2006年03月03日
うみゅう。
この頃、気分の浮かない日が続いているような気がする。とうとう三月に入ったのねぃ。
本屋さんに行くことだけが、心の支えです(笑)。
そういや、わたしの家の近所の本屋さんの前でミニギャラリーをしている。ノネ・フジサワさんという方の絵。
印象的で幻想的な画風に、一目ぼれしてしまいましたよ。
何だか、絵本の世界。
いいなぁ、ほしいなぁと思っても、手の出せる値段じゃありません(泣)。画集とか出しはらへんねやろか……。うみゅう。
何か、ご本人が来日していらっしゃるとか。どんな方なのか、興味があるぞぅ。会えたらいいなぁ。
本屋さんに行くことだけが、心の支えです(笑)。
そういや、わたしの家の近所の本屋さんの前でミニギャラリーをしている。ノネ・フジサワさんという方の絵。
印象的で幻想的な画風に、一目ぼれしてしまいましたよ。
何だか、絵本の世界。
いいなぁ、ほしいなぁと思っても、手の出せる値段じゃありません(泣)。画集とか出しはらへんねやろか……。うみゅう。
何か、ご本人が来日していらっしゃるとか。どんな方なのか、興味があるぞぅ。会えたらいいなぁ。
2006年02月15日
誰もいない公園で
かたかたかたかたかたかた
夜に音は鳴り響く。
人気のない公園。
ぽつりぽつりと電灯がついている他は、真っ暗。ふと茂みに目をやれば、見知らぬ世界への扉か何かが存在しているんじゃないかと思わせる闇。
音は、電灯の上から聞こえてきた。
どのようにして登ったのか、電灯の平行になった部分に腰をかけて少女がタイプライターを打っている。
タイプライターは大きく、古い。少女はそれを危なげなく打っていく。かたかたと小気味よい音が絶え間なく続いている。
少女が書いているのは、世界についての物語だ。
その物語は、とてつもなく長い。何しろ、この世界についての物語である。今やっと、400字詰め原稿用紙換算で20億枚を突破したところだ。
それでもまだ、全体の1パーセントに満たない。
そして物語は常に増殖し、その長さを増していっている。
永遠に書き終わらない物語。
かたかたかたかたかたかた
誰もいない公園で、音が絶え間なく降り注いでいた。
夜に音は鳴り響く。
人気のない公園。
ぽつりぽつりと電灯がついている他は、真っ暗。ふと茂みに目をやれば、見知らぬ世界への扉か何かが存在しているんじゃないかと思わせる闇。
音は、電灯の上から聞こえてきた。
どのようにして登ったのか、電灯の平行になった部分に腰をかけて少女がタイプライターを打っている。
タイプライターは大きく、古い。少女はそれを危なげなく打っていく。かたかたと小気味よい音が絶え間なく続いている。
少女が書いているのは、世界についての物語だ。
その物語は、とてつもなく長い。何しろ、この世界についての物語である。今やっと、400字詰め原稿用紙換算で20億枚を突破したところだ。
それでもまだ、全体の1パーセントに満たない。
そして物語は常に増殖し、その長さを増していっている。
永遠に書き終わらない物語。
かたかたかたかたかたかた
誰もいない公園で、音が絶え間なく降り注いでいた。
2006年02月08日
近況報告〜彼らは今 その一
あんまり、ネットに時間がとれなかったのですが、ひそかにるりは大人になっていたようです。
しかし、温泉に行ったら彼女は(女の子ということにしといたってください)、「こんばんはこんばんは」と宣っておりました。時間帯を、軽く無視しているトコがわたしそっくり(笑)。
もうすぐひとりだちの季節なんでしょうか。
その時が、待ち遠しくもあり、怖くもあり、淋しくもあり。
しかし、温泉に行ったら彼女は(女の子ということにしといたってください)、「こんばんはこんばんは」と宣っておりました。時間帯を、軽く無視しているトコがわたしそっくり(笑)。
もうすぐひとりだちの季節なんでしょうか。
その時が、待ち遠しくもあり、怖くもあり、淋しくもあり。
2006年01月31日
おしゃべりなノート
物語のあるモノに、惹かれてしまう。
例えば物語風になった料理本。辞書。そして、ノート。
コクヨから発売されたノート、『mousu mousu』には物語がたくさんつまっている。
このノートを知ったのは、テレビからだった。24人の架空の人物が電話越しにしゃべる会話。それが、罫線のかわりに書かれている。
興味を持ったわたしはインターネットで売っているところを調べ、早速購入した。
びっしりと罫線のかわりに小さな文字が並ぶ。読んでいくと、目が痛くなってくる。でも、面白い。
時にくすっと笑い、時にはっと考えさせられる。これは、一種の小説といっていいのではないだろうか。
* * *
わたしにとって、ノートは創作の原点だ。
初めて物語を書いたのは、ピーターラビットの本に付いていた、小さなメモ本だった。それから大学ノートに書くようになり、中学生になるとそれがルーズリーフになった。
今でこそ、パソコンやネット上で書くことが多くなったが、手書きするのは大切なのだと卒業制作の時に思った。大変だったけれど。
わたしはこのノートに、物語を書いている。
これは、購入しようと決めた時から考えていた。このノートのおしゃべりに、僭越ながらわたしも参加させてもらおうと。
わたしは字が大きいので、印刷された文字にかぶらないようにするのに注意しもって書いている。
いろんな方の電話の会話を聞きながらつくったという村山さんの物語には遠く及ばないほど、拙い作品だが何とか書いていきたいと思う。
例えば物語風になった料理本。辞書。そして、ノート。
コクヨから発売されたノート、『mousu mousu』には物語がたくさんつまっている。
このノートを知ったのは、テレビからだった。24人の架空の人物が電話越しにしゃべる会話。それが、罫線のかわりに書かれている。
興味を持ったわたしはインターネットで売っているところを調べ、早速購入した。
びっしりと罫線のかわりに小さな文字が並ぶ。読んでいくと、目が痛くなってくる。でも、面白い。
時にくすっと笑い、時にはっと考えさせられる。これは、一種の小説といっていいのではないだろうか。
* * *
わたしにとって、ノートは創作の原点だ。
初めて物語を書いたのは、ピーターラビットの本に付いていた、小さなメモ本だった。それから大学ノートに書くようになり、中学生になるとそれがルーズリーフになった。
今でこそ、パソコンやネット上で書くことが多くなったが、手書きするのは大切なのだと卒業制作の時に思った。大変だったけれど。
わたしはこのノートに、物語を書いている。
これは、購入しようと決めた時から考えていた。このノートのおしゃべりに、僭越ながらわたしも参加させてもらおうと。
わたしは字が大きいので、印刷された文字にかぶらないようにするのに注意しもって書いている。
いろんな方の電話の会話を聞きながらつくったという村山さんの物語には遠く及ばないほど、拙い作品だが何とか書いていきたいと思う。
2006年01月24日
今後のこと
こんばんは、おかかです。
今、連日のようにライブドア関連のニュースをやっていますね。一体、どうなることでしょうか。
ブログをはじめたのは、ここからでした。なので、堀江社長を含む経営陣の逮捕はすごくショックです。それと同時に、心配になったのはポータルサイトの存続についてです。
このまま何とか引き継がれていったらいいと思うのですが……。
万が一のことを考え、このブログの子分をつくりました。様子を見て、もうここでは無理だなぁと判断した場合、移ることになるかと思います。
そうなった場合には、あらかじめここで公表させて頂こうと思いますので、よろしくお願いします。もちろん、大丈夫な場合はここで頑張らせて頂こうと思っています。
ニュースを見ていると、この世の儚さみたいなのを感じさせます。わたしたちは、先の見えない暗闇の中を手探りで歩き続けている。だから、明日(みらい)のことは何も分からない。
そういう風に思う、今日この頃です。
今、連日のようにライブドア関連のニュースをやっていますね。一体、どうなることでしょうか。
ブログをはじめたのは、ここからでした。なので、堀江社長を含む経営陣の逮捕はすごくショックです。それと同時に、心配になったのはポータルサイトの存続についてです。
このまま何とか引き継がれていったらいいと思うのですが……。
万が一のことを考え、このブログの子分をつくりました。様子を見て、もうここでは無理だなぁと判断した場合、移ることになるかと思います。
そうなった場合には、あらかじめここで公表させて頂こうと思いますので、よろしくお願いします。もちろん、大丈夫な場合はここで頑張らせて頂こうと思っています。
ニュースを見ていると、この世の儚さみたいなのを感じさせます。わたしたちは、先の見えない暗闇の中を手探りで歩き続けている。だから、明日(みらい)のことは何も分からない。
そういう風に思う、今日この頃です。
2006年01月17日
モノガタリの魂
この頃、iPodで小説を読むことにハマっている。
iPodにはメモという機能があって、そこにテキストファイルを入れると読めるのだ。入れるファイルの多さが決まっているので面倒だけど、そういうのをやっているのは楽しい。
今は、青空文庫や自分の作品をiPodにいれて持っているが、ゆくゆくはいろんなネット小説をいれていきたいなぁと思っている。
いつも、文庫本を持っているがそれより読みやすいような気がする。
表示されるスペースが少ないからだろうか。それとも、ネットをしているから横綴りになれてしまった?
*** *** ***
iPodは音楽の為の機械だけど、そういう電子ブックとしての使い方もいいなぁと思う。だって、いっつもコンピューターの前にかじりついてるわけにはいかないから。
それだったら、ひとつのマシンにいくつものモノガタリを詰め込んでいきたい。iPodがいくつもの音楽をいっぱい詰め込んでいけるように。
本や電子ブックという形式が身体としたら、その中身に書かれているのは魂みたいなものなのだろうか。
身体が変わることによって、いろいろ思いもしなかった形態の小説も出てくるとおもう。その身体じゃなかったら語れなかったモノガタリ。それぞれの身体に長所がある。
iPodにはメモという機能があって、そこにテキストファイルを入れると読めるのだ。入れるファイルの多さが決まっているので面倒だけど、そういうのをやっているのは楽しい。
今は、青空文庫や自分の作品をiPodにいれて持っているが、ゆくゆくはいろんなネット小説をいれていきたいなぁと思っている。
いつも、文庫本を持っているがそれより読みやすいような気がする。
表示されるスペースが少ないからだろうか。それとも、ネットをしているから横綴りになれてしまった?
*** *** ***
iPodは音楽の為の機械だけど、そういう電子ブックとしての使い方もいいなぁと思う。だって、いっつもコンピューターの前にかじりついてるわけにはいかないから。
それだったら、ひとつのマシンにいくつものモノガタリを詰め込んでいきたい。iPodがいくつもの音楽をいっぱい詰め込んでいけるように。
本や電子ブックという形式が身体としたら、その中身に書かれているのは魂みたいなものなのだろうか。
身体が変わることによって、いろいろ思いもしなかった形態の小説も出てくるとおもう。その身体じゃなかったら語れなかったモノガタリ。それぞれの身体に長所がある。
2006年01月09日
パーティー前奏曲 〈前編〉
「エナちゃん、こっちこっち」シマコは、飾りを持って立っているエナに声をかけました。エナはちょこちょこと子犬のように走り寄り、脚立に乗ったシマコに飾りを手渡します。
今日は、12月23日。カフェ・ムーンのクリスマスパーティーです。
二人は、昼下がりからパーティーの準備に大忙し。ミツキさんはキッチンでパーティーのメインディッシュの下ごしらえにかかりっきりです。
「ん? 君たち、何やっているの?」
「え……ひゃっ!」
シマコは振り向こうとしてバランスを崩しました。重力に引っ張られる、あの嫌な感覚が体を包みます。
(落ちる!)
思った瞬間にシマコは、誰かの腕に支えられていました。
「……大丈夫? ごめん、急に声をかけたりして」
申し訳なさそうに言ったその相手は、シマコの想い人のイツキ先生でした。
近くにあるイツキ先生の顔。
シマコは慌てて、ばっとイツキ先生から離れました。かぁっと頬が熱くなっていきます。
「すっ、すみません! ごめんなさいっ!」ぺこぺこおじぎをしながら、シマコは叫ぶように謝ります。恥ずかしくってイツキ先生の顔をまともに見れません。
「こちらこそ、急に声をかけてすまなかった」
ふわりと笑ってイツキ先生は、店内に入っていきました。
*** *** ***
「……シマコさん、チャンスだったのに。何で言わないんですか? 今日のこと」エナは飾り付けをしながらシマコに尋ねました。
「う、うん……」シマコはうつむきながら、生返事を返します。
エナは心の中でため息をつきました。
落ち着いた振る舞いで仕事をこなすシマコが、イツキ先生の事になるとエナ以上におちょこちょい。しかも引っ込み思案です。
「イツキ先生が帰る時、きっと言って下さいね?」念を押すように言うエナに、シマコはう〜と唸るだけでした。
〈後編〉に続く続きを読む
今日は、12月23日。カフェ・ムーンのクリスマスパーティーです。
二人は、昼下がりからパーティーの準備に大忙し。ミツキさんはキッチンでパーティーのメインディッシュの下ごしらえにかかりっきりです。
「ん? 君たち、何やっているの?」
「え……ひゃっ!」
シマコは振り向こうとしてバランスを崩しました。重力に引っ張られる、あの嫌な感覚が体を包みます。
(落ちる!)
思った瞬間にシマコは、誰かの腕に支えられていました。
「……大丈夫? ごめん、急に声をかけたりして」
申し訳なさそうに言ったその相手は、シマコの想い人のイツキ先生でした。
近くにあるイツキ先生の顔。
シマコは慌てて、ばっとイツキ先生から離れました。かぁっと頬が熱くなっていきます。
「すっ、すみません! ごめんなさいっ!」ぺこぺこおじぎをしながら、シマコは叫ぶように謝ります。恥ずかしくってイツキ先生の顔をまともに見れません。
「こちらこそ、急に声をかけてすまなかった」
ふわりと笑ってイツキ先生は、店内に入っていきました。
*** *** ***
「……シマコさん、チャンスだったのに。何で言わないんですか? 今日のこと」エナは飾り付けをしながらシマコに尋ねました。
「う、うん……」シマコはうつむきながら、生返事を返します。
エナは心の中でため息をつきました。
落ち着いた振る舞いで仕事をこなすシマコが、イツキ先生の事になるとエナ以上におちょこちょい。しかも引っ込み思案です。
「イツキ先生が帰る時、きっと言って下さいね?」念を押すように言うエナに、シマコはう〜と唸るだけでした。
〈後編〉に続く続きを読む
2006年01月04日
明けちゃいました。
明けましておめでとうございます。おかかです。
そしてご無沙汰しています。
去年はこのブログを作ってしまいました。あれからもうすぐ一年。飽きもせず懲りもせず、よく続いてきたなぁと思います。おかげで、ネット依存じゃないだろうかと心配になりましたが(汗)。
2006年の抱負なんですが……、今年こそはどっかの文学賞に応募してみたいなぁと思います。フェリシモ文学賞、今年こそは……。
そんなこんなで今までやって来れたのも、ひとえにここにきて下さった皆さまのおかげです。本当にありがとうございました。
本年もよろしくお願いします。
そしてご無沙汰しています。
去年はこのブログを作ってしまいました。あれからもうすぐ一年。飽きもせず懲りもせず、よく続いてきたなぁと思います。おかげで、ネット依存じゃないだろうかと心配になりましたが(汗)。
2006年の抱負なんですが……、今年こそはどっかの文学賞に応募してみたいなぁと思います。フェリシモ文学賞、今年こそは……。
そんなこんなで今までやって来れたのも、ひとえにここにきて下さった皆さまのおかげです。本当にありがとうございました。
本年もよろしくお願いします。
2005年12月29日
もう逃げも隠れもしません……またつくってしまいました。
2005年12月20日
雪の使者
木枯しが雪を舞いあげていた。
フィスは部屋の中から外の風景を見ている。
こんな寒い日は、あたたかい家の中にいるに限る。しかし、いつ村人がフィスを頼って尋ねてくるか分からないので、気は抜けない。特にこんな寒くなると、風邪を引いてしまう人もいる。
フィスは、ほかほかのハーブティをすすって体力を温存していた。
ちらほら舞っていた雪は、みるみるうちに激しくなり吹雪に変わっていった。
(……すごい雪。覆いをしておいたけど、大丈夫かな)フィスは心配そうな面持ちで、庭先を見つめる。ハーブの上に作られた布の覆いは雪でたわみはじめていた。
「やっぱり、補強しよう」
フィスはそう呟いて、立ち上がった。傍らに置いてあった毛糸のストールを肩に羽織る。ごわごわした感触がとても頼もしく感じられた。
続きを読む
フィスは部屋の中から外の風景を見ている。
こんな寒い日は、あたたかい家の中にいるに限る。しかし、いつ村人がフィスを頼って尋ねてくるか分からないので、気は抜けない。特にこんな寒くなると、風邪を引いてしまう人もいる。
フィスは、ほかほかのハーブティをすすって体力を温存していた。
ちらほら舞っていた雪は、みるみるうちに激しくなり吹雪に変わっていった。
(……すごい雪。覆いをしておいたけど、大丈夫かな)フィスは心配そうな面持ちで、庭先を見つめる。ハーブの上に作られた布の覆いは雪でたわみはじめていた。
「やっぱり、補強しよう」
フィスはそう呟いて、立ち上がった。傍らに置いてあった毛糸のストールを肩に羽織る。ごわごわした感触がとても頼もしく感じられた。
続きを読む
2005年12月13日
2005年12月09日
【800字】ラスト・サンセット
(ここから見る夕日もこれで最後か……)
カリカは心の中で呟いた。差し込んでくる朱色の光に目を細める。
カリカは暇があればいつでも、ビルの非常階段にいっていた。ここから見る空の風景が好きだったからだ。
* * *
思えば三年前。中央惑星のエリート社員として就職したのも束の間、辺境に位置するこの惑星に異動になった。しかも支社の一般事務としてである。
一体自分の何が気に入らなかったのだろう。女だから? それとも、若さだろうか? どちらにしろ、自分の未来が断たれたのは間違いない。憂鬱な気持ちのまま宇宙船に乗って、異動先の辺境惑星にやって来た。
あれは、異動してから1週間ほど経った日だったろうか。帰り道の途中で、手帳を事務所に置き忘れたのに気がついた。カリカは舌打ちをして、早足で事務所の方へ戻った。
正面玄関はもうすでに閉まっていた。息を切らしながら、非常階段を最上階まで昇っていくと……。
最初に目を射たのは、鮮烈な朱い光。
「……忘れ物かい?」
そこだけくり貫かれたかのようなシルエット。それが突然しゃべりかけた。
これが、ロゥとの出逢いだった。
* * *
かん・かん・かんと、誰かが昇ってくる足音がする。カリカが振り返ると、ちょうどロゥが階段を昇ってくるところだった。
「よう。……荷造りは済んだのか?」夕日に顔をしかめながら、ロゥは尋ねた。
「うん、何とか……」
カリカとロゥはそう言って、少し黙った。
しばしの静寂を朱い光が焼き付けていく。まるで、この瞬間を大きなフィルムに転写しようとしているかのように。
カリカのもとにメールが届いたのは、一週間前だった。カリカの仕事が上層部に認められたらしい。
そうカリカが告げるとロゥはちょっと寂しそうな顔で、それでも「よかったな」と言った。
「そういえば、カリカに渡すもんがあるんだ」
ロゥは宣言するように言って、持っていたリュックの中をがさごそと探した。
「あった、あった」
ロゥが出したものは、赤い包装紙に包まれた本のようなもの。
カリカは目を見開きながらそれを受け取った。
「開けていい……?」おずおずと尋ねるカリカに、ロゥはうなずいた。
丁寧に包装紙を取っていくと、中から手帳が現れた。しっとりとした手触りの表紙が心地よい。かなりいい生地を使っているようだ。
「これ、どうして……?」驚いて言うカリカ。ロゥは照れたように頭を掻きながら、
「何て言うか……、餞別だな。うん」と言った。
カリカはあたらしい手帳を撫でて、ぎゅっと胸に抱きしめた。
「……ありがと、使わしてもらうね」
夕日が最後の光を瞬かせて、沈んでいった。
(初めて会った日/非常階段で/手帳が)続きを読む
カリカは心の中で呟いた。差し込んでくる朱色の光に目を細める。
カリカは暇があればいつでも、ビルの非常階段にいっていた。ここから見る空の風景が好きだったからだ。
* * *
思えば三年前。中央惑星のエリート社員として就職したのも束の間、辺境に位置するこの惑星に異動になった。しかも支社の一般事務としてである。
一体自分の何が気に入らなかったのだろう。女だから? それとも、若さだろうか? どちらにしろ、自分の未来が断たれたのは間違いない。憂鬱な気持ちのまま宇宙船に乗って、異動先の辺境惑星にやって来た。
あれは、異動してから1週間ほど経った日だったろうか。帰り道の途中で、手帳を事務所に置き忘れたのに気がついた。カリカは舌打ちをして、早足で事務所の方へ戻った。
正面玄関はもうすでに閉まっていた。息を切らしながら、非常階段を最上階まで昇っていくと……。
最初に目を射たのは、鮮烈な朱い光。
「……忘れ物かい?」
そこだけくり貫かれたかのようなシルエット。それが突然しゃべりかけた。
これが、ロゥとの出逢いだった。
* * *
かん・かん・かんと、誰かが昇ってくる足音がする。カリカが振り返ると、ちょうどロゥが階段を昇ってくるところだった。
「よう。……荷造りは済んだのか?」夕日に顔をしかめながら、ロゥは尋ねた。
「うん、何とか……」
カリカとロゥはそう言って、少し黙った。
しばしの静寂を朱い光が焼き付けていく。まるで、この瞬間を大きなフィルムに転写しようとしているかのように。
カリカのもとにメールが届いたのは、一週間前だった。カリカの仕事が上層部に認められたらしい。
そうカリカが告げるとロゥはちょっと寂しそうな顔で、それでも「よかったな」と言った。
「そういえば、カリカに渡すもんがあるんだ」
ロゥは宣言するように言って、持っていたリュックの中をがさごそと探した。
「あった、あった」
ロゥが出したものは、赤い包装紙に包まれた本のようなもの。
カリカは目を見開きながらそれを受け取った。
「開けていい……?」おずおずと尋ねるカリカに、ロゥはうなずいた。
丁寧に包装紙を取っていくと、中から手帳が現れた。しっとりとした手触りの表紙が心地よい。かなりいい生地を使っているようだ。
「これ、どうして……?」驚いて言うカリカ。ロゥは照れたように頭を掻きながら、
「何て言うか……、餞別だな。うん」と言った。
カリカはあたらしい手帳を撫でて、ぎゅっと胸に抱きしめた。
「……ありがと、使わしてもらうね」
夕日が最後の光を瞬かせて、沈んでいった。
(初めて会った日/非常階段で/手帳が)続きを読む
2005年12月01日
タイムカプセル
この手紙を読んでいる君は、もうわたしの手をすり抜けて自由に羽ばたいているのでしょうか。
わたしは少し、君のこれからについて考えてみました。
人々の関係は、常に動いています。人が出会って、別れる。そしてまた出会う。それのくり返し。それは宇宙の理ともいえる法則だとわたしは思っています。
しかしそれでも、その日が来ることを恐れるわたしをどうか許して下さい。君との間に残された日を指折り数える、弱いわたしをどうか許して下さい。
この手紙は、来るべきその日まで隠しておこうかと思います。ちょっとしたタイムカプセルのようなものです。ちょっとロマンティックでしょう?
最後に一つだけ。
もし、君が飛び立ちたいのに弱虫のわたしが引き止めるようなことがあれば、無理やりで構いません。飛び立っていって下さい。
君の望む未来に向かって。
わたしは少し、君のこれからについて考えてみました。
人々の関係は、常に動いています。人が出会って、別れる。そしてまた出会う。それのくり返し。それは宇宙の理ともいえる法則だとわたしは思っています。
しかしそれでも、その日が来ることを恐れるわたしをどうか許して下さい。君との間に残された日を指折り数える、弱いわたしをどうか許して下さい。
この手紙は、来るべきその日まで隠しておこうかと思います。ちょっとしたタイムカプセルのようなものです。ちょっとロマンティックでしょう?
最後に一つだけ。
もし、君が飛び立ちたいのに弱虫のわたしが引き止めるようなことがあれば、無理やりで構いません。飛び立っていって下さい。
君の望む未来に向かって。
ひゃあぁぁぁ(声、裏返っています。)!
どうもこんばんは、おかかです。
さて、のんびりのほほんと暮らしているるりなのですが……。
また一人、メロだちが増えました〜!
『あたらしいボクをよろしく』のもけもけさま・だんごさまのモフモフ、もなおうじくんです。
あたらしいボクをよろしくは、わたしが最近になって作った別ブログを通じて知ったブログです。
お二人で絵本をつくっていらっしゃいます。
それにしても、自分から申請するのって勇気がいりますよねぇ。
ちょっとどきどきしもって、ブログを確認すると承認OKのコメントを頂いておりました。
それどころか、もなおうじくんとるりのツーショットの絵まで描いて下さって……。もう、感謝感激雨あられです(古い?)。
もけもけさま、だんごさま。
この度は本当に、ありがとうございました。
これからも、お互いに親ばか道を突っ走りましょう(笑)。
***追記***
もけもけさまとだんごさまに絵を頂いてきました〜。

じゃん! 何だかるりがすごく色っぽい! 淡い色合いで心が和みます。

アジサイと戯れるもなおうじくんを見つめるるりの目がすごく優しい。いつの間にかおねぇさんになったのねぇ。しみじみ。
そしてそして……

ばばーん!
かわいい……。ぽ……。
マフラーをみんな巻いていますね。降ってきた雪を見つめるメロたち……。
* * * * * * * * *
そういえば、もなおうじくんの温泉に入った時。
もなおうじくんのもう一人のお友達はまだ生まれたばかり。しかもるりと一緒の青メロなんです(黄色くなっちゃいましたがもともとは青メロです)。
懐かしいなぁ、るりにもあんな頃があったなぁみたいに思っていたら、るりが一言。
「ゆーざー…」
……一体るりは何を言いたかったのだろう……。謎です……。
我が子ながら、奥が深いです。
さて、のんびりのほほんと暮らしているるりなのですが……。
また一人、メロだちが増えました〜!
『あたらしいボクをよろしく』のもけもけさま・だんごさまのモフモフ、もなおうじくんです。
あたらしいボクをよろしくは、わたしが最近になって作った別ブログを通じて知ったブログです。
お二人で絵本をつくっていらっしゃいます。
それにしても、自分から申請するのって勇気がいりますよねぇ。
ちょっとどきどきしもって、ブログを確認すると承認OKのコメントを頂いておりました。
それどころか、もなおうじくんとるりのツーショットの絵まで描いて下さって……。もう、感謝感激雨あられです(古い?)。
もけもけさま、だんごさま。
この度は本当に、ありがとうございました。
これからも、お互いに親ばか道を突っ走りましょう(笑)。
***追記***
もけもけさまとだんごさまに絵を頂いてきました〜。

じゃん! 何だかるりがすごく色っぽい! 淡い色合いで心が和みます。

アジサイと戯れるもなおうじくんを見つめるるりの目がすごく優しい。いつの間にかおねぇさんになったのねぇ。しみじみ。
そしてそして……

ばばーん!
かわいい……。ぽ……。
マフラーをみんな巻いていますね。降ってきた雪を見つめるメロたち……。
* * * * * * * * *
そういえば、もなおうじくんの温泉に入った時。
もなおうじくんのもう一人のお友達はまだ生まれたばかり。しかもるりと一緒の青メロなんです(黄色くなっちゃいましたがもともとは青メロです)。
懐かしいなぁ、るりにもあんな頃があったなぁみたいに思っていたら、るりが一言。
「ゆーざー…」
……一体るりは何を言いたかったのだろう……。謎です……。
我が子ながら、奥が深いです。
2005年11月30日
2005年11月27日
さいごの夜
あたしたちは、どんな時も一緒だった。
そりゃあ、あたしはこのガラスケースから出られないし、彼女もそういつもいつも応接間にいるわけにはいかなかったが。
しかし、彼女は度々応接間に来ては、あたしに今日あった出来事などを話してくれた。
*** *** ***
応接間にはこちこちと時計の針の音がやけに大きく響いていた。
「ねぇ、ヴィヴィ。こことはもう、今日でお別れよね。新しい家は、どんな風かしら」
今ではもう一人前のレディとなったヴィヴィアンが言う。しかし、夢見るような口調はいつまでも幼いころのままだ。
-----そうねぇ。楽しみねぇ。
わたしはそう言った。
ヴィヴィアンは明日、結婚する。
相手は、ここら辺でも有名なリース家のアランという青年だ。
学校卒業と同時に持ち上がった見合い話に、ヴィヴィアンは少し戸惑ったけれど、割とすんなりと承諾をした。
「アランさんの家がどんなところでも、きっとここよりもマシだわ……」暗い笑みを浮かべてヴィヴィアンは呟く。
……結局、ヴィヴィアンと母親の関係はどこかギクシャクしたままだった。
彼女ももう、子どもじゃない。
自分にまつわるスキャンダルな噂を耳にすることもあったようだ。
「新しい家に来たら、わたしの部屋にいらっしゃいな。ちゃんとそのケースから出してあげるわ」にっこりと笑ってヴィヴィアンは言った。
-----ありがとう。
あたしは、心を込めてお礼を言った。
窓からうすい月の光が差し込んでいる。時計の音がやがて来る明日へと、着実に音を刻んでいた。
続きを読む
そりゃあ、あたしはこのガラスケースから出られないし、彼女もそういつもいつも応接間にいるわけにはいかなかったが。
しかし、彼女は度々応接間に来ては、あたしに今日あった出来事などを話してくれた。
*** *** ***
応接間にはこちこちと時計の針の音がやけに大きく響いていた。
「ねぇ、ヴィヴィ。こことはもう、今日でお別れよね。新しい家は、どんな風かしら」
今ではもう一人前のレディとなったヴィヴィアンが言う。しかし、夢見るような口調はいつまでも幼いころのままだ。
-----そうねぇ。楽しみねぇ。
わたしはそう言った。
ヴィヴィアンは明日、結婚する。
相手は、ここら辺でも有名なリース家のアランという青年だ。
学校卒業と同時に持ち上がった見合い話に、ヴィヴィアンは少し戸惑ったけれど、割とすんなりと承諾をした。
「アランさんの家がどんなところでも、きっとここよりもマシだわ……」暗い笑みを浮かべてヴィヴィアンは呟く。
……結局、ヴィヴィアンと母親の関係はどこかギクシャクしたままだった。
彼女ももう、子どもじゃない。
自分にまつわるスキャンダルな噂を耳にすることもあったようだ。
「新しい家に来たら、わたしの部屋にいらっしゃいな。ちゃんとそのケースから出してあげるわ」にっこりと笑ってヴィヴィアンは言った。
-----ありがとう。
あたしは、心を込めてお礼を言った。
窓からうすい月の光が差し込んでいる。時計の音がやがて来る明日へと、着実に音を刻んでいた。
続きを読む
2005年11月23日
2005年11月19日
夢のブログツール。
今、ブログツールがとてもたくさん出ている。
実用性の高いものから、可愛いキャラクターものまで種類もさまざまだ。
ちょっと前までは、数えるほどしか種類がなかったのに、その数の増え方はちょっと驚く。さすが、ネットの世界だなぁというところだろう。
世の中にはいっぱいブログツールがあふれているが、わたしには是非こんなのがあったらなぁというものがある。
それは……。続きを読む
実用性の高いものから、可愛いキャラクターものまで種類もさまざまだ。
ちょっと前までは、数えるほどしか種類がなかったのに、その数の増え方はちょっと驚く。さすが、ネットの世界だなぁというところだろう。
世の中にはいっぱいブログツールがあふれているが、わたしには是非こんなのがあったらなぁというものがある。
それは……。続きを読む
いつの間にか レベルアップ。
どうも、おかかです。この頃、更新をサボってて油断してたら、トップページからエントリーが消えてて驚愕しました。
さてさて、ココア日誌です。
知らない間に、レベルアップ。
ただいまのココアはこんな感じです。
おねだり1級
かしこさ:やや秀才
なかよし:しんゆう
ゲットした物の数は、25個。結構増えてきました。
ココアにいろんなところにおねだりに行かせるんですが、時たまどこに行くのか忘れてしまったり、おねだりを忘れてしまったりします。帰り道を忘れてしまったりも。
長い時間の時だと、わたしの方もどこにおねだりに行かせたのかを忘れてしまったり(オイ)。
でもさすがに、五分とかに設定して「ごめんなちゃーい、どこにいくのか忘れちゃったのー」といわれると、「こ、こらっ!」って思わず突っ込んでしまいます。
可愛いヤツです〜。
さてさて、ココア日誌です。
知らない間に、レベルアップ。
ただいまのココアはこんな感じです。
おねだり1級
かしこさ:やや秀才
なかよし:しんゆう
ゲットした物の数は、25個。結構増えてきました。
ココアにいろんなところにおねだりに行かせるんですが、時たまどこに行くのか忘れてしまったり、おねだりを忘れてしまったりします。帰り道を忘れてしまったりも。
長い時間の時だと、わたしの方もどこにおねだりに行かせたのかを忘れてしまったり(オイ)。
でもさすがに、五分とかに設定して「ごめんなちゃーい、どこにいくのか忘れちゃったのー」といわれると、「こ、こらっ!」って思わず突っ込んでしまいます。
可愛いヤツです〜。
2005年11月17日
賢治とみゆきとあかりとジョバンニと銀河鉄道
15日、わたしと母は一つのCDを手に入れた。
転生
中島みゆきさんのニューアルバムだ。これは、夜会の最新作である『24時着 0時発』で使われた楽曲ばかりで構成されたアルバムである。
どの曲も良い意味で、新たに生まれ変わっている。
というのは……前のアルバム『恋文』の時に三曲ほど『24時着 0時発』からの曲が入ってて、それがDVDの方とあんまりアレンジが変わっていなかったので、てっきり他の曲も同じアレンジなのかなーと思ってしまったのである。
今から思えば、本当に恥ずかしい話である。
夜会『24時着 0時発』は、宮澤賢治の童話『銀河鉄道の夜』をみゆき流に解釈し、新たに生まれ変わらせた物語である。
いつ人はどんな運命に巻き込まれるのか、それを知る人はおそらくいない。いつも人は、そんなはずじゃなかった、と嘆くのだ。
そして、永遠を誓った相手ともいつ別れるとも……。それでもわたしたちは、生きていくのだ。
それを『24時着 0時発』は教えてくれる。
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転生中島みゆきさんのニューアルバムだ。これは、夜会の最新作である『24時着 0時発』で使われた楽曲ばかりで構成されたアルバムである。
どの曲も良い意味で、新たに生まれ変わっている。
というのは……前のアルバム『恋文』の時に三曲ほど『24時着 0時発』からの曲が入ってて、それがDVDの方とあんまりアレンジが変わっていなかったので、てっきり他の曲も同じアレンジなのかなーと思ってしまったのである。
今から思えば、本当に恥ずかしい話である。
夜会『24時着 0時発』は、宮澤賢治の童話『銀河鉄道の夜』をみゆき流に解釈し、新たに生まれ変わらせた物語である。
いつ人はどんな運命に巻き込まれるのか、それを知る人はおそらくいない。いつも人は、そんなはずじゃなかった、と嘆くのだ。
そして、永遠を誓った相手ともいつ別れるとも……。それでもわたしたちは、生きていくのだ。
それを『24時着 0時発』は教えてくれる。
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