岡本法律事務所のブログ

カテゴリ:憲法 > 特別刑法

https://www.honzuki.jp/book/279561/review/230575/


租税犯罪の厳罰化の理論的支柱になった論文集ですが手続的保障について軽視されていないか疑問に思っています。

可視化について指摘がないとおもわれるところがいろいろとあります。

460頁註9など持ち去っても現場置き去りと水掛け論になった場合などちゃんと考慮してほしい。


近隣住民の業務妨害罪だろうし、音声発生装置は犯罪供用物件として没収対象だろう。警察の取り締まりがあますぎたのではないか。 軽犯罪法だと逮捕は慎重でなければならないが慎重にすぎる。


■窓開け大音量でハードロック、53歳逮捕 静穏妨害容疑
(朝日新聞デジタル - 06月10日 21:43)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5657528

日本における性的自由に対する罪に関する刑法・特別法・条例 弁護士 岡本哲

             

 

  刑法典における性犯罪としては、明治40年(1907年)の現行刑法制定以来、基本的に強制わいせつ罪と強姦罪の2類型が処罰対象とされていました。いずれも暴行・脅迫を手段として、相手の意思に反してわいせつ行為を強制し、または女子を姦淫する行為でありました。

 ただし、刑法典は、相手方が
13歳未満であるときは、その手段を問わず、かつ、同意があっても両罪が成立するとしています。
 数学の集合論普及以前の立法なので、原則・例外がややこしい構造になっています。

 その後、平成
16年(2004年)の刑法改正により、強姦罪および強姦致死傷罪の法定刑が引き上げられ、集団強姦罪が新設されました。ここでも、性犯罪処罰の基本的な構造は維持されてきました。もっとも、このような性犯罪の罰則は、現在の性犯罪の実態に必ずしも十分に対応していないのではないかという問題意識から、平成26年(2014年)に法務省に「性犯罪の罰則に関する検討会」が設置されるなど、改正に向けた検討が進められてきました。これを受けて、平成29年(2017年)に刑法等が改正され、性犯罪の罰則の内容が大きく変更されました。

 重要な改正点は、

  1. 姦罪の構成要因の見直しおよび法定刑の引上げ、

  2. 強姦罪等の性犯罪の非親告罪化、

  3. 監護者わいせつ罪および監護者性交等罪の新設、

  4. 強盗強姦罪の構成要件の見直し


    の4点です。

 なお、刑法典以外においては、児童福祉法34条1項6号により「児童に淫行させる行為」が処罰されています(同法60条1項、10年以下の懲役または300万円以下の罰金)。淫行とは、本来性交を意味するものであったと思われますが、判例は性交類似行為にまで拡張しています(最大判昭和601023刑集396413頁参照)。
 「淫行をさせる行為」であるから、少なくとも淫行(たとえば売春)の相手方となる行為は除かれると解すべきとうのがというのが学説上有力です(西田等)。刑法総論の対抗犯の理論などから導かれます。
 もっとも、判例は、中学生男子に少女売春のあっせんを依頼して、少女と性交した青年男子を自動福祉法
34条1項6号の罪の教唆犯とし(名古屋高判昭和5464刑月116515項)、
教師が教え子の女子生徒にバイブレータを使用して自慰行為をするに至らせ場

場合に同罪の成立を認めています(最決平成10112刑集528505頁)。

 

また、地方自治体のいわゆる青少年保護育成条例においては、児童に対し淫行をする行為、児童との性交自体を処罰の対象とするものが多く存在します。条例によれば、刑法、児童福祉法といった法律レベルで不可罪の行為が処罰されることになり、法律主義に反するのではないかという疑問が存在しています。昭和のころから憲法で議論されていました。判例は、趣旨・目的を異にするから合憲であるとしている(大阪高判昭和4859刑月5巻5号899頁、最大判昭和601023刑集396413頁)。

覚せい剤輸入で懲役22年

覚せい剤取締法違反では無期懲役が上限です。日本は、違法薬物輸入犯罪に死刑があり中国やタイやイスラム圏とは異なります。

故意の認定も参考になりますが、ここでは省略しています。判例秘書でみてください。

求刑が懲役25年で量刑が22年です。

 

覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件

【事件番号】 千葉地方裁判所判決/平成27年(わ)第2440号

【判決日付】 平成30年3月15日

【判示事項】 被告人が,氏名不詳者らと共謀の上,営利目的で,覚せい剤を溶解させた液体入り酒瓶を隠し入れたコンテナを貨物船から陸揚げさせて覚せい剤を本邦に輸入し,関税法上の輸入してはならない覚せい剤を輸入しようとしたがその目的を遂げなかった覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件。裁判所は,本件犯行には密輸組織が関与していることは明らかであるとし,被告人は日本国内での回収等の段取りという役割を認識しているもので,覚せい剤が隠匿されていることを認識していたものと認められるとした上で,覚せい剤の量は多量で,犯行態様も計画的かつ巧妙であるとし,被告人は重要な役割を果たしたといえるとして,懲役22年,罰金1000万円とした事例

【掲載誌】  LLI/DB 判例秘書登載

       主   文

  被告人を懲役22年及び罰金1000万円に処する。

  未決勾留日数中700日をその懲役刑に算入する。

  その罰金を完納することができないときは,金2万円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

  千葉地方検察庁で保管中の覚せい剤8瓶及び1020袋(平成27年千葉検領第3845号符号1-1,2-1,3-1,3-2,5-1,5-2,7-1,7-2,13-1,13-2,13-3,15-1,15-2,17-1,17-2,19-1,19-2,21-1,21-2)並びに覚せい剤を含有する液体918本(同号符号2-2,3-3,5-3,7-3,13-4,15-3,17-3,19-3,21-3)を没収する。

 

        理   由

 (罪となるべき事実)

  被告人は,氏名不詳者らと共謀の上,営利の目的で,みだりに,平成27年8月16日(現地時間),メキシコ合衆国マンサニヨ港において,覚せい剤合計約171キログラムを溶解させた液体入り酒瓶1026本(主文掲記の覚せい剤及び覚せい剤を含有する液体は,その鑑定残量)を隠し入れたコンテナを,貨物船に積載させ,同月31日,東京都品川区(以下略)大井コンテナふ頭第7号バース岸壁に接岸した同船から,情を知らない作業員に前記コンテナを陸揚げさせ,もって覚せい剤を本邦に輸入するとともに,同年9月10日,情を知らない作業員に横浜市鶴見区(以下略)株式会社A総合保税地域内物流棟109号の倉庫に前記コンテナを搬入させた上,同年10月6日,情を知らない通関業者に前記覚せい剤が隠匿されている事実を秘して横浜税関大黒埠頭出張所長宛てに輸入申告させ,もって関税法上の輸入してはならない貨物である前記覚せい剤を輸入しようとしたが,同出張所職員に発見されたため,その目的を遂げなかったものである。

(略)

 第5 結論

  以上によれば,被告人は,本件貨物の中に覚せい剤を含む違法薬物が隠匿されていることを認識していたものと認められる。

  そして,以上の事実関係を踏まえれば,被告人が密輸組織関係者等の氏名不詳者らと共謀したことや,密輸組織に利益を得させることはもとより,自らも報酬等により利益を得ることを目的としていたことも優に認められる。

  よって,判示のとおり認定した。

 (法令の適用)

  罰条        覚せい剤の営利目的輸入の点

             刑法60条,覚せい剤取締法41条2項,1項輸入してはならない貨物の輸入未遂の点

             刑法60条,関税法109条3項,1項,69条の11第1項1号

  科刑上一罪の処理  刑法54条1項前段,10条(1罪として重い覚せい剤取締法違反の罪の刑で処断〔ただし,罰金刑の多額は関税法違反の罪のそれによる。〕)

  刑種の選択     情状により無期懲役刑及び罰金刑を選択

  酌量減軽      無期懲役刑につき刑法66条,71条,68条2号,14条1項

  未決勾留日数の算入 刑法21条(懲役刑に算入)

  労役場留置     刑法18条(金2万円を1日に換算)

  没収        覚せい剤取締法41条の8第1項本文,関税法118条1項本文(千葉地方検察庁で保管中の覚せい剤8瓶及び1020袋〔平成27年千葉検領第3845号符号1-1,2-1,3-1,3-2,5-1,5-2,7-1,7-2,13-1,13-2,13-3,15-1,15-2,17-1,17-2,19-1,19-2,21-1,21-2〕並びに覚せい剤を含有する液体918本〔同号符号2-2,3-3,5-3,7-3,13-4,15-3,17-3,19-3,21-3〕は,いずれも判示覚せい剤取締法違反の罪に係る覚せい剤で犯人の所有するものであり,かつ,判示関税法違反の罪に係る貨物である。)

  訴訟費用の不負担  刑訴法181条1項ただし書

 (量刑の理由)

  本件は,組織的に行われた覚せい剤密輸の事案であるところ,持ち込まれた覚せい剤の量は約171キログラム(末端での使用量は約570万回分に,末端価格は約43億円に,それぞれ相当する。)と極めて多量である。その犯行態様も,覚せい剤を液体に溶かしてテキーラの瓶に詰めた上,正規のテキーラの輸入を装って本邦に輸入するという計画的かつ巧妙なものであり,我が国に多大な害悪が拡散する危険性が高かったものと認められる。被告人が密輸組織においてどのような立場にあったかは必ずしも明らかではなく,中心人物であったとまでは認められないものの,被告人は,少なくともテキーラの発注や一連の輸入手続等を自ら行った上,日本に入国してその受渡しを行わせようとするなど,本件犯行を成功させるために主体的に犯行に関与しており,本件において欠くことのできない重要な役割を果たしたといえる。これらの犯情を考慮すれば,本件は,10キログラム以上の覚せい剤の密輸1件という事案の中でも,特に重い部類に属する。そこで,被告人が,不合理な弁解に終始し,自己の罪に向き合えていないこと,他方で,被告人に前科が存しないことや本国に家族がいることなどの一般情状も考慮し,被告人を主文の懲役刑に処した上で,この種事犯が経済的に見合わないものであることを知らしめるべく,主文の罰金刑を併科することとした。

 (求刑:懲役25年及び罰金1000万円,主文同旨の没収)

   平成30年3月23日

     千葉地方裁判所刑事第2部

         裁判長裁判官  松本圭史

            裁判官  林 寛子

            裁判官  西 愛礼

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