〜風車とゲームと音楽と〜
二日目:熊本阿蘇


この日は朝から驚きの連続だった。

前日、無事に熊本市内の宿泊先に到着した我々は、遅めの夕食を近所の居酒屋で済ませ、早々に就寝することとなった。ちなみにコストを抑えるため、部屋は三人相部屋である。

朝目覚めると、慌しく身支度を済ませる。
なにしろ、初めての土地の風車を巡るとなると、ネットが発達している現代であっても、どの程度時間がかかるかの想像がつかない。予想以上に攻略が難しい場合にも備えて、出来る限り多くの時間を風車探訪に使いたいのだ。

今回、阿蘇の風車がどの辺りにあるかは、大よその把握はしてはいるものの、風車はかなり広範囲に渡って点在しているらしいので、どのルートから攻めていくのかも攻略のポイントになる。

そんな話を三人で相談していた、その時。
僕は、部屋に飾られていた一枚の絵に気が付いた。

それはなんと、あの葉祥明氏の絵であったのである。

前述した通り、今回同行しているS氏との出会いには葉祥明氏の本があった。
そして、その絵を見ながらS氏が呟いた言葉にさらに驚く。

「確か、葉祥明さんって九州の出身だった気がするなぁ…」

…こんな偶然ってあるものなのだろうか?
しかし、もっと驚くのはこれからだった。

S氏のその言葉に驚いたロッキー氏が、「葉祥明」という名前をスマホで検索したところ、なんと葉祥明氏は、阿蘇の出身であると言うのだ。しかも、その阿蘇には「葉祥明阿蘇高原絵本美術館」というものまで存在するという。そしてどうやら、その場所は、これから我々が向かう予定になっている風車群からそんなに離れてはいないらしい…。

もしや、我々が向かうべき場所はここなのではないだろうか?
まるで、この旅そのものが「葉祥明」と「風車」という二つのキーワードに引き寄せられているかのような錯覚に陥る。色々な常識や理屈を超えた所で、そんな予感が脳裏を過ぎっていった。


斯くして我々一行が、この日に向かうべき場所は決まったのである。

_IGP1061

市内から車を走らせること1時間弱。
阿蘇高原の中腹にその美術館は建っていた。

_IGP1068

_IGP1072

まず、美術館の入り口をくぐってすぐにあるポストカードのコーナーに衝撃を受ける。
当時、僕が持っていたポストカードと、S氏と初めて出会った際に頂いた「The Healing Cat」の表紙に使われていた絵のポストカードが隣り合わせで並んでいる…。

_IGP1074

葉祥明氏の美しい絵画の展示コーナー(内部は撮影禁止)を抜けると、情緒溢れる美しい中庭が広がっていた。

_IGP1075

_IGP1094

_IGP1082

まるで葉祥明氏の絵画の世界がそのまま拡がっている。

そして…

_IGP1093

_IGP1070

やはり、ここから風車は見えた。

風車を知らない10代の自分は、あの時点で、将来、この場所に来る事が決まっていたのかもしれない。
さらに言えば、その当時、僕が作っていたゲーム「エイルネディア」で描こうとしていた風景こそ、この場所の景色では無かったのか?既視感と共に、そんな気すらしてくる不思議な光景であった。

「早く、あの風車の元に辿り着かなくてはならない。」

そんなはやる気持ちを胸に、葉祥明阿蘇高原絵本美術館を後にした。

1

先ほど、美術館から眺めた風車群は、俵山展望所という所にあるようだった。
風車目指し、雄大なススキの高原を登り続ける。

2

3

車を走らせること、小一時間ほど。
俵山展望所に到達。
発電施設としては、「久木野風力発電所」という名称らしい。

4

5

この場所には僕の最も好きな風車の一つであるEnercon社のE-40が3基佇んでいた。

_IGP1135

展望所というだけあって、眼下には壮大な阿蘇の風景が広がる。
なんという素晴らしいロケーションなのだろう。

6

この展望所から熊本市内方面に向かう方向には、「阿蘇にしはらウィンドファーム」の風車群が。

8

ここにはもはや、自然美と風車との究極のコラボレーションとも言うべき風景が拡がっている。
ずっと見たかったのは、この風景なのかもしれない。

9

10

阿蘇にしはらウィンドファームには、Vestas製・定格出力1750kwの発電機が10基立ち並ぶ。

11

13

この発電所の全貌を眺められる扇坂展望所には、なぜか赤いソファが設置してある。
誰かが置き去って行ったのか、はたまた意図的に常設されているのか…真偽のほどは知れない。

_IGP1181

いつか見てみたかった、そして懐かしい風景。
僕にとって、この場所にあるのは、そんな過去との邂逅だった…。

今回の旅は、S氏との出会いから、不思議な出来事によって導かれた旅であった。
なぜか、僕は風車を旅すると、こういう数奇な出来事を経験することになる場合がある。

もっとも、度々、こんな事が起こるので、風車を追い求める事が止められなくなっているというのも、事実ではあるのだが…。

最後に、この旅の印象的な風景を、僕が作曲した音楽と共に短い動画にまとめてみた。
少しでもこの風車を巡る旅の空気感を味わってもらえれば幸いである。



風車の旅をすること。
それは僕にとって、人生の旅なのである。



追記:
ちなみに、阿蘇にはさらに「阿蘇車帰風力発電所」に三菱製の風車が3基、うぶやま牧場風力発電所にNEG-MICON社製の風車が1基建っている。当然、これらの風力発電所にも立ち寄ったが、阿蘇車帰風力発電所は立ち入り禁止で風車の近くまで寄ることが出来ず、翌日訪れたうぶやま牧場風力発電所では濃霧に阻まれてしまい、あまり良い写真を撮る事が出来なかったので、今回は割愛させて頂いたことを記しておく。


Add Comments

名前
URL
 
  絵文字
 
 
■ギャラリー
  • 【緊急告知】久々のOkajimahalライブ決定!!
  • 風車コラム番外編〜風車ウォーカー始めました〜
  • 風車コラム番外編〜風車ウォーカー始めました〜
  • 風車コラム番外編〜風車ウォーカー始めました〜
  • 風車コラム番外編〜風車ウォーカー始めました〜
  • 風車コラム番外編〜風車ウォーカー始めました〜
  • 風車コラム11基目:風車を旅するということ。佐賀〜熊本風車探訪編vol.2
  • 風車コラム11基目:風車を旅するということ。佐賀〜熊本風車探訪編vol.2
  • 風車コラム11基目:風車を旅するということ。佐賀〜熊本風車探訪編vol.2
■Profile
■Twitter
  • ライブドアブログ