟齬をきたしている。日米で裁判がなされた。日本の裁判が高裁係属中にアメリカのネバダ州の地方裁判所判決では依頼者夫婦、つまり高田夫婦を父母と認める判決が確定した。日本では、外国判決の承認を定める民事訴訟法118条の適用あるいは類推適用が問題とされた。東京高裁平成18年9月29日決定 判例時報1957号20頁では、民事訴訟法118条の適用ないし類推適用によりネバタ州地裁判決は効力を有するとして国に対して出生届の受理を命じた。

国が上告し、最高裁は逆転して国が勝訴した(最高裁平成19年3月23日決定 民集61巻き)2号619頁)。最高裁の理屈は日本民法は出産という事実により当然に母子関係が成立するものとしている、子を懐胎し出産した女性とその子に係る卵子を提供した女性とが異なる場合においても現行民法の解釈としては出生した子を懐胎し出産した女性をその子の母と解さざるを得ず、その子を懐胎・出産していない女性との間には、その女性が卵子を提供した場合であっても、母子関係の成立を認めることはできない、ネバダ

州判決はわが国民法の根本のところに反するものであり、民事訴訟法118条の公序に反するものとして承認できない。というものであった。

 最高裁判決では意見がついており、特別養子で親子関係を設定する可能性をのべており、実際、その後特別養子縁組が成立したようである。

 

2 各国の法制および立法の可能性

 代理出産に関しては圧力団体が存在しないためか、日本では立法が滞っている。;

キリスト教的には「神」の意思がどうであるかの問題にかかわるためか、イギリス・フランス・ドイツ・アメリカでは立法的手当てがなされている。

 

イギリス

 1990年にヒトの受精および胚研究に関する法律を定め、生殖補助医療によって生まれた子の親子関係について定め、2008年には全面改正された。

 1990年法では母は懐胎した女性と定められていたが、2008年改正法では代理懐胎を以来した夫婦はどちらかの配偶子が用いられている場合は親決定手続;によって生まれた子の父母となることができる。

 

フランス

 1994年に生命倫理3法を制定した。代理懐胎契約は無効とされ、外国で代理懐胎によって子をもうけて連れ帰った場合も親子関係を認めず、養子関係も認めなかった。2014年にこのような対応は欧州人権条約違反とされている。遺伝上の親との親子関係は認められることとなろう。

 

ドイツ

 1990年に胚保護法が規定され、代理懐胎は認められていない。外国で代理懐胎した場合の親子関係についてはフランスのところで述べた欧州人権条約違反判決の影響で親子関係を認めるにいたっている。

 

アメリカ

 州ごとにばらばらであるが、モデル法である統一親子関係法では代理懐胎の要件を定めている。

 

日本

 日本でも依頼者を親とする規定があれば出生届は受け付けられることになる。ただ、戸籍実務は大量処理をおこなうものであり、明確な形式的解釈で運用されるものであるから最高裁の平成19年決定自体はやむをえないものと考えられる。

 

 

参考文献 石井美智子「生殖補助医療によって生まれた子の親子法のあり方法律論89巻5・6合併号 2017年3月

 

 

 

在日韓国人の法律相談

韓国に住む義父の扶養について義弟と協議したい  日本人妻以外は韓国人

 


質問

わたしは在日韓国人と結婚した日本人女性です。在日韓国人である夫とともに日本の倉敷市に住んでいます。

夫の父は在日1世の韓国人ですが、義母がなくなったあとは、現在は韓国にもどって生活しています。

義父は身体に故障をきたしており、老後の蓄えもなくなってきているようです。

夫には弟が倉敷市にいますが、韓国語は夫も義弟も話すことができません。

しかたなく私と夫が交替で義父の面倒をみるために韓国へいっています。交通費や生活費の援助がばかになりません。義弟にすこしはだしてもらうことはできないのでしょうか。

わたしや夫が言っても裕福なくせに話に応じてくれません。

 


回答

倉敷の家庭裁判所で調停等の協議が可能と思われます。

韓国という外国要素がありますので、どこの国の法律を適用すべきか、国際私法により準拠法を決める必要があります。日本の場合、国際私法という法令はなく法適用通則法が国際私法の主要な部分をしめますが、扶養に関しては「扶養義務の準拠法に関する法律」(略称、扶養義務法)によることになります。親族関係から生じる扶養義務一切について扶養義務法によります。契約による場合は法適用通則法によります。扶養義務の存否、扶養義務者の順位、扶養権利者の範囲、扶養義務の方法、扶養請求権の行使期間などが、決まることになります。扶養義務法は段階的連結主義をとっており、扶養権利者の常居所地法、その準拠法によって権利者が扶養されない場合は当事者の共通本国法、共通本国法がなかったり共通本国法でも権利者が扶養されない場合は日本法によることになります(扶養義務法2条)。

 扶養義務の前提問題である親族関係の存否については法適用通則法に定める準拠法によることになります。本件では義父・夫・義弟については実親子関係ですので、法適用通則法により親子に共通本国法がある場合には本国法、共通本国法なき場合は子の常居所地法によります。相談者と夫の間については法適用通則法24条により相談者については日本法によることになります。

扶養義務については共通本国法があるため義父・夫・義弟については韓国法、義父と相談者については扶養権利者の本国法としての韓国法によることになります。

 韓国民法974条は直系血族及びその配偶者間、生計を同一にする親族間に互いに扶養義務を認めています。

日本民法が直系血族間および兄弟姉妹間にしか扶養義務を認めていない(日本民法877条1項)に比べて扶養義務を認められる範囲が広くなっています。

 本件では相談者・夫・義弟が扶養義務者となります。

扶養義務は扶養権利者が自己の資力又は勤労により生活を維持できない場合に限り履行責任が認められます(韓国民法975条)。扶養の順位については現在の韓国民法では長男優先というようなことはなく、扶養義務者が数人いるときは、当事者が扶養順位を協議して合意できれば、合意内容に従い、合意できなければ裁判所に決めてもらいます(韓国民法976条)。扶養の程度・方法については当事者が協議して合意できれば合意内容に従い、協議がまとまらなければ裁判所が扶養権利者の生活程度と扶養義務者の資力その他初版の事情を斟酌して定めます(韓国民法977条)。この場合は相談者・夫・義弟が扶養義務者として協議をし、まとまらなければ裁判所で決めてもらうことになります。

 韓国の裁判所か日本の裁判所か、いずれに管轄が認められるべきか、ですが扶養義務者が全員日本に居住していますから日本でも国際裁判管轄が認められると思われます;。日本のなかでは全員倉敷市に居住しているので倉敷市の家庭裁判所に管轄が認められることになります。

 


嫁の舅に対する扶養義務がある、というのが日本に住んでいるひとにとっては抵抗があるかもしれませんが、扶養権利者が韓国法が本国法である場合はこのようになります。

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