2009年11月28日

外国人が何故そんなものを知っている?

「たこ焼き村を知っているか?」
かつて、僕の友人でもあり、仮の大家でもあったシュテファンの言った言葉だ。ベルリンではアパートの又貸しが当たり前のように氾濫している。僕も例に漏れず、新聞に記載された賃貸物件の欄から、このシュテファンに連絡を取った口だ。
シュテファンは自称「日本通」だった。扉を開けて会うなり、初対面にも関わらず、彼はいきなり恐竜の真似事をしてみせ、「ガッズィーラを知っているか?」と僕に訊ねてきた。ガッズィーラ……これは、ゴジラのことだった。
アパートの家賃交渉もそこそこに、彼はしつこいほどに日本のことばかりを訊ねてきた。が、その多くはほぼ関東のみに絞られた内容のもので、北陸出身の僕には、そんなことはいまいち解りかねる、といったことが多かった。「たこ焼き村」、これは……そんな、日本通というよりは関東通とでもいったシュテファンの、唯一の関西系ワードであり、そして意味不明の言葉だった。
彼はたこ焼き村のことを、まるで女性でも扱うかのように、芸術的な単語で修飾して表現した。絵としても描いて見せた。
彼がその手に持つスケッチブックには、一人の女性が描かれていた。屋台村か市場のような風景画を予想していた為、思いもよらぬその人物画に、僕は、『これは何か、抽象的な意味合いを含んでいるのか?』と考えさせられた。そして、そんな感性を持つ彼に興味が湧き、僕は大いに、彼の才能を讃えた。
……しかしまあ、実際に彼の伝えたかったことは、そんな大袈裟なもんじゃあなかった。

「たこ焼き村」とは……一体何だったのか? その答えは……また明日。



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2009年11月27日

猫はどのようにして日々の退屈な時間を過ごしているのだろうか

朝一番でクルマのメンテナンスを行った。バッテリーの調子が悪かった為、カー用品店にて安物を適当に購入してから、自宅にて交換した。交換は意外に面倒なもので、予想以上に時間が掛かった。
バッテリー交換後は様子見がてらに図書館までクルマを走らせた。問題は見られなかった。
で、今年は松本清張生誕100年ということもあり、何となくだが、過去の清張作品から数冊を選んで借りることにした。因みに、太宰治も生誕100年だが、太宰の本は大体が自宅にあった為、借りなかった。後は、ついでだが、忘れつつあるドイツ語をもう一度おさらいしようかと思い、ドイツ語の教則本を借りた。そういえば、読まず嫌いだった「大沢在昌」の本を先週借りたのだが、読後の感想としては、素直に「面白い!」と思える作品だった。
そして帰宅後、つまり現在は、猫と戯れながら読書をしつつ、きりのよい辺りで一旦休憩。このブログをいつも通りの調子でいいかげんに書いている次第である……。というか、膝の上でとぐろを巻く猫が、重い。足が痺れてきた。



okadajiro at 15:51|PermalinkComments(0)TrackBack(1)この記事をクリップ!日記 

2009年11月26日

Opening gambit

旧ユーゴ出身のジェイコブに連絡。ベルリンに行く日取りが正確には決まっていない為、アパートの話については避けたものの、思い出話には思いのほか花が咲き、国際電話ということも忘れて長話をした。来月に請求される額を考えると、少し後悔もした。
その後、ニューヨークでは一緒になって莫迦を繰り返した、ブラジルに住むホセ、彼に電話を掛ける。彼は「ヨーロッパならやはり、パリが一番だ」と言ってきたが、このセリフは、以前ドイツから電話を掛けたときにも聞いたような気がする。あのときはたしか……ニューヨークで知り合った「フランツ」と名乗るドイツ人、全身にタトゥーを施しスキンヘッドという、まあいかにもネオナチなのだろうといういでたちの男、奴の連絡先を訊ねたときのことだったかと思う。あのときも、そしてこのときも、結局は本題そっちのけで思い出話に花を咲かすという……遺憾ながらにしてやはりというか……電話料金だけがどんどんと嵩んだ。
個人的に、遠足というものは、準備をしている前夜のほうが楽しい、と思うことのほうが多い。期待に胸を膨らませているあいだは、常に幸福感に包まれている。が、これがいざ本番となると……何故か余計な思いばかりが頭を過り、心の底から楽しむことが出来なくなってしまう。……それでも、帰りのバスの中では、意外に満足しながら心地の良い虚脱感を纏い、シートに体をあずけてしまう。……損な性分だ。
でも、それでいい。目的さえ達成できれば。



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