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カテゴリ: 民事訴訟法

第2077話 民事訴訟法〔第36問〕解答 - 十代で弁護士になる!(@madi) - カクヨム (kakuyomu.jp)

松本清長『眼の壁』と手形パクリへの対抗手段 - オカモト弁護士の法的考察(@madi) - カクヨム

外国判決の承認要件 最高裁平成31年1月18日

伊藤眞「民事訴訟法7版」有斐閣・2020年・はしがき・254頁・552頁 松岡博編『国際関係私法入門』第4版317頁 国際私法判例百選第3版 97事件

執行判決請求事件

最高裁判所第2小法廷判決/平成29年(受)第2177号

平成31年1月18日

【判示事項】    訴訟当事者に判決の内容が了知されず又は了知する機会も実質的に与えられなかったことにより不服申立ての機会が与えられないまま確定した外国裁判所の判決に係る訴訟手続と民訴法118条3号にいう公の秩序

【判決要旨】    外国裁判所の判決に係る訴訟手続において、当該判決の内容を了知させることが可能であったにもかかわらず、実際には訴訟当事者にこれが了知されずまたは了知する機会も実質的に与えられなかったことにより、不服申立ての機会が与えられないまま確定した当該判決に係る訴訟手続は、民事訴訟法118条3号にいう公の秩序に反する。

【参照条文】    民事訴訟法118

          民事執行法22

          民事執行法24

【掲載誌】     最高裁判所民事判例集73巻1号1頁

          裁判所時報1716号1頁

          判例タイムズ1459号36頁

          金融・商事判例1625号14頁

          判例時報2409号31頁

          金融法務事情2120号70頁

          LLI/DB 判例秘書登載

【評釈論文】    判例秘書ジャーナルHJ100060

          銀行法務21 849号67頁

          金融・商事判例1587号8頁

          ジュリスト1538号135頁

          ジュリスト1541号85頁

          ジュリスト1544号126頁

          ジュリスト1544号292頁

          判例時報2436号141頁

          法学教室464号121頁

          民商法雑誌156巻1号227頁

          JCAジャーナル66巻4号10頁

          法学セミナー64巻12号118頁

          金沢法学62巻2号1頁

          法曹時報72巻11号2243頁

 

       主   文

 

 原判決を破棄する。

 本件を大阪高等裁判所に差し戻す。

 

       理   由

 

 上告代理人金子憲康の上告受理申立て理由第2について

 1 本件は,上告人らが,被上告人に対して損害賠償を命じた米国カリフォルニア州の裁判所の判決について,民事執行法24条に基づいて提起した執行判決を求める訴えである。

 2 原審の確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。

 (1) カリフォルニア州の民事訴訟制度の下においては,判決は裁判所において登録され,原則として当事者の一方が他方に対し判決登録通知を送達することとされ,判決に対する控訴期間は遅くとも判決登録の日から180日を経過することにより満了するものとされている。

 (2) 上告人らは,平成25年(2013年)3月,米国カリフォルニア州オレンジ郡上位裁判所(以下「本件外国裁判所」という。)に対し,被上告人外数名を被告として損害賠償を求める訴えを提起した。

 (3) 被上告人は,弁護士を代理人に選任して応訴したが,訴訟手続の途中で同弁護士が本件外国裁判所の許可を得て辞任した。被上告人がその後の期日に出頭しなかったため,上告人らの申立てにより,手続の進行を怠ったことを理由とする欠席(デフォルト)の登録がされた。

 (4) 本件外国裁判所は,上告人らの申立てにより,平成27年(2015年)3月,被上告人に対し,約27万5500米国ドルの支払を命ずる,カリフォルニア州民事訴訟法上の欠席判決(デフォルト・ジャッジメント。以下「本件外国判決」という。)を言い渡し,本件外国判決は,同月,本件外国裁判所において登録された。

 (5) 上告人らの代理人弁護士は,平成27年(2015年)3月,被上告人に対し,本件外国判決に関し,判決書の写しを添付した判決登録通知を,誤った住所を宛先として普通郵便で発送した。上記通知が被上告人に届いたとはいえない。

 (6) 被上告人は,本件外国判決の登録の日から180日の控訴期間内に控訴せず,その他の不服申立ても所定期間内にしなかったことから,本件外国判決は確定した。

 3 原審は,要旨次のとおり判断し,上告人らの請求を棄却すべきものとした。

 敗訴当事者に対する判決の送達は,裁判所の判断に対して不服を申し立てる権利を手続的に保障するものとして,我が国の裁判制度を規律する法規範の内容となっており,民訴法118条3号にいう公の秩序の内容を成している。本件外国判決は被上告人に対する判決の送達がされないまま確定したから,その訴訟手続は同号にいう公の秩序に反する。

 4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。

 (1) 外国裁判所の判決(以下「外国判決」という。)が民訴法118条により我が国においてその効力を認められるためには、判決の内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないことが要件とされているところ,外国判決に係る訴訟手続が我が国の採用していない制度に基づくものを含むからといって,その一事をもって直ちに上記要件を満たさないということはできないが,それが我が国の法秩序の基本原則ないし基本理念と相いれないものと認められる場合には,その外国判決に係る訴訟手続は,同条3号にいう公の秩序に反するというべきである(最高裁平成5年(オ)第1762号同9年7月11日第二小法廷判決・民集51巻6号2573頁参照)。

 (2) 我が国の民訴法においては,判決書は当事者に送達しなければならないこととされ(255条),判決に対する不服申立ては判決書の送達を受けた日から所定の不変期間内に提起しなければならず,判決は上記期間の満了前には確定しないこととされている(116条,285条,313条)。そして,送達は,裁判所の職権によって,送達すべき書類を受送達者に交付するか,少なくとも所定の同居者等に交付し又は送達すべき場所に差し置くことが原則とされ、当事者の住所,居所その他送達をすべき場所が知れないなど上記の送達方法によることのできない事情のある場合に限り,公示送達等が例外的に許容されている(98条,101条,106条,107条,110条)。他方,外国判決が同法118条により我が国においてその効力を認められる要件としては,「訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達」を受けたことが掲げられている(同条2号)のに対し,判決の送達についてはそのような明示的な規定が置かれていない。

 さらに,以上のような判決書の送達に関する手続規範は国ないし法域ごとに異なることが明らかであることを考え合わせると,外国判決に係る訴訟手続において、判決書の送達がされていないことの一事をもって直ちに民訴法118条3号にいう公の秩序に反するものと解することはできない。

 もっとも,我が国の民訴法は,上記の原則的な送達方法によることのできない事情のある場合を除き,訴訟当事者に判決の内容を了知させ又は了知する機会を実質的に与えることにより,当該判決に対する不服申立ての機会を与えることを訴訟法秩序の根幹を成す重要な手続として保障しているものと解される。

 したがって,外国判決に係る訴訟手続において,当該外国判決の内容を了知させることが可能であったにもかかわらず,実際には訴訟当事者にこれが了知されず又は了知する機会も実質的に与えられなかったことにより,不服申立ての機会が与えられないまま当該外国判決が確定した場合,その訴訟手続は,我が国の法秩序の基本原則ないし基本理念と相いれないものとして,民訴法118条3号にいう公の秩序に反するということができる。

 5 以上と異なる見解の下,本件外国判決の内容を被上告人に了知させることが可能であったことがうかがわれる事情の下で,被上告人がその内容を了知し又は了知する機会が実質的に与えられることにより不服申立ての機会を与えられていたか否かについて検討することなく,その訴訟手続が民訴法118条3号にいう公の秩序に反するとした原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな違法がある。論旨はこの趣旨をいうものとして理由があり,原判決は破棄を免れない。

 そして,上記4に説示したところにより更に審理を尽くさせるため,本件を原審に差し戻すこととする。

 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 鬼丸かおる 裁判官 山本庸幸 裁判官 菅野博之 裁判官 三浦 守)

ヒザは痛いし、●●するし、決別宣言されるし…】 問わず語りの神田伯山 12月12日

独立当事者参加訴訟における2当事者間の和解 仙台高裁昭和55年

民亊訴訟法判例百選 第5版 107 第6版 102

鉱泉地所有権確認等請求参加控訴事件

仙台高等裁判所判決/昭和52年(ネ)第165号

昭和55年5月30日

【判示事項】       独立当事者参加がなされた事件につき既存訴訟の原被告間に和解を成立させ参加人の原被告に対する参加請求についてのみ判断した原判決を違法とした事例

【参照条文】       民事訴訟法71

             民事訴訟法62

【掲載誌】        下級裁判所民事裁判例集33巻9~12号1546頁

             判例タイムズ419号112頁

 

       主   文

 

 原判決を取消す。

 本件を盛岡地方裁判所に差戻す。

 

       事   実

 

 控訴代理人は「原判決を取消す。盛岡市繋字湯ノ舘九七番三鉱泉地三・三〇平方メートル(本件土地)につき控訴人が所有権を有することを確認する。被控訴人佐藤敏は右土地につき盛岡地方法務局昭和四一年三月一四日受付第五八二三号による所有権移転請求権仮登記の移転付記登記の抹消登記手続をせよ。被控訴人青山甚吾は右土地につき同法務局昭和四一年三月二日受付第四九五二号による所有権移転登記手続の抹消登記手続をせよ。被控訴人菊池一郎は右土地につき同法務局昭和四一年二月一七日受付第三六三九号による所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。訴訟費用は被控訴人らの負担とする。」との判決を求めた。

 被控訴人佐藤敏の訴訟代理人は「本件控訴を棄却する。訴訟費用は控訴人の負担とする。」との判決を求めた。被控訴人菊池一郎は控訴棄却の判決を求めた。

 当事者双方の主張および証拠の関係は、次のとおり訂正付加するほかは原判決事実摘示のとおりであるから、ここにこれを引用する。

(控訴人の陳述)

一 原判決二枚目表一〇行の「右訴外人より」の次に「代金五〇〇〇円で]と挿入し、同三枚目表三行の「昭和四〇年一二月七日付売買予約」とあるのを「昭和四〇年一二月七日、同日付売買予約」と、同五行の「昭和四一年一月五日付売買予約」とあるのを「昭和四一年一月五日、同年一月四日付売買予約」とそれぞれ訂正する。

二 原審において成立した被控訴人(原告)佐藤敏、同(被告)青山甚吾、同(被告)菊池一郎、利害関係人間の訴訟上の和解につき、控訴人はその内容に対してはもとより、これによつて被控訴人佐藤敏と同青山甚吾、同菊池一郎間の訴訟が終了することにも同意していない。

(被控訴人佐藤敏の陳述)

一 本件土地の所有権が訴外坪谷勝登まで移転した経過は次のとおりである。

 1 本件土地を含む原野三〇〇坪は訴外藤本理八の所有であつた(この点を従前不知としていたが、改めてこれを認める)。

 2 右藤本理八は、昭和三九年七月二五日訴外金敬芳にこれを代金一五〇万円で売渡し、昭和四〇年六月八日本件土地についてのみ所有権移転登記を経由した。

 3 右金は昭和四〇年一二月七日訴外坪谷勝登に本件土地を代金五〇〇万円で売渡し、同日売買予約を原因とする所有権移転仮登記を経由して、その頃内金一〇〇万円を受領したが、両者は同年一二月二一日右契約を合意により解除し、同月二四日右仮登記の抹消登記手続をした。

 4 その後昭和四一年一月四日金と坪谷は再度右と同じ内容の売買契約をして、前回授受済の一〇〇万円を今回の内金として充当した上で残余の四〇〇万円を当時授受し、同月五日に本件土地につき所有権移転請求権仮登記を経由した。

二 先に主張したとおり、被控訴人佐藤敏は昭和四一年三月五日坪谷から本件土地を代金三五〇万円で買い受けたものである。

(証拠)(省略)

 

       理   由

 

一 本件記録によれば、原審における訴訟の経過は次のとおりである。

1 原告佐藤敏(被控訴人)、被告青山甚吾(被控訴人)、被告菊池一郎(被控訴人)間の盛岡地方裁判所昭和四一年(ワ)第一二〇号土地所有権移転登記抹消登記手続等請求事件において、原告佐藤敏は「被告らは、原告が本件土地につき盛岡地方法務局昭和四一年三月一四日受付第五八二三号で移転付記登記を受けた同年一月五日受付第一八号所有権移転請求権仮登記の本登記手続をすることを承諾せよ。被告青山は原告に対し本件土地につき同法務局昭和四一年三月二日受付第四九五二号をもつてした所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。被告青山は右土地に立入り、土地を掘さくし又は第三者をして掘さくさせてはならず、右地内に設けた掘さく設備を撤去しなければならない。被告菊池は原告に対し右土地につき同法務局昭和四一年二月一七日受付第三六三九号をもつてなした所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。」との判決を求め、その請求原因として「本件土地は訴外金敬芳の所有であつたところ、昭和四一年一月四日訴外坪谷勝登との間の売買予約に基づき、同年一月五日右坪谷のため所有権移転仮登記が経由され、原告は坪谷の右売買予約上の地位を譲り受け、同年三月一四日右仮登記移転の付記登記を経由し、右売買予約の完結により、坪谷から仮登記に基づく本登記手続の承諾を得たが、本件土地には被告らのため請求の趣旨第二項第四項掲記の各登記がなされているので、不動産登記法第一〇五条第一項、第一四六条に基づき被告らに対し前記仮登記につき本登記手続をすることの承諾と右各登記の抹消登記手続を求め、被告青山に対しては請求の趣旨第三項のとおり所有権妨害排除、予防を求める。」と主張した。

 2 右訴訟事件の被告青山甚吾(被控訴人)は同事件の原告佐藤敏(被控訴人)に対し同裁判所昭和四二年(ワ)第一八号反訴事件を提起し、「被告(反訴原告)青山が本件土地を含む盛岡市繋字湯ノ舘九七番の一原野一反歩につき岩手県観第一四四号登録による温泉専用権を有することを確認する。原告(反訴被告)佐藤は被告(反訴原告)の右温泉専用権の行使を妨害してはならない。」との判決を求め、その請求原因として「被告(反訴原告)は本訴において本件土地の所有権帰属を争つているが、仮に本件土地所有権取得の対抗要件において欠くるところがあるとしても、訴外もりおか新聞社は該土地所有者訴外藤本理八から本件土地使用承諾を得て、岩手県知事に対し温泉法第三条の規定に基づき温泉をゆう出させる目的で土地を掘さくすることの許可を申請し、昭和三九年七月三日岩手県指令三七商第五七四号による岩手県知事の許可を得、同年一一月一六日掘さくに着手し、昭和四一年五月一九日までの間に深度二七四メートルにおいて温度摂氏四六度、ゆう出量毎分一二〇〇リツトルの温泉のゆう出をみたので、掘さく工事終了の届出をし、同年五月二一日岩手県観第一四四号温泉登録をしたところ、被告(反訴原告)青山は訴外上田武夫と共同して昭和四一年五月二六日もりおか新聞社より右温泉専用権の譲渡を受け、温泉利用に関する設備を施し、爾来右温泉を自家用ならびに公衆浴場用として利用してきているものであり、温泉利用権は土地所有権とは別個の物権的な用役権である。」と主張した。

 3 株式会社もりおか新聞社(控訴人)は右本訴ならびに反訴係属中の昭和四二年五月二四日、右事件の原告(反訴被告)佐藤敏、被告(反訴原告)青山甚吾、被告菊池一郎を相手方として当事者参加の申立をした(盛岡地方裁判所昭和四二年(ワ)第一一七号事件)。参加請求の趣旨および参加請求の原因は原判決事実摘示の当該部分記載のとおりである。(右参加申立書は同年五月三〇日原告および被告ら各訴訟代理人に送達され、同年七月三日の原審第一〇回口頭弁論期日に陳述されている。)

4 しかるところ、右各事件の昭和五一年一月二六日の口頭弁論(和解)期日において、原告(反訴被告)佐藤敏、被告(反訴原告)青山甚吾、被告菊池一郎、利害関係人株式会社丸信(以下「丸信」という)、同岩手三菱自動車販売株式会社(以下「岩手三菱」という)間に左のとおりの訴訟上の和解が成立し、右本訴ならびに反訴事件は訴訟終了となつた。(右の期日は参加代理人にも告知されているが、参加人および代理人とも欠席している。)

 (一)本件土地が原告の所有であることを確認する。

 (二)被告らおよび利害関係人らは原告に対し、右土地につき盛岡地方法務局昭和四一年三月一四日受付第五八二三号で移転付記登記を経た同年一月五日受付第一八号所有権移転請求権仮登記の本登記手続をすることを承諾する。

 (三)右土地につき

  (1)被告菊池は同法務局昭和四一年二月一七日受付第三六三九号をもつてした所有権移転登記の

  (2)被告青山は同法務局同年三月二日受付第四九五二号および昭和四七年二月七日受付第三七四七号をもつてそれぞれした所有権移転登記の

  (3)利害関係人岩手三菱は同法務局昭和四六年三月五日受付第六三六〇号をもつてした所有権移転登記の

  (4)利害関係人丸信は同法務局昭和四八年一一月一九日受付第四一七二二号をもつてした所有権移転登記の

  各抹消登記手続をする。

 (四)右土地から湧出する温泉は原告の権利に属することを確認し、被告青山は昭和五一年二月一五日までに原告に対し温泉権の登録換手続をする。

 (五)(以下省略)

二 前記訴訟の目的は、本訴においては原告佐藤の被告青山、同菊池に対する本件土地所有権移転登記抹消登記手続請求権の存否および被告青山に対する原告佐藤の本件土地所有権に基づく妨害排除請求権の存否であるが、その前提たる権利関係とレて原告の本件土地に対する所有権の存否が争いとなつていることが明らかである。原告佐藤は右前提たる権利関係の存否につき中間確認の訴を提起しなかつたが、前記訴訟上の和解において本件土地の所有権が原告佐藤に属することが確認されたのであるから、右中間確認の訴が提起された場合と同等である。

 右の前提たる権利関係の如何によつて本訴の勝敗の帰すうが決せられるのであるから、本件土地の所有権の帰属も前記訴訟の目的たるものといわなければならない。しかして参加人(控訴人)は、本件土地の所有権が参加人に属することの確認を求めて前記訴訟に当事者参加したのであるから、右の権利関係は原告、被告、参加人の間において合一にのみ確定されなければならないことが明らかである(民事訴訟法第七一条、第六二条)。

 すなわち当事者参加がなされたのちは、既存訴訟の二当事者間で訴訟の目的を処分する訴訟行為(請求の認諾、放棄もしくは訴訟上の和解)をしても、当事者参加人に対して効力を生じないものである。もとより、当該請求の放棄、認諾もしくは訴訟上の和解の内容が、必ずしも当事者参加人にとつて不利益とはいえない場合もありえようが、請求の放棄、認諾もしくは訴訟上の和解が調書に記載されれば、その限度で当該訴訟は終了するとともに、その記載は確定判決と同一の効力を有することになり、三当事者間の紛争を矛盾なく解決すべき当事者参加訴訟の構造を無に帰せしめるからである。ただ、当事者参加の申立があつたのちでも、本訴被告および当事者参加人の同意あるときは本訴の取下をすることは許されるものというべく、この場合には参加訴訟は参加人と本訴原告および参加人と本訴被告間の通常共同訴訟として残存することになる。

  参加人(控訴人)は前記既存訴訟の二当事者間での訴訟上の和解成立に同意していないのであるから、右訴訟上の和解は訴訟の目的に関する部分について効力を生ぜず、これについて訴訟終了の効力も生じえないものといわなければならない。したがつて原審が参加人の既存訴訟の原告および被告に対する参加請求についてのみ判決したことは、判決の手続が法律に違背したことになる。

三 よつて本件の本訴、反訴および当事者参加事件につき権利関係の合一確定をなさしめるため、原判決を取消して本件を盛岡地方裁判所に差戻すこととし、民事訴訟法第三八七条、第三八九条を適用して主文のとおり判決する。

 (裁判官 田中恒朗 武田平次郎 小林啓二)

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