suisen「僕たちは、水仙グループです!」
4人の少年少女が教室の教壇の前で声を揃えて唱える。

たぶん小学校二年生の時。
学期初めの席替えで周りの顔ぶれが変わった。
そして机の並びの4人が一組となって班(グループ)を形成することとなる。
これからの活動を共にし団結力、収束力を高めると言ったものだろう。
構成は、男子2人、女子2人。
僕が組み込まれたグループは、以前語った女王様率いるグループの始まりだった。

先生の提案で「好きな花の名前をグループ名にしましょう」となった。
好きな花?
花は女子のイメージが強いので僕としては乗り気はなく何の花でもよかった。
第一、花の名前なぞよく知らない。
しかし、グループ名は即決した。
僕等は水仙の花を選び、それをグループ名とする。
なぜ水仙なのか。
女王様が好きな花だからだ。
それ以外に理由はない。
で、「僕たちは、水仙グループです!」となった。

この頃の机は独立しておらず、2人が1つの長机を使っていた。
もちろん木製である。
引き出しはなく机の上板を持ち上げると収納スペースが現れると言うもの。
付属のイスもスチール製ではなくもちろん木製。
座板は1枚板ではなく数枚の板を並べ打ち付けたもの。
それはさておき、その机の前方に一目でグルー名が分かるように、グループ名の花の絵を描き貼付けるよう指示があった。
4人が花の絵を描き、その中で上手い絵を2枚選んでそれぞれの机に貼付けるのだ。
僕等は一斉に水仙の絵を描き出した。
「水仙ってどんな花だ?」と花の図鑑を観ながら試行錯誤。
「そもそも花なんか女子供が描くもんだ」と思いながらも描いていった。
みんなの花の絵が出来上がる。
当然、女子達の絵が選ばれると思いきや。
見比べて見ると僕の絵がダントツに上手い。
その次がセイちゃんの絵と言ったところ。
お花好きな女子達の絵は?
まあなんとヘタクソ。
女王様でも苦手なものがあったのか。
僕のどや顔に女王様はすぐに自分の絵を仕舞ってしまった。
しかし、指示はする。
「じゃあ、コーちゃんとセイちゃんの絵を張って」
不本意ではあるが威厳は保つと言った風。
結局、前列の机に僕の絵、後列の机にセイちゃんの絵。
僕等水仙グループはこうして生まれた。

あとどんな花名のブループがあったのか思い出せない。
僕にとっては水仙の花が上手く描け、女王様への優越感だけが記憶されている。

その後の学期のグループ編成で動物シリーズと言うのがあった。
誰とグループを組んだのか覚えてないが、僕の提案で虎をグループ名にした。
そしてトラではなくタイガーと英語名にしカッコ良さをアピールする。
女子からしたらウサギとかリスとかカワイイ系が良かったのだろうが、僕のごり押し。
「僕たちは、タイガーグループです!」
決まった。カッコいい。

因みにこの時、ノッ君達のグループはサイを選んだ。
ノッ君はリーダーシップをとり自信満々でこう言った。
「僕たちは、サイグループです!」
誰かが聞き間違える。
「え?クサイ(臭い)グループ?」
クラス中が大爆笑の渦。
「クサイグループだって〜」
「臭い、臭い」
ノッ君は顔を真っ赤にして叫ぶ
「サイグループって言ってんだろう!」
涙目になっていた。